医科歯科通信  (医療から政治・生活・文化まで発信)



40年余の取材歴を踏まえ情報を発信

「医薬品・医療機器等安全性情報」No.320

2015-01-30 14:00:14 | 医療と介護
┏━━━━━━━━━━━【PMDAメディナビ】━━━━━━━━━━━┓

「医薬品・医療機器等安全性情報」発出のお知らせ (2015/01/29配信)
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本日、「医薬品・医療機器等安全性情報」が発出されましたので
お知らせいたします。

2015年1月29日「医薬品・医療機器等安全性情報」No.320
http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/file/PMDSI320.pdf
登録時に「医薬品・医療機器等安全性情報」について
添付ファイルの配信を希望された方には, ファイルが添付されて配信されます。

(No.320の内容)
1.カバジタキセル アセトン付加物による重篤な発熱性好中球減少症について
カバジタキセル アセトン付加物投与後に,死亡例5例を含む28例の
重篤な発熱性好中球減少症症例が報告されたことをうけ,更なる適正使用の
徹底を図るため,使用上の注意の改訂が指示されています。
本項では、その内容等について紹介されています。

2.小腸用カプセル内視鏡の小児及び高齢者への適用について
小腸用カプセル内視鏡について,適用対象(患者)における年齢に関する
注意喚起に代えて,誤嚥や滞留等の年齢に関わらず注意すべき事項を統一的に
記載するよう使用上の注意の改訂が指示されています。
本項では、その内容等について紹介されています。

3.重要な副作用等に関する情報
【1】カバジタキセル アセトン付加物
【2】SGLT 2阻害剤
【3】乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン
【4】レベチラセタム
平成26年12月22日及び平成27年1月9日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち
重要な副作用等について、改訂内容等が紹介されています。

4.使用上の注意の改訂について(その262)
リナグリプチン 他(2件)
平成27年1月9日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意について,
改訂内容,主な該当販売名等が紹介されています。

5.市販直後調査の対象品目一覧
平成27年1月1日現在、市販直後調査の対象品目が掲載されています。

外部の相談「押し返せ」 児相、態勢に問題か

2015-01-30 13:58:46 | 社会問題・生活
「見過ごされた兆し―佐世保高1殺害事件」

共同通信社 2015年1月29日(木) 配信

 「丸投げやんか。押し返せ」。長崎県佐世保市にある県の児童相談所。日頃、学校や病院など他機関からの相談に応じている職員を叱責する男性幹部の言葉が飛び、周りの職員は横目で見ながら黙々と仕事を進める―。
 この幹部は赴任した2012年から、外部からの相談を安易に受けないよう強い口調で複数の部下に迫っていた。「パワハラがなければ、あの事件はもっとできることがあった」。ある職員は県の調査に言い切った。
 事件が起きる約1カ月半前の昨年6月10日、当時15歳だった少女(16)を診察した精神科医は、父親を金属バットで殴打したことを児相に電話で報告。
「放置すれば誰かを殺すのではないか」と伝えた。
 電話を受けた職員は、幹部から叱責されていた一人。やりとりは20分程度で、医師は職員に「後日でも助言がほしい」と言い残した。電話を切った職員は宮崎慶太所長に口頭で報告。その日不在だった問題の幹部も翌日知ったが2人とも積極的に動くことはなかった。
 県は昨年11月、大学教授や弁護士ら約10人で児相の対応を検証するグループを発足させた。これまでの3回の会合で「幹部の日常的なパワハラが、医師の相談放置を招いた可能性がある」という見方で一致。「十分な情報も得ないうちから『手に負えない』と結論付けたと思わざるを得ない」と批判している。
 外部からの相談を安易に受けないよう幹部が叱っていた背景は明らかになっていない。ただ、児相に勤務した経験のある関西学院大の才村純(さいむら・じゅん)教授(児童福祉論)は「命の危険が迫る(少年少女への)虐待対応に追われ、他の相談は後回しになりやすい」と、全国の児相が抱える問題を指摘する。
 県によると、佐世保市にある児相では13年度、生活相談や家庭環境の調査をする児童福祉司10人が計約600件の相談を受理。うち、少年少女の非行は43件で、児童虐待(133件)の約3分の1に当たる。
 全国的にみると、この10年で児相の児童福祉司は倍近くになったものの、それを上回る勢いで虐待に関する相談が増加している。
 才村教授が行った03~07年の調査では、児童福祉司ら児相職員1人当たりの担当件数は、欧米や韓国が約20件なのに対し、日本は100件以上だ。才村教授は「非行相談が虐待相談の陰に隠れるケースは多いのでは。職員の増員に加え、技術と経験を十分積めるよう人事異動での配慮も必要だ」と児相の態勢見直しを訴える。

