みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

気仙沼大島に行ってきました。

2012-07-18 13:31:44 | 不定期コラム
みなさま、こんにちは。

ようやく梅雨もあけ、いよいよ本格的に夏ですね!暑い日が続きますが、アイスが美味しい季節です。

熱中症にはおきをつけください。

ところで、7/14,15と宮城県は気仙沼大島に行ってきました。

今回はボランティアではなく、ツーリストとして。
昨年12月にミカンを届けた際、「遊びにいきます」と約束していたので、遊びにいってきました!

メンバーは関西から4名と仙台から4名の合計8人。

<1日目>
朝8時
仙台から車で気仙沼へ

途中農家さんからタマネギやジャガイモ、トマトを頂き、BBQの買い出し、腹ごしらえをして、気仙沼港からフェーリーにのって大島へ。


大島の休暇村キャンプ場へチェックイン

現地の方(赤ちゃん生まれてました!!)に案内してもらいながら、大島を散策

夜はみんなでBBQ~

猟でしとめた新鮮な鹿肉を頂きました^^

日をまたぎ就寝。


<2日目>
朝食をとって片付けをして、写生大会

大人8人がおえかきに熱中!


昼食をとって仙台へ

途中、南三陸のらーめん屋”金の鮫”へ!
フカヒレラーメーン絶品でした。



19時仙台へ到着

バスで京都へ


と、まあ食い道楽な2日間でした。


最後ちょっとだけまじめな事を。

昨年12月、NPOアマニの方や東北大学の学生の力を借りながらミカンをお届けして7ヶ月。

漁業を中心に産業の目がぽつぽつと芽吹いていました。
実は南三陸のらーめん屋”金の鮫”は支援の際
、窓口になってくれた方の家族が始められたお店で、4月に開店されたそうです。陰ながら応援してます!

がれきの処理も少しずつではありますが進んでいるようでした。

とはいえ、問題も沢山あり楽観はできないですが、来年もまた遊びに行きたいと思います。







被災地にミカンを届けてきました

2011-12-19 23:51:17 | 不定期コラム
12月3日(土)、4日(日)被災地に行ってきました。
農薬ゼミ3名と神戸大学の学生1名、東北大の学生2名、NPOアマニの方1名、他3名とみかんを届けました。

3日は大島、気仙沼、岡田西町に行き
4日は南三陸、中野、南小泉へ行きました。


3日はあいにくの雨でびしょびしょになりながらもみかんを届けました。
最初はどんな気持ちでみかんを届けたらいいのか不安でしたが
被災地の方の元気な姿を見てるとそんなことを考えている自分がばかばかしくなりました。

4日はテレビなどでよく見る南三陸も訪れました。
正直、南三陸に行くまでは今回の被害も実感がなかったのですが
着いた途端あまりに被害が甚大で信じられませんでした。

今回、被災地の人に何かできることはないかと思い始めたプロジェクトでしたが
被災地の人は前を向いて復興に向けて進んでいると感じました。
被災してない人のほうが後ろ向きになっているような気もします。
だから私は何事に対しても一生懸命取り組み、悔いのない生き方を送りたいと思いました。
遊びも真剣に遊び、勉強も真剣に学びたいと思います。
そして何事も前を向いて進みたいです。

被災地に行ってすごく貴重な経験ができました。
色んな人との出会いは私のかけがえのないものとなりました。
この貴重な経験をこれからの人生に活かしていきたいと思います。

仙台は穴子丼や牛タンなど食べ物がおいしかったです。
タイプの女の子は1人しか発見できませんでした←

PS.
今回NPOネットワークオレンジさんと仮設で出会った人達の紹介をします。

http://blog.canpan.info/orange-orange/ ネットワークオレンジのブログ
http://ameblo.jp/okadanishi/      復興は岡田西町から

