平成25年11月7日 iJAMP
◎減反廃止でどうなる?=政府・自民が大詰めの調整―ニュースを探るQ&A
―減反って何。
コメを作り過ぎて値崩れしないように、国が毎年の生産目標を決めて、農家に割り振る仕組みのこと。
1971年から本格的に始まった。
―減反はなくなるの。
農林水産省は6日、5年後をめどに現在の仕組みをやめる案をまとめた。この案を自民党は大筋で認めたけど、まだ減反廃止に反対の議員も少なくないよ。
―農家も反対なのでは。
減反廃止に不安を感じている農家は多い。でも一方で「自由にコメづくりができるチャンスだ」と前向きに捉えている人もいるよ。
―やめたらどうなる。
一番懸念されているのは、みんなが自由にコメを作った結果、コメが大量に余って値段が暴落することなんだ。
―対策はないの。
国は減反を廃止した後、都道府県ごとのコメの売れ行きや在庫量といった情報をきめ細かく生産者らに提供して、農家が作り過ぎないよう働き掛けるつもりだ。主食用米から、需要拡大が期待されている家畜の餌(飼料)用のコメに生産を切り替えるよう誘導する対策も考えている。
―家畜がコメを食べるの。
油を搾った後の大豆かすや魚粉などと混ぜて配合飼料になる。配合飼料の原料の約半分を占める輸入トウモロコシの代わりにコメを使おうというアイデアだよ。
―うまくいくかな。
コメの生産量は年間820万トン前後。これ対して、飼料用米は年間450万トンの潜在的な需要があり、価格は安いものの新しい販売先として有望だと農水省はみている。
―意外な使い道があるんだ。
2012年に干ばつで米国のトウモロコシが凶作になり、価格が急上昇して畜産農家が困ったことがある。でも、国産米で配合飼料を作れば、餌を安定供給できるし、海外の天候を気にする必要もなくなるね。
〈続く〉