かしのきホテル/作・久保喬 絵・駒宮緑郎/フレーベル館/1976年初版
森の中にどっしりとかまえるカシの木。
多くの鳥や虫たちが泊まって?います。
たまむしのおじょうさんのそばに、ミノムシがくると、きたないみなりのひとがきたと、せみはほかのところへ引っ越ししていきます。
さわぎをきいたむくどりやめじろも引っ越し。
ふくろうのめがねやさんも、くも、あなばち、かえる、かぶとむし、こおろぎなども「ここはよくないらしい」と引っ越ししてしまいます。
ところが、台風がやってきて、みんなが引っ越しした「かばのきホテル」「もみじホテル」は、木の枝がおれたりしてすめなくなります。
みんなは、台風にも耐えた、かしの木ホテルにもどっていきます。
よくないらしいという風評や、みてくれに魅かれて引っ越ししていく虫たちを通じて、何が大事なのか感じさせてくれます。
「このホテルはどんなおきゃくもくべつをしないでとめますよ」というかしの木の姿勢と、見捨てて行ったものたちも暖かくむかえるふところの深い、かしの木です。