つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

飛鳥圭介氏のエッセイ「おじさん図鑑」・・・

2007-06-15 | おもしろいね
 わが購読紙に、週1回掲載されるのが、飛鳥圭介氏のエッセイ「おじさん図鑑」である。このエッセイ集には、オバサンも「ウンウン」とうなずくことしきり、というのがたくさんある。
 先日の〔見て、みたいな〕というのがおもしろかったので、原文のまま紹介しよう。
 『最近、テレビでよく聞く耳障りな言葉がある。おじさんが好きな旅番組などに多いのだが、女子アナやタレントが大げさな身振りをまじえて言う。
 「見てくださーい、スゴーイ、これ!」または「見て見て、何なのこれ!」
 驚きや感動を視聴者にアピールしたいのだろう。が、おじさんはビクともしないぞ。「やかましい!」と思うだけ。「見て見て」などと、子どもが親に話すように言うんじゃないよ。話し言葉のプロなんだから、感動や驚きをきちんと言葉にして伝えなさいよ。
 さらに「見て見て…」に続けて、「うわー、思わず涙、涙!? みたいな」とか「すっごーい、マジ感動!? みたいな」と言う。ここでおじさんは必ず顔を真っ赤にして、こう反応することになっている。「みたいな、何なのだ!」
 「みたいな」は、例えば「鬼みたいなおじさんの怒り顔」という具合に、「みたいな」の次に来る言葉がなければならない。それがないと、おじさんはグッと息が詰まる!? みたいな状態になるのだ。あげく妻に向かい「見て見てこの女子アナ、バカじゃないか!? みたいな」とまねをし、「みたいな、何よ」と頭をはたかれた』
  筆者のエッセイスト「飛鳥圭介」はペンネームだそうで、どんな人物かネットで調べたが、資料が見当たらない。東京在住の通信社役員で56歳。お酒の話がよく出るように居酒屋に行くのが好きだとか。日本100名山のうち「80ほど登った」というだけあって登山の話題も多い。一昨年だったか、購読紙の新聞社主催で講演会が開かれたが、オバサンのファンが多く、大盛況だったという。
 もう一つ、〔今在る自分〕から。『大金持ちの人から、「金銭で幸せは買えない」などと言われたら、わしらカチンとくる。「試してみたいから、あなたの財産を私にくれませんか」。たぶん大金持ちは、哀れむような目で一べつすると、何もくれずにその場を去るだろう。
 大変に貧しくその日の生計にも苦労している人が、「人間、清貧が何よりだ。貧しいからこそ精神は高潔なのだ」と言うと、なんだか負け惜しみめいて聞こえる。こういう人が、何かの拍子に大金を手に入れると清貧はかなぐり捨て、濁富におぼれたりしそうだ。大変な高学歴の人が、「学歴なんかくだらないね」などと言うとだれだってムッとする。
 今在る自分の居場所を、正確に把握している人は、自分を飾らない。ありのまま、身の丈で生きているから偉そうにしない。自慢しない。卑下しない。それを立派だとも思わない。「そんな人はこの世にいないよ」って、そんなことありません。いるよ。今、これを読んでいる(有名人でない)あなただ』。
 いかがですか? ネットで、この「おじさん図鑑」エッセイ集を探したが見当たらない。本にまとめて出版されてないのだろうか。
コメント (17)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あきれた今どきの女の子たち... | トップ | 「老後悩みゼロ」、年金相談... »

17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ばーば)
2007-06-15 17:33:10
テレビを観ていると、近頃の若い人達だけではなく結構な年齢のアナウンサーやコメンテーターまで、曖昧な言い方が多過ぎます。私が気にさわるのは「ちょっとそんな気がします」という言葉です。「ちょっとそんな気がする」程度の軽い感想ならわざわざニュース番組で言うな!と腹が立ちます。決して言い切らない。曖昧に濁す。本来なら重いコメントになる内容も世間話のように流す。
その中でも「みたいな」は頻繁に出てきます。聴いた途端に「軽い頭の中」を連想します。
「おじさん図鑑」のエッセイ集が有ったら是非読んでみたいです。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2007-06-15 17:54:07
 何だったか忘れたのですが、先日もあれっと思うような言い方をした女性アナがいました。気付いた人の中にはすぐ局へ電話する人もいるそうです。まあそこまではしたくありませんが、いい気はしませんね。
 昔ラジオで女性アナが「宮内庁」を「みやうちちょう」と言ったのには驚いたし、今でも忘れることができません。

