窓から見える親水公園の桜、ピンク色がだんだん淡くなってきました。
夕暮れになると、近所の誰かでしょうか、ライトアップしてくれています。
春の宵 さくらが咲くと 花ばかり さくら横丁
思い出す 恋の昨日 君はもうここにいないと
ああ いつも花の女王 ほほえんだ夢のふるさと
そんな歌を思い浮かべ回想のひととき・・・・といっても恋とは無縁の想い出なのですが。
8年ほど前のちょうど今頃、義妹の葬儀で信州安曇野に行きました。
春霞の中にまどろむ早春の安曇野、桜はまだ咲かず、名残の紅梅、白梅が咲くばかり。
常念もまだ残雪に覆われていました。
義妹は、脊髄系の難病で、入退院を繰り返し、さまざまな治療を試みていました。
ところが突然、自宅で失い救急車で病院へ。50代半ば過ぎたばかりの死でした。
その数年前、彼女から頼まれて彫刻家の義弟のホームページを作りました。
その中に、「安曇野だより」のページを作り、彼女が更新していくはずでした。
ところが、その後急に視力が衰え、それは叶わぬ望みに。
英語版も作って海外へも発信、と意気込んでもいたのに・・・・無念だったでしょう。
安曇野は北アルプスの常念岳や有明山の麓に広がる田園地帯。
あちこちに北アルプスからの冷たい湧水が流れ、わさび栽培が盛んです。
そのわさびで食べる信州そばの味は格別です。
また安曇野は美術と工芸の地。
美術工芸の作家が多く住み、碌山美術館、有明美術館、安曇野ちひろ美術館などたくさんの美術館があります。
安曇野はいま春まっさっかり、色とりどりの花と緑に埋もれています。
これからも四季折々、安曇野の風情を皆様にお伝えしていきます。
わたしのパソコンの中には、彼女の最初で最後の原稿が今でも残っています。
ことしも安曇野の桜はまだ咲かないのでしょうか。