医師がブラジル人患者家族に「クソ、死ね」

2015-01-30 13:57:25 | 医療と介護
 当直医イラ立ち暴言、静岡・磐田市

朝日新聞 2015年1月28日(水) 配信

 静岡県磐田市立総合病院の20代後半の男性医師が緊急外来で受診したブラジル人の女児(6)や家族と応対中に「クソ、死ね」と口にしていたことが、28日明らかになった。医師は不適切な発言を認め、家族に謝罪したという。
 病院によれば、昨年12月24日午前0時過ぎ、同県菊川市在住の女児が両足の不調を訴えて緊急搬送され、受診した。血液検査などの結果、治療や入院の必要はない軽度のウイルス性紫斑病と判断し、当直医だった医師は十分な栄養と安静を求めて帰宅を促した。
 父親は「入院させてほしい」「万一のことがあったら責任を取れるのか」などと医師に詰め寄り、2時間以上にわたって押し問答となった。その際に医師が不適切な言葉をつぶやいたという。
 病院は朝日新聞の取材に対し、「当直医は他の緊急患者にも対応しなければならず、なぜ分かってくれないのかといういらだちからつぶやいてしまったようだ。差別する意図はなかった」と説明した。医師はその日のうちに家族に謝罪し、院長から厳重注意を受けた。

健康な人の保険料を安く」、黒岩知事が提案

2015-01-30 13:56:07 | 医療と介護

国家戦略特区、医療・健康分科会が初会合


m3.com 2015年1月29日(木) 成相通子(m3.com編集部)

 国際的な産業競争力の強化や経済活動拠点作りを活発化させるため、規制改革などを集中して行う国家戦略特別区域で、東京圏の区域会議に設置された「神奈川県健康・医療分科会」の初会合が1月28日、神奈川県庁で開かれた。内閣府大臣政務官の小泉進次郎氏や神奈川県知事の黒岩祐治氏らが出席し、健康・医療分野からの成長産業創設のための制度・規制緩和について協議した。黒岩知事は、運動など健康的な行動をしている人は安くするといった保険料の差別化、外国人医師の業務拡大、医療用ロボット市場の拡大などの案を示した。 (資料は、首相官邸のホームページに掲載)。
 分科会後に会見した小泉大臣政務官は「これまでの日本の医療は健康な人にとってのメリットがない。これからは健康になればメリットがある、という方向性を示していくのが大事だ」と話し、後押ししていく考えを示した。
 分科会で提示された案は、次回の東京圏国家戦略特別区域会議で提案され、関係省庁とのワーキンググループで実現可能性などを協議する。

●自己採血の規制緩和も提案
 東京圏の国家戦略特区は東京都、神奈川県、千葉県の一部で構成。神奈川県健康・医療分科会では、(1)健康・未病産業の創出、(2)最先端医療産業の創出、(3)ロボット産業の創出、(4)国際的医療人材の育成――を掲げ、新たな制度・規制改革について、国と自治体、民間有識者・事業者が検討し、区域会議に提案する(『成田・医学部新設の検討、「重要で緊急性は高」』などを参照)。初会合には、小泉大臣政務官と黒岩知事 、横浜市長の林文子氏ほか、横浜市立大学附属病院長の平原史樹氏や滉志会瀬田クリニックグループ代表の阿曽沼元博氏(順天堂大学客員教授)らが出席し、それぞれの事業案と関係する規制改革などについて話した。
 黒岩知事は目玉の改革案として、運動など健康的な行動をしている人の保険料を安くし、それらの行動をしていない人の保険料を上げる「保険料の差別化」を新規に提案。差別化の基準の例として歩数、血圧、体脂肪、心拍数、検診データ、血糖値などが挙がっており、県の担当者は「差額の幅や基準は今後慎重に詰めていきたい」としている。そのほか、自己採血による血液検査項目の制限撤廃や、医療用ロボットを理学療法士が活用できる施設を、現状の病院や介護施設に限らず、スポーツクラブや地域施設でも使えるような規制緩和、最先端医療産業のイノベーション促進を目的とする特許の使用期間の延長拡大、外国人医師による日本人患者の診療、保険外併用療養の対象機関の拡大など多岐にわたる制度・規制改革案を提示した。
 横浜市と横浜市立大学附属病院は、同病院を中核とした臨床研究ネットワーク構築による高度医療の開発促進を提案。同病院など一定の要件を満たした特定機能病院への保険外併用療養の拡大や、治験の第Ⅰ相臨床試験の専用病床に関する施設基準の緩和を追加検討するよう求めた。現在は、健康的な人を対象とする第Ⅰ相臨床試験でも患者が入院する病床と同じ施設基準が必要だが、それを緩和することで、治験者を集めやすいものの、設備コストの高い都心部などの病院で第Ⅰ相治験が行いやすくなるとしている。
 また、川崎市は、薬事承認の日本版FastTrackの導入として薬事審査資料の一部先行審査や優先審査の実施、早期・期限付き承認といった企業向けの規制の特例などを提案。滉志会は薬事承認の包括承認制度の導入や県とともに外国人医師の業務拡大などを求めた。

日医、読売新聞の“誤報”に憤り

2015-01-30 13:55:10 | 医療と介護

マイナンバー巡り、質問状

 
m3.com 2015年1月28日(水) 配信 池田宏之(m3.com編集部)