2010年度 環境・農業系サークル合同説明会のお知らせ

2010-03-28 10:48:08 | 不定期コラム
今年度も環境・農業系サークルが集まって合同説明会を行います。
この説明会には、環境・農業系のサークルが一同に集まります。
興味のあるサークルの話を聞いて回る事で、自分にあったサークルを見つけてもらうことが目的です。

環境・農業系サークル合同説明会
日時:4月14日(水)・4月22日(木)、どちらも18:30-20:30
会場:京都大学吉田キャンパス吉田食堂1F

事前の申し込みは不要で、新入生、京大生に限らず参加できます。
参加費は必要なく、入退室自由です。

今年度の参加団体は、

環境サークルえこみっと
環境ネットワーク 4Rの会
京大生協環境委員会 E-COOP
京都R
国際青年環境NGO SAGE
リサイクル市実行委員会
京大自然農法研究会
農業交流ネットワーク
京大農薬ゼミ KGRAP
有機農業研究会 minori
山仕事サークル杉良太郎
ウェルかも!
国際学生森林連盟 IFSA-Kyoto
ベジポックルズ

以上14団体です。

詳細は環境・農業系サークル合同説明会のHP(下記)をご覧ください。
http://ecokyoto.fc2web.com/index.htm

一回生 青木より

無農薬=安全!?

2008-02-23 21:10:53 | 不定期コラム
農薬ゼミは農薬中毒をきっかけにして、
農薬をできるだけ省く「省農薬」の可能性を探ってきました。

不必要な農薬は使わないで、必要な分だけ必要な量使うことで
生産者が負うリスクを下げようという、生産者の立場に立った試みです。

一方、消費者側としては「安全なものを食べたい」という思いから
省農薬や無農薬の農産物を選ぶと考えられます。


ところが植物は病害虫に襲われ守ってくれるものがない時、
体内で自ら撃退物質を作りだす場合があります。
これが人に有害な場合があるというのです。

例えばセロリはフラノクマリン類という物質を含んでいます。
栽培されている品種はフラノクマリン類の濃度が低いのですが
何らかの損害(ex菌核病が発病する等)を受けると、
フラノクマリン類の濃度が急上昇してしまう場合があるそうです。

(注)フラノクマリン類は皮膚に炎症を起こす原因となったり
遺伝子を構成するDNAに突然変異を起こす作用もあるそうですが
フラノクマリン類に分類される物質のうち、どれがどのくらいの濃度
あることで上記の様な症例が出るのか書いてありませんでした。

【参考文献】
踊る「食の安全」―農薬から見える日本の食卓 松永 和紀 (著)


「無農薬で栽培された農産物の方が有害物質が多くなる事もある」という
事実から、これから何を基準にして食材を選べば良いのか分からないという
方もいらっしゃるでしょう。


でも私は無農薬は素晴らしいと思います。

今回のセロリの例では「有害物質の量が多い」という結果が出ましたが
セロリに含まれていた有害物質が、実際に人間に作用する量かどうか
というのは検証できていないし、農薬に関してもまた同じ様な議論があります。

でも、農薬は残留農薬より散布者への影響の方が大きいと分かっている中で、
散布者である農家の方が工夫をして、自身の健康に悪い農薬散布を避けることができた。
だから無農薬は素晴らしい。

一方で、今回の「無農薬=必ずしも安全ではない」という結果は
「省農薬」に取り組んできた私達農薬ゼミのメンバーや、減農薬に
取り組んでいらっしゃる方にとってはとても意味のあるものだと思います。

農薬ゼミの活動に関わってきて
「農薬は悪い。だから無農薬じゃないとダメ」
「省農薬ミカンは農薬を使っているから無農薬の物に劣る」
という様な意見をいただく事が多く、時には中傷される事もありました。

