携帯電話一般については当ブログで既に3回記事にしています:
『マレーシアで携帯電話機を買いプリペードで使用することは、誰でも簡単にできます』 2010年1月6日付け記事と1月14日付け記事
『続編- マレーシアではプリペード携帯電話が簡単に利用できます』 2012年2月26日付け
内容を覚えていらっしゃらない方はあらかじめ目を通してください。
ご存じのように、携帯電話の世界は電話機種と携帯電話ネットワーク運営会社のサービスの両面でまことに変化が早い。3つの記事で載せた内容の一部に現時点で既に変化が出ていることは不思議ではありません。
マレーシアでも携帯電話ネットワーク会社間の競争はたいへん激しいので、各社ともひんぱんにサービス内容を見直しています。1,2年前に提供されていたサービス内容が変更された、新たなサービスができた、別サービスに移行したということも当然起きてくる。
そこで直近の情報は各社のホームページで確認することになる。
そういうためにも、英語読解力は必須です。参照: 『マレーシアで暮らすには World Englishes の英語力が必要です』 2013年8月24日付け記事
携帯電話ネットワーク会社の選択において、どの会社を選ぼうと基本的には同じだからこだわらないという方もあるでしょうし、ある特定の会社でなければならないという方もいらっしゃるでしょう。どちらであれ、携帯電話市場の情報は知っておいて損はありません。
日本に居てはわからない、現在のマレーシア携帯電話会社市場の様子を伝える新聞記事を Intraasia のブログから再録しておきます。
【三大携帯電話会社間の競争は激しい】-2013年9月掲載
マレーシアの三大携帯電話網運営会社において、モバイルサービスからの収入における市場占有率を、CIMB リサーチが発表しました:
1位の Maxis が37.3%、 2位の Celcom が 35.1%、 3位の DiGi が 27.6%、
Celcom はシェアを伸ばしていますが、これは Maxis から奪っているようです。 このペースでいけば1年後には Celcomが最大の携帯会社になるでしょう、とリサーチ会社は推測する。
Maxis はかつて2007年には利用者市場で 50%近いシェアを誇っていました、近年シェアを少しづつ落としてきた Maxisは現在社内機構改革の最中です、そして10月からは新しい最高経営責任者が経営を引き継ぎます。
【携帯電話利用者の圧倒的多数派はプリペード方式】-2013年10月掲載
マレーシアにおける携帯電話利用者数は2013年6月末時点で4260万人です。(これは人口をはるかに超えるので)従って携帯電話普及率は 143%になる。
全体の17.6%にあたる 750万人が後払い式利用者で、プリペード利用者は82%にあたる 3500万人になる。
3大携帯電話網運営会社のシェア -2012年第2四半期時点
Maxis : 利用者数 1380万人、内プリペード利用者の比率 75%、
Celcom Axiata: 利用者数 1300万人、内プリペード利用者の比率 77%、
DiGi :利用者数 1050万人、内プリペード利用者の比率 84%、
【ネットバンキングの利用には携帯電話番号が必須】
ところでマレーシアでは、携帯電話は人と通話するためだけではなく、次のような情報伝達手段として必需品となっています。
マレーシアマイセカンドホームプログラム下で滞在される場合、参加者は必ず銀行に定期預金口座を開設することになる(プログラム参加条件の1つです)。ほとんどの方はその際普通口座を、中には加えて当座預金口座も、開設されることでしょう。もちろんこちらは必須ではないが、銀行口座を使わない手はありません。
現在ではどの銀行もネットバンキングを奨励しており、且つネットバンキングの利用者は益々増えている。ですからプログラム参加者もネットバンキングを活用されれば、銀行利用がより便利になる。
マレーシアのネットバンキングでは、その多くのメニューで取引の度にTAC というコード(要するに暗号数字)を画面に入力する仕組みです。ネットバンキング利用者登録者名とパスワードを最初に入力するのは言うまでもありませんが、1回1回の取引、振込、購入、支払などにおいてその都度このTACの入力が必要です。銀行によってはTACではなく別の名称もあるようですが、本質は同じです。
