つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

子どもを守れるのは親しかいない!・・・

2010-04-09 | お気の毒です
 2日午後9時ごろ、北海道厚沢部町で起きた停車中の車から火が出て、中にいた子ども4人が死亡したという事故。父親と妻は、長女(3)、長男(2)、生後7か月になる双子の男の子の4人を乗せて函館の自宅を出発。妻を市内の勤務先の飲食店前で降ろした後、現場近くの父親の実家の祖母宅に立ち寄った。子どもたちは寝ていたため、エンジンをかけたまま車内に残し、約30分後に戻ったところ、町道に止めていた車が燃えていたという。
 車内は未使用の紙おむつが包装を破かれた状態で散乱していたほか、積み重なった子ども服やごみ類で「足の踏み場もないような状態」だったという。父親は、「数日前に車内からライターを2、3個回収したが、見落としがあったかもしれない」と言っている。また、長女は家でライターを点火し、両親から何度か注意されていたというから、車内に残っていたライターをいじっていて引火したのであろう。
 父親は無職、母親は夜間の飲食店勤めというのは健全な家庭環境だとは言い難い。が、4人の子ども達には、長女歩夏(あゆか)ちゃん、長男旬汰(しゅんた)ちゃん、双子には諒央(りおん)ちゃんと翔央(かおん)ちゃんと、いずれも凝った名前をつけているところからみて、可愛がって育てていたであろうと思いたい。
 だが、24歳と21歳の若い夫婦は、「足の踏み場もないような状態」になるほど片付けが下手で、おまけに燃えやすい物の近くにライターを放置するなど、子育てに十分な知識と配慮がなされていたようには思えない。子どもたちの遺体確認に数日は掛かるというのは、よほどひどい燃え方だったのか、その火炎地獄を想像するだけでも身の毛がよだつ。

 今回の事故で、経産省はライター規制実施の前倒しを検討し、子どもが使いづらい機能などを導入することで業界団体と意見が一致したという。もちろん、ライター規制は必要であろうが、子どもの周りには他にも危険はたくさんある。それに、子ども達だけを車内に残す、危険物を子どもの手の届くところに置くなど、子どもを危険な状態にさらしているのは親なのである。もう一度、子どもを守れるのは親しかいないのだという根本的な責務を思い起こしてもらいたい。「少しだけ」と、子どもを車内に残したことが悲劇につながったという事故は後を絶たない。米国では家や乗用車に子どもだけを置いておくことへの対処が厳しく、州によっては車内に子どもを残しただけで犯罪に問われる場合があるという。

 全く違う話だが、先日、蓮舫氏の「子ども手当」論についてブログを書いたことで思い出した事件がある。蓮舫氏は貧困が虐待に繋がるというが、これは貧困とは全く関係のない親の虐待事件である。
 先月29日、大相撲の幕下行司木村林之助容疑者(32)が、自宅で保育園児の長男(3)を虐待したとして逮捕された。同署には昨年4月、母親から長男虐待について相談があり、児童相談所へ通報した。今年1月にも「子どもが殴られた」と母親から通報があったが、被害届は出されなかったので放置していたらしい。
 小林容疑者には他に長女(9)と次男(1)の2人の子どもがいるが、2回とも長男が対象で、今回は、靴下をなくしたことに腹を立てて後ろからひざげりし、全治3日の打撲を負わせたという。翌日、妻が同署に相談し被害届を出したそうだが、見てみる振りをせず勇気を出して被害届を提出した母親の決断が、大きな悲劇を未然に防いだともいえよう。
 それにしても、所属する出羽海部屋親方が、虐待のことはうわさで聞いて知っていたが、「家庭のことなのでこちらは何も言えない」と、見てみぬ振りをしていたというのは許せない。自分の部屋の人間ならわが家族も同然だろうに、知っていながら何の手立ても講じなかったというのは親方としては無責任だといわざるを得ない。

 虐待事件が起きるたびに思うのだが、事前にその兆候があったにもかかわらず何もせず、子どもの命が絶たれてからあわてる警察や児童相談所、また、気づいていながら知らん顔をしていた周囲の人たちにも道義的責任がないとは言えないのではと…。
 大阪府の橋下知事は1日の定例記者会見で、子どもの虐待死が多発していることについて「気になったらすぐに通報してほしい。通報が間違っていてトラブルになれば、僕が仲裁に入ってもいい」と述べ、住民らの積極的な情報提供を呼びかけたという。さすが7人の子どもをもつ親ならではと、こういう行動力と決断力を持った知事をトップにいただく大阪府民がうらやましい。
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3 コメント

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こんばんは。 (千菊丸)
2010-04-10 21:52:00
北海道で起きた車両火災、痛ましい限りです。
ライターでも何でも、幼児に有害なものはそばに置かないようにと注意書きが書かれているにも関わらず、こんな悲劇が起きてしまいました。
虐待事件が起きる度、子どもが死ぬ前に地域住民などが何らかのアクションを起こしていれば未来があった子ども達の命が絶たれてしまうなんて悲しいです。ですが家庭内のデリケートな問題に気づくのは難しいかもしれません。
核家族化が進み、保育施設や働きながら育児が出来る環境が不充分でありながら、「手当」という名のお金だけが支給される日本で、今後こういう事件や悲劇が増えるのではないかと不安を抱いております。
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車両火災 (世界変動展望 著者)
2010-04-10 22:44:43
子供は何をするかわからないので親の管理は重要だと思います。
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Unknown (オールドレディー)
2010-04-11 11:47:58
♠千菊丸さま
便利で重宝する物にも子どもにとっては危険だという物はたくさんあります。事故が起きるたびに、知識人はあたかもそれらに原因があるかのように言いますが、親が十分気を付けていれば防げた事故もあります。
子どもを「温室育ち」にするのも問題です。成長過程で物の善悪、安全と危険など、正しく判断して自分の身を守る知識を養うことも必要ではないかと思います。



♠世界変動展望 著者さま
鳩山政権の「社会みんなで子どもを育てる」という趣旨は賛成ですが、その前に「子どもは親が育てる」が前提だと思います。子どもの安全はやはり親の責任でしょうね。


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