だから「なるべく農薬を減らす。農薬はやむを得ない時に使っている」という
考えがもっと浸透すれば良いなと私は考えていました。

その様な意味で省農薬・減農薬がもっと受け入れられるきっかけに
必ずしも無農薬は安全ではないという事実が広まれば良いなと思います。


『踊る「食の安全」―農薬から見える日本の食卓』は農薬の意義と問題点を述べている本です。
興味のある方はぜひご覧になって下さい。


オガワ
P.S.「無農薬だから安心」とは限らないという記事も見つけました。
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/420/420226.html

中国産餃子

2008-01-31 19:43:32 | 不定期コラム
 中国産の餃子は食べないでください、テレビでそう言っていたので何かと思ったらまた毒物混入だ。日本では農薬として認可されていない有機リン酸系の殺虫剤が混入していたらしい。一部のメディアは農薬が残っていたと報道しているが、農薬として認められていないのだから意図的であったかどうかは別にしても毒物混入だと思う。マスコミは中国産の食品は危ないと消費者の危機感をあおるだけでなく、中国側に抗議するのはもちろんだが、輸入会社の双日にも検査体制を強化したり、現地での栽培方法の指示や安全な食品のみを集荷するなど管理を強化するよう言うべきだ。すでに中国産の加工食品無しでは日本の外食中食産業は成り立たない以上、輸入をやめるということはできないが、せめて毅然とした態度で言うべきことは言うべきである。トミヤマ

農家は社長 ~ 農業研修レポート in 宮崎

2007-09-30 12:38:57 | 不定期コラム
『農で起業する』
『農!黄金のスモールビジネス』
(ともに築地書店)

これらの二つの本に感銘を受け、
著者・杉山経昌さんの下で、
つい先日まで一週間の研修をさせてもらいました。

場所は、宮崎県綾町。
日本最大級の照葉樹林をはじめとする、
豊かな自然を活かした産業が中心の小さな町です。

メーカーでの研究者、
外資系企業での営業というキャリアを経て、
脱サラした杉山さんがその地で行っているのは、
観光ブドウ園の「経営」。

ブドウの栽培やブドウ園のPRはもちろんですが、
それ以外にも杉山さんは「経営者」として
様々な“非常識”に汗を流し、
日々改善を実行していました。


たとえば、肥料。

農家によっては、農協が推薦する施肥設計に従って
N、P、Kメインの施肥を行っています。

しかし、
実際には収穫量や天気、
圃場の性質などによって土壌成分は大きく異なり、
それゆえに施肥計画も異なるべきであると言えます。

また、肥料成分もN、P、Kだけではなくて、
Mg、Caやその他B、S、Fe、Mn、Moなど
様々な微量元素も植物の成長には無視できない要素です。

杉山さんは、圃場の土壌分析をするとともに、
その年の天候・湿度・降雨量・日照時間・葉緑素量などを測定し、
それらのデータを自身で設計した肥料設計プログラムに投入することによって
「必要なときに、必要なだけの」肥料を投入しています。

さらに、肥料の購買発注に関しても、
数社の業者間で相見積りを取り、
様々な条件(例えば袋詰めでなくてダンプカーで運んでくれて良い)を提示し
交渉することによって、かなりのコスト削減を実現しています。


たとえば、ビニールハウス。

杉山さんの第一ブドウ園は、縦80mのビニールハウスが7棟並んでいる形です。
その建設を業者に頼めば費用が莫大にかかるということで、
杉山さんは自分で立ててしまいました。

構造に関しても、
芝刈り機が縦横無尽に走れて助走作業が楽になるように、
不要な柱が代替物に置き換わっているなど、
様々な工夫が見られます。


たとえば、顧客管理。

杉山さんのブドウ園では、顧客リピート率が非常に高いです。
その秘密は、
上質な顧客サービスもさることながら、
徹底した顧客管理にあります。

コンピュータ上で顧客簿を作成し、
「最近はいつ来園したか」
「過去に何回来園したか」
「過去に何箱商品を送付したか」
などの情報を蓄積しています。

そしてそれらの情報を下に、
優良顧客だけをPR先として選定し続け、
顧客母集団が自分とマッチする方向、
つまりニーズとシーズが合致する方向へと誘導しているのです。


