マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアマイセカンドホームプログラムの2014年の新規参加者数 - 日本は428人

2015年03月08日 | 参加者数の統計と解説

マレーシアマイセカンドホームプログラム当局はようやく3月上旬になって、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を認められた2014年の新規参加者数と国別トップ10など及びこれまでの参加者累計から成る、プログラム参加者数統計を発表しました。

前年度の年間統計発表までにかなり日数がかかったといえます。昨年2014年は前年度(2013年)の年間統計が一度発表されてからその後3月下旬になって大幅に修正された。今年はそんなことが起こらないことを願っています。

ところでマレーシアマイセカンドホーム公式サイトの統計ページの最終更新は、相変わらず ”2013年12月18日”と表示されているが、この日付は以前から全く当てにならない。

注記:当記事で用いる数字は全て、観光省翼下のマレーシアマイセカンドホームプログラム当局または観光省がそれぞれの公式サイトで発表する公式統計からの出典です。
また当ブログで詳細に説明しているプログラム参加の条件と規則は、全てマレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトの基準ページである英語ページまたはプログラム当局が発行している英語文書類またはマレーシアマイセカンドホームセンター職員によるマレーシア語の口頭説明を基にしています。他の言語による翻訳ページ、日本語の二次情報などは一切関知しません。

マレーシアマイセカンドホームプログラムにおける2014年の特徴 

  • 日本人参加者数は2012年、2013年より大幅に減少した。2011年の参加者数とほぼ同数だった。
  • 中国からの参加者数が前年度に続いて1千人を超え、2014年も他国を完全に圧倒した。
  • 世界各国からの参加者総数が対前年比で約17% 減少した。


【マレーシアマイセカンドホームプログラムの参加者数統計のデータと分析-2014年版】
新規参加者とは、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局に参加の申請をして、承認が下りた人のことをいう。

A. 世界中からの1年間の新規参加者総数 -年別統計
2002年:818人、2003年:1645人、2004年:1917人、2005年:2615人、2006年:1729人、2007年:1503人、2008年:1512人、
2009年:1578人、2010年:1499人、2011年:2387人、2012年:3227人、2013年:3675人、2014年:3074人、

従って2014年は対前年比で 約17%の減少となる。
ちなみにマレーシアマイセカンドホームプログラムが始まった2002年からの参加者数累計は 27179人です。

B. 国別の2014年の新規参加者数
1位:中国 1307人、 2位:日本 428人、3位:バングラデシュ:250人、4位:韓国: 138人、 5位:英国 117人、上位3か国は3年連続この順位を保っている。
6位:シンガポール 94人。7位:台湾 83人、8位:オーストラリア 62人、それ以下はごく少ない人数です。

C. 日本の2014年の新規参加者数 -月別統計
1月 47人、2月 51人、3月 29人、4月 26人、5月 41人、6月 16人
7月 15人、8月 15人、9月 57人、10月 20人、11月 34人、12月 77人、合計:428人
参考:日本の新規参加者数の推移
2002年:49人、2003年:99人、2004年:42人、2005年:87人、2006年:157人、2007年:198人、2008年:210人、
2009年:169人、2010年:195人、2011年:423人、2012年:816人、2013年:739人、2014年:428人、

従って2014年の参加者数は、2013年の 739人より 311人少なく、減少率 42%である。これは上記に示した2014年の全世界からの新規参加者数における減少率 17%よりずっと大きい。

D. 日本と中国の新規参加者数の比較 -カッコ内は対前年の増減率
日本:2010年 195人、2011年 423人(+117%)、2012年 816人(+93%)、2013年 739人(-10%)、2014年 428人 (-42%)
中国:2010年 154人、2011年 405人(+163%)、2012年 731人(+80%)、2013年 1337人(+83%)、2014年 1307人(-2%)

参考:13年間の累計参加者数では、1位中国が6,232人、2位日本が3,612人、3位バングラデシュが3005人となる。世界中からの参加者数累計は 27,179人。

国別参加者数番付において、2011年と12年は日本が僅差で1位でした。その後この2年間は、中国が圧倒的な人数で1位、そして2位が日本、3位がバングラデシュという順位構造になっている。

E. 全世界からの新規参加者数を大陸別に比較
アジアが占める割合は、2014年:3074人中の86%、2013年:3657人中の85.6%、2012年:3227人中の84.5%、2011年:2387人中の80.6%、 2010年:1499人中の70%、


【イントラアジアの分析とコメント】

1. 2014年の新規参加者数を対前年比でみると、日本は 42%の大幅減となった、中国は 2%の微減だった。従って両国間における参加者数の差は前年度よりも拡大した。またバングラデシュも2014年は対前年比12%減と参加者数を減らした。
2014年も2013年度と同様に、中国が1位、日本が2位という順位が1月から12月までずっと続いた。