 日本医師会は1月28日、マイナンバーを巡る読売新聞の記事について、事実に基づいていないとして「全くの誤報。訂正を求める」と指摘し、読売新聞社に対して質問状を送ったことを明らかにした(資料は、日医のホームページ)。1月19日付の同紙の記事では、「厚生労働省が、研究会の提言に基づいて、導入が検討されているマイナンバー制度の個人番号カードを被保険者証代わりに使えるようにすることを決めた」旨を報道していたが、日医常任理事の石川広己氏は、「厚労省に確認したが、決定した事実はなかった」などと説明した。議論が進む中での報道については、「世論を誘導したい人物の影響があったと詮索する以外にない」として、意図的な世論誘導を狙った記事であった可能性を指摘した。
 記事では、個人番号カードについて、厚労省における「医療等分野における番号制度の活用に関する研究会」で、「健康保険の被保険者証代わりに使えるように提言した」と言及。さらに研究会の提言を受けて、「厚労省が決定した」と伝えた。記事掲載後、複数のマスコミが、類似の内容を伝えた。
 記事で言及された研究会のメンバーでもある石川氏は、「研究会の提言」について、中間まとめでは、被保険者機能の付加については、賛否両論の併記である点を指摘。「昨年12月に中間まとめを出しただけ」と、最終決定でない点を強調した。その上で、石川氏は、「(両論併記を、機能付加の提言と理解するには)飛躍がある。全くの誤報で、思い違いも甚だしい」と、憤った。記事掲載後に、日医が厚労省に確認したところ、「(記事内容を)厚労省で決定した事実はない」との回答を得ていて、決定を知らせる厚労省の正式な発表もない状態。日医は、訂正を求めている。
 会見で、石川氏は、記事が掲載されたタイミングにも言及。マイナンバー制度を巡っては、2016年1月の開始に向けて今後、制度設計の議論が続く流れとなっている。日医の発表した文書では、「(議論を待たずに)あたかも決定したかのような記事の掲載は、議論を特定の方向へと誘導することに他ならず、結果的に世論誘導及び既成事実化に利用されているのであれば問題」として、決定前に世論の動向を伺う“アドバルーン”的な記事であった可能性に言及している。
 日医は、個人番号カードへの被保険者機能の付与については、「患者のプライバシー保護や安心の観点から単純に容認できない」として、慎重な姿勢を見せてきた経緯がある(『個人番号カードと保険証一体化に懸念、日医』を参照)。日医は経緯を問い質す質問状を、1月22日に読売新聞社に送ったが、1月28日夕方の時点で回答はないという。

患者の不満、「医師の説明」が影響大

2015-01-30 13:53:58 | 医療と介護

「待ち時間」は相関低く、「満足」9割近く(日医総研調査)


2015年1月29日(木) 池田宏之(m3.com編集部)

 日医総研は1月29日、約3年に1回実施している「日本の医療に関する意識調査」の結果報告書を公表した。成人男女を対象にした調査で、今回で5回目。自身が受けた医療に関する満足度や安全性についての信頼度が上昇傾向で、9割近くが満足と回答した。医療への満足度に影響する一番大きな要因は「医師による説明」で、一般的に良く聞かれる「待ち時間」は、あまり相関がないことも分かった。自身で治療方針を決めたいとの回答は、半数を超えた。主な結果を3回にわたって紹介する予定。
■医療過誤報道が満足度に影響
 調査は、2014年8月に、ランダム抽出した全国の20歳以上の成人1122人に対して実施。個別面接による調査で、実施主体が日本医師会であることを隠して実施した。平均年齢は53.3歳で、性別は男性46.4%、女性53.6%。職業は確認していない。
 調査の1つのテーマとなっているのは、「実際に受けた医療の満足度」。受けた医療の満足度は、第1回の2002年調査では72.0%だったのに対し、今回は89.6%が「満足している」「まあ満足している」と回答した。医療の安全性についても、「安全だと思う」との認識を示した人が84.4%を占めた。日医総研の調べでは、読売、朝日、毎日、日経、産経の5大新聞によるメディア医療過誤の報道件数は、2008年の510件だったが、2014年は6割以上減り、180件となっている。調査を実施し、28日に会見した日医総研主席研究員の江口成美氏は、満足度が上昇している理由について、医療過誤報道の減少による影響に加え、「医師の対応が良くなっているのが原因ではないか」と分析している。医療を受けたタイミングが、調査に近いほど、満足度が上がる傾向もあった。
 患者の正確や立場、希望など個別状況に応じた医療についても、68.8%が「行われていると思う」と回答し、第1回から第4回の調査までは、最高で6割弱だったことを踏まえると、大きく伸びた。「患者中心とした医療」を構築する医療者の姿勢が、患者にも伝わりつつあるとみられる。
■「治療方針決めたい」は半数以上
 自身が受けた医療について、「あまり満足していない」「満足をしていない」とした項目を個別に見ると、最も多かったのは、「待ち時間」で37.6%が回答した。他にも10%以上の回答があったのは、「治療費」が23.1%、「診察日・診療時間」が16.6%、「医師の説明の分かりやすさ」が10.4%(複数回答)。
 総合的に見て受けた医療に不満を持っていた人だけに限ると、「待ち時間」が44.4%、「医師の説明」が43.4%、「治療費」が41.4%となった。不満な項目と受けた医療の満足の相関関係を分析したところ、最も医療の満足度に影響を与えていたのは、「医師の説明」で、相関係数は0.7近くなった。一方で、良く指摘される「待ち時間」は相関係数が0.4強となった。「治療費」は0.6弱。
 江口氏は、「待ち時間が長くても、医師が説明してくれれば、満足度は高くなる可能性がある」と話していて、報告書は医師が患者に十分に説明を実施する医学教育の強化や、余裕を持った患者への説明が可能となる環境整備の重要性も指摘している。比較的重い病気にかかった際の病気の治療方針を自己決定意識について聞いた項目では、「複数の治療方法の説明を聞いたうえで、医師と相談しながら自身が決める」としたのは、全体の52.5%。男性は48.8%、女性は55.7%となり、女性の方が高い傾向にあった。また、70歳以上でも、「自身が決めたい」としたのは、36.7%に上った。

