みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

農薬ゼミOB市岡先生に講演していただきました!!

2014-06-26 12:15:08 | ゼミ活動
リレーコラム的な流れで定期的に活動内容がアップされている本ブログ。ついに私のところにもお鉢が回ってきました。新入生メンバーも増え、がぜん活気づいている流れに私が水を差すわけにはいけません。とまぁ、一歩退いた立ち位置の私は、学生ではなく一生産者、一農業者です。以前からちょくちょくゼミに参加させてもらっています。自己研鑚という名目で(良く言えば)。

今回は、農薬ゼミ出身で現在、京大で生態学の分野の教鞭をとる傍ら、東南アジアの熱帯雨林の昆虫生態学を研究するプロジェクトに参加されている市岡孝朗先生に「ミカン園から熱帯雨林へ:アリとカイガラムシの生態学」というテーマで講演していただきました。私自身、極力農薬を使わない方法で野菜を栽培していますので、作物に害を及ぼす虫との付き合いは宿命と言っても過言ではありません。実際の農業現場に応用できる知識なりが得られれば、という気持ちで話を聞かせてもらいました。

感想を先に述べると、「甘かった」です。何が?私の昆虫に対する、といいますか、生態系のミクロマクロ含めた営みに対する認識が、です。私なんかは、立場上どうしても虫を見る時も、その個体が有益か害悪か、といった二元論的な狭い視野に終始してしまいがちです。しかし、その道のプロフェッショナルともいうべき市岡先生の見ている昆虫の世界は、私が想像できる二つ三つ先にありました。


講演タイトルの通り、先生が学生時代に取り組んでおられたミカン園での研究から近年参加されておられるマレーシアはサラワクの熱帯雨林における研究の成果まで、短い時間のなかで大変内容の濃い話で、改めてミカン園と共に歩んできた農薬ゼミの歴史の深さとそこに積み上げられてきた膨大なデータを想像するのに十分過ぎるほどでした。また、熱帯雨林での研究に関しては、スケールが大きすぎて何かしらのヒントを自分の畑に還元しようと賢しい考えをもっていたことが恥ずかしくなるくらい。一つ確信できたことは、野菜というものがヒトの手によって過保護すぎるほどに育てられた自然界における変異種だということ。

アリとカイガラムシが食料の供給など何かしら互いに依存するギブアンドテイクの関係、栄養共生を軸に話が進められましたが、その多様性と奥深さ、熱帯の生態系においては解明されていないことだらけだという事実。ディスカッションにおいても、次から次に問題提起がされ、嬉々としてそれらの課題について言及される先生の姿は、研究者として目指すべき姿として映りました。少なくとも、私自身、何かに魅せられたのか、普段忌み嫌うはずの虫の写真などを食い入るように凝視していました。まぁ、開口一番「アリすげぇ。」などと稚拙極まりない感想を口にしていたのも事実ですが。

熱帯雨林の生態系の多様さとリンクして、教育現場における問題点や課題にも話題は及びました。多種多様な分野の人と交流し、議論し、意見を交わすことで何か新しいことをつくる創造力は身に付くのではないでしょうか。発想力豊かで興味深い市岡先生の話を聴きながら、私が学生のころから考えていたことをふと思い出しました。いろんな学部の人と真剣に議論できる農薬ゼミ。チャンスです。創造的で自由な生き方という豊かさを発見する。


最後に、熱帯雨林において、多種多様な生物が生存をかけてせめぎあい、時にはだましあう姿を人間の世界にたとえてしまいそうになりますが、そもそもあれだけ神秘的とも呼べる世界を人間の基準に当てはめようとすることがある種の傲慢なのかもしれませんね。

(農業者 かんばら)

6月13日(金)奇跡のリンゴの実際

2014-06-19 22:44:45 | ゼミ活動
今日は先週鑑賞した映画「奇跡のリンゴ」について、但馬さんによる発表を聞いたのち、皆で無農薬リンゴについて議論しました。
映画ではどうしても主人公であるリンゴ農家の木村さんが好意的に描かれてしまい、科学的観点も抜け落ちてしまっている場合が多い。
不都合な真実もストーリーの構成上隠されていることがある。
そこで、今日は無農薬リンゴについて、様々な観点から話し合いました。

いろいろな話が出たのですが、自分が今日聞いて思ったことをひとつ。

木村さんの奇跡のリンゴは、全く農薬を使わない(=農薬代がかからない)上に採れたリンゴが無農薬リンゴとして高値で売れるため、経済的持続性を満たしているように見える。
さらに環境絵の負荷もないなんて、本当に奇跡だと思います。
けれど、だからといってこの無農薬リンゴの栽培法を全国のリンゴ農家が試しても、経済的に成功するとは思えません。
この木村さんの例は、特殊な例であると思うのです。
たまたま書籍化され、映画化されて注目を集めたからこそ、ここまで成功できた部分がかなりあるのではないでしょうか。
メディアの力によってブランド化された効果は正直大きい。
菅野美穂がでてるあれだけいい映画なら、映画を見た人なら一度は奇跡のリンゴが食べたくなるのが自然な反応です。
実際自分もそのひとりですし。

自分の感想はこんな感じです。
更新遅くなって申し訳ありませんでした。

PS 仲田さんから届いたビワ、頂きました。
めちゃくちゃ美味しかったです。
自分が貰ったぶんは一日で全部食べました。
ごちそうさまでした!

