みかん日記

省農薬ミカン園の様子や農薬ゼミの活動内容を伝えます。

農薬ゼミ2013 そして新年度へ・・・

2013-01-20 01:25:26 | ゼミ活動
2013年初書き込みです。京大農薬ゼミ代表の岩本です。
昨年のミカン販売、ご購入いただいた方々、本当にありがとうございました。

さて、最近のゼミで取り上げられた話題から。
1月11日のゼミでは、ゼミ員の大池が修士研究のフィールドとしている高知県四万十市のある集落での事例をもとに、中山間地域の農山村の実態について話してくれました。その集落では、住民が設立した株式会社が農協の購買事業を引き継いで生活を支えているほか、ネットワークを活かして特産品を地域外に販売する事業にも取り組もうとしているようです。こうした地域の問題を考えるとき、私たちはともすると悲壮感やセンチメンタリズムに呑まれがちですが、その地域にとって必要なのはむしろ建設的な戦略であるはずです。よそ者が羨むような魅力をいかに発掘し発信するか、そうした取り組みをもっと知りたいと思った次第です。

1月18日のゼミでは、ゼミ員の宮本が最近の新聞や雑誌の記事の中から「種子ビジネス」に関するものを紹介してくれました。皆さんは、私たちが普段食べている作物のタネがどこから来ているか、考えたことはありますか? 私は京都の下宿のベランダでちょっと野菜など育てているのですが、コマツナのタネはイタリア産でした。日本で使用されるタネの多くが、外国産なのです。また、多国籍企業が市場で大きなシェアを握っており、農家で栽培される作物の品種が固定化してしまいますと、地域に昔からあった野菜(貴重な遺伝資源です)が失われてしまう危険があります。こうした遺伝資源を保護するための「シードバンク」や「ジーンバンク」といった取り組みは各地で進められているといいますので、ぜひそうした事例を知りたいと思いますし、そうした資源を利用する権利は誰にあるのかについても議論したいところです。

次回1月25日のゼミでは、ゼミ員の吉村が「ネオニコチノイド系農薬」について新しい話題を紹介してくれます。近年問題になっている「ミツバチの大量死」とも深い関わりがあるとされています。興味のある方は、18:30に左京区田中里の前の市民環境研究所までお越しください。

ところで、来年度へ向けたゼミ計画も進行中です。現在、ある程度長期に渡ってゼミ全体で取り組むプロジェクトを設定しようとしております。
ゼミは、さらに議論を深め、より多くの方々に関心を持っていただけるように。
ミカン園の調査に関しては、これまでの蓄積を十二分に活用すると同時に、一般の方々にも見やすいカタチにすること。さらに、現在のミカン園の課題(隔年結果や無農薬への挑戦など)へのアプローチを検討すること。
こうしたことを目指し、さらに京大農薬ゼミを活性化してまいりますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

・・・ふ~長くなってしまいました。やはりブログの更新というのはマメにやらないと書くことがどんどん増えていくものでして。心機一転、ちょくちょく更新していきたいと思います。

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