みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

第5回ゼミ報告(5/16)

2014-05-17 16:03:08 | ゼミ活動
今年度5回目のゼミを行ないました。
テーマは「知っておきたい食品事情」。
みなさんは普段、何に気をつかって食事をされていますか?
今日は医学研究科の先輩に話題提供していただきました!

まずは食べものと放射性物質の話からでした。

福島県での原発事故後、厚労省や農水省は、食品中の放射能を測定し、それが基準値に満たなければその食品を食べても安全だとアピールしています。
被災地の生産者への補償という話は別に必要だとしても、そもそもスポット的な検査の限界から、政府が主張する安全性の根拠は不確かだと言わざるをえません。

また、一口に放射性物質といっても、セシウムやストロンチウム、ヨウ素など、種類が違えばその半減期も、溜まりやすい身体の場所も異なるため、一概に放射能の危険性は語れません。問題はどう危ないかです。食品の種類によっても、放射性物質が溜まりやすいものとそうでないものがあります。

そのうえで、私たちができる心がけとして、基本的には湯通しできるものは湯通しをして食べることにより、体内に取り入れる放射性物質を減らすなどがあります。
(他にもさまざまな対策が、安田節子著『わが子からはじまる 食べものと放射能のはなし』クレヨンハウス・ブックレット、2011年で紹介されています)

次に、食品添加物についての話です。
パンという身近な食べものを例にとっても、着色料やpH調整剤、保存料などたくさんの添加物が含まれています。
日本人が一回の食事で摂取する食品添加物の量は、平均して約20gはあるそうです。市販のスティック砂糖の袋でざっと7本分ではありませんか!

それらも放射能同様に、食べてすぐ何らかの影響があらわれるという代物ではありませんが、身体に蓄積されて将来的に何らかの影響が出る疑いがあります。その影響をつきとめて科学的に実証するのが難しいので厄介です。

その一方で、保存料をよく効かせて腐敗を防いでいることで、食中毒のリスクを避けているという事実もあります。この両面をどう考えればよいでしょうか。


買い物はしばしば投票にたとえられます。消費者(≒有権者)がどんな商品(≒立候補者、政策?)を選んで買うかは、それぞれの商品が世に出回る程度を左右します。

ただしその際、消費者は主体的に一票を投じているといえるでしょうか?
生産サイドに投票行動を操作されて実は自在に選べなくなっているなんてことはないでしょうか?

大手の食品メーカーは多額の宣伝費をつぎ込んで、需要を創りだすのに必死です。これは政治家の選挙の世界とも何ら変わることはありませんね。

また、最近は大学の生協食堂にもミールカードという食品版の定期券のようなものが導入されているそうです。ミールカードにより、欠食しがちな大学生が毎日きちんと食事を取れるという面もありますが、大学生協もこの制度で利用率を上げようと躍起になっているのかもしれません。見方によっては、利用者は他の選択肢を封じられていると言えないこともありません。

そのような身の回りの食品事情と日々いかにつきあっていくかがヒトとしての生き方の分かれ目になるのかもしれませんが、そんなことを考えている余裕がないとしたら、そういった社会状況もまた問題だと言えましょうか。


PS)またまた亀岡市で有機農業にとりくむナイスガイさんが野菜をもってきてくださいました!
(今日のお品書き:スナップエンドウ、大根、チンゲン菜・・・をそれぞれたくさん)

次回のゼミは、5月30日(金)18:30から、映画「奇跡のリンゴ」鑑賞の予定です。
場所は、京大北部キャンパス農学部総合館S174にて。ご自由に参加ください!

おおいけ(農・修士3回)記

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