どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ノコギリザメのなみだ

2023年09月03日 | 絵本(日本)

    ノコギリザメのなみだ/長新太/フレーベル館/1999年

 

 ノコギリザメのオジイサンが 「ノコギリがぼろぼろ なのよ」といって、なみだを ながした。そこへ、海のオバケがやってきて、「わしが なおしてやるよ」といいながら、どこかへ いってしまいました。しばらくすると、オバケがもどってきて、ノコギリをポイっととってしまうと、かわりにつけたのがタコ。オジイサンは、「こんなの、だめだめ」と ないた。

 オバケは、イソギンチャク、ウニ、サンゴ、ズボン、ながくつ、クラゲと、ノコギリザメの気持ちなど おかまいなしに、つけていきます。そのたびに、なみだが しずかに ながれていきます。

 やがて、ながされた涙が、みずのかたまりになって、はこんできたのはノコギリザメのノコギリ。

 「これで、いいんだ。ハハハ」とわらうオジイサン。オバケも、「やっぱり このままの   ノコギリで、いいんだね。とったりして ごめんね」

 

 ノコギリがボロボロになったのは、老いのせい?

 おせっかいなオバケは、親切心からいろいろなものを くっつけますが、オジイサンの 気持ちがはれることはありませんでした。しかし、ながした涙も無駄ではありませんでした。


この記事についてブログを書く
« イヌワシつかいのエルジャン | トップ | 死神をだましたお百姓・・ポ... »
最新の画像もっと見る

絵本(日本)」カテゴリの最新記事