福井の特養ホームが横浜に進出 

2015-01-30 13:52:53 | 医療と介護
 
首都圏で施設不足、需要見込む


福井新聞 2015年1月27日(火) 配信

 福井県福井市で特別養護老人ホーム(特養)などを運営する社会福祉法人「一乗谷友愛会」が県外に進出し、横浜市に特養を建設中だ。首都圏は団塊の世代の高齢化が急速に進み介護施設が不足しており、待機者らの需要を見込む。2月末に完成し4月にオープンする。県長寿福祉課は「現時点で県外に進出した県内の特養はほかにない」としている。
 地方の社会福祉法人が東京など都市部に続々と進出する動きがあり、一乗谷友愛会もその一つといえる。福井県は特養など介護施設の整備率が全国でも高く、進出は事業拡大の好機。施設長の山本高之さん(45)は、約5年前に東京から特養整備の説明会の案内が届いたのをきっかけに「首都圏は待機者が多く、ニーズが高い」と検討した。
 横浜市が2012年度に募集した民設民営方式の特養整備に応募。事業計画が採用され、横浜市青葉区に「青葉あさくら苑」を建設している。敷地面積6546平方メートル。鉄筋コンクリート3階、地下1階建て。延べ床面積は5227平方メートル。定員100人に加え、ショートステイ(短期入所)22人とデイサービス(通所介護)10人を受け入れる。総事業費約17億円のうち横浜市が約4億5千万円を補助する。
 山本さんは「福井は介護施設が多く、利用者や家族が選択している状況。その競争が質の高さにつながっている。福井でやっているサービスを横浜でもできれば」と話し、入所予定者の面談や近隣のあいさつ回りをしている。福井市で運営するグループホームから、関東にいる家族に近いとして横浜の特養に移る利用者もいるという。
 ただ、介護分野の人手不足は課題で、山本さんも「リスクは高い。人が集められるか心配だった」とも言う。80~90人の職員を集めるため早い段階から募集をかけ、既に50人余りを確保。計画通りに進んでいるという。横浜市は「地方で多角的に経営して実績を積み、雇用をしっかり確保している点にも期待したい」とする。
 一方、政府は介護サービス提供事業者に支払われる介護報酬の15年度改定で2・27%引き下げを決め、特養などは大幅減収となる。山本さんは「影響は大きいが、致し方ない」と語り、「介護サービスの質を落とさないようコスト削減と人の配置を考える」と強調する。
 地方創生の流れも重要とみる。東京都杉並区が静岡県南伊豆町などと共同で、17年度にも区民が入所できる特養を同町に整備する事例も出てきた。横浜進出は逆パターンだが、「都市と地方に拠点を置くことで自治体間の懸け橋となるきっかけになれば」と思い描く。県内で首都圏への進出に追随する表立った動きはないものの、福祉関係者は取り組みを注視している。

東京女子医大病院、特定機能病院、取り消し検討

2015-01-30 13:51:48 | 医療と介護

禁止鎮静剤投与事件で、厚労省と都、再立ち入り検査


毎日新聞社 2015年1月26日(月) 配信

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で人工呼吸中の小児への使用が原則禁止されている鎮静剤「プロポフォール」が複数の小児に投与され、2歳男児が副作用とみられる症状で死亡した問題で、厚生労働省は26日、医療法に基づく再度の立ち入り検査を東京都と合同で行った。昨年6月に最初の立ち入り検査を行ったが、再発防止への取り組みが不十分だったとして再度の立ち入りに踏み切った。
 厚労省によると、病院側は前回の立ち入り検査の際、副作用のリスクの高い医薬品について安全な取り扱いを徹底するなど再発防止策を示したが、取り組みに不十分な点が確認されたという。院長ら病院幹部が先月交代しており、新体制での安全管理体制について事情を聴く。検査結果を踏まえ、高度医療を提供し診療報酬の優遇がある「特定機能病院」の承認を取り消すかどうかを検討する。
 同病院では2008年1月からの6年間で、集中治療室(ICU)でプロポフォールを持続的に投与された小児63人のうち、生後0カ月~13歳の重症心疾患患者11人がICU内やICU退室30日以内に死亡。同病院は昨年12月、11人のうち5人について投与が感染症などを悪化させた可能性を否定できないとの外部委員会の調査結果を公表。昨年2月には2歳男児が、手術後にプロポフォールを大量投与されて死亡。警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。
 同病院は心臓手術の死亡事故で隠蔽(いんぺい)事件を起こし、02年に全国で初めて特定機能病院の承認を取り消され、07年に再承認された。【桐野耕一】

