ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

運送業のお仕事 ~55歳から56歳までのハローワーク(その4)※完結 ~

2023年04月03日 | 就職活動関連

 トラックドライバーから設備管理の仕事への転職活動を書いた『55歳から56歳までのハローワーク』の最後の記事は、私の運送業時代の総括です。軽貨物運送業(個人事業主)での約4ヶ月と、トラックドライバーでの約1年半(運送会社の正社員)を振り返ってみます(愚痴が多くなると思います)。

 結論から書きますが、『運送業』と言う業界で働いて思ったのは「結局、運送業は荷主さん次第だなぁ。」と言うことです。

 約1年10ヶ月の間に数多くの荷主さんの荷物を運びましたが、社内で物流部門の力が弱い荷主さんの仕事は大変なことが多かったですね。
 物流部門の社内での立場が弱いと営業等の他の部署のどう考えてもおかしい要求(理不尽な要求)に異論を唱えることができないので、そのツケが全てドライバーに回ってきます。どう考えても時間的に無理なスケジュールで仕事を組まれたりするので運転時の危険度が上がります。どの会社の物流部門も『安全運転』を謳っているのですが、口だけの荷主さんが何社かありましたね。

 そんな物流部門の力が特に弱くて働くのがしんどかったのは、私が軽貨物運送業で最初に働いた荷主さんと、トラックドライバー時代の最後に働いた荷主さんの2社だけでした。それ以外の荷主さんは運転手の事を考えて仕事を依頼してくれるので、走行距離が長かったり、荷下ろし作業がキツくても嫌な気分にはなりませんでした。まぁ、それが普通だと思うんですけどね。

 しんどかった2社の物流部門は『どう考えてもおかしい社内の業務の流れやルール』の見直しをせずに、上から『経費削減』を言われてドライバーの数を減らしていたので、単に一人当たりの仕事が増えただけでした。毎日残業が続くので、結局、ドライバーが次々に辞めていく職場環境でしたね。その2社の変だった部分は以下の通りです。

(1社目:自動車関連の荷主さん)
 私が軽貨物運送時代に最初に働いた会社は日本を代表する有名な自動車関係の巨大企業なのですが、同じ時間に方角が違う3つの現場配送のスケジュールを普通に組むような会社だったので大変でした。とにかく配送計画が滅茶苦茶でした。
 どう考えても物理的に不可能な配達の時に「無理ですよ。」と言うと、「それをどうにかするのがお前らの仕事だろうがぁ~。」と逆ギレされるので手に負えませんでした。初日に「昼休みも休まずに配送して下さい。休憩時間はありません。」と言われたのも衝撃でしたね。物流部門の担当者は社内の他の部門の人にはペコペコする完全なイエスマンでしたが、我々ドライバーにはノーマンでしたね。

 結局、その会社の物流部門の若い社員が配送の仕事の最中に自動車事故を起こして問題になったので、無理な配送スケジュールは組まれなくなりました。上司や先輩社員の冗談か本音か判らない「10分で戻ってこい。」とか「急いで配達しろ。」等のプレッシャーを若い社員は毎日受けていたので、事故が起きるのは必然だったと思います。明らかに体育会系の社内の雰囲気が悪い方に転がった感じでした。

 余談ですが、その会社は安全運転に関連する製品を販売しているのですが、物流部門の社員は我々ドライバーに「事故を起こさない程度に急いで配達して下さい。」と言っていたのが印象に残っています。また、自分達の製品を売るために、雨や雪が降るのを祈っていた光景も記憶に残っていますね。

 尚、休憩時間をもらえなかった荷主さんはこの1社だけでした(社員さんは普通に昼と夕方に休みます)。
 その会社の事務所の壁のあちこちに貼られた『安全運転』のポスターを見るたびに虚しくなったのを今でも時々思い出します。「休憩時間なしで連続10時間運転をさせる会社が安全運転を口にするなよ。」といつも思っていました。安全運転には適度な休憩が当たり前ですからね。そんな嫌な想いをしたので私はその会社の製品は絶対に買いません。