なおTAC コードは受信して数分経つと有効性が消滅する。
ネットバンキングの利用手順
1.ネットバンキング利用者はあらかじめマレーシアの携帯電話番号を登録しなければならない。
2.取引行為の行程の中で銀行側から登録済み携帯番号宛てにTACコードが送信される(いわゆるSMS機能です)。
3.取引の支払い者はそのTACコードを画面に入力することで、取引行為を完成させる。
4.いくら残高が十分あっても、TACコードを正確に入力しない限り取引は成立しません。
自分の口座間での振替のような場合はTACコードの入力はありませんが、大多数の取引・購入・支払などの行為にはTAC入力が必ず伴います。
ということから、ネットバンキング利用面からもマレーシアの携帯電話番号の取得は必須と言えます。
これまでにも当ブログで強調しましたように、外国人旅行者を含めて誰でもプリペード携帯の電話番号はごく簡単に且つ安価に取得できる、同時に安価な携帯電話機がごく容易に買える。ですから、プログラム参加者は是非マレーシアの携帯電話に加入しておきましょう。
その際、強いて後払い方式にする必要はないし、スマートフォン機種でなければならないということはない。もちろん、スマートフォンならより多機能で便利ですから、これは個人の好みですね。
【プリペード式携帯電話の特徴】
なおプリペード式携帯電話番号は、トップアップ(料金補充)した価格に基づいて利用有効期間が決まります。このことは携帯電話を日々使う人には全く問題ないでしょうが、ごくたまにしか使わないのでトップアップをし忘れた場合、またはマレーシアを留守にしている間に、有効期間が切れてしまうことも起こるでしょう。そうなると、電話をかけること及び SMSを送ることはできません。
しかしながらその場合でも電話番号自体は有効なので、有効期限後90日間は電話とSMSの受信ができます。90日間以内にトップアップすれば、その同じ電話番号で通話できるようになります。この仕組みは、ほとんどの携帯電話ネットワーク会社に共通のはずですが、有効期限後の日数に会社及びプランによってある程度の違いがある、例えば DiGi のあるプランでは75日間と規定されている。
逆に言えば、この仕組みを上手に利用して一つの電話番号をごく安価に長期間使い続けることができます。もっとも電話をかける直前に必ずトップアップする手間はかかりますが。
これとは別に、通話できる有効期間が1年間である、1年プランもいくつかの携帯電話ネットワーク会社が販売している。ただしこのプランに関する宣伝はほとんど行われておらず、各社のホームページでもこのプランはごく目立たないあり方で紹介・説明されている。その理由は、このプランは儲けにつながらないからだと推測される。
1年プランの例:
Maxis のプリペードサービスである Hotlink には 'Hotlink 365' というプランがある。
1年間の利用料金はRM 33、つまり最初にRM 33が差引かれた後、1年間その電話番号で通話ができるということです。もちろん残高がゼロ近くになれば、通話するためにはトップアップ(料金補充)する必要がある。
DiGI は 'Super Long Life' という1年プランを発売している。これに申し込む際、利用者のプリペード口座残高にRM 35以上あることが条件だと書いてある。
他には Tune Talkも1年プランを提供している(イントラアジアはこれを利用している)。年間利用料 RM 38.
注:SMSは日本でいう携帯メールとは違います。相手の’電話番号宛て’に文字情報を送信する機能であり、マレーシアを始めとして東南アジアでは通話並みに盛んです。
以上のようなプリペード式携帯電話の特徴を踏まえて、マレーシアで携帯電話の利用者になりましょう。
「有効期限後の日数に会社及びプランによってある程度の違いがある」
と書きました。 多少という言葉が不十分と感じる方もいらっしゃるようですから、”ある程度の”に置き換えておきましょう。