マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

海外に住みたい人も住みたくない人もいます。人それぞれ判断基準は違うから無理にロングステイを勧めません

2010年11月23日 | 総論と分析と考察
[新聞に載ったあるアンケート記事に目が留まった]

イントラアジア (Intraasia)は時々図書館へ行って新聞を読みます。その際、時々興味を起こさせる記事に目が留まります。その中で、 2010年11月20日付け朝日新聞に載っていた記事は、この”マレーシアマイセカンドホーム”ブログの対象者の方々にかなり関係があるとい えるでしょう。その記事は”be モニター”に登録している読者に対して行ったアンケートをまとめた記事だと理解されます。
そこでまずその記事の概要を紹介して、その後で論じてみましょう。


記事タイトル「between 読者とつくる」  外国に住んでみたいですか?

大きな見出し: はい 56%    いいえ 44%

はいの人が答えました、最も住んでみたい国・地域は?(3つまで選択、15位まで)
カナダ:776人、 オーストラリア:674人、 米国本土:592人、ニュージーランド:577人、英国:472人、イタリア:384人、北欧:380人 、西欧:364人、フランス:341人、スペイン:318人、ドイツ:313人、太平洋の島:306人、シンガポール:152人、南欧:145人、タイ: 133人

その理由は?(2つまで選択)
現地の食事、自然、気候が好き - 1262人
リタイア後の余生を暮らしたい - 1088人
その国の言葉を身につけたい - 555人
物価が安く、経済的に豊かに暮らせる - 367人
以下省略

いいえの人が答えました、 その理由は?(2つまで選択)
現地の言葉ができない - 985人、
慣れぬ土地で生活に不安 - 728人
治安が心配 - 700人
衛生面や医療体制が心配 - 447人
以下省略

この記事の編集者(原島という姓)はこう前書きに書いています:
「前半は省略。 一方、年配の人々の間では、日本の年金制度への不安もあって、老後は海外で暮らしたいと思う人々が増えているとも言 われます。 以後も省略。」

この記事によれば、朝日新聞の”be モニター”には1万7千人が登録しており、今回のアンケートに答えた人の数は4722人でしたとのことで す。

[グローバル化しても?グローバル化だから?やはり日本人は英語圏が好きなんだ]

さてこのアンケート記事は、自発的に申し込んでいるモニター登録者だけが回答者なので、おそらくいろんな面での問題意識または行動意 識が比較的高い人たちだと推測されます。そのためもあってでしょう、外国に住んでみたいですかの設問に、56%もの人が「はい」と答え ていますね。日本社会から無作為に抽出して同じようなアンケートを行ったら、きっと「はい」の割合がこんなに高くはならないでしょう 。

その点はここではこれ以上触れないとして、アンケート結果に示された国名にまず目が行きました。上位5カ国のカナダ、オーストラリア、 米国本土、ニュージーランド、英国 はいずれも英語圏ですね(その国の一部には非英語地域はあるが英語国という範疇にみなせます)。 あいも変わらず日本人は英語圏好きだなあ、というのがイントラアジア (Intraasia)がまず感じた印象です。

これほど世界でグローバル化が進んだ21世紀の現在でも、まるで数十年前の一般日本人の海外憧れ思考の内容とあまり変わってないではな いか、との思いをイントラアジア (Intraasia)は抱きました。グローバル化が英語の言語独占現象をより急速に広範化している面は、まこ とに残念ながら、ありますが、一方グローバル化は世界の多様さを一般市民にも身近に感じさせている面もありますよね。

グローバル化が引き起こしたさまざまな現象の中で、ある一面だけが日本人の意識をより捉えているんだなと思いました。日本はアジアの 国であることがいつも念を押され、東南アジアとの近しさが強調されているにもかかわらず、なぜ多くの日本人はいまだに典型的欧米社会 に憧れるのだろう、とイントラアジア (Intraasia)にはいつもながら納得がいきません。

その憧れを増幅させているのは、テレビや雑誌といったマスコミであり、欧米のことを扱ったニュース、記事、スポーツ、ゴシップ、事件 、写真、番組、体験記などがこれでもかこれでもかと流されていることですね。大リーグの話題をこれほど頻繁にニュース扱いする国民は 世界に二つとはないでしょう。これだけ多種多量に欧米のことが絶え間なく流されておれば、小さな子供から年配の方まで、意識の中に特 定の欧米像が形づくられていくのは不思議ではありません。市井の人々がふと口にする欧米への評価言葉と東南アジアへの評価言葉の間に ある、価値の差は歴然としていますね。 

[決して主流に加われない東南アジアの話題]

今回の日本滞在で改めて認識しました:数十年前と比べたら東南アジアに関する報道、記事類は格段に増えましたが、その多くが、何か問 題や事件が起きたことを伝えたり、エキゾチックな物や面、貧しさ面を必要以上に強調するスタイルが依然として主流ですね。 ありきた りの東南アジアの人々や生活を伝えることは日本人一般の興味を引かないようです。卵が先か鶏が先かと同じように、日本人一般の東南ア ジア興味が深化しないからマスコミは東南アジアをいつもステレオタイプ化やエキゾチック化して伝えるのだろうか、それともマスコミが 東南アジアを常にステレオタイプ化、エキゾチック化するので日本人一般は東南アジアへの興味が深化しないのだろうか?