「百姓」とは、
栽培・施肥・建築・経営・営業・接客などなど
100もの技術が要求される素晴らしく高度な職業である
と杉山さんは言います。

農業政策談義もよいですが、
杉山さんのように、
経営的で、
俯瞰的で、
弛緩集中的な
農業ビジネス経営者としてのミクロな視点が、
日本や世界の農業を元気にするのではないかと改めて感じました。

(*興味のある方は、ぜひ冒頭にある本を読んでみて下さい。)

タコ箱オーナー

2007-09-20 14:31:35 | 不定期コラム
最近、一番、興味を持っているのは、
農林水産物のオーナー制です。
これまでも、棚田とか、果物とか、牡蠣とか、昆布とか
いろいろなオーナー制がありましたが、
北海道の留萌あたりで、ちょっと変わったオーナー制が行われています。
どんな、オーナー制かというと、
タコ箱漁のタコ箱のオーナーを募集するというものです。

どこが変わっているかというと、
これまでのオーナー制は、栽培や養殖をするもののオーナーがほとんどなので、
基本的に一定量の産物が手に入ることが保証されているかと思います。
しかし、このタコ箱漁オーナーでは、タコが入るかどうかは、わからない。
たくさん入っている場合もあるし、一杯も入らない場合だってある、
そんな、かなり、リスキーなオーナー制です。

北海道・日本海、タコ箱漁オーナー2007

ホームページを見ていただけるとわかると思いますが、
それぞれのオーナーのタコ箱を識別し、5回の漁の結果が
ホームページに表示されています。
かなり凝った作りになっています。
オーナーは、ホームページを見て、一回一回の漁の結果に一喜一憂するわけです。
夢を買うのか?ネタの面白さに惹かれたのか?
100件の募集に、22,460件の応募があったそうです。

リスキーな物といえば、ミカンの収量
1年をおきに収量が変わるという、隔年結果を起こします。
それを避けるため、香川県の豊島の農家では、
ミカンの木を半分に分け、片方は目一杯、実をつけさせて、
片方は、全て採ってしまうことをして、
一年おきに収穫するミカンの木を交代させることで、安定的に供給していました。

省農薬みかん園では、剪定や摘果をすることで、
平均的にミカンを収穫できるように、仲田さんは行っていますが、
それでも、生り年、不生り年が出来てしまいます。
じゃあ、それを逆手にとって、ミカンのオーナー制は出来ないだろうか?
と、勝手に考えています。
これまでの、それぞれの木のミカンの収穫数は、調査によって記録されているし、
そのデータから、今後のミカンの収穫数を予想して、
オーナーになるミカンの木を選ぶ。
お金を払ったら、ミカンがただ、送られてくるのではなく、
よく実のなるミカンの木を選ぶには、
ミカンの木の特性を知らなければならないし、
ミカンの木の立地条件も気になるだろうし、
ミカンのつくり方が身近になってくる。
そうすれば、生産者の苦労や喜びも感じられ、
生産者と消費者の距離が近くなるだろう。

上手くいったら大豊作、失敗したら収穫ゼロもありうる。
ちょっとリスキーなオーナー制。
ただ、タコ箱と違うのは、単なる運任せではなく、
データを元に、後は天候任せ、、、

(吉野)

自作農から利用農への転換

2007-09-07 10:58:12 | 不定期コラム
農地法:農水省が原則転換「自作農」から「利用農」へ 
 農林水産省は、戦後の農地制度の基本理念だった「自作農主義」を放棄する方針を固めた。耕作者自身が農地を所有することを原則とした農地法の規定を修正する方向で、来年の通常国会に同法改正案を提出する見通し。同省は農業の体質強化のために経営規模拡大を促す改革を進めているが、農地の「所有」よりも賃貸借などによる「利用」を重視した法体系に転換することで、大規模農家や法人に農地が集まりやすいようにする。
(2007年8月24日の毎日新聞より)

