みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

WTO体制下の日本農業・第二章

2007-01-27 21:08:40 | ゼミ活動
1月19日(金)
第二章:「非貿易的関心事項」の批判的考察

本来なら、第二章・第三章を行なう予定でしたが、量が多いため、第二章に絞って行なうことにしました。

WTO農業協定における「非貿易的関心事項」とは「食糧安全保障、環境保護の必要その他」のことであり、これは日本の主張が一定程度反映されたものです。
「環境保護」は国土の保全、景観の形成、水源の涵養、自然環境の保全など、「その他の事項」としては、地域社会の活性化(文化の伝承・保険休養等含む)、食品の品質・安全性、動物愛護などがあげられます。

日本では食料自給率が先進国では最低という異状のもとで、農業貿易自由化議論に深く関わっているために、この「非貿易関心事項」の配慮・考慮に深い関心があります。
日本はこの「非貿易的関心事項」のうち、EUなどが特に主張している食品の品質・安全性や動物愛護などの「消費者の関心」事項について「新たな課題への対応」として別に切り離した、「農業の多面的機能」を新たに提案しています。

日本における食料の安定供給や多面的価値の持続性を考えたとき、「非貿易的関心事項」の実は得るべき重要事項の一つです。しかし、日本の思惑通りに事が進まないのも事実です。
WTO農業協定における「食糧安全保障」は、輸出国が輸出禁止・抑制が認められているのに対し、輸入国は事実上ミニマム・アクセスが義務付けられ、輸入禁止・抑制ができない等に見られるように、農業貿易が確実・着実に進展するように組み立てられており、必要あれば国内対策によって対処すべきとの意味合いが強いといえます。

輸入に頼っている日本は今食料制裁をされると大変なことになってしまいますね(>_<)

この本は2002年発行なので、現在の状況はここに述べられている事とは変化しているはずです。2006年12月8日に有機農業推進法が制定された様に、食品の品質・安定性も、今日本で求められている課題と言えるでしょう。

2007年3月に『農を変えたい!全国集会 IN滋賀 2007』が滋賀県立大学で開催されます。有機農業を核とした環境を守り育てる農業に転換していくために必要な「政策」について検討し、「技術」を深める場となることでしょう。興味のある方は農を変えたい! 全国運動を覗いて見て下さい。
 


第三章は1月26日(金)、第四章・第五章は2月2日(金)に行います。
よろしくお願いします。

(オガワ)

WTO体制下の日本農業・第一章

2007-01-17 21:13:47 | ゼミ活動
1月12日(金)
2007年最初の農薬ゼミ。
予告どおりの勉強会をしました

『WTO体制下の日本農業』の第一章。
当初予想していたのは、WTO体制そのものの評価や将来像だったのですが、
その内容からWTO体制の中で日本はどうすべきかという議論になりました。

実際、工業製品の自由化がほぼ完全に進んで、
WTOの焦点は農業やサービスのほうに移っています。
農業が貿易の足を引っ張っていると言われているそうですが、
農業には文化や伝統と言った精神的要素も多分に関与してくるので、
そう簡単に自由化するわけにはいかないのではないでしょうか。

貿易を推し進める比較優位などの経済理論に対抗するべき武器はあるのか?
以降の章で検討していく課題になりました。


(太田)

1月の予定

2007-01-01 16:05:35 | ゼミ活動
明けましておめでとうございます
今年も農薬ゼミと省農薬みかんをよろしくお願いします。

さて、2007年1月のゼミについてお知らせします。
1月は「WTO体制下の日本農業」の輪読を行ないます。
著者は矢口芳生、発行所は日本経済評論社です。

1月12日(金)18:30〜@市民研
・「WTO体制下の日本農業」第一章 担当:小川
・みかん販売作業

1月19日(金)18:30〜@市民研
・「WTO体制下の日本農業」第二章・第三章 担当:富山

1月26日(金)18:30〜@市民研
・「WTO体制下の日本農業」第四章・第五章 担当:太田

よろしくお願いします。