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H27.1.13 塩崎厚生労働大臣閣議後記者会見概要

2015-01-14 20:59:04 | 厚生労働省
( (火)11:35 ~ 11:46 省内会見室)

【厚生労働省広報室】

会見の詳細
《閣議等について》
(大臣)

 おはようございます。今日は閣議がございました。その後、社会保障制度改革推進本部がございましたので、この件につきまして申し上げますが、本日閣議後に関係閣僚及び与党関係者の御出席の下で、第3回の社会保障制度改革推進本部が開催されました。医療保険制度改革骨子案について、私から御説明を申し上げ、推進本部において決定されましたとともに、社会保障制度改革のスケジュール及び(平成)27年度の社会保障の充実、安定化について御報告をいたしまして、スケジュールについて推進本部の了承をいただいたところでございます。それぞれの内容につきましては、この後ブリーフィングや資料の配付を予定しておりますので、それも踏まえて、事務方にお尋ねをいただければというふうに思います。今後は、本日推進本部において決定いたしました医療保険制度改革骨子に基づいて、次期通常国会に関連法案を提出するとともに、国民の安心を支える社会保障制度を次の世代に確実に引き渡していくために、国民の皆様に御理解をいただきながら着実に社会保障制度改革を厚労省として進めてまいらなければならないというふうに思っています。以上でございます。

《質疑》
(記者)

 今、お話があったように、今後医療保険制度改革について必要なものを提出すると思いますけれども、社会保障に関しては、子育て5,100億円ということで、ある程度必要なものを確保したと、大臣としてはお考えでしょうか。今回の制度改革について評価をお願いしたいというのと、それと財政健全化という観点でいうと、明日正式に閣議決定されると思いますが、社会保障費が31兆5,000億程度で、社会保障の充実分、それから介護報酬の引下げ等々ありますけれども、1兆円程度、前年度から上がることになってしまったと思います。国の予算に占める割合というのはかなり依然として高いと思いますけれども、この点、社会保障をどう進めていくのかというスケジュールも含めて、評価をお願いしたいと思います。


(大臣)

 まず(平成)27年度においける社会保障の充実についての評価についてお尋ねがございましたが、これについて消費税10パーセントへの引上げが延期されたということで、10月以降の2パーセントの消費税引上げに伴う増収というのはなくなったわけでありますけれども、施策の優先順位付けを行う必要があったわけであります。その中で、4月からの子ども・子育て支援新制度の円滑な施行ということについては、これは繰り返し選挙の途中でも総理からお約束をしていたわけでありますので、大事だったわけでありますが、予定をいたしておりました量的な拡充、それから質的な改善、これを全て実施できる予算額の0.5兆円程度の確保が、この子ども・子育て支援新制度についてはできたのではないかということで、優先すべき施策として対応が十分できたのではないかというふうに思っています。一方で、延期せざるを得なかった介護保険の1号被保険者の保険料の低所得者軽減強化の完全実施とか、あるいは年金関係の充実については、平成29年4月の10パーセントへの引上げ時に延期をするということにしたいと思っています。平成27年度に予定されております充実の内容を着実に実施していくとことで、消費税率の引上げが社会保障の充実、安定化につながることを我々としては国民の皆様方に理解していただくように努力をさらにしていかなければならないと思っております。それからスケジュールについては、今国会に提出をする法律もございます。それと、必ずしも法改正がないものもあるわけでありますけれども、これらを含めて今申し上げたような、今日あった推進本部で御提示をしたスケジュールに則って、やっていかなければならないと思います。いずれにしても大事なことは、社会保障は基本的に保険料と税と、そして自己負担によってなりたっているわけでありますので、その赤字国債でファイナンスしている分というのは、次の世代、将来世代の負担になっているということを考えると、今の世代の負担のことだけではなくて、将来世代の負担のことも含めた制度設計というものを絶えず考えて不断の見直しをしていかなければならないというふうに思いますが、とりあえず我々が今やるべきこととして考えていることについてのスケジュールは今日お示しをしたとおり、そのとおりやっていかなければならないというふうに思っています。


(記者)

 子宮頸がんワクチンのことについておうかがいしたいんですけれども、デンマークなど海外での副反応の報告が最近増えているという話もあるんですけれども、海外での副反応の報告について、大臣としてはどう捉えているのでしょうか。


(大臣)

 これは日本においてはもうすでに、この副反応の実態についての究明を厚生科学審議会の副反応検討部会においてこれまでいろいろな症例調査の結果などに基づいて時間をかけて議論をしてきました。どういうふうに対応していくかということについての田村前大臣の時の3つの方針(注)などについてはもうよく御存じのとおりだというふうに思っておりますが、海外でどういう事例があるのかというのは、それは当然事例があれば、我々としてもしっかりと把握をすることは大事でありますので、そういうことは当然この審議会でも同じようにアンテナを張ってやっていただいているものというふうに思っております。
 (注)
  ・各県に少なくても1つ協力医療機関を選定
  ・副反応報告が確実に行われるよう医療機関に要請
  ・副反応が報告された患者の追跡調査の強化