アルツハイマー病、待たれる根治薬

2015-01-30 13:50:45 | 医療と介護

早期発見の技術も


共同通信社 2015年1月27日(火) 配信

 認知症は、脳の神経細胞が死んでいくことで記憶障害や判断力の低下が現れ、日常生活に支障が生じる病気で、原因や症状によってさまざまな種類に分けられる。中でも全体の3分の2を占めるとされるのがアルツハイマー病で、症状の進行を遅らせる薬はあるものの、進行の停止や回復には至らず、根本治療薬の登場が待たれている。
 認知症の診断は、知能のテストやコンピューター断層撮影(CT)を使った脳の画像などで行い、投薬治療が中心となる。アルツハイマー病の薬として4種類が認可され、うち3種類は神経細胞の間の情報伝達を助け、1種類は神経細胞の死滅を防ぐ作用がある。
 アルツハイマー病は、症状が出るまでには20年以上かけて有害なタンパク質が脳にたまり、神経細胞が死んでいくと考えられている。症状が出てから治すのは困難だが、逆に「超早期に診断できる方法と根治薬を組み合わせれば、発症させないことができるはずだ」と筑波大の朝田隆(あさだ・たかし)教授は指摘する。
 超早期診断法の開発と合わせ、世界の製薬会社が根治薬の開発にしのぎを削っている。神経細胞の間の情報伝達を助ける薬を販売してきたエーザイは現在、原因とされる有害タンパク質の生成抑制を狙った2種類の新薬の臨床試験を実施中。同社は「増加が続く患者のニーズに応えたい」と話している。

日本産科婦人科学会、産科の問題訴え

2015-01-30 13:49:08 | 医療と介護

教育体制不備で入局者激減、

日産婦シンポ:不合理な医療資源投入も疑問
2015年1月27日(火) 池田宏之(m3.com編集部)

 1月25日に都内で開催された「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」では、山口県や四国の産科医療を巡る状況を、現場の医師が紹介して、医療資源の集約化を訴える場面もあった。中堅医や指導医の離職に伴う教育体制の不備が影響して、新規入局者が激減している例や、大学病院に隣接する病院や年間6例のみの分娩しかない病院に、同様の産婦人科の充実策を図ろうとする行政の不合理さを疑問視する声などが上がった。両地域の代表者はともに、分娩などの集約化を訴えた(講演資料は、医療改革委員会の「周産期医療の広場」に掲載)。http://shusanki.org/theme.html

■「サブスペシャリティ研修、困難」
 山口県の事例を紹介したのは、済生会下関総合病院産婦人科の菊田恭子氏。「若手医師が勤務環境に望むこと」と題した講演の中で、県内の産科医の実情を訴えた。同県の産科医師数は、人口10万人当たり6.5人で、全国平均の7.6人より少ない。加えて、平均年齢も中央値が49.3歳になっていて、全国の43歳より高く、産科医1人当たりの分娩数と手術数は、他の自治体より多い状況が続いている。さらに、日本産科婦人科学会の調査では、山口県は「現状が厳しく、今後も早急な改善が難しいと推測される自治体」に分類されていて、「10年後の医師数が10%以上減少する」都道府県の1つとなっている。
 菊田氏は、研究・教育の問題点と臨床の問題点に分けて指摘。研究・教育の問題点として挙げたのは、子育てなどを理由に中堅医師が離職し、新規入局者の減少もあいまって、専門医や指導医が手薄になっている点。加えて、病院によって、研修内容が不均衡になっている点を指摘して、「サブスペシャリティの研修が困難」と指摘した。専門医取得のために学会発表や論文投稿が必須となる中で、代わりの当直が確保できずに、数時間交代で当直を実施している実態も紹介した。
 臨床の問題点としては、研究や教育上の不備から、2004年度の臨床研修必修化以降、入局者が激減していて、菊田氏は「産科患者の長距離母体搬送や、悪性腫瘍患者の長距離通院が必要になっている」と述べた。医師以外の医療職種の不足や、他の診療科と比べて基本給や賞与が同額である点の不満も出ていて、問題が山積していることを伺わせた。
 解決策として、菊田氏は、大規模な学会において、地元出身者をリクルートする方策を提案したほか、臨床を求めて県外に出た医師が、地元に戻るルートの確保や待遇改善を訴えた。さらに、他の医師と業務負担ができる人数を確保し、待遇改善もできるように、集約化の必要性を指摘。「他県では集約化が一段落しているが、(山口県では)産婦人科を手放したくない総合病院が集約化を阻んでいる」として、行政指導などの一定の強制力のある方策を検討するようにも求めた。

「拡大医療改革委員会」兼「産婦人科医療改革公開フォーラム」では、地域の問題が具体例をともに発表され、多くの参加者が耳を傾けた。
■センター指定「行政の自己満足では」
 四国の実例を紹介したのは、徳島大学病院産科婦人科准教授の桑原章氏。桑原氏が例示したのは、徳島県内にある3つの県立病院。それぞれ、「大学病院に隣接している」「県境を越えると30分以内に病院がある」「分娩数が年間6例」などの特徴があるにも関わらず、「県庁は3つに均等に充実させようとしている」と話し、県単位での施策には限界がある点を指摘。四国やそれ以外の周辺自治体も含めて、地域を広く見た上で、診療体制を整備していくように求めた。
 桑原氏は、現在検討が進んでいる新専門医制度の観点からも、地域の問題点を指摘。現時点では、認定に向けて、「分娩150例、うち経膣分娩100例」「帝王切開:執刀30例に加え助手20例、前置胎盤5例」などの経験症例数の設定が検討されているという。現時点の診療体制では、十分な症例を積めない医療機関が出て、インターネットなどを通じて実態が伝わって医師が集まらない可能性を指摘しながら、「専攻医は教育される立場で、単なる労働力でない。研修内容を充実させないと地元には残らない」とした。その中で、学会が、「総合周産防

