UWFの終焉と空手家の逆襲 ～ ４・29 ＤＲＥＡＭ２ ～

　格闘技イベント『ＤＲＥＡＭ』の第２回大会『ＤＲＥＡＭ２』をペイパービューの生放送で自宅観戦しました。とても完成度の高い興行でしたね。参加選手の顔ぶれを除けば、ＰＲＩＤＥの興行と遜色なかったです。やはり生中継は最高です。

　ＴＢＳの初田アナウンサー達もペイパービュー放送に合っていましたね。やはりスポーツ担当の局アナのしゃべりは耳に心地よいですね。フジテレビの三宅アナが担当していた頃に戻った感じです。悪名高いＴＢＳの地上波の放送の時とイメージが全然違いますね。少し意外でした。

　解説も理論派で元選手の高阪氏と須藤元気氏だったのも安心して見れた要因ですね。谷川さんや山本ＫＩＤ選手や高田本部長の解説がいかに解説でなかったのかを再認識しました。


　さて、肝心の試合の方ですが、第１試合の青木選手と第８試合の桜庭選手は改めてプロ中のプロだと再認識しました。１選手としての自分の勝敗だけでなく、ＤＲＥＡＭと言うイベントの事も考えてアグレッシブな試合を心がけている気がしました。その分、ハラハラしながら見ましたけどね。心臓に悪いですね。
　強さと格闘芸術（エンターテイメント性）の２つを兼ね備えている彼らは『リアルプロレスラー』だと思います。こう言う選手が増えると総合格闘技の一般での認知度も上がるでしょうね。

　外国人選手が全員アグッレッシブだったのも興行を後半から盛り上げた要因でしょうね。第２試合が終わった時に、すでに１時間３０分経過していたので嫌な予感がしていたのですが杞憂に終わりました。

　試合結果に関しては、青木選手、金選手、ユン選手、弁慶選手、ジャカレイ選手、田村選手、ムサシ選手、桜庭選手が勝利しました。
　どちらが勝つか予想できなかった青木選手とカルバン選手の試合以外では、カーン選手がムサシ選手に負けた試合だけが予想外の結果でしたね。カーン選手は勝ち急ぎましたね。パウンド（寝た状態でのパンチ）を失敗して三角締めに捕らえられたのは残念でした。ムサシ選手は狙っていましたね。ひょっとすると得意技ですかね。


　興行全体で見ると、田村選手と船木選手の試合の前に流れたＵＷＦに関する映像は涙が出そうになりました。第１次ＵＷＦの頃から見ている人間には堪らないものがありました。よく出来ていますね。佐藤さんが作ったんですかね。ロングバージョンにしてドキュメンタリー作品化してもらえないですかね。前田さんのインタビューが取れたのは奇跡だと思います。
　今では同席不可能な前田さん、高田さん、安生選手（？）、宮戸さん達の若い頃の映像や写真が出てきた時は懐かしかったのと同時に悲しかったですね。なんで解散してしまったんでしょう。当時の悲しかった気持ちがよみがえりました。

　で、肝心の田村選手と船木選手の試合が、この映像よりも短い時間で終わってしまったのは、リアルな現実を感じましたね。第２次ＵＷＦが旗揚げした２０年前に、こんな短時間で試合が終わったら観客は暴動を起こしていたでしょうね。観客に格闘技を見る目を育てさせるためにはＵＷＦは必要だったムーブメントだったと再認識しました。「前田日明は正しかった」と私は思います。

　田村選手は高田さんに続いて船木選手にもリアルファイトで殴り勝ってしまいましたね。ＵＷＦの介錯人ですね。複雑な気持ちでしょうね。第２次ＵＷＦ関係者でリアルファイトを続けているのは田村選手だけになってしまいました（今回負けた船木選手は除く）。果たして田村選手は誰に介錯されるのでしょう。桜庭選手の役目かもしれません。

　もう１点、気になったのは、空手家の逆襲です。
　金選手もナカハラ選手も総合に適応してきていますね。特に金選手はタックルを切るのも上手いので、結構いいところまで行くのではないでしょうか。トーナメントの台風の目になるかもしれません。腰が重い空手家がタックルを完全に切れるようになったら怖いですね。金選手は日本人空手家の総合格闘技対応バージョンの完成形かもしれません。ＵＦＣのジョルジュ・サンピエール選手のようになると怖いですね。

　ナカハラ選手も桜庭選手のタックルを切りまくっていたので今後が楽しみです。師匠のフランシスコ・フィリオ選手の総合参戦の噂もありますので、今後のフルコンタクト系空手の選手のＤＲＥＡＭや戦極参戦には期待大ですね。

　以上、少し感傷的な気持ちになった『ＤＲＥＡＭ２』のペイパービュー観戦でした。
　トーナメント２回戦では、桜庭選手とジャカレイ選手の寝技対決を見てみたいですね。もちろん今回欠場した秋山選手は主催者推薦枠で出て欲しいです。誰と戦っても面白そうです。