どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

機の音・・長野

2016年06月12日 | 昔話(北信越)

     日本の民話10 残酷の悲劇/瀬川拓男・松谷みよ子・編著/角川書店/1973年初版


 ありそうで少ないのが悲劇の話。
 子どもを対象とすると、すくいのない話はしにくいのかも。

 しかし、さがせば悲劇的な話もあるようです。

 「機の音」は、村一番の器量よしの”おのう”という娘と結婚した男の話。

 しかしこの男、婚礼の前に草刈にいったとき、いつのまにか眠気におそわれます。目を無理に開いてみるとそこには大蛇。
 婚礼をひかえていた男は、こんなところで殺されてたまるかと、なんとか大蛇を退治します。

 しかしそれから奇妙なことがおこります。結婚し、眠っていた”おのう”の顔が大蛇の顔になっていたのです。

 男は”おのう”に家をでるようにいいます。

 なぜかわからず家をでた”おのう”はどこまでもどこまでもさまよいます。
 山の中腹の池で、水を飲もうとすると、池の面に映っていたのは大蛇の姿。

 ”おのう”は、はじめて家をだされたわけを知り、池に身をなげてしまう。

 山というのは駒が岳。長野の伝説とあります。


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