経済一回 山本



6/6(金)映画鑑賞「奇跡のリンゴ」

2014-06-07 00:01:10 | ゼミ活動


みんなで「奇跡のリンゴ」見ましたー!
映画鑑賞…と書きましたがDVD鑑賞です!
でも、プロジェクターなので大画面!

ネタバレすべきか迷ったんですが、
「ぜひ直接見て!!」
と思ったので、ネタバレはなしで行きます!

ネタバレしないようにって難しい…
とりあえず、私は見て良かったと思う作品でした。
勉強にもなったし(リンゴ農家のこと農薬のこと)
話もすごくおもしろかったです。
そして最後にはちゃんとスッキリする結末が!
心底、良かったー、と思いました。
こういうタイプの感動はなかなかしてなかったです。最近。
あと菅野美穂が可愛かったです。

…とか、ありきたりな感想書いてるだけなのもあれなので
映画を見て考えたこと書いてみます。

ゼミと関係ない話が混ざって申し訳ないのですが
個人的に、昨日、
「僕たちは世界を変えることができない。
but we wanna build a school in cambodia.」
を今さらながら借りて見ました。
なぜか唐突に見たくなりました。

そして今日「奇跡のリンゴ」を見て
つまり2日連続で偉大な挑戦者を見て
思ったのは
「失敗しないことより、失敗することの方が、難しい」
ということ。
特に、一度成功してて
今安定したポジションにいる人にとっては難しい
と思ったり。なぜなら怖いから!
言われたことに従って生きてれば
失敗しないことが約束されてて
失敗しても誰かのせいにできて。
でもそれって
本当に自分の納得できる生き方なのだろうか。
最初馬鹿にされたって
隣で「真っ当な道」が褒められてたって
ちゃんと自分の頭で考えて
その時一番必要で
その時一番大切だと思えた道を
選んで生きていきたいものです。
いつまでも。私は。
と、世間の荒波をまだまだ知らない大学生は考えました。
はい、口だけじゃなくて勉強します!

以上、
有意義な思考の時間を得ましたアピールでした(*´ー`)

こんな有意義な時間を過ごしたいあなた!
ぜひぜひ農薬ゼミのぞきに来てください。
農薬の知識なくても大丈夫!(ちなみに私もほぼない)
みんな暖かくて良い人ばかりなので安心してカモンでーす

(農学部森林科学B4・いわおか)

5月30日(金)石田先生の新歓講座!

2014-06-05 19:40:03 | ゼミ活動
大学入学以降完全に途絶えていた
ブログな心が
2014年梅雨入りとともに復活しました!
ので、満を持してみかん日記に書き込みます!


どうも、農薬ゼミのたじまです。

 さて、先週5月30日のゼミは毎年恒例の石田先生の新歓講座でした。
ミカン山の歴史や農薬ゼミの活動の意義についてお話いただきました。
 先生の農薬ゼミ創設期の熱い思いは、毎年聞いている内容なのにぐっと胸を打つものがあります。また、農薬ゼミの長きにわたる歴史を再確認することで、「自分達の一日一日がその大きな流れの一部となっている」ことにも気づき、身が引き締まりました。

 個人的には、この講演を聞いていると、自分が農薬ゼミに入ったころのことを思い出します。
 農薬ゼミの長い歴史と比べると、とても短い期間ですが、僕もなんとかかんとか、このサークルのコアメンバーとして2年強ほど活動を続けることが出来ています。
 なんで続けられたかというと、やっぱりこのサークルに携わっている人が好きで、(ミカンが好きで、)このサークルでの活動が好きだという気持ちがずっとあったからだと思うんです。

 僕の敬愛する随筆家の言葉に「物事を長く続けるのに一番必要なのは、『(その物事が)好き』という気持ち」というのがあるんですけど、
最初に何かを始める時、大抵の人は「その事が好き」という気持ちを持っていますよね。
だけど、時間がたったり、疲れがたまったり、ショックがあったりすると、消しゴムみたいにすり減ってしまう。
 だから、日頃からその気持ちを大切にして、時には上手に継ぎ足し、補わなければいけない。
「好き」を減らさない工夫と、「好き」を増やしていく工夫をすれば、長く物事を続けられるんじゃないでしょうか。もちろん、そのやり方は人それぞれだけど。

(ひょっとしたら、石田先生や仲田さんもこんな工夫をされているのかな、と勝手に思ったり。)
すみません。ここまで偉そうに書きましたが、先週の月曜から始めた僕の禁酒はわずか二日で終わりました。(三日坊主にすらなれないとは…)
やっぱり続けるのって難しいですね。

さてさて、
来週の農薬ゼミは6月6日(金)で映画鑑賞です。
映画タイトルは「奇跡のリンゴ」。

 農薬散布の影響で体調を崩してしまう妻の身体を心配し、リンゴの無農薬栽培に挑んだある農家の実話を描いた感動作です。主演は阿部サダオさんと菅野美穂さん。
 いつも通り、農学部総合館S174で18時30分から始まります!
 お気軽に遊びにきてください!

(経済M1・たじま)