みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

7/27 まさかの進路

2018-07-27 21:11:17 | ゼミ活動
台風12号がおおきく進路を西に変えて週末には日本列島上陸する予報です。
みなさま、お気を付けください。

ということで、今週末の夏調査が流れてしまいました。

代わりに今日は、ミーティング(調査延期の確認等)でした。

次回は、8/3(金)~8/4(土)に振り替え夏調査です。
参加できる人数は減りましたが、夏の暑さに負けず頑張りたいと思います!!

かんの

オーソモレキュラー療法

2018-06-16 17:04:12 | ゼミ活動
こんにちは。6月15日のゼミの報告をします。

今回の発表は、ここ数年で知られるようになった栄養療法「オーソモレキュラー」についてです。溝口徹先生の著書『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』を参考にさせていただきました。
簡潔に言うと、多くの慢性的な症状は食事の改善とサプリメントの服用によって良くなるというものです。現在のあなたの体を構成しているものは今まで食べてきた食事、栄養であるという考えのもと、その時の自分に合った量の栄養を摂取することで、未来の自分の状態を変えていくことができるということが書かれていました。ぼく個人の意見としては、サプリメントにすぐに手を付けるのではなく、まずは食事を見直していくだけでも一定の効果があるのではと思いました。

また、石田先生から、下津の蔵出しみかんシステムの日本農業遺産登録を目指す旨の話がありました。
伝統的な農業システムを広く知ってもらうため、また補助金によって今後もこの伝統を続けていくことを可能にするため、認定されることを願っています。

来週もゼミ活動を行いますので、興味のある方はぜひお越しください。

かわはらだ

5/11 ゼミ 「土壌汚染」

2018-05-12 11:11:20 | ゼミ活動
こんにちは。
昨日、久々に通常ゼミを行いました。
新歓イベントは終わってしまいましたが、農薬ゼミはいつでもメンバーを募集しています!!

今回の議題は土壌汚染。
土壌汚染の原因となる物質や対策技術などを紹介しました。
その中でも私が興味を持ったのはバイオレメディエーション(Bioremediation)という、生物(微生物、菌類、植物)を用いた環境修復技術です。現在実用化されている中では下水処理で用いられる活性汚泥法が最も知られています。農用地や市街地の汚染土壌に対して、実験レベルではなくフィールドレベルでの成功例を挙げることができませんでした。その他十分に答えられなかった質問があるので、来週の情報提供までに調べます。

今年前期のゼミでは、メインゼミ60分・質疑応答30分・情報提供30分というタイムスケジュールを設定しています。トップバッターを務めることになりましたが、準備不足で「どこかで見たことあるんだけど、何だったっけ?」と発表中・質疑応答中にグダグダしてしまったのが反省点です。次は質問にも答えられるよう、自分が調べた内容はきちんとまとめます。

来週も農学部総合館S174にて勉強会を行います。興味のある方はぜひお越しください。

ながせ

7/28 『食と農の社会学』輪読会⑥

2017-08-01 13:41:08 | ゼミ活動
『食と農の社会学』輪読会はいよいよ最終の6週目を迎えました。
今週は11章を私いいつかが、1章をかんのさんが担当しました。

11章「農村における女性」では、不可視の存在であった女性が主体となり活動(農村女性起業)を通して、地域農業を活発にしたり、良い影響を与えたりした事について、くらやしきを例にその成功要因、周りの評価を挙げることで農村女性起業から学ぶことを考える。という内容でした。

