老年女性のバイタリティーに圧倒される・・・

　私の年代の人ならだれでも知っている米女優のエリザベス・テーラー。美しい黒髪、濃いブルーの瞳、「絶世の美女」の名をほしいままに、ハリウッドに君臨しつづけた大女優であった。そのエリザベス・テーラーも御年７８歳、残念ながらその美貌は「大女優であった」という過去形で表さざるを得ない。最近の写真を見ると、メーキャップだけは昔と変わらぬが、妖艶というより不気味ささえ感じるといったら怒られるだろうか？　


　１１日、米芸能誌「Ｕｓウイークリー」は、彼女が２９歳年下の黒人マネジャー（４９）と婚約したと報じた。このままゴールインすれば９回目の結婚となるという。彼女は、これまでホテル王や歌手、映画プロデューサーらと結婚、離婚を繰り返し、９１年には２０歳年下の建設作業員と８度目のゴールインで話題になった。が、９６年に離婚、現在４人の子供と９人の孫がいるという。近年は脳腫瘍などを患い車椅子生活だとか、それでも恋多き女性は年を知らず、お元気で結構なことである
　お相手の黒人マネージャー・ウィンターズ氏はアフリカ系アメリカ人の実業家で、最近になってマイケル・ジャクソンの妹ジャネット・ジャクソンのマネジャーに就任したという。エリザベス・テーラーはマイケル・ジャクソンとは親交が深かったそうだから、単なる知り合いから愛が芽生えても不思議はないが、車椅子のエリザベス・テーラーのどこに魅かれたのだろうか。
　若かりし頃のエリザベス・テーラー、似ているようでもあるがイマイチ気に入らない。


　もう一つ、元気なおばあさんのこわ～い話。２３歳年下の元カレに、嫌がらせメールを繰り返し送ったなどとして逮捕されたのは京都市に住む無職の女で、おどろくなかれ６３歳だという。この女性と元カレは約２０年前の１９８９年ごろ、テレクラで知り合い、受話器を通じてドキドキもののささやきを交わしているうちに、いつしか２人は“火遊び”に溺れ、ただれた関係が延々と続いたという。当時、女性は４３歳の人妻。元カレは２０歳になったばかりの初心な青年だったのである。
　その後、彼女は夫と離婚。一方、元カレは別の女性と結婚したが２人の関係はそのまま続いたという。そんな中、約２年前に元カレが別れ話を切り出したことから状況は一変、女性からは嫌がらせメールや電話、さらに職場にまで押しかけるという、凄まじいストーカー行為が始まったそうである。たまりかねた元カレが昨年８月生田署に相談し、同署は口頭で女性に警告していたが、一向にストーカー行為を止める様子がなかったため、逮捕に至ったという。
　人生の黄昏を迎えた老年女性の情念は、あの「娘道成寺」の蛇になって安珍を追いかける清姫のごとく、凄まじい執念へと変わったのであろう。ほんのお遊びの会話から２０歳の青年の“春”が始まり、２０年近くたって正気になってみれば蜘蛛の糸にがんじがらめにされ、もはや逃れようがなかったということなのだろうが、何とも恐ろしい結末となったものである。

　昨今、高齢者同士の恋愛が盛んだというのは聞いたことがある。現に私の知ってる限りでも７０代半ば過ぎてカップルになったのが２組いる。別にうらやましいとは思わないが、そのバイタリティーにあふれた生き様は見習いたいとも思う。私のように、韓流ドラマにはまってイケメンスターに心をときめかせているのはまだ可愛らしい？　ほうで、それが高じて韓国へ一人旅をし、行方知れずとなった人もいる。人間の寿命が、特に女性の寿命が長くなれば「老いらくの恋」に身を焦がす人もあろう。大岡越前守が老母に向かって「女はいつまで…？」という質問をしたところ、母親はただ黙って火鉢の灰を箸でかき回し続けたという有名な話がある。異性に対する興味は灰になるまで尽きないものらしいが、さて、私の韓流ドラマかぶれはいつまで続くだろうか。