6月27日は私大池が「農村と移住者」という題で小話させていただきました。
去る6月22日~26日、とある用事で私は高知県を訪ねていました。
高知県には年に1ヶ月ほど通っております。
というのも県西部の四万十川流域にある集落で、住民自治に関する調査(と無難に言っておきましょう)を2年ほどさせていただいているからなのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/5b/d2/9872ee264d98e38c433e02c5ab7135b5_s.jpg)
<高知県四万十市西土佐にて 6月24日16時半ごろ大池撮影>
ある水準をこえて人口が減り、若い世代の割合が低く、支出に比べ収入の少ない市町村は、国によって「過疎地域」に指定されています。
この「過疎地域」に住んでいる人びとは全人口の8.1%ですが、面積でいうと「過疎地域」は全国土の57.2%を占めています(2010年国勢調査より)。
そこでは、お店や病院が利用者の減少に伴って減っていくことで不便さが増すと同時に、日頃の共同活動においては、少なくなった住民一人ひとりにかかる負担が増えていきます。
しかしながら逆にとらえれば、そこは一人あたりの自然資源が豊富な地域だといえ、人口密集地に比べれば、大地や水や森林や動物たちとの結びつきを強く感じられる場でもあります。
私が普段お訪ねしている集落もやはり過疎化が進んでおりますが、
外からやってきて新しく住むようになる人びとも一定数おられます。
2000年前後、ジープに調味料だけを積んで河原に寝泊りしながら、住む家を転々と探し回られたOさん。職安も回りながら、各地の空き家を探されたそうです。
「もうダメかな~」と思っていた頃に、たまたま働いた農場の主人の紹介で、現在の家に住めることになりました。
「今から考えれば、直接住民に空き家を貸してくださいと頼んで回っていたから貸してもらえなかったんだな。空いていても知らない人にはやすやすと貸せない。
田舎に住もうと思うなら、信頼できる人に間に入ってもらわないと。まず集落の代表者(=自治会長)に聞くこと。空いているおうちありませんかって。自治会長さんに窓口になってもらうことだね」(Oさん)
ご近所の方が親切で、その後は集落でいろいろな役職を任せられるうちに住民からの信頼を得ていったといいます。
他にも赤ちゃんを連れてやってきた夫妻もいます。
旦那さんは水道のメンテナンスを引き受けながら、山でくくりわな猟をされており、さばいたシカの数は3桁とも。曰く「シカは夏のオンタ(♂)が美味い」そうです。もはや山の猛者ですね^_^
最近では、総務省が2009年から行なっている「地域おこし協力隊」という制度で、都会からやってくる若者が増えています。2012年冬には「地域おこし協力隊」をとりあげたテレビドラマも放映されました(上図)。
私のお訪ねしている地域にも4名の協力隊員が赴任されており、それぞれの個性を出しながら、日々試行錯誤を重ねておられます。
彼ら彼女らは最長3年の任期を終えると、その後も地域に残って住み続けるかどうかの決断をすることになります。
・・・まとまりのない話となりましたが、続きはまた今度。
お読みいただきありがとうございました!
(おおいけ:農学修士3回)