次に、1章「地域とともに生きる食と農の世界」についてです。私達の生きる世界で、燃料枯渇、地球温暖化、生物大量絶滅、人口増加に伴う必要な食糧の増加などの問題がある中、食と農についても、巨大アグリビジネスが世界のフードシステムを牛耳ったり、グローバル化思考が広まる事で今まで積み上げられてきた食文化や社会、自然の多様性などの「尊厳性」が失われてきている事が問題視されていました。本章では具体例が無かったのでアミタホールディングス株式会社を紹介して下さいました。この会社は廃棄物から代替資源を製造する「100%リサイクル」事業を行うほか、土地に合った農薬選択基準を提供するという事業も行っているそうです。5章の農薬開発では農薬の危険性が注目される度、新しい農薬が開発され、その農薬も危険性が指摘されるといった悪循環が有りました。そこで感じたのは単純に農薬を無くす、又は減らす事では農業はやっていけないという事です。しかし、選ぶ事からスタートすれば、その土地特有の気候、栽培環境を考え、農薬自体、又は容量を選択する事で、結果的に農薬の削減に繋がるのでは無いかと思いました。

全体を通した意見として、1章で取り上げられたように、巨大アグリビジネスの支配やグローバル化思考がある一方 、11章の農村女性起業の様に地域を大切にする思考があり、二極化しているという意見を持たれた方も居ました。しかし、私はもともと農薬の使用は世界に大量に広まってしまうという点や、新しいものをどんどん開発するといった点で1章寄りだなと思っていたのですが、アミタホールディングスの話を聞いて、農薬の使用は土地に合った農薬を選択し、少しづつ見直していくという様な11章の女性達の地道な活動に似た性質も持ち合わせている様に感じました。

私はこの輪読会で、農薬はただ減らせば良いというだけでなく、減らした農業が成り立って持続可能且つ、多様な食文化を支える農業は尊厳性を大切にしなくてはいけなくて、その為には大きな力ではなく、(今回の例でいくと選ぶことなどの)小さな努力の積み重ねによって、その尊厳性を取り戻す事が可能なのでは無いかと考えるきっかけになりました。

いいつか

7/7 『食と農の社会学』輪読会④

2017-07-10 07:51:05 | ゼミ活動
農薬ゼミのみかん日記をご覧の皆様こんにちは(((ノ´ω`)ノ~)))))スタタタタッ

「食と農の社会学」輪読会、第4回はかわはらだと、私ないとうが担当させて頂きました。

最初はかわはらだの第九章「中山間地域~生活の場から~」です。

中山間地域とは、ざっくり言えば、平野と山地に挟まれた、まとまった平坦な耕地が少ない地域のことです。よくテレビで紹介されている段々畑や千枚田がある地域はこれに当たります。ご存知の通り日本には山地が非常に多く、従って中山間地域も多くなっています。日本の農業地域(100%)の内、中間農業地域は31.7%、山間農業地域は40.2%です。つまり中山間地域農業は71.9%で、日本の農業地域の大半を占めるとも言えるでしょう。

さて、ここで重要なのが、ずばり「過疎」です。前述の中間農業地域の人口は農業地域全体の8.5%、山間地域は3%に止まっています。更に、何の対策も講じられなければ、時間の経過に伴い、これらの地域の人口はますます減少の一途をたどると予想されています。

対策として、これらの地域のPRが行われ、人口の増加を目指す活動が行われています。今は、「持続可能な暮らしと社会」(具体的には薪ストーブ・山菜採り・作物自給自足など)が、この大量消費社会において非常に重要な価値を持ち、街中で暮らす我々にとっては魅力的に映る時代だと思っています。中山間地域の人口を増やすことも不可能ではないでしょう。

中山間地域に存在する農村生活には、かつて畜産・林業・農業の中での有機的な繋がり(例えば家畜の糞尿をたい肥にするなど)があり、食とエネルギーの自給があり、農村全体に地域的なコミュニティが存在していました。今現在でも、これに近い姿を残しています。ごみの増加・食料自給率の低下・孤独死の増加が社会問題となった現在、今一度中山間地域の生活を振り返ってみてもいいのではないかと思いました。

次は私ないとうの第二章「多国籍アグリビジネス~農業・食料・種子の支配~」です。

多国籍企業(今回は食料に関連する企業について)の種類は実に様々です。普段我々の目に晒されるコカ・コーラの様な食品加工企業から、我々の目には全く触れないカーギルの様な農産物取引企業まで…。今回はこれらの多国籍企業の紹介と、問題の指摘をさせて頂きました。

