北海道七飯町で行方不明になっていた北斗市の小学2年、田野岡大和君が昨日、無事に退院した。玄関に詰め掛けた報道陣や住民たちに臆することなく笑顔で手を振り、報道陣の質問にも元気な声ではっきりと答えていた。その堂々とした姿は、将来、大物になる片鱗を感じさせた。
大和君は発見されたときに泣きもしなかったし、パニック状態に陥っていたようにも見えなかったという。普通の子どもだったら泣きじゃくったり怖がったり、放心状態だったりするらしいが、彼は淡々としていたという。食べ盛りの子どもが6日間、何も食べずによく我慢できたものだ。自衛隊員にもらったおにぎりの味は一生忘れられないだろうネ。
あの日、倉庫に自衛隊員が入ってこなかったら発見がさらに遅れ、命の危険もあった。あの偶然がなかったら…、そう思うとゾッとする。道警は、行方不明になった経緯に事件性はなく、父親らの刑事責任も問わない方針だとか。しかし3日、「心理的虐待の疑い」があるとして函館児童相談所へ書面で通告したという。
心理的虐待とは、大声や脅しなどで恐怖に陥れる、無視や拒否的な態度をとる、著しくきょうだい間差別をする、自尊心を傷つける言葉を繰り返し使って傷つける、子どもがドメスティック・バイオレンスを目撃する、などを指す。子どもの心を死なせてしまうような虐待、と理解したらいいそうだ。
これから函館児相は大和君から話を聞き、心理的虐待かどうかの判断をするのだろうが、本人が苦痛と思わなければ心理的虐待とはいえないのではないか。だが、表面的には大丈夫そうに見えても、7歳の子どもが心の奥底で何を感じ、何を思っているかは誰にも分かりはしない。
ところで騒動は一件落着したものの、「しつけ」か「心理的虐待」かの問題はまだ後を引いている。教育評論家である水谷修氏がこれを「しつけ」だと擁護していることについて、札幌の弁護士・猪野亨氏がブログで反論している。(一部抜粋)
水谷修氏―「子どもがかわいいから、自分のしたことを考えさせるために距離を置いただけ」と両親をかばう。父親は、大和君を降ろした5分後に戻っており、「帰っておいしいものを食べよう」と抱きしめるつもりだったと思う。親を責めるのは間違いと述べた。
河津英彦教授(淑徳大)―「父親が冷静な判断で叱ったのなら必ずしも悪いとは言えない。子どものために叱らなければならない時もある」と理解を示した上で、「山の中に置き去りにするのはリスクが高すぎる」と話した。
これら2つのコメントを読んでどう思われますか。今回の事件は、山林に置き去りにし、泣いて走ってくる子を一旦は車に入れ、再度、車から出して置き去りにした行為です。山中に置き去りにするということが問われているのです。
上記のような「再度の置き去り云々」は初めて聞く話だが、これが事実ならとんでもないことだ。そもそも、最初、父親は「山菜採りで見失った」と嘘をつき、娘にも同様の証言をさせていたらしい。そのせいで娘は現在、学校に行けない状態になっているというネット記事もある。
それに、大和君は泣きながら父親の車を追ったと話しているが、泣きながら追ってくるわが子の姿がバックミラーで見えただろうに、それでも車を止めなかった父親の非情さ、私にはとてもそこまで非情にはなれない。まあ事実がどうであれ、大和君が無事に戻ったのだからよしとすべきだろう。
私も小学校低学年の頃、夕食時に不服を言って母親に家の外に放り出されたことがある。外に街灯などない時代で、暗い川べりの木の下でじっと母親の許しが出るのを待っていた。また、約束を守らなかったことで一度だけ父親に叩かれたことがある。それが70年近くたってもまだ記憶にあるということは、多分、心の奥底に悲しい思い出として残っていたのかもしれない。今回のできごとが大和君の心の傷にならないよう願うのみである。






たまたま大和くんは強い体力と精神力に守られて奇跡に近い救助に繋がったけれど。哀しい結末を両親は想像しなかったのかと、その心境が不気味です。
逞しく立派に成人してね、大和君!日本中の心優しい人々が愛を込めて応援しているよと伝えたいたい。
ここまで逞しく育ったのも「両親」の育児
があればこそとも思います。
お父さんを犯罪者にしなかったのは大和君
この件に関しては、よかった・良かった!
とほっとしています。
大和君が無事見つかったからおとがめなしですが、そうでなかったら両親は罪に問われたかも…。また「しつけ」か「心理的虐待」かも結果次第で変わりますね。
両親もどれほど肝を冷やしたことか、大和君の強運に救われたようなものです。しつけもほどほどに…。
7歳にしてあの落ち着きよう、並みの子どもではありません。親がしつけと称して置き去りにするほどですから、よほどの腕白坊主だったのでしょう。でもそのたくましさがあればこそ、あの過酷な環境にもへこたれることなく無傷で戻ってこられたのです。大した度胸の持ち主です。将来どういう人になるか楽しみですね。