ラカン

2007年03月27日 | その他


  「ラカン」 フィリップ・ヒル 著
           (ちくま学芸文庫)

 

心理学関係の本を手に取るのは10年振り近くか。心理学なんてとっくに見限ったが。
今若者の間でラカンが静かに読まれているとのことなので、ちとひやかしに読んでみた。
……古いね。フロイトやユングを読んだときもそう感じたが。

道路に横たわっているところをみられるのでは、という恐怖から引きこもってた女性。彼女は過去の素行から堕落した(Fallen)女と思われることに恐怖心を持っており、それが倒れた(Fallen)女としてのイメージを通して症状となって現れていた……。

……。当時はともかく、現代人に通用する精神分析とは思えない。言葉遊びとしては面白いけど。


元ユング信奉者から見て、P41のユングの思想への理解もお粗末。
ユングのいう集合無意識や元型というのは、イデアの概念に似てはいるが、もっと原初的な人間の心の基本構造。犬や猫といった言語(というか単語)に依存しているわけではない。
例えば、各地の神話や伝承に繰り返し現れるモチーフ、ああいったものを人間に共通した心の傾向と考えているわけ。
ラカンはイメージというのは言語活動に依存するものと考えていたようだが、それはあくまでラカン派での前提。
この筆者はその前提をユングやプラトンにまで持ち込んでごっちゃになってしまったらしい。


ただひとつ、俺の琴線に触れたのは、「人は言語活動によってのみ他者とつながり、同時に言語活動によって永遠に分断されている」という考え。
この辺りが現代の日本の若者に支持される要因なのかもしれない。
って、俺も現代の日本の若者だけど。
つか、まだ1/3くらいしか読んでないけど。


最後にもうひとつ突っ込み。
P13、ハーケンクロイツのつもりらしいが、これ万字(卍)。
ハーケンクロイツはルーン文字のSをふたつ重ねた図。


竜王丸

2007年03月26日 | サボテン

ふにょお気に入りのサボテン。
和の風情を感じさせる濃緑の艶肌、菊を思わせる黄色の花など、見所の多いヤツ。
写真のはまだ休眠から覚めきってないので、萎び気味。
稜が白っぽいのは、ガンガン強光に当てて育てる方針のため。

別に珍しい種類でもないし、ベテラン栽培家は見向きもしないんだろうけど。

 

【データ】
 サボテン科 ハマトカクタス属

最大で直径10㎝強?
花は黄色で直径5㎝ほど、粉っぽい香りあり。
新しい刺座にひとつ花芽をつけるタイプで、初夏から秋まで断続的に開花。

日差し、高温を好み、遮光の必要なし。
(遮光したほうが球体は美しくなるが、刺、花は貧弱になる)
冬は完全休眠。
サボテンでは珍しく非常に根張りがよく、用土全体にびっしりと細根が張る。
成長は早い。

たまに自家結実する。
実生は比較的容易。