認知症、国家戦略を決定 

2015-01-30 13:47:12 | 医療と介護

認知症予算大幅増の161億円
> 

医療、介護など七つの柱
共同通信社 2015年1月27日(火) 配信

 政府は27日、認知症の対策強化に向けた関係閣僚会合を開き、省庁横断の国家戦略「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)を決定した。2025年に認知症の高齢者が700万人前後に達すると見込まれることから、今や一般的な病気だとして「よりよく生きていくための環境整備」を目指す。15年度当初予算案で、認知症施策に14年度比66億円増となる約161億円を確保した。
 戦略は「適切な医療・介護の提供」など七つの柱を掲げた。安倍晋三首相は会合で「認知症への対応は世界各国の共通課題だ。安心して暮らせる社会を実現し、世界のモデルとなる取り組みを進める」と述べた。
 厚生労働省研究班の推計によると、団塊の世代が全て75歳以上となる25年には、認知症の高齢者が現状の7人に1人から、5人に1人に増える。
 七つの柱の一つ「適切な医療・介護の提供」では、発症間もない段階での発見と対応につなげるため、歯科医師や薬剤師らへの研修を新設。かかりつけ医や専門医、介護事業者が連携して本人らを支える新たな仕組みも16年度からの導入を目指す。
 「予防や診断、治療法などの研究開発」では、15年度末までに早期に診断できる方法を確立し、20年ごろまでに根本治療薬の治験を始めるとした。
 他にも「理解の普及・啓発の推進」「介護者への支援」「本人や家族の視点の重視」などを盛り込んだ。
 戦略は厚労省が13年度から始めた「認知症施策推進5カ年計画」(オレンジプラン)を発展させた内容で、消費者庁や警察庁、経済産業省など省庁間の連携を強化。徘徊(はいかい)による行方不明を防ぐための見守り体制づくり、詐欺被害の防止、家族らの負担を軽くするための介護ロボット開発などを進める。
 安倍首相が昨年11月の国際会議で、策定を表明していた。
 ※認知症: 脳の神経細胞が死んだり、働きが悪くなったりして記憶障害や言語障害が起き、日常生活に支障をきたす状態。物忘れや妄想、徘徊(はいかい)、幻視といった症状が出る。アルツハイマー病や脳血管障害に起因するものなどのタイプに分かれる。投薬によって症状の進行を遅らせられるものもあるが、根本的な治療法は確立されていない。厚生労働省は2012年時点で認知症高齢者は約462万人と推計していたが、25年に700万人前後に達するとの新たな見通しを公表した。

「ES細胞盗んだ」? 

2015-01-30 13:45:58 | 医療と介護
元理研研究員が小保方氏を刑事告発
神戸新聞 2015年1月27日(火) 配信

 理化学研究所の元研究員が26日、STAP細胞論文の主著者だった小保方晴子氏(31)に「共同研究者の若山照彦氏=現山梨大教授=の研究室からES細胞(胚性幹細胞)を盗んだ疑いがある」として、神戸水上署に窃盗容疑での告発状を提出した。兵庫県警は捜査の必要性を慎重に見極め、受理するかどうか検討する。
 理研の調査委員会は昨年12月、STAP細胞は既存の万能細胞であるES細胞が混入したものとほぼ断定。一方、誰が混入させたのかや、意図的か過失かは特定できなかった。
 告発したのは、昨年3月まで理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(横浜市)の上級研究員だった石川智久氏(60)。2013年まで神戸にあった若山氏の研究室のES細胞が小保方氏の研究室で見つかり、そのことを示す写真や関係者からの聞き取り情報で窃盗を疑ったという。
 理研広報室は「要請があれば捜査に協力する。理研として、さらに何ができるのかも慎重に検討中」とし、小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士は「告発の詳細を確認しておらず、コメントすることはない」としている。

