日本の民話10 残酷の悲劇/瀬川拓男・松谷みよ子・編著/角川書店/1973年初版
ありそうで少ないのが悲劇の話。
子どもを対象とすると、すくいのない話はしにくいのかも。
しかし、さがせば悲劇的な話もあるようです。
「機の音」は、村一番の器量よしの”おのう”という娘と結婚した男の話。
しかしこの男、婚礼の前に草刈にいったとき、いつのまにか眠気におそわれます。目を無理に開いてみるとそこには大蛇。
婚礼をひかえていた男は、こんなところで殺されてたまるかと、なんとか大蛇を退治します。
しかしそれから奇妙なことがおこります。結婚し、眠っていた”おのう”の顔が大蛇の顔になっていたのです。
男は”おのう”に家をでるようにいいます。
なぜかわからず家をでた”おのう”はどこまでもどこまでもさまよいます。
山の中腹の池で、水を飲もうとすると、池の面に映っていたのは大蛇の姿。
”おのう”は、はじめて家をだされたわけを知り、池に身をなげてしまう。
山というのは駒が岳。長野の伝説とあります。
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