 私は2つ目の話にとても共感したし、おもしろいでしょう。人間の本質を見事に言い当てているとおかしくなりました。
 わが購読紙の本社へ照会したら、本になっているかどうか分かるかもしれません。一度聞いてみます。
 
返信する
Unknown (ryu)
2007-06-15 23:37:08
オールドレディーさま

昨日は、お誕生日とのこと、おめでとう御座います。
何時も、ぞろ目の影の片鱗も見せぬ、エネルギッシュなブログに敬意を表しています。
これからもお身体ご自愛になり、心の滋養をお与え下さい。

身の丈で生きることが出来たら素晴らしいですね。
驕らず高ぶらずに、謙虚に生きることも・・・
我々の年になって、達観できることって多いですね。
人との縁によって、育まれた感性が、純粋に保てるよう心掛けたいものです。
一寸、そんな思いが過ぎりました。
返信する
言葉使い (北斗 裕二)
2007-06-16 04:03:26
オールドレディーさん、こんばんは。
自分の仲良くしている人達は、そういう話し方はしないですね。
もしいたとしても、余り深く付き合っていないと思います。

お伝えするのが遅くなってすみません。
応援BBSで、皆さんからの“林一歩警部へのお悔やみの言葉”を書いて頂いた分も、印刷して親御さんにお渡ししました。
お時間がある時にでも、読んで頂けたらいいですね。
本当にありがとうございました。

宜しければ相互リンクをお願いしてもいいでしょうか?
よろしくお願いします。
返信する
面白そうなエッセイ (ヒキノ)
2007-06-16 07:44:25
中年のオジサンのボヤキが一挙に出ているような雰囲気です。若いこの言葉遣いに憤慨。でも本人もケッコウ楽しんでるんじゃない。
若い子だけじゃなく中年のオジサン、オバサンのタレントもひどいものです。たけしの「コマネチ」なんていうのもその類です。「マイウ」はタメ口(仲間内の言葉)です。気にしてるとNHKのニュースしかテレビは見られなくなります。このごろはテレビを見る時間が減りました。
でも若い子の言葉、気にはしてません。よく言う「ちょう!ウメ~ッ!」なんてこの子は先輩の前では言ってないでしょう。タレントがよく言う「お母さん」アレも日常、目上の人の前では「母」と言ってるでしょう。プロダクションの計算と思えます。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2007-06-16 07:46:58
★ryuさま
 有難うございます。向こう意気だけ強いのですが、そろそろ体力の方が…。次のぞろ目くらいまでは頑張りたいと思います。
 
 お久しぶりですね。ブログの更新がないので御用繁多でいらっしゃるのかなと思ってました。
 「身の丈で生きる」、それが一番です。何事も自然にあるがまま、そういう生き方ができたらと思いますが、凡人の悲しさで煩悩が多すぎます。
 まあ、人生が達観できる頃は、お迎えの時期でしょうね。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2007-06-16 08:06:00
★北斗裕二さま
 話し方を見ればおおよその人柄がわかりますね。そして言葉遣いにもTPOが大事だと思います。
 言葉遣いも大事ですが、話の内容が貧困で会話が続かないのもイヤですね。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2007-06-16 08:14:44
★ヒキノさま
 昨今のテレビアナはタレントと言ったほうがいいようで、昔のアナウンサーほどきちんとした言葉遣いのできる人が少ないように思います。
 「親しき仲にも礼儀あり」ということが忘れられているようです。若い人の間で、意味不明な新語がたくさん生まれてきて、私など分からない時があります。
返信する
はははは。。。 (みっちゃん)
2017-02-08 07:12:23
ウンウンと頷きながら読んでで 最後に「はははは。。。」と 笑ってます。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2017-02-08 09:41:21
★みっちゃんさま
古いブログを読んでいただいてありがとうございます。
そうでしょう。もう何年続いているでしょうか、毎週1回の連載を楽しみに待っています。辛口な文章が痛快ですよね。
返信する

コメントを投稿

おもしろいね」カテゴリの最新記事