ちょっと古い記事ですが、大事だと思った&触れてみたかったので軽く書いてみます。

自作農とは自ら所有する農地を耕作による農業経営、利用農とは他人の所有する農地を耕作による農業経営、と考えると理解が楽です。利用農は小作農とほぼ同じ意味です。ただし、戦前戦中の小作と現代の小作は別々に考える必要があります。戦前戦中の小作は半ばプランテーションともなりかねない大地主制でした。戦後はその逆で、少数の小作が、多数の土地所有者の農地をカバーするという形です。

ここ何年間で農政は経営規模拡大のための施策を次から次へと打っています。品目横断対策もその一つです。ただ、例えば日本の農家の一戸あたりの耕地面積が1.8haなのに対しオーストラリアでは3385haと約2000倍の開きがあります。品目横断対策の面積要件の個別農家4haや集落営農20haも微々たるものです。とすれば、この政策の流れは、とてもでないが貿易自由化の対海外政策とは考えにくいし、もしそうであれば無謀なる挑戦と言っていいでしょう。

しかし、物事は色々な側面から見るもの。
まず、需給調整の「官から民へ」の流れです。
約10年ほど前、政府は膨大な赤字を計上していた食管を廃止しました。食管の存在意義は消費者の保護でした。今でこそ周囲に金に困って餓死したというのはニュースになるくらい珍しい出来事ですが、戦後まもなくは都市部の人が農村に食料を買い求めた時代でした。平成18年度の経済財政白書にも、十分な所得がないために食料が調達できない人の割合は数パーセント程度で先進諸国の中でもきわめて低い水準です。つまり、消費者の利益は確保されました。一方で、生産者の利益は年々と減少しています。特に水稲では地域米価の下落が止まらず、一方で生産費は下がりません。というか原油価格高騰などにより微増傾向すらうかがえます。そこに目を付けて個別補償を選挙公約に掲げる政党も出てきました。その必要性は否めません。しかし、国・地方とも財政状況が厳しい中、大きな財政負担は避けたいところです。経過措置としては有効ですが、本当の目標は経営体質の改善、農業経営の発展です。
そこで今、大規模化が急用とされています。数量を多くすると取引先を確保しやすくなります。また交渉力もアップするでしょう。また、規模の経済化により適正規模に近づき単位あたり生産費の低減になります。食管が廃止されて以降も主に農協による系統出荷が多く、経済事業の赤字を埋めるべく出荷価格は低いですから、本当の意味での民間主体には今のところなっていないといっても仕方ありません。途中小さくない混乱があるでしょうが、民間主体の需給調整が可能になれば事態は改善されるでしょう。

次に、農村部における少子高齢化です。都市部においても本当に高齢な方が多いなと感じますが、農村部ではそれ以上に進んでいます。都市部に比べて生活インフラが整わず、所得も少ないため、人が流出し、それが自治体の財政を悪化させ公共サービス水準が低下し、さらに人が集まらなくなる。経済が疲弊する。このようなスパイラルが繰り返され、地方間格差が大きな社会問題となっています。
農業の担い手の確保は喫緊の問題です。高齢となり、農業を続けられない人が増加しています。一方で、農業に興味を持ち、都市部から新規就農する人がいることも事実です。若い担い手に農地が円滑に集積する必要があります。でないと高齢者と新規就農者の両方が困り、農村が共倒れする恐れがあるからです。

以上のような考察からして大規模化が急がれているわけを理解しています。
しかし、現状では例えば需給が緩む中、とにかく販路を確保しようとする動きで余計に米が余っったり、生産現場が政策についていくのに時間がかかるのに政策が次々と変わっていく、さらに、市町村合併の弊害で(公共サービスの確保には市町村合併は必要不可欠だったと考えますが)営農指導がおろそかになったりと混乱が絶えません。