本文では、多国籍企業は主に5つに大分されています。生産から消費の順番に、①農業生産財企業、遺伝子組み換え技術で有名なモンサントなど。②農産物取引加工企業、貿易などを取り扱い見えない巨人と称されるカーギルなど。③食品加工企業、ネスカフェやペリエを生産しているネスレなど。④食品サービス企業、おなじみマクドナルドなど。⑤食品小売り企業、後述しますが巨大すぎるウォルマートなど。

この中では、ウォルマートが最も分かりやすい多国籍な企業でしょう。2015年度の売上55兆円、純利益1.9兆円。従業員数230万人、週間顧客数2憶人。出店国28か国、所有店舗数11,695店。目を疑うような超巨大企業です。日本では西友などのスーパーを傘下に収めています。

多国籍企業の問題点は、その規模故に、経済的・政治的影響力が大きすぎることです。経済的には市場の寡占化、政治的には政府と企業間の交換人事などが問題とされています。また、多国籍企業は動かせる資金も膨大です。2012年にカリフォルニアで行われた遺伝子組み換え食品表示法の是非を問う州民投票の折には、50億円以上の資金を投入してTVCMなどを組み、この法案成立の阻止に成功しました。

であれば、我々大衆や中小農業従事者は、多国籍企業の市場寡占化などを黙って見ているしかないのかというと、そうでもないようです。例えば、中小農業者・農業従事者組織の国際団体であるビア・カンペシーナは、世界148の組織で構成されており、構成員総数は2憶5000万人にものぼります。天然資源の保全、食糧主権、持続可能な農業生産、ジェンダーの平等や、農民組織の連帯と協力を発展させることを目的としています。

現代の食に関する問題は、企業の肥大化・食品の国産化によって、最早、我々の生活の中で自然に把握することは不可能です。少しでもご興味があれば、食を取り扱った映画を見ることがいいかと思います。ここでは「未来の食卓」「フード・インク」「キング・コーン」「ありあまるごちそう」を挙げておきます^^

長文失礼しました。次回で輪読会は一先ず終わりです。

6/30 『食と農の社会学』輪読会③

2017-06-30 22:23:40 | ゼミ活動
こんばんは!
『食と農の社会学』輪読会、第3週目です。

今週は第3章をおくむらが、第5章を私ながせが担当しました。

先に第5章「農薬開発 -ネオニコチノイド系農薬を事例として」について。

半世紀にわたる農薬の歴史において、新しい農薬は発売当初にはすばらしい効き目と安全性が強調され世界中に広まるが、数十年後にその危険性が明らかになる、ということが繰り返されてきました。有機塩素系農薬、有機リン系・カーバメート系・ピレストロイド系農薬、ネオニコチノイド系農薬という順に市場で主流となる農薬が変遷していく中で、EUなどに比べて日本の農薬規制が遅れていることを指摘し、予防原則の適用によるネオニコチノイド系農薬の使用規制を考えました。「農薬の毒性試験」「アキアカネの幼虫の減少」「農薬の空中散布」など、これまでのゼミでやった内容が5章に出てきましたが、私の準備不足でうまく絡めて議論できなかったことが心残りです。

農薬ゼミの活動と関連して、「特定栽培農作物」(=減農薬・減化学肥料で育てられた農作物)の基準の問題を取り上げました。現在のガイドラインでは減農薬栽培の基準を一般的な農業の使用回数の半分以下、と定めています。しかし農薬の使用量を使用回数で規制していることで、少ない回数で効果が持続するネオニコチノイド系農薬の使用量の増加を助長する結果を招いてしまいました。農薬の使用の規制の在り方は、その農薬の毒性・使用量・使用回数・散布方法など様々な要因をもって決められるべきだと議論しました。また、農家が農薬を使わざるを得ない原因の一つに、「きれいな食品」を求める市場の意識がある、との指摘がありました。これは先週の畜産に関する議論を思い出しますね。私たち消費者一人一人が、「食品の見た目が少し悪くてもかまわない」という意識を持たなければ、農薬の使用量は減らないのかもしれません。