(2社目:建築設備の販売会社の荷主さん)
 私がトラックドライバー時代の最後に『専属』で約1年間働いた会社は、便器・キッチン・お風呂・給湯器・水回り関連の商品を販売する商社だったのですが、物流部門だけでなく営業部門もミスが多くて大変でした。ミスを取り消すための再配達や、納品先から受け取りを拒否されたりすることが度々あったので辟易することが多かったですね。お客さんに納期回答せずに荷物を突然大量に送りつけたりするので怒られて当然です。
 その上、商品を保管しておく倉庫の管理もひどかったので、荷物をトラックの荷台に積むのが毎日一苦労でした。数ヶ月とか半年先に納品する商品を仕入れて倉庫に在庫で置いておく営業マンがいたので、すぐに倉庫が満杯になって大変でした。そんなに早く商品を仕入れることに経理部門が口を出さない点も不思議でしたね。資金繰りに影響が出ると思うんですけどね。

 そして、この会社で特に印象に残っているのは、配達先の工事現場での『間配り(まくばり)』が多かったことですね。
 普通、建設中のマンション等の現場に荷物を納品する時は、現地に『荷受人(にうけにん)』や『荷揚げ屋(にあげや)』と言う荷物を各部屋や保管場所に運ぶ役割(間配り)の人達が手配されています。そのため我々ドライバーは荷揚げ用のエレベータにトラックを横づけして荷物を荷受人や荷揚げ屋さんに渡します。我々が荷揚げ用のエレベーターに乗ったり、建設中の建物の中に入ることはほとんどありません。中に入ろうとすると工事の元請けのゼネコンの社員(現場監督)に「部外者は入らないで下さい。」と怒られます。我々ドライバーは配達するまでが仕事です。

 それがこの会社では、我々ドライバーがマンションの工事現場で間配りをやらされることが多々ありました。配達だけなら2時間で終わる仕事が間配りまで行なうと半日かかることになるので大変でしたね。
 厳密に言うと、登録されていない部外者の我々が建設中の工事現場に入ること自体が安全管理上NGみたいなので、我々は間配りをしてはいけないんですけどね。なぜかやらされました。
 私は間配り中に仮設エレベーターの籠の中に20分くらい閉じ込められる事故にあったので、間配り有の配達は本当に嫌でした(閉所恐怖症気味なので)。建築途中の高所の作業は本当に危険で嫌でした。間配りをやらされたのはこの会社だけなので強く印象に残っています。事故が起きていたらどうするつもりだったんですかね。「元請企業のゼネコンにチクった方がいい。」と言う人もいましたが、私が働いている間は変化がありませんでした。

 ちなみに、間配りの配達があるのは、どうやら営業さんが受注するために「うちに仕事をもらえるならば間配りまでしますよ。」とお客さんに言って仕事を取っていたみたいです。納品先の企業からすると荷受人や荷揚げ屋さんの手配をしなくてすむので費用が浮きますからね。ここでも『安全』が軽視されていますね。

 と言った感じで、私にとってトホホだった荷主さん2社の事を書きましたが、それ以外は運送業の仕事で不満はほとんどありませんでした。『安全』を軽視している荷主さんは上記の2社しかありませんでしたからね。それ以外の荷主さんは『安全重視』が当たり前で、無理な仕事は絶対に我々にさせませんでした。事故が起きたら大問題になるので当たり前の話ですね。


 以上、私が約1年と10ヶ月働いた運送業の仕事の話(主に愚痴)でした。

 基本的に私は車の運転や知らない場所に行くのが好きなので、また機会があれば運送業に就いても問題はありません。マイカーのナンバープレートも軽貨物運送業用の黒ナンバーにしたままなので、設備管理の仕事を引退したら軽貨物運送の仕事を復活するつもりでいます。まぁ、その時は60歳を超えているはずなので、フルタイムの仕事はできませんけどね。

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