どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

五ひきの名とり・・宮城

2023年08月18日 | 昔話(北海道・東北)

        宮城のむかし話/「宮城のむかし話」刊行委員会編/日本標準/1978年

 

 五ひきのキツネのせいぞろい。

 橋本のおさんギツネは、夜になると台所の流しに走り出てきて、コツコツ洗い物の真似をしながら 食べ物をさがしにきます。洗い物の音が聞こえると、「あっ、また、おさんがが来た」と、いってたもんだと。

 姉さんぶんのお玉ギツネは、たくさんの子持ちキツネ。雨っこが降って、カエルがケロケロと鳴くころになると、あっちにもぽかぽか、こっちにもぱかぱかとあかりがついて、それはそれはきれいなキツネ行列だったと。みんなは、「あっ、またお玉ギツネの娘っこがよめっこさいくどこだ」といって見ていたんだと。

 男ギツネのえび三郎は、お姫様に化けるのがとくいだったんだと。

 新山のにざえもんギツネは、旅の人が、近くまで来ると、大水の幻影をみせて、よろこんでいたと。

 村いちばんの元気者のさかなやさんが、「おれはぜったいにキツネにだまされるもんか」と山王山にでかけ、山の坂のところで、石さつまづいてよろよろとなったと思ったら、片方の目玉がぺろっとでてきたんだと。あれやとおもってかたほうの手でおさえたら、こんどはもうかたほうの目玉がぺろっとでてきたんだと。しかたないから、両方の手で目をおさえていたら、その間にさかなはみんなさらわれて、きがついてみたときには、さかな入れはすっかりからっぽになってだったと。これは、山王山の山三郎ギツネのしわざだったと。


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