個人的には、市の保健師でもあるいずみさんに、「国の特定疾患医療受給者証の交付のために窓口に来る(=難病を患っている)人がとても多いことを実感している」というお話を聞けたことが興味深かったです。近年増加している神経難病の原因として有機リン系農薬、ネオニコチノイド系農薬のような昆虫の神経系にダメージを与える農薬の関与が疑われていますが、農薬に関する疫学的調査はまだ発展途上にあります。これからも農薬が人体に及ぼす影響について勉強していきたいと思います。


次に第3章「地域ブランド -ふたつの真正性について」の発表を行いました。

この章では、真正性(authenticity)、テロワール(terroir)という用語を用いて、地域ブランドについて考えました。フランスでは、そこでの産品に特異性を与えている地域の独自性を表現するために、しばしばテロワールという概念が使用されます。その地域における人間の文化や物理的・生物学的環境など、1つには絞れない要素の相互作用と農作物のつながりが高付加価値を生み出すとき、このつながりをテロワールと表現します。グローバル化された経済における真正性には、その産品の生産仕様が規格化されて生まれるものと、生産者と消費者との密接な関係(例えば産地直送や農場での直売)から生まれるものとの2つのありようが示唆されます。しかしテロワール産品は、規格化しようにも、その産品のどの要素が真正性の根幹をなしているのか知るのが困難であることから、前者の真正性に対する逆説となり得るそうです。。。難しかったです。

本章での事例はフランスの各地域での取り組みが中心でしたが、おくむらくんが日本での地域ブランドの例として、「じゅんかん育ち」の農作物(=汚泥を発酵させたものによる肥料などを用いて栽培された農作物)や「特定栽培農作物」(=播種前制限ナシ、栽培期間中化学農薬・化学肥料の使用を半分以下にして栽培された農作物)を挙げてくれました。

日本で生み出されている地域ブランドの1つとして、和歌山減農薬みかんを登録している法人も存在しているようです。私たち京大農薬ゼミの省農薬みかんも上手にアピールしていきたいですね。

次週は第2章「多国籍アグリビジネス」をないとうが、第9章「中山間地域」をかわはらだが担当します。

ながせ


6/23『食と農の社会学』輪読会②

2017-06-25 23:46:25 | ゼミ活動
さて、『食と農の社会学』輪読会の2週目です。

今週は第4章をもりたが、第6章をないとうが担当しました。

第4章「近代科学技術」副題は、科学的生命理解の観点から。
生命思想というなじみのない話題に、読んでみて苦労したメンバーも多かったのではないでしょうか。

本章では具体例として遺伝子組み換え技術と有機農業を取り上げ、機械論と生気論の生命観の違い、因果論と目的論・還元主義と全体論の論理の違いから近代科学技術の歴史を振り返りました。

ゼミ活動を行い、時に意見をぶつけ合うこともある農薬ゼミで意見の背景にある思想を意識することは大変有意義です。
今回は、農薬ゼミの主張である「省農薬は可能である」、農薬ゼミが行っている調査、寄生バチの導入について改めてどういった思想・論理に基づいているか考えてみました。

議論の結果、「省農薬は可能である」は化学農薬への批判から生まれた主張ですが、果たしてそれが有機農業と同じような生気論的発想なのかどうかは疑わしい。調査は全体論よりの発想だろう。寄生バチの導入は定義的には機械論だが生気論よりでもある。と、何とも歯切れの悪い結論となってしまいました。

しかし、哲学初心者の我々としてはこうして議論して意識に残すことが大切なのではないかと思います。

第6章「畜産」
農薬ゼミと関わりが薄いかとも思われるこの話題ですが、実は和歌山もミカン農家で畜産を兼業することがはやったことがあり、省農薬ミカン園でも50頭ほどの牛が飼われていたそうです。このときのJAの対応やその後の衰退の話を交えつつ畜産問題を考えました。

