みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

7/7 『食と農の社会学』輪読会④

2017-07-10 07:51:05 | ゼミ活動
農薬ゼミのみかん日記をご覧の皆様こんにちは(((ノ´ω`)ノ~)))))スタタタタッ

「食と農の社会学」輪読会、第4回はかわはらだと、私ないとうが担当させて頂きました。

最初はかわはらだの第九章「中山間地域~生活の場から~」です。

中山間地域とは、ざっくり言えば、平野と山地に挟まれた、まとまった平坦な耕地が少ない地域のことです。よくテレビで紹介されている段々畑や千枚田がある地域はこれに当たります。ご存知の通り日本には山地が非常に多く、従って中山間地域も多くなっています。日本の農業地域(100%)の内、中間農業地域は31.7%、山間農業地域は40.2%です。つまり中山間地域農業は71.9%で、日本の農業地域の大半を占めるとも言えるでしょう。

さて、ここで重要なのが、ずばり「過疎」です。前述の中間農業地域の人口は農業地域全体の8.5%、山間地域は3%に止まっています。更に、何の対策も講じられなければ、時間の経過に伴い、これらの地域の人口はますます減少の一途をたどると予想されています。

対策として、これらの地域のPRが行われ、人口の増加を目指す活動が行われています。今は、「持続可能な暮らしと社会」(具体的には薪ストーブ・山菜採り・作物自給自足など)が、この大量消費社会において非常に重要な価値を持ち、街中で暮らす我々にとっては魅力的に映る時代だと思っています。中山間地域の人口を増やすことも不可能ではないでしょう。

中山間地域に存在する農村生活には、かつて畜産・林業・農業の中での有機的な繋がり(例えば家畜の糞尿をたい肥にするなど)があり、食とエネルギーの自給があり、農村全体に地域的なコミュニティが存在していました。今現在でも、これに近い姿を残しています。ごみの増加・食料自給率の低下・孤独死の増加が社会問題となった現在、今一度中山間地域の生活を振り返ってみてもいいのではないかと思いました。

次は私ないとうの第二章「多国籍アグリビジネス~農業・食料・種子の支配~」です。

多国籍企業(今回は食料に関連する企業について)の種類は実に様々です。普段我々の目に晒されるコカ・コーラの様な食品加工企業から、我々の目には全く触れないカーギルの様な農産物取引企業まで…。今回はこれらの多国籍企業の紹介と、問題の指摘をさせて頂きました。

本文では、多国籍企業は主に5つに大分されています。生産から消費の順番に、①農業生産財企業、遺伝子組み換え技術で有名なモンサントなど。②農産物取引加工企業、貿易などを取り扱い見えない巨人と称されるカーギルなど。③食品加工企業、ネスカフェやペリエを生産しているネスレなど。④食品サービス企業、おなじみマクドナルドなど。⑤食品小売り企業、後述しますが巨大すぎるウォルマートなど。

この中では、ウォルマートが最も分かりやすい多国籍な企業でしょう。2015年度の売上55兆円、純利益1.9兆円。従業員数230万人、週間顧客数2憶人。出店国28か国、所有店舗数11,695店。目を疑うような超巨大企業です。日本では西友などのスーパーを傘下に収めています。

多国籍企業の問題点は、その規模故に、経済的・政治的影響力が大きすぎることです。経済的には市場の寡占化、政治的には政府と企業間の交換人事などが問題とされています。また、多国籍企業は動かせる資金も膨大です。2012年にカリフォルニアで行われた遺伝子組み換え食品表示法の是非を問う州民投票の折には、50億円以上の資金を投入してTVCMなどを組み、この法案成立の阻止に成功しました。

であれば、我々大衆や中小農業従事者は、多国籍企業の市場寡占化などを黙って見ているしかないのかというと、そうでもないようです。例えば、中小農業者・農業従事者組織の国際団体であるビア・カンペシーナは、世界148の組織で構成されており、構成員総数は2憶5000万人にものぼります。天然資源の保全、食糧主権、持続可能な農業生産、ジェンダーの平等や、農民組織の連帯と協力を発展させることを目的としています。

現代の食に関する問題は、企業の肥大化・食品の国産化によって、最早、我々の生活の中で自然に把握することは不可能です。少しでもご興味があれば、食を取り扱った映画を見ることがいいかと思います。ここでは「未来の食卓」「フード・インク」「キング・コーン」「ありあまるごちそう」を挙げておきます^^

長文失礼しました。次回で輪読会は一先ず終わりです。

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1 コメント

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Unknown (ふじい)
2017-07-11 11:36:05
輪読会はあと2回だよー。
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