イスラム国を「敵」とするのか

2015-01-30 13:43:23 | 社会問題・生活
分水嶺に立つ日本外交

ダイヤモンド オンライン 2015年1月29日 山田厚史の「世界かわら版」

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

 オバマ大統領は国の方針を示す一般教書演説で「イスラム国を壊滅させるため、国際社会で主導的な役割を果たす」との決意を述べた。アメリカはイスラム国を「敵」として位置付ける。では日本はどうなのか。イスラム国を敵とするのか。これまで国際社会に敵を作らない国、それが日本だった。
 安倍首相の積極的平和主義は世界を敵と味方に分ける発想だ。日本外交はいま分水嶺に立っている。
■同じ価値観という大義の危うさ
「日本の首相よ、お前はイスラム国から8500キロも離れているのに、自発的に十字軍に参加した。女性や子どもを殺し、イスラム教徒の家を破壊するために、日本は1億ドルを得意げに差し出した」
 人質を前に黒装束の男が発したメッセージだ。罪もない人質を殺す残酷非道なやり方は言語道断だが、日本という国が彼らからどう見られていのか、この言葉でよく分かる。
「十字軍」は日本ではカッコいいイメージがある。犠牲的精神を秘め、聖地奪還に赴く騎士団という崇高さが漂う。ハリウッド映画の影響かもしれないが、イスラムの人たちにとっては、遠くからやって来て人を殺し、家を焼いた侵略者だ。
 イラク・シリアで空爆を続ける有志連合はさしずめ現代の十字軍と彼らの目には映るだろう。キリスト教もイスラム教も、一神教であるが故に「異教徒は殺してもよい」と曲解されかねない一面もある。その理解に立てば、シロ・クロをはっきり分けがちだ。
 日本の国柄は、ちょっと違うように思う。敵味方を峻別しない。異教徒は殺せ、という精神風土でもない。少なくとも戦後の日本は国際社会に「殲滅すべき敵」はいなかった。
 安倍首相の積極的平和外交は、地球儀俯瞰外交とか価値観外交ともいわれる。地球を眺め、同じ価値観の国と一緒になって、世界の秩序作りに積極的に参加する、ということだろう。キーワードは、共通価値観・秩序作り・積極参加である。
 共通の価値観は、法の支配、人権の尊重、民主主義、市場経済など。西欧のキリスト教文化を下地にした生まれた近代の価値観である。だがこの価値観が一方では帝国主義・植民地主義を生んだ。先進国の都合で勝手に敷かれた国境線でイスラム社会は分断された。
■積極的平和主義の裏に潜む「軍事活動」
 世界には別の価値観もある。その折り合いをどうつけるか、そこが秩序作りのポイントになるはずだ。
 秩序作りの中心にいるのがアメリカである。この国を除いて世界の秩序は語れないが、かなり風変わりな国である。欧州で迫害された新教徒が移り住んだ地で、先住民族と戦いながら生活圏を広げてきた人たちが作った国だ。確固たる価値観を持つが、他国にも押し付ける。そして国際紛争を武力で解決することをいとわない。
 無法や非道を見つけると、よその国でも踏み込み「世界の保安官」といわれるが、逆の立場から見れば侵略である。侵略者とされないのは、掲げる価値観を多くの国に認めさせる外交力があるからだ。
 日本は国際紛争の解決を武力に訴えない、と憲法に定める稀有な国だ。アメリカ式の紛争解決にはなじまない。民主主義や市場経済で一致しても「国際紛争を武力で解決する」という考えは日本と相容れない。「共通の価値観」と一括りにするのは無理がある。
 積極的平和主義の危うさは、積極的という言葉の裏に「軍事活動」が刷り込まれていることだ。平和外交は、これまでも日本の基軸だった。安倍首相はこれまでの日本を「消極的平和外交」と見ているのだろう。憲法が妨げになっているなら、憲法を変えよう、という考えだ。
 集団的自衛権はその一歩である。憲法解釈を変えて閣議決定で決めたのは、憲法を空洞化し、改正へ向けた既成事実作りだろう。
■それは「誤解」だと言えるか
 26日から始まった国会には、集団的自衛権の行使容認に沿った安全保障法制の改正案が提出される。自衛隊の海外派兵を簡便にできるようにするなど、軍事貢献を伴った外交へと着々と進んでいる。
 援助にも軍事の色が滲む。安倍政権が定めた「開発協力大綱」は、これまでのODA大綱が封印していた軍事援助に道を開いた。戦車や戦闘機など戦闘に直接つながる機材や物資は援助できないが、災害活動や沿岸警備、軍人の留学資金などなら援助の対象にできるようルールを変えた。軍事転用される可能性は否定できない。抜け穴を作ってかいくぐる憲法の空洞化は、援助でも進んでいる。
 イスラム国が指弾したのも援助だった。人道支援だと政府は言っても、カネに色はついていない。イスラム国と戦う国に2億ドル出す、といえば軍事支援と同じに見られるだろう。
 日本政府はイスラム国を攻撃する有志連合には加わっていない。日本の国民もイスラム国を困りものと思ってはいても「敵」とは見ていない。そこはアメリカと違う。
 だがイスラム国は日本を「敵」とみなし始めている。すくなくとも「敵の仲間」と見ている。それは違う、誤解だ、と日本はいえるだろうか。
■なぜイスラム国から「敵視」されるのか
 日本のイスラム団体「イスラミックセンター」は、日本とイスラムは良好な関係にあることを次の5点にまとめ世界に発信した。
(1)イスラエルと闘うパレスチナに理解がある
(2)パレスチナに対する最大の援助国
(3)イスラム教徒が日本で平穏に暮らせる
(4)宗教活動に政府は干渉しない
(5)イスラム国を含め、いかなる国に対しても宣戦布告をしない唯一の国
 大多数のイスラム教徒は穏健で平和を愛している。欧米で冷ややかな視線を受ける彼らにとって日本は居心地のいい社会だろう。日本人もまたイスラム教徒を受け入れている。日本は中東で手を汚していない。イスラム教徒と戦ったことはない。人々は平穏な関係にありながら、イスラム国から「敵視」を受けるのは日本の外交が変わってきたからだ。
 発端はイラク戦争への加担だった。2003年3月、国際社会の支持がないままイラク攻撃に踏み切ろうとした米国を、真っ先に支持表明したのは時の小泉首相だった。陸上自衛隊はイラクのサマワに入り給水、航空自衛隊は兵員の空輸、海上自衛隊はインド洋で艦船への給油(こちらのきかっけはアフガン戦争)で協力した。陸海空挙げての後方支援に取り組んだ。攻撃の口実とされた大量破壊兵器は存在せず、武力行使の大義名分は失われたがイラクの政権は倒され、フセイン大統領は処刑された。
 日本はアメリカの戦争に加担した。憲法の制約があって戦闘には加われないが、アメリカの後ろにいてカネと役務で協力する国と見られるようになった。
  アメリカはイスラム国を殲滅すると宣言した。有志連合を束ねて2000回を超える空爆をしている。ピンポイントのミサイル攻撃で指導者を殺害している。「テロとの戦い」の戦場となったイスラム国の支配地で、非戦闘員も含め多くの命が失われている。人質をとって殺害するのは残虐極まりない。だが空爆やミサイル攻撃でもっと大規模に命が消されている。
 原油施設を破壊され、輸送ルートも断たれたイスラム国は、原油価格の低下も重なり兵士を養うことが苦しくなっている、とも言われる。アメリカはイラク北部のクルド族をけしかけて攻撃させているが、決定的な勝利には米軍の地上部隊を投入することが欠かせないといわれる。
■日本はルビコン川を渡るのか
 有志連合が地上戦に踏み切る時、日本はどうするのか。アメリカは協力を求めるだろう。だが行使容認された集団自衛権でも中東への戦闘部隊の派遣は難しい。浮上するのはイラク攻撃と同様、後方支援ではないか。
 正面から戦えないイスラム国勢力は、手薄なところを狙うゲリラや民衆に紛れた自爆テロで対抗するしかない。後方支援は危ない。
 戦争が終わって70年。この間、日本は戦地で誰も殺さず、一人の犠牲者も出さなかった。だがイスラム国との戦いに参加すれば、この大記録に終止符が打たれることになるかもしれない。戦場で血が流れた時、世論はどう動くのか。
 イスラム国の人質になっていた湯川遙菜さんは殺害された可能性が高い。過激派イスラム国の残虐性への怒りが高まっている。この原稿がアップされるころには後藤健二さんの運命は決まっているかもしれない。人質殺害は「日本にとっての9・11」という見方もある。
 同時多発テロの一撃でアメリカの世論は激高し、一気に戦争へなだれ込んだ。フランスでは「シャルリー・エブドの惨事」がテロとの戦争へと政権を走らせた。目の前に血を見ると人々は冷静でいられない。
 日本の平和外交は、いま分水嶺にある。国際紛争を武力で解決する国になるのか。敵を作り戦いに参加するか。
 安倍政権は、アメリカと共に戦う国になることで、世界秩序の維持・形成に貢献したいと思っているようだ。そのために血を流すこともいとわない国になることが、国際社会でしかるべき地位につける、と考えているようだ。それが「普通の国」であると。
 アメリカやNATO参加国はそうした考えだろう。日本は異質であってはいけないのか。
 文明の衝突がいわれる。G20の時代ともいわれる。20世紀を牽引した欧米の先進国の価値だけで世界が動く時代ではなくなっている。日本の立ち位置が問われている。多くの国民は、イスラム社会と仲良くしたい、と思っている。イスラム過激派を敵に回したくない、とも考えている。
 アメリカは一緒に戦おうと誘うだろう。いままでそうだった。平和憲法があって、と言い訳しながら、日本は従う一方で武力行使は回避してきた。これからも従うのか。安倍首相は自らの意思で協力するかもしれない。
 それはルビコン川を渡ることだ。日本も「国際紛争を武力で解決する国」の仲間に入ることになる。「敵」は殲滅するしかないのか。世界はシロかクロかで分けられない。その間をゆく国のかじ取りはないのだろうか。