畜産の社会学的な問題として、ミカンと同様市場を通すうち消費者とは必ずしも一致しない価値観(糖度偏重のミカン、霜降り肉)で価値が付与されることがあります。理想的・合理的な方向以外に進みうるのが政治経済の世界の怖ろしさかなと学生に身ながら考えてしまいました。

先週の食品残渣のリサイクルと関連して近年開発されたリキッドタイプの豚飼料の話が出ました。乾燥しない分エネルギー面で環境にやさしいけれども栄養面で劣るそう。今後の研究・開発に期待です。

来週は第3章「地域ブランド」・第5章「農薬開発」を、おくむら・ながせが担当します。
もりた






6/16 『食と農の社会学』輪読会①

2017-06-17 22:15:18 | ゼミ活動

こんにちは。

前期後半6/16から7/28までのゼミでは『食と農の社会学 生命と地域の視点から』(枡潟俊子、谷口吉光、立川雅司;ミネルヴァ書房;2014)を輪読します。

各週2名が担当の章をプレゼンし、6週で全12章(序章と終章は除く)を網羅します。各プレゼンでは、内容を踏まえて農薬ゼミの活動にどう活かせるか(内容によっては難しいので、個人、京大、京都など身近なレベルでどう活かせるか)考えるのが狙いです。

最初の発表は私、ふじいが第8章「ローカルな食と農」を担当しました。

有機農業や「オーガニック」という言葉は、もともと「地域に根ざす」「人と人とのつながり」という意味合いや、社会への変革力といったものを持っていました。しかし、食の「安心・安全」ばかりが先に立ち、有機認証制度をクリアするためだけの有機農業や、巨大なアグリビジネスに取り込まれた「産業化」した有機農業が蔓延し、「地域」「コミュニティ」「持続可能性」といったものからかけ離れていったのです。この現象は世界レベルで起こりました。

そんな動きに対抗するように、「ローカル・フードムーブメント」という、有機農業・「オーガニック」から失われてしまったそれら「ローカル」「コミュニティ」を取り戻そうとする動きが高まります。具体的にはファーマーズマーケット、CSAなどの広まりで、米国では「ローカル」「コミュティ」へのつながりが顕著ですが、日本ではそれに比べるとまだまだなのかもしれません。

農薬ゼミの省農薬みかんは、「生産者、消費者、環境に安全、安心」という当初の目的であったであろう取り組みとしては、ひとつのモデル作りを果たしたと考えます。しかし、「ローカル」「コミュニティ」という点で見ると、地産地消ではなく全国各地に輸送していたり、生産者と消費者の双方向のつながりもなく、地元下津町大窪の方々とも関わりがなく、果たして持続性があるのかと問われると疑問です。今回そのことに気づかされたことで、消費者の理解や交流、地元の方々との交流などを考えていけたらと思うようになりました。

次に、かわはらだから第7章「生ごみと堆肥」についての発表がありました。

ごみというのは人間の考え方、価値観によるもので、それに着目するのがごみの社会学ということです。

ごみ処理、特に生ごみ処理の理想は、「有機物の小さい循環」に帰着することです。食卓で出た生ごみが堆肥になり、土に還り、農作物になり、再び食卓へ。大きい循環であると、循環の間が不透明になるのでよくありません。

江戸時代では生ごみの処理はさほど問題にならず、糞尿の処理が一大事でした。糞尿は値段をつけられ売買され、郊外で堆肥化され再び農作物栽培に用いられるという地域内循環が徹底されていました。しかし、明治時代になり大規模な焼却処理、下水道の整備、化学肥料の使用、食料流通の拡大が起こり、生ごみを堆肥化してローカルに循環される仕組みは壊れ、ごみという終着点に向かう一方通行になってしまいました。

地域循環型農業の再生への取り組みとして、インドネシアのごみ銀行、セブンイレブンの取り組み、京都市の取り組みが紹介されました。

農薬ゼミとしては、省農薬みかんの皮が生ごみとなってしまう問題があります。防腐剤を使用していないので安心して皮も食べられるとして過去にニュースレターに皮も使うレシピを載せたり、新歓で皮入りみかんジャムをつくったりしていますが、もっと大きく消費者を動かす力はないものかと皆で頭を悩ませました。

次回は第4章「近代科学技術」第6章「畜産」です。
ふじい


6/9 通常ゼミ農薬月間④

2017-06-11 10:31:05 | ゼミ活動

こんにちは!