他人が欧米に、とりわけ英語圏に憧れようといいではないか、それは人の好き好きさと言ってしまえば、確かにそれは一理あります。しか し長年マレーシアをはじめとして東南アジアに打ち込み、書き続けてきたイントラアジア (Intraasia)としては、この朝日新聞に載った1 つのアンケート記事に代表される、日本人一般の海外意識の変化の少なさに残念な気持ちを感じずにはいられません。だからこそ、今回の ブログの題材に取り上げたのです。

イントラアジア (Intraasia)のホームページやブログを長年お読みになっている読者の方なら、イントラアジア (Intraasia)がかつて1970 年代と80年代は、世界の他地域とりわけヨーロッパに打ち込んできたことに何回か触れたことを覚えていらっしゃるでしょう。イントラア ジア (Intraasia)は決して反欧米主義者ではなかったし、それは今でも同じです。反欧米などという観点からではなく(それどころ かイントラアジアは依然として欧州が好きです)、1990年ごろからイントラアジア (Intraasia)は東南アジアにより魅せられたことから、 東南アジアの自然な姿をより多くの日本人に知っていただきたい、という気持ちで長年書き続けてきました。

その東南アジアの中でもマレーシアは暮らしやすい国だと自信をもっていえるからこそ、このブログも立ち上げ、持続させています。

[海外に住みたい人、住みたくない人の諸理由にコメントする]

アンケートにおける”はい”の返答理由では、「現地の食事、自然、気候が好き」がトップになっていますね。-そう、このブログを訪問 された方ならきっと、マレーシアやタイやベトナムの食事、自然を気に入っていただけるようになりますよ。寒い、冷える、そんな気候と はまず関係ないのが東南アジアの大部分の地域です。暑さ苦手な方には涼しい地域も少なからずありますよ。

”はい”理由の第2に挙がっているのが「リタイア後の余生を暮らしたい」です。 - 上手に暮らせば物価の安さを享受できるのが、マレ ーシアなど東南アジアの国々です。”はい”の理由の第4に挙がっている「物価が安く、経済的に豊かに暮らせる」そのものですね。

尚このアンケートにも下位で載っているシンガポールですけど、物価はかなり高いし、国土は狭いし、他の東南アジア諸国を見下す国民性 だし・・・・ 地理上は東南アジアだけど東南アジアの国とは認めがたいというのが、イントラアジアの独断と偏見から捉えたシンガポー ル観ですな。

「その国の言葉を身につけたい」という理由をあげた”はい”の人たち、「現地の言葉ができない」という理由をあげた”いいえ”の人た ち、両者が言語の理由をあげていますね。 確かにその国の言葉がある程度できないと、その国・地域に馴染めない、日本語コミュニティ ーだけに浸ってしまうということになってしまいます。 海外ロングステイされる方はなにも通訳レベルになる必要はありませんから、コ ミュケーションの道具として言葉を習い、覚えていくのがいいのです。

イントラアジア (Intraasia)は海外ロングステイ者にはその地の言葉を覚える努力を推奨しています。どんな国であれ、生活する新天地に 馴染もうとせずに海外ロングステイするような人たちは当ブログの対象ではないことは、以前にも書いたとおりです。日本に住む外国人は 日本語を習う、使う努力をすべきであるのと同様に、海外ロングステイされる方々もその地の言葉に馴染む努力はすべきなのです。誤解な きように付け加えれば、結果として”ぺらぺら”になれないことなど気にする、恥じる必要はありませんよ、その言語の上級者になるため に海外ロングステイするわけではありませんからね。


”いいえ”の人たちがあげた理由第3は「慣れぬ土地で生活に不安」です。確かに誰であれ、初めて暮らす外国の地に不安感を抱くのは自然 なことでしょう。二十歳以降の人生の3分の2は日本国外にいるイントラアジア (Intraasia)でも、まったく初めての国や地域に足を踏み入 れるときはある程度の緊張感を抱いたものです。

長年日本に住んでいて、歳をとってから初めて海外で暮らすというようなロングステイ希望者であれば、その不安感はかなりのものだと思 われます。こういう方々に対する特効薬も魔法の杖もありません。徐々に慣れていこうという気持ちを持って、多少の失敗を恐れず慣れる 努力をしていくしかないでしょう。

慣れるんだという気持ちすらない方が海外ロングステイすれば、誰かに、つまりエージェントや知り合いに、おんぶに抱っこという状況に なるでしょう。海外ロングステイは誰にでも向いているとは思いません。向いていないなあと思われる方もいらっしゃいますね。イントラ アジア (Intraasia)はマレーシアマイセカンドプログラムを売り込んでビジネスにしているエージェントではありませんから、はっきりと ものを言っておきます。

[自分の目で見て、足で歩いてください]