(記者)

 先ほど厚労省が群馬大学病院に立入(検査)に入ったということなんですけれども、特定機能病院の承認を受けている病院だと思うんですが、今回の調査によって、この結果によってこれの取消しも検討するということでよろしいのか確認させてください。

(大臣)

 今日ですね、1月13日に厚生労働省として医療法に基づいて、今、お話がありましたが、医療法に基づいた立入検査を実施しておるところでございます。この群馬大学病院に対して立入検査を実施するとした理由は、まず、すでに報道されているとおり、同病院で腹腔鏡下での手術と開腹肝臓手術と、この2通り、両方あったわけでありますけれども、この2つの医療の下で複数の死亡事例が発生していたということが判明いたしましたので、病院の医療安全管理体制について確認を行う必要があるというふうに判断をして、関係書類の確認や関係者からのヒアリングということなどの所要の検査を行う予定でございます。厚生労働省としては今回の立入検査の結果などを踏まえて、今後、必要な対応を取ってまいるわけであって、まずは実態把握、真相究明をやるために医療法に基づいて立入検査を今日行ったということでございます。


(記者)

 特定機能病院の承認についても検討をあわせて行っていくと。

(大臣)

 まずは何が起きているのかという、あるいはその原因を、さっき申し上げたような医療安全管理体制というのがどうなっているのかという疑念を持たされるような事案でありますから、特定機能病院の要件に触れるかどうかということも含めて、医療法に基づく立入検査を行っているということだというふうに思います。



東剛史は大井競馬場で「伝説の人」となった

2015-01-14 07:39:07 | 創作欄
「東さんが、死んだね」と若い男が近寄ってきた。
1月30日の大井競馬のパドックでのことだった。
「ええ!東さんが死んだ?!」利根輪太郎は悪い予感が的中した思いがした。
彼からの連絡が途絶えて3か月が過ぎていた。
「君はつき男だ。きみを競馬場へ連れて行くと大きく儲けられるんだ」東は上機嫌であった。
「君とは波長が合うね」とも彼は言っていた。
娘さんが結婚してから、ナイター競馬へ頻繁通うになり輪太郎の職場に誘いの電話がきた。
競馬ファンの仲間の間でも東は注目される存在になっていた。
特別観覧席の払戻し場で銀行の帯付がついた札束を払い戻す人は希な存在である。
「すごいですね」と人は驚くし、羨む。
多くの競馬ファンに取っては「夢みる光景」なのだ。
東は顔色も変えず、札束を黒革のセカンドバックに収める。
周囲にいる人に1万円札を配ることもあった。
東は大井競馬場で「伝説の人」となった。
無論、輪太郎がこれまで出会った人の中では飛び抜けた存在であった。
「あの人は、神がかり的ですね」
70代の人が言った。
「私も競馬歴な長いがあんな人は初めてだ」と感嘆していた。
その人も何度か1万円札を東からもらっていたのだ。
輪太郎は最高で200万円ももらっていた。
「気風は良くて惚れ込んだのよ」と言っていたのは40代のOLの大西恭子であった。
「東さに教わって、70万円も儲けたことあるのよ」と目尻を下げた。
彼女も東の姿が見られなくなったことを心配していた。
東は競馬ファンの間で伝説の男となった。
67歳の生涯であった。

生活者と非生活者

2015-01-14 06:50:46 | 医療と介護

生活者とは誰なのか?

「生活者のための政治」
この対象の生活者とは誰なのか?
非生活者が存在するとしたら、政治とは無縁の存在なのであろうか?
「国民のための政治」
「大衆のための政治」
では大衆とは、だれであるのか?
思うに「大衆小説」とは、そもそもなんであったのか?





「生活者」とはだれか
作者名 :天野正子

1980年代末から、政治家の発言や企業広告の中に「生活者」という言葉が頻出しはじめる。
それは瞬く間に時代のキーワードとして定着した。
「非生活者」など存在しないにもかかわらず、なぜ「生活者」は人心を掴んだのか。
本書は、三木清の生活文化論から戦後の消費社会論を経て「新しい社会運動」論へと半世紀余り使われてきた「生活者」という言葉に、個人の思いだけでなく、人びとが生きた時代の思いを読み解く試みである。
最後の親鸞 (ちくま学芸文庫) 吉本 隆明 文庫¥ 1,080
前半はわかりやすかったが、後半は難しかった。 きっと、吉本さんは「非僧・非俗」に生きる親鸞に仮託して、自分の思想家としてのあるべき姿を述べていると感じた。 それはきっと「非思想家・非生活者」ではないだろうか、と推測しているのだが、どうだろう。