これは、今も尾花沢の実家のデスクに鎮座している「東芝トライX2000」です。昭和51年(1976年)12月に購入したBCLレシーバーです。
BCLとは何か。これについては、本ブログの2011年12月3日に以下のように書き記しています。
《小職が中学生の頃、BCLブームが到来した。BCLとは、主に海外の短波放送を聴いて、その受信状況などを放送局にレポートすることにより、放送局が聴取証明書(ベリカード)を発行しそれを収集するもの。
時のインテリジェンスな男子中学生はそのカード集めに没頭したものだ。今となっては実に高尚な趣味ではないか。
小職はベリカードこそさほど収集できなかったが、愛機「東芝トライX2000」を机上に配備し、勉強の傍ら、BBC(英国)やDW(ドイツ)、アンデスの声(エクアドル)などの日本語放送は勿論、VOA(米国)等の難解な英語放送をよく聴いたものだ。
特に、深夜・早朝にアフリカや中近東の難局・珍局をキャッチした時の喜びや感動は、パソコン、携帯しか知らない娘や息子には到底分からないだろうなぁ。
中南米局が一番難しかったかなぁ、個人的には、放送開始音楽=インターバルシグナル(IS)の美しい、ラジオタシケント(ソ連、今日のウズベキスタン)が好きだったね。当時、共産圏は国威発揚の場として海外放送には力を入れていたからね。
深夜、手に汗を握りながらアナログラジオのダイヤルを回してチューニング、そして雑音の中から微かにISと母国語訛りの英語のアナウンスが始まる。遠い異国に想いを馳せ、情景を想像しながら耳を傾ける。う~ん、本当に良き時代でしたね。》
さて、「東芝トライX2000」、令和となった今日でも多分使用可能だと思うのですが、いつかどこかで電源コードを無くしてしまい、すっかり置物と化してしまいました。
その当時、TBSラジオで「BCLジョッキー」という番組があって、今は亡き声優の富山敬氏がパーソナリティを務めていました。深夜0:45から1:00までの放送でしたが、毎晩欠かさず聴いていました。その後にニッポン放送の「オールナイトニッポン」を聴くという具合です。
そんな時間まで毎晩起きていたというのが凄い。中学生だからかな? 今では到底ムリですね。早寝して深夜にふと目が覚めて「ラジオ深夜便」を聴くのが関の山といったところでしょうか。