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中国の核戦力について

2006-06-24 09:44:35 | 時事問題
6月10日付エコノミスト誌記事から。中国の核戦力について。タイトルは「サイロから」。サブタイトルは「ペンタゴンは増強についてやきもきしているが、増強はそれほど急速なものではない」。備忘のためにメモ。

5月に公刊された中国軍事力に関するペンタゴンの年次報告によれば、中国の核兵器はものすごいグレードアップをするところである。アメリカの核攻撃に対する抑止として、中国は長期間、主として一握りの大陸間弾道弾に依存してきた。それは燃料注入に時間ががかりひどく脆弱である。今や中国は、発見されにくくはるかに素早く発射できる新しいタイプのミサイルに移行しつつある。しかしこれはアメリカが憂慮するべき理由であろうか?

中国は保有している核兵器の数を公表していない。ペンタンゴンによれば、アメリカ本土に達するのは20機。サイロに納められたDF-5S(css-4s)。液体燃料を使用。安全のために別に保管されている。弾頭も別に保存されていると考えられている。ゆえに発射準備に2時間かかる。アジアとロシアの標的に達する20から50機のDF-4S(css-3s)、50機のDS-21S(css-5s)がある。核弾頭の総数は数百。

中国の弾道ミサイルは先制攻撃に対して脆弱である。しかし変化しつつある。本年DF-31S(css-9s)の配備が始まるかもしれない。これはトラックあるいは鉄道に搭載しうる。固形燃料を使用。準備時間も大幅に減る。射程が長いDF-31Aも数年後に配備。潜水艦搭載のJL-2も、2007年から2010年に配備予定。これらはすべてアメリカに達しうる。

中国は核兵器の先制不使用の原則を変えないと述べている。ただし中国核兵器廠への通常兵器攻撃を許しうるこの政策の変更を求める議論が中国で行われているとペンタゴンは主張する。

James Mulvenon(the center for Intelligence Research and Analysis)によれば、生き残れる核兵器を中国が配備をするのは、アメリカの台湾紛争介入を抑制するためである。しかし中国は大量の大陸間弾道弾の配備を計画はしていない。中国は最小限の抑止を信じているようだ。

中国のDF-31S配備には数年かかると見られている。また中国は核兵器が搭載できる潜水艦を一台しか持っていない。さらにそれが弾道ミサイルを搭載できるかどうかにも疑問がある。

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