3年 鈴木沙喜
近年、地球環境の変化により多くの生物が絶滅の危機にさらされている。アジアゾウやライオン、オオワシなどの「人気者」が年々少しずつ姿を消しつつある。これらの生物を守りたい、自分たちにできることはないかと考える人はたくさんいるだろう。
では、ゴキブリやミミズはどうだろうか。できることなら目にしたくないと思う人が多いだろう。自然界にそういう「嫌われ者」もたくさんいる。私の研究対象のひとつである死体分解昆虫もその「嫌われ者」のひとりだろう。
シデムシは動物の死体に集まり、それを餌とする甲虫である。私はこの春に宮城県の金華山での調査でシカの死体を見つけた。持ち上げて見ると数えきれないほどのシデムシがいて、異臭が漂い、死体の一部は白骨化していた。実に不快で、多くの人が目を覆い、その場から立ち去りたくなる光景だった。そのことは反射的な反応といってよい。でも私はそのことを頭で考えてみた。自然界におけるシデムシが担う分解という機能は、自然界でとても重要なはずだ。もし、シデムシら死体分解昆虫がいなければどうだろう。哺乳類や鳥類の中に死体を食べるものもいるが、なんといっても昆虫や微生物の働きが大きい。もし彼らがいなければ、森の中には死体が至るところに転がっていることだろう。
クロボシシデムシ 2012.7.4 金華山(撮影、高槻成紀)
これまでの自分はシデムシの大まかな特性は知ってはいた。そして何となく容姿が可愛い、かっこいい、行動がおもしろそうだから、調べてみたらおもしろそうだと思っていた。でも、それらが自然環境に及ぼす影響などは考えたことすらなかった。だが、卒業研究で、シデムシをそのような役割を果たす存在として考えたとき、そういう単純な興味ではなく、生態学上の価値ある調査対象であることがわかった。調査は気持ち悪いこともあるが、そのことを乗り越えたいと思う。
思えば私たち人間の生活も動植物がいることに支えられているのであって、自然界には不必要な生物など何一つ存在しないと思う。すべての生き物に尊敬の意を持ち、これからの研究を有意義なものにしていきたい。
近年、地球環境の変化により多くの生物が絶滅の危機にさらされている。アジアゾウやライオン、オオワシなどの「人気者」が年々少しずつ姿を消しつつある。これらの生物を守りたい、自分たちにできることはないかと考える人はたくさんいるだろう。
では、ゴキブリやミミズはどうだろうか。できることなら目にしたくないと思う人が多いだろう。自然界にそういう「嫌われ者」もたくさんいる。私の研究対象のひとつである死体分解昆虫もその「嫌われ者」のひとりだろう。
シデムシは動物の死体に集まり、それを餌とする甲虫である。私はこの春に宮城県の金華山での調査でシカの死体を見つけた。持ち上げて見ると数えきれないほどのシデムシがいて、異臭が漂い、死体の一部は白骨化していた。実に不快で、多くの人が目を覆い、その場から立ち去りたくなる光景だった。そのことは反射的な反応といってよい。でも私はそのことを頭で考えてみた。自然界におけるシデムシが担う分解という機能は、自然界でとても重要なはずだ。もし、シデムシら死体分解昆虫がいなければどうだろう。哺乳類や鳥類の中に死体を食べるものもいるが、なんといっても昆虫や微生物の働きが大きい。もし彼らがいなければ、森の中には死体が至るところに転がっていることだろう。
クロボシシデムシ 2012.7.4 金華山(撮影、高槻成紀)
これまでの自分はシデムシの大まかな特性は知ってはいた。そして何となく容姿が可愛い、かっこいい、行動がおもしろそうだから、調べてみたらおもしろそうだと思っていた。でも、それらが自然環境に及ぼす影響などは考えたことすらなかった。だが、卒業研究で、シデムシをそのような役割を果たす存在として考えたとき、そういう単純な興味ではなく、生態学上の価値ある調査対象であることがわかった。調査は気持ち悪いこともあるが、そのことを乗り越えたいと思う。
思えば私たち人間の生活も動植物がいることに支えられているのであって、自然界には不必要な生物など何一つ存在しないと思う。すべての生き物に尊敬の意を持ち、これからの研究を有意義なものにしていきたい。
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