今週は農薬月間4周目ということで、ゼミメンバーによる農薬に関連したテーマフリーの発表は今週が最後です。

発表者は私 奥村と、菅野さんです。

この度私は、省農薬・無農薬栽培は日本ではマイナーであり、栽培も経営も難しいものであるという前提の下、「省農薬・無農薬園の経営を成立させるには」という発表をしました。

まだまだ不勉強なせいで経営学的な分析・切り込みということは叶いませんでしたが、(有)おりた園さん、(株)鎌田農園さん、(有)伊勢アグリトラストさん、地域共同組合無茶々園さんの4団体の実績を取り上げ、今後の日本農業における農園経営にはどのような要素が求められているのかを考察しました。

個人的には、農学は実学であるのでこのようなビジネスモデルから学ぶことは非常に有意義であると考えています。


一方、農薬月間通常ゼミ大トリを務められた菅野さんは「天然農薬」をテーマに発表されました。

「原点からの農薬論ー生き物たちの視点から」(平野千里;農山漁村文化協会;1998)を参照しながら、植物が体内で生成する天然農薬(他の特定生物に対する化学物質)の歴史や作用の説明、そして天然農薬を活かした防除方法についての紹介(ついでにご自身の研究も紹介)という内容で、非常に興味深いものでした。


来週以降のゼミでは、「食と農の社会学 生命と地域の視点から」(枡潟俊子、谷口吉光、立川雅司;ミネルヴァ書房;2014)を輪読します!


奥村

6/2 通常ゼミ農薬月間③

2017-06-04 10:11:29 | ゼミ活動
こんにちは。

農薬月間3回目ということで、発表者は私河原田と、社会人でゼミに参加していただいている飯塚さんです。

始めは私の発表で、「河川の農薬汚染」についてです。

今回は兵庫県環境研究センターが発表した「加古川水系における水田農薬の河川水質及び底質への汚染状況」というレポートを参考にさせていただきました。このレポートは、兵庫県を流れている加古川の上流・中流・下流において川を流れている水と底質、つまり川底の土壌からどれだけ農薬が検出されるかという調査です。

今回の発表ではこのレポートのデータをまとめただけという簡単なものになってしまいましたが、実際にこの農薬成分がこれだけの量流れているのは大丈夫なのか、人の生活や他の生物にどのような影響を与えるのかなどに絡めていければよかったと思います。今後これらについて調べてみようと思います。

また、水田農薬の河川汚染ということで、おまけとして稲作に使われる農薬も調べてみました。我々日本人の主食である米はどのようにして育てられているのか、どのような農薬が使われているのか、実際に調べてみるまで知らないことが多かったです。

次に、飯塚さんの発表で、「環境問題の研究手法」についてです。

スリランカの農薬問題を例にして、このような問題の研究はどのようにあるべきかという内容でした。例えば、環境汚染により人や自然に何らかの悪影響があったとして、日本ではそれについての対策の技術研究が主として行われるそうです。確かにこれはとても大切なことではあります。しかし、なぜそのようなことが起きたのか、つまり原因の究明も行わなければならないのです。根本的な問題を解決して、そもそもそのような問題が起こらないようにすることが大切なのではないかと思いました。

農薬の人体への影響の究明は困難なことです。なので、メカニズムの解明と同時に被害地域の観察データを吟味し、多面的な角度からの研究が必要です。


いよいよ来週は農薬月間最終週!自分の発表が終わったからといって気を緩めるようなことはせず、最後まで学べることをどんどん吸収していきたいです。

かわはらだ