インギビョルグ・ シーグルザルドッティル・作 ブラインア・ピルキントン・絵 はじあきこ・訳/さ・え・ら書房/2006年初版
絵本でどこの国かはあまり意識しないのですが、アイスランドが舞台です。
田舎で一人暮らしをしていたグンニョーナおばあちゃん。
一頭いる牛のミルクを飲み、ヨーグルトチーズもてづくり。
六羽のめんどりの卵、二頭の羊の毛で編み物、畑の野菜とまったくの自給自足。
ところが病気になって、もしなにかあっても、ひとりでは電話もかけられないし、どうするとお医者さんにいわれ都会のマンションへ引っ越することにしました。
はじめは、あまりうれしそうでなかったグンニョーナおばあちゃんでしたが、ベランダから山と空、海をみて、田舎にもどったような気分に。
それからは次から次へと暮らしをかえていきます。
広いベランダに木枠をつくり、野菜や花の種を植え、メンドリを子ども部屋でかい、おまけにマンションの屋上に畑まで作ってしまいます。
物語は、隣の部屋に住む少年「ぼく」が語る形式をとっているのですが、メンドリのふんが、肥料になり、捨てようと思ったハコベが食べられることをおしえてもらったりと、すてきな先生でもあるグンニョーナおばあちゃんです。
表紙のグンニョーナおばあちゃんの顔にはすてきな年輪がきざまれていますが、どんな道をあるいてきたのでしょうか。
まるごと暮らしを楽しむグンニョーナおばあちゃんに拍手です。
絵だけですが、屋根の上にはいつの間にか羊が草をかんでいて、次のグンニョーナおばあちゃんの目論見は牛をかうことだそうですよ。