★桃源深更深★~paradise into deep~

路は桃源に入りて深くして更に深し♪

『ふくすけ』を再度観劇する。その2

2012-09-12 02:19:14 | お芝居
♪♪♪の続き…☆


サダヲっち@ふくすけ。

ふくすけはいわゆる身体障 害児として生まれてきた子供。

赤ちゃんの時に奇形の子供を好む男にさらわれ、ある意味非常にかわいがられて育つんですけど。(かわいがられるよう、憐れで従順な奇 形児を演じながら)

や~主人公でありながら、一番その心のうちが計り知れない存在ですた。

というか、簡単に分かったりしちゃいけないって感じ。

だってふくすけは生まれながらに「生まれてこない方が良かった時、人はどう生きるべきか」という命題を突きつけられてきた子。

胸のうちに底知れない悲しみとか絶望とか鬱屈が渦巻いてるだろうことは想像できるけれど、私達には決してそれらをおいそれと共有できるはずがない。

ふくすけは言います、もし俺とセック スできないなら、俺に親切にするな。赦しを乞うな。

しょせん自分を人間として対等に見ていない人間からの憐れみや同情なんて、彼を傷つけるだけなんですよね。

でも、そういう周りの人間の憐憫の情を利用して生きてきた狡猾な面もふくすけにはあって。

それは幸か不幸か頭はすこぶる良い彼が、先の命題に対して出した答えでもある訳です。

一方で生きるすべとして利用しながら、もう一方で全力で拒絶する。

そんな複雑なジレンマを抱え続けて生きてきた子の胸中を、一体どうやったら推し量ることができるのか。。。んーののてぃには難し過ぎる。。。


ただひどく切ないなと思ったのが、そうやって周りの人間の無神経な"親切"を激しく拒絶しながらも、心の奥底ではごく普通に愛し愛される関係を望んでいるように見えたこと。

男女の愛であっても親子の愛であっても良いから、ありのままの彼を自然に受け入れてくれる人間をずっと求めてたんやろなぁと。

そうやって求め続けた末に辿り着いた存在がマスだったっていうのは、悲しい偶然に見えて、ある意味必然だったのかもしれないなぁと思いますたぉ。


サダヲっちは、これだけ重苦しい因果を背負った人物を実に生き生きとコミカルかつ軽やかに、でも哀しく演じていて、なんかもう、すげー人やなと。

途中ふくすけが独演説をぶつシーンとか、あんな不思議なミテクレしてるのにめちゃんこカッチョ良く見えてしまうという。。。

再演時、まだ世に出始めた頃にこの役を演じるサダヲっちを何の前知識もなく観た人は、きっと結構な衝撃を受けたやろなぁ。

その衝撃を体感してみたかったなぁとちょっぴり思ったりしますた。。。いや十分凄いなって思ったけどね。。。

なんかこう、ある程度サダヲっちの実力を知ってしまってる今やと、これくらいのことはまぁできるやろうなって範囲の仕事ぶりではあったので。。。


何はともあれ、こんな役柄をスズキさんにぽんぽん振られるがまま淡々とこなしてきたサダヲっち。

素晴らしいの一言です☆


…んぁぁぁ。ねむす。続きはまた今度☆