2. プログラム開始の2002年から2014年までの参加者数累計でも、2014年単年度の新規参加者数においても、トップ3か国は中国と日本とバングラデシュです。

3.2014年12月に掲載した、参加者数の中間統計と分析の記事で Intraasia は次のように書きました: 「2012年と2013年の2年間は、日本として異常に多人数の新規参加者を記録した年と言えるので、今年2014年は減少傾向にあるというよりも、むしろそれ以前である2011年のようなペースに戻ったと評せます。
そもそも過去2年間は、理由はよく知らないが、定年後の海外移住先としてマレーシアがもてはやされ申請者数激増のブームになった。そしてその一過性の高揚期が終わって本来の年間申請者数ペースに戻ったとみる方が自然ではないでしょうか。定年後の海外移住先にブームなど不要です。」

2014年1年間の統計が発表された今でも、この捉え方と観点は変わりません。マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者数において、中国を除けば、日本の参加者数は十分に多い。その証拠に日本は単年度においても累計においても国別順位2位ですね。

日本人が定年・引退後のロングステイをするために年間10万人も海外移住することは、考えられる将来においてもありえない。
従って年間300人から500人ほどの新規参加者数であれば、シニア世代の海外ロングステイ地の1国としてマレーシアは確立された地位にあると思う。

4. 世界各国からの新規参加者数合計が、対2013年比で 17%減少している中、中国は2%の微減でしかなかった。このため参加者総数に占める中国からの参加者割合はより増加した。中国の平均月参加者数が100人を超えるという数字は際立っている。2014年は中国が新規参加者数の多さで突出した形になった。

なお世界の国の中には対前年比で増加している国が数少なくある、ただそういう国は2013年の年間参加者は2桁数なので、増加率が大きく示されても実人数が大きく増えたわけではない。

5. 2014年の新規参加者数において、中国と日本の2か国だけで全体の 56.5%も占めている:中国が 42.5%、日本が 14%。
2013年の場合は中国が 36%、日本が 20%、計 56%。
この両国が新規参加者総数に占める比率を見ると、2012年では 48%を占めたので、2012年以降は、中国と日本の両国によるプログラム参加者寡占化が進んで定着したかの観がある。ただしその中身は中国のガリバー型寡占となっている。

なお過去の特異な現象として2005年の例があり、バングラデシュと中国で全体の52%を占めた。

中国と日本の両国による寡占化が進んだ要因として、2012年と13年は2位から大差の3位であったバングラデシュが、2014年は順位自体は3位のままだが新規参加者数をさらに減らしたことがあげられる。

6. 2013年は中国1か国の新規参加者数が世界中からの新規参加者総数の3分の1を超えた。2014年にはその比率がさらに増した、1年間にある1か国が占める割合が 42.5%という数字はマレーシアマイセカンドホームプログラム史上過去最高です。

実はプログラム開始の初期にも似たような現象が起きた。2003年に中国1か国で全体の32%を占め、2005年にバングラデシュ1か国で全体の33%を占めた。恐らくそういう現象が生まれた背景をプログラム当局は精査したのであろう、申請参加条件をその後改定した、つまりより厳しいものにした。

それから10年ほど経った現在は、マレーシアマイセカンドホームプログラムに関する政府と観光省の捉え方と目指すところは2000年代半ばの頃とは幾分違うだろうが、マレーシアマイセカンドホームプログラムのあるべき観点から捉えたら、単年度においてある1か国が3分の1を占める、2014年に至っては42%も占めた、という寡占さらには独占状況は決して好ましい現象とは思えない。
これは中国だからではなく、仮に日本だけが3分の1を占めたとしても、イントラアジアの観点は同じです。
このことは以前の記事でも言及しました。

7.2002年から2014年までの全世界からの参加者数累計(27,179人)において、アジアが占める割合は全体の 78.5%です。ヨーロッパが占める割合は13%に過ぎない。この数字だけでもマレーシアマイセカンドホームプログラムはアジアに圧倒的に依存していることが、明瞭にわかる。

この傾向は近年より顕著になってきた。新規参加者総数にアジアが占める割合は2011年が80%、2012年からは毎年約 85%という高率だ。
新規参加者の85%はアジアの国々からということは、マレーシアマイセカンドホームプログラムはアジア人で支えていると見なしても言い過ぎではない。

マレーシア政府と観光省は、マレーシアマイセカンドホームプログラムの対象の広がりによく言及していますが、現実はアジアの国々からの参加者がプログラムを独占し、同時にプログラムはアジアの国々に支えられている。