”いいえ”という方たちがいつも典型的にあげる理由が、「治安が心配」「衛生面や医療体制が心配」ですね。イントラアジア (Intraasia)はそういう方々を無理に説得することはしません。マスコミの騒ぎ立てに踊らされずにまずご自分の目で十分確かめてください 。否定的な言動ばかり吐いている一部の在住者や旅行者の思考の根元にあるものに気がついてほしい、とイントラアジア (Intraasia)は願 っております。

ご自分の目で見て、足で歩いてみた結果、その国に納得できなかった、治安の心配がどうしても頭を離れない、衛生面や医療体制にどうし ても満足できなかった、そういう結論に達されたら、きっぱりとその国を、ここではマレーシアを、あきらめてください。他国をお探しく ださい、または海外ロングステイをあきらめるもいいかもしれませんね。人それぞれ判断基準は違います、だからイントラアジア (Intraasia)は無理にマレーシアを勧めるようなことはせずに、できるだけありのままのマレーシアを伝えようとしています。


ところで最後にひとこと加えておきます。この記事をまとめた編集者の言葉の中に、奇妙な発言がありますね:「年配の人々の間では、日 本の年金制度への不安もあって、老後は海外で暮らしたいと思う人々が増えているとも言われます。」

日本の年金制度への不安があることで、なぜ老後を海外で暮らしたくなるのだろうか? 仮に日本の年金制度が大幅に改悪されたら、一部 の本当の富裕層は除いて、ほとんどの人は海外ロングステイなどできません。海外ロングステイする国が外国人滞在者に日本で享受できる 以上の生活保障を約束したり、無料ながら良質で十分なる医療サービスを提供する国などありません。ロングステイを売り込んでいる国は 、滞在者が金を落としてその国の経済に貢献することを期待しているのです。



マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者に当座預金の残高維持を義務付ける新たな通達

2010年11月07日 | 規定・条件及びその解説
[新しいお知らせの内容]

マレーシアマイセカンドホームプロの公式サイト(英語)に次のようなお知らせが出ています。このお知らせ内容はすでに実施に入っているので、これからマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加申請する人全員に適用されますよ。
そこでIntraasia の訳文をまず掲げておきます。以下はそのお知らせ内容。


2010年10月15日から適用されることになったことをお知らせします。
マレーシアマイセカンドホームプログラムに関する特別委員会が決定したことを受けて、新たにプログラム参加を申し込む申請は全て次に示す経済基準を満たす必要があります:

証明を受けた当座預金のコピーとして、申請者は直近3ヶ月間の口座残高証明を提出しなければなりません。そしてその各月における残高は次のような残高を保持している必要があります:

a. 50歳以上の申請者は、各月の口座残高が RM 350,000(35万リンギット)を下回らないこと
b. 50歳未満の申請者の場合は、各月の口座残高が RM 500,000 (50万リンギット)を下回らないこと

*その他の必要事項は現行の検査リストに基づいて引き続きそのまま適用されます。

2010年10月7日
マレーシアマイセカンドホームプログラムセンター

以上はお知らせ内容。

[最低35万リンギットの残高を常時口座に保てる層がプログラムの対象]


簡単に言いますと、マレーシアマイセカンドホームプログラム適用者の大多数を占めているであろう50歳以上の方たちの場合、その方の銀行当座預金口座には残高として常時 35万リンギット以上を維持しなさい、ということですね。

卑近な表現を使えば、申請時や年1回程度の口座残高証明提出の直前にだけ、どこかからまたは誰かからお金を一時的に借りて、申請者自身または適用者自身の口座に入金しておく。残高証明書をひとたび当局に提出したら、その人自身の口座から金を引き出して借りた先に返してしまう、といった姑息な手段を取る、申請者や適用者を未然に防ぐ狙いがある、と推測されます。

いうまでもなく、マレーシアマイセカンドホームプログラムの申請者と適用者は世界各国から来ていますから、これまでもいろんな手段・方策を駆使してプログラム申請、または適用後に行われる定期検査を潜り抜けてきたケースがあることは、容易に想像できますね。

プログラムの日本人申請者及び適用者にとっても、35万リンギットはかなりの金額といえるでしょう。その金額をマレーシアの銀行口座に預けたままにしておく、プログラム適用中は途中で引き出したりしないことが、プログラムの適用条件の1つだということです。もちろんプログラムを止めた時点、プログラムが終わった時点で、口座からこの金額を引き出すことはなんら問題ありません。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加するなら、不要不急の 35万リンギットつまり1千万円ほどのお金をちゃんと用意できる階層の人であるべきだ、ということでしょう。

【 Intraasia の追記(2011年3月下旬)】

この件の内容がその後マレーシアマイセカンドホームプログラム規定内に条文化されました。そこで当ブログ 2011年3月3日付けで掲載している「マイセカンドホームプログラムの規定・条件の一部文章改定に合わせた、訳文とその解説」の方を参照してください。

この新しいお知らせ内容が規定に条文化されたことで、上記に書いた当初の理解ではなく、申請者の国(ほとんどの方は日本になるはずです)において保有している口座を意味しているとわかりました。
ただそれでもなぜ”当座預金”なのかはわかりません。この点に関して、3月3日付けブログの追記でコメントしておきました。