ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

今週の1冊 ~ 講道館柔道 対 プロレス 初対決 ~

2007年12月25日 | 
 私の家には、買ったのに読んでいない本がたくさんあります。年末年始で読むつもりですが、かなり溜まってきましたね。

 そんな本達の中で、昨日読み終えたのが、『講道館柔道 対 プロレス初対決』(丸島隆雄著・島津書房)です。面白かったですね。

 この本は、大正10年(1921年)の3月5日と6日に靖国神社で行なわれた、アメリカのプロレスラーのアド・サンテル(他1人)と、日本の柔道家4人の異種格闘技戦の様子が客観的に書かれています。『大正10年サンテル事件』と言うそうです。
 その試合以外にも、明治時代後半から大正時代にアメリカで行われた数々のプロレス対柔道の試合の様子や、講道館柔道が設立した経緯、スポーツと武道の違い、プロスポーツとアマチュアスポーツの違い、等が書かれています。

 この本を読んで再認識したのは、『日本人の格闘技好き・真剣勝負好き』ですね。明治時代の人も、大正時代の人も、今と変わりません。みんな会場に駆けつけます(アメリカでの異種格闘技戦は日本人の観客ばかりだったそうです)。

 どうやら、格闘技好きって言うのは、日本人のDNAに組み込まれていたんですね。力道山のプロレスが大流行した下地は、明治&大正時代に出来ていたようです。できることならば、昔の格闘技好きの日本人に、PRIDEやHEROSやK-1を見せてあげたいですね。涙を流して喜びそうな気がします。見終わった後に格闘談義をしてみたいですね。

 他に興味深かったのは、試合に出た柔道家が講道館を破門(のちに破門は解かれる)されているところですね。PRIDEに参戦した吉田秀彦が柔道の大会に出れない今の状況に似ています。約90年前からアマ規定にはうるさかったようです。 観戦料を取る試合(興行)に柔道家が出る出ないで、かなり白熱した意見が交わされたようですね。八百長の話やルール問題も関係しています。現在と全く同じ状況ですね。

 肝心の試合は、関節技や締め技決着が多かったようです(パンチやキック等の打撃技は禁止)。プロレス技の基本中の基本『ボディスラム』一発で試合が終わったこともあるみたいなので、今よりは硬いリングで戦ったんでしょうね。
 できればタイムマシンで過去に戻って、当時の試合を見てみたいですね。2時間、3時間の試合もあったようですので、今だったらブーイングの嵐だと思いますけどね(勝負論より観客論を優先したので、今のプロレスの形になったんでしょうね)。
 私が映像で見た一番古いプロレスの試合は、1934年のジム・ロンドス対ブロンコ・ナブラスキーのタイトルマッチですが、今のプロレスと違ってシンプルな技で勝負が決まりますもんね。かなりガチガチの試合です。事前に勝敗が決まっているのかどうかは、よく判りません。今のアマレスに近いですね。

 『講道館柔道 対 プロレス初対決』は、当時の文献を中心に客観的に書かれていますので、資料的な価値が高い本だと思います。格闘技好きや歴史好きな方は是非読んでみて下さい。

 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 過去の城めぐり2 ~ 富山・... | トップ | 慣れると楽しい ~ キング... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事