最後は一対一の関係が不可欠

2015-01-30 13:21:13 | 編集スクランブル
★なぜ、介護報酬を引き下げたのか?
介護報酬引き下げは9年ぶり、前年比2・27%の下げで過去最大に迫る数字。
未曾有の超高齢社会を迎えているのに、一般会計は過去最大の96兆3400億円、防衛関係費は3年連続で増額され過去最高の4兆9800億円。
2015年度の社会保障費は過去最大の総額31兆5300億円。
★「普通の人・・・」の表現も差別的ではないか?
日本には「人はみな十人十色」という言葉もある。
なるほど人は多様な存在であり、普通という言葉では括れない存在かもしれない。
★「若い人には分け隔てなく人と接してほしい。一番大切なのは、陽気で間口の広い交流だ。敵意はなく、友情のみが生まれる」ホロコーストの生き証人のノルベルト・ロッパーさん(95)
ナチスに限らず、流れにおされ、小さな積み重ねの末、人は蛮業に手を染め、あるいは加担いてしまう。
★「無知は罪」知らないでは済まされない。
「人を殺してみたい」という感情は無知の表れであろう。
人間の尊厳に対する無知なのだ。
★「何のために?」
「例えば金持ちになりたい」何のための金なのか?
「大きな家に住みたい」何のための住まいなのか?
「議員になりたい」何のための議員なのか?
★地方議員の役割は何か?
「地域の現場で民意を集約する要」
★「地方創生」最低限の条件は、地方には学びと雇用の場が必要だ。
加えて行政におる結婚、出産、子育てに切れ目ない支援も重要になる。
高齢者の声は届きやすい反面、20代、30代の若者や、若い女性の声は、どうしても欠けることが多い。
インターネット社会の大事だが、最後は一対一の関係が不可欠。
足を使わないといけない。
地方議員は現場に軸足を置き、地方政治を推進してほしい。東京大学公共政策大学院客員教授・増田寛也さん(元岩手県知事)