私は今の農水省の介入度合いが大きすぎると考えます。そこで農政においてもある程度の地方分権が必要です。日本全国生産条件が様々な一方で、ほぼ一律要件で線引きするのには限界があると考えます。どんな政策もそうですが、現場がきちんと動いてこそ一人前です。農政には、大胆かつ現場に対応した精巧な舵取りがいっそう求められています。(ナカオ)

全小学生に農村体験 九月一日の毎日新聞より

2007-09-02 16:30:05 | 不定期コラム
 農林水産、文部科学、総務の3省が、すべての小学生が農山漁村で長期宿泊体験をすることを目指す「子供農山漁村交流プロジェクト」を始めると発表した。08年度に、各都道府県に10校ずつのモデル校と全国40ヶ所のモデル地域を設ける。五年後には2万3000の公立小学校すべてで実施し年間120万人が参加できるようにすることを目標にする。宿泊体験は一週間程度。高学年の児童が民宿や農家に泊まり、体験に行く時期に応じて田植えや稲刈りなど実際の農作業を体験する。農山漁村の学校からも、農村から山村、漁村へ行くなど環境の違う農山漁村にいって体験を実施する方針だ。施設設備などがすべて実現すれば、全児童が在学中に一度は体験できる規模になる。プロジェクトの狙いについて、文科省は「自然の中での体験で児童の学ぶ意欲や思いやりの心が育まれる」と説明している。

 この記事を読んだとき私は、これを考えた人は「ユートピア」を読んでおもいついたんじゃあないかと思った。というのもトマスモアのユートピアでは、3年ごとに農村と都市の住民が入れ替わるからだ。そして農村の人は、農業に従事して空いた時間は芸術をたしなみ、都市の人は商業に従事したり科学研究に励んだりする。このプロジェクトはこれにヒントを得たのではないだろうか。小学生に農業や漁業を体験させて何が変わるかというのはわからんが、120万人も参加したら何人かは農業に興味を持って将来の日本農業に資するに違いない。プロジェクトの狙いについては説明が足りなさすぎて論理的整合性はないが、こういう試みは小学生にとって印象深い思い出になるだろう。(トミヤマ)

ポジティブリストの輸入品への影響は?

2007-08-24 21:13:30 | 不定期コラム
ポジティブリスト制度とは、一定限度以上の残留を禁止する農薬を明示するのとは逆の発想で、「使用してよい(ポジティブ)農薬」だけを一覧にし、それ以外の使用を原則認めない方式のことで、去年の5月に導入されました。


(以下日経新聞7月9日日刊から引用)
「ポジティブリスト制度」を日本が導入した去年5月末以降の1年間で、検査で違反とされた輸入食品が前年同期比で8.4倍に急増したことが分った。新制度では主要国で残留基準が決まっていない農薬も0.01ppmを上回れば違反とされ、これに抵触したケースが約3割を占めた。これまでチェックされなかった農薬や添加物が海外で広く使われている実態が浮き彫りになった。


同記事に載っている安藤満富山国際大教授の意見の通り、輸入食品の安全確保にポジティブリストが有効に働いていると言ってよいでしょう。実際、日本では使われていない化学物質が農薬として使われていたりしても以前までの制度ではチェックされていなかったのです。逆にそれほどまで多岐にわたる農薬や化学物質を口に入れていたという事実は怖いですが、これからしっかりとチェックされ、今回違反件数トップであった中国の農業事情も変わればよいと思います。


ただし、ポジティブリストが通用するようになったからと言って完全に安心できるわけではないでしょう。消費者としての意見を言えば、これからも制度をすり抜けた何かしらの危険物質を使用してくる可能性も危惧されますし、なんというか信頼の置ける日本産の農産物や食品を買ったほうがいいのかもしれません。


安くより安全になった外国産を買うか、安心できるけど高い国産を買うかは消費者の選択に任されているということでしょうか。