みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

7/8ゼミ報告

2011-07-16 20:39:19 | ゼミ活動
久しぶりの更新です。

7月8日のゼミ報告です。
今回は、アセフェートという有機リン系農薬をテーマに扱いました。
情報ソースは「てんとう虫情報」という農薬問題に詳しい月刊情報誌です。

アセフェートは汎用農薬として多く使われています。
09年に、このアセフェートのADI(一日摂取許容量)が見直される運びとなり、
それに従ってアセフェートの残留基準は従来以上に厳しくなり、あるいは、
かんきつ作物へのアセフェート登録が消される見通しとなりました。

どういった経緯で以上の事が進んだかといいますと。
2007年に、中国産ギョーザ事件からメタミドホスが話題に上り、社会的関心が高まりました。
日本ではメタミドホスは農薬として認められておらず、一見、国内産農産物にメタミドホスが残留している可能性は無いと思われます。
しかし、アセフェートが分解されるとメタミドホスが誘導されるのです。
つまり、アセフェートを使用した農産物にはメタミドホスの残留が考えられるわけです。
しかし、今までの残留基準は、メタミドホスの部分を考慮していませんでした。

そこで今回、改めてアセフェートの毒性調査を行い、上記のようにADIが見直されることになったわけです。

従来のアセフェート残留基準は80年代に行われた毒性調査に基づいていました。
つまり、現時点の毒性調査の観点から見て、不適切な残留基準がおよそ30年使われ続けられてきたわけでして、この点が今回の見直しから明らかになった問題点だと思われます。