「医療再建 医師の偏在どう解決するか」
このタイトルから推測できるように、番組では医師のあり方ばかりが問題にされ、患者側の問題、医療費負担の問題はほとんど扱われなかった。話の筋が分かりやすくてよいが、われわれ下々のものは「医師が悪い。何とかしろゴルア。特権を放棄しろ」という溜飲を下げるだけの調子になりやすいと感じた。
番組では問題をさらに分析して、1)医師の地域的偏在、2)診療科における医師の偏在、3)夜と昼とでの医師の偏在の三つに分けていた。
まず初めにこのような偏在のきっかけとなったのは、新しい臨床研修制度である。この制度の本来の目的は、プライマリケアのために、患者全体を診療できる医師を育てることであった。そのため研修医は様々な診療科で研修を積むことになった。しかも研修を受ける病院を自分で選べる。そのために、様々な診療科の実情が分かってしまった。(それ以前は、大学の医局が、研修医をそれぞれ必要な地域と診療科に送り込んでいた)
番組でも紹介されていた女性小児科病院勤務医は、ほとんど自己を犠牲にして勤務をしていた。しかし医師としてキャリアを歩む研修医は考える。拘束時間が長くて報酬が低いとは?どういうものであるか?
番組では次のようなデータが示されていた。
勤務医VS開業医
年収(万円) 1415VS2478
拘束時間(週) 63.3VS48.6
その後日本の医師に認められている自由開業・自由標榜に話題が移る。日本の医師は、自由に開業でき、診療科も自分で自由に名乗ることができるということである。
これに対してドイツの実情が紹介される。ドイツでは、医師は公共的存在と位置づけられている。開業にあたっては、専門の資格が必要であり、開業する地域は地域ごとの定員を著しく超えることはできず、かつ開業医に対して夜間診療が義務付けられている。
このように議論の筋が医師の職業上の自由の制限に移り、医師会の代表が医師の自律性の重要性を説き、厚生官僚が、日本では計画は難しく、インセンティブを組み合わせた政策を案出するべきであると説いていたのが印象的であった。
このタイトルから推測できるように、番組では医師のあり方ばかりが問題にされ、患者側の問題、医療費負担の問題はほとんど扱われなかった。話の筋が分かりやすくてよいが、われわれ下々のものは「医師が悪い。何とかしろゴルア。特権を放棄しろ」という溜飲を下げるだけの調子になりやすいと感じた。
番組では問題をさらに分析して、1)医師の地域的偏在、2)診療科における医師の偏在、3)夜と昼とでの医師の偏在の三つに分けていた。
まず初めにこのような偏在のきっかけとなったのは、新しい臨床研修制度である。この制度の本来の目的は、プライマリケアのために、患者全体を診療できる医師を育てることであった。そのため研修医は様々な診療科で研修を積むことになった。しかも研修を受ける病院を自分で選べる。そのために、様々な診療科の実情が分かってしまった。(それ以前は、大学の医局が、研修医をそれぞれ必要な地域と診療科に送り込んでいた)
番組でも紹介されていた女性小児科病院勤務医は、ほとんど自己を犠牲にして勤務をしていた。しかし医師としてキャリアを歩む研修医は考える。拘束時間が長くて報酬が低いとは?どういうものであるか?
番組では次のようなデータが示されていた。
勤務医VS開業医
年収(万円) 1415VS2478
拘束時間(週) 63.3VS48.6
その後日本の医師に認められている自由開業・自由標榜に話題が移る。日本の医師は、自由に開業でき、診療科も自分で自由に名乗ることができるということである。
これに対してドイツの実情が紹介される。ドイツでは、医師は公共的存在と位置づけられている。開業にあたっては、専門の資格が必要であり、開業する地域は地域ごとの定員を著しく超えることはできず、かつ開業医に対して夜間診療が義務付けられている。
このように議論の筋が医師の職業上の自由の制限に移り、医師会の代表が医師の自律性の重要性を説き、厚生官僚が、日本では計画は難しく、インセンティブを組み合わせた政策を案出するべきであると説いていたのが印象的であった。
との話ですが、
医療費対GDP比率10.6%のドイツと8.2%の日本では単純比較は困難であるように思えます。