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マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

円対リンギットの2016年為替レートの推移及び銀行の預金金利を例示する

2016年12月07日 | マレーシア生活の案内と知識

はじめに
外国為替市場では2016年11月初めの米大統領選挙後米ドル高傾向になり、12月時点でも続いていますね。そのため2016年を通して円高局面にあった日本円は多少円安方向に向かっているようです。

この流れが2017年に入っても続くのかどうかは Intraasia にはもちろんわかりません。外国為替の専門家でさえ、半年後、1年後などの外為相場を充分な精度で読めないのは周知のことです。なぜなら専門家の間で相場の読みがかなりばらつくのが普通だからです。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに既に参加されている方、プログラムに申請中またはこれから申請する方、近い将来参加することを検討中の方、にとって、日本円の外為相場は当然かなり気になることでしょう。とはいえ、1週間後の相場、時には1か月後の相場も、はともかく、3か月後、半年後、ましてや1年後の相場など所詮わかるものではありません(たまたま予測が当たることはあるとしても)。

ということで、日本円の対米ドル相場に一喜一憂しない という態度で臨むしかないように思われます。つまり外為相場に無関心であれと言うことではなく、外為相場の読みに依存できないということです。

多額の米ドル先物売買で上手にヘッジしているので、少々の為替変動は自分の滞在予算に影響しないという方も中にはいらっしゃるでしょう。そういうごく少数の方を除いて、大多数の方は、たまたま円高の局面になった時点で、リンギットへの両替を多めに行い、一方円安の局面ではできるだけリンギットへの両替を抑えるというような態度になるのではないでしょうか。

さてリンギットマレーシア対日本円の相場変動は米ドル対日本円の相場変動に密接に連動しているわけではありませんが、リンギットが米ドルを基準に変動する割合がかなり高いことから、米ドル対日本円の相場の動きはリンギット対日本円の相場の動きに大いに関係があると見なしても間違いではないでしょう。

そこでマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者予定者・希望者は日本円とリンギットとの外為相場を予測して両替するためではなく、両通貨間で外為相場がぶれる様子をある程度知っておかれるのがいいのではないでしょうか。

Intraasia は『マレーシアの新聞の記事から』 ブログ・サイトを1990年代後半から2016年まで毎日書き続けました。その中で約15年間ほどに渡って、日本円とリンギットとの外為相場の記事「円とリンギットとの為替レート(外為相場)」を週1回のペースで掲載しました。

そこで今年1年間(2016年)の日本円対リンギットの外為相場における毎月初め頃の時点での相場を下記に抜き出してみます。

【2016年の円とリンギットとの為替レート(外為相場)】  - 毎月最初の土曜日または月初のレート

1万円をある大手銀行で両替すると、次の金額を入手します。

1月:RM 350.0、 2月:RM 346.0、 3月:RM 356.0、 4月:RM 338.0、 5月:RM 365.0、 6月:RM 376.0、
7月:RM 380.0、 8月:RM 380.0、 9月:RM 386.0、 10月:RM 401.0、 11月:RM 393.0、 12月:RM 381.0、 参考12月末:RM 377.0

通貨について:マレーシアの通貨は Ringgit Malaysia です、その記号 RM は紙幣はもちろん、至る所で使われている。
参考までに、US$100 を同様に両替した場合に入手できる金額です。

1月:RM 422.4、 2月:RM 404.8、 3月:RM 405.2、 4月:RM 380.8、 5月:RM 393.0、 6月:RM 401.3、
7月:RM 391.8、 8月:RM 397.7、 9月:RM 399.7、 10月:RM 405.6、 11月:RM 412.6、 12月:RM 437.5、 参考12月末:RM 440.0

Intraasia の 【円とリンギットとの為替レート(外為相場)】 記事の特徴
具体的にある大手銀行で現金1万円をリンギットに両替するレートで載せていることです。現在ネットサイトや新聞で見つけることができる外為相場の多くは電信相場であり、現金両替相場は少ないように思えます。また日本の両替業者のサイトが載せている現金相場は日本における現金両替率であって、マレーシアのそれではありません。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者予定者・希望者にとってまず有用なのは、マレーシアにおける現金両替相場のはずです。(日本から送金する場合のことはここではひとまず考慮外とする)

【公認外貨両替店と銀行の外貨両替特設ショップ】

マレーシアでは民間の外貨両替業が盛んです。そして外貨両替業者は当局の該当免許を取得することで、公認外貨両替業者となる。ただしマレーシアの国情から、公認ではなく無免許で外貨両替業を営むもぐりの業者が少なからずいますので、注意すること。

クアラルンプールの中心街などに、いくつかの大手銀行が特設ショップの形で外貨両替専門店を設けている。ただしその数はごく少ない。こういう特設ショップでの両替は、公認外貨両替店のように、何ら書式に書き込むことなく手軽に両替できるのが良い。

上記で掲げたある大手銀行における外貨両替レートについて
利用者からみて、銀行の両替レートは民間の公認両替店のそれよりも良いのだろうか、それとも多少劣るのだろうか?

答えは、 イエスでもありノーでもある。なぜならクアラルンプール圏だけでも軽く数百軒はある公認両替店における両替レートにはかなりの幅があるからです。つまり、Aという通貨の対リンギットとの売買レートは、各公認両替業者が恣意的に決めるからです。
従ってある年月日の何時時点における日本円対リンギットの売買レートにおいて、X両替店は銀行の両替レートより幾分良いが、Y両替店では銀行両替レートより幾分悪いということになる。 幾分という意味は大よそ数パーセントの差はあるでしょう。

どこの両替店が良いかは足で探すしかありません。マレーシア在留期間がまだ短いうちは、最初はしばしば公認両替店を見て回り、そうしてお好みの両替店を見つけるのがいいのではないでしょうか。

一定金額以上は個人情報を求められる
2016年時点における公認外貨両替店での両替の際、交換して受け取る金額がRM 3千以上の場合、両替する人はパスポートの提示を求められる。店側はパスポートのコピーを取り、マレーシアにおける住所または居所(滞在場所)の住所を記します。この個人情報収集は当局が定める規則に沿ったものです。
両替え後の金額がRM 3千未満の場合は、一切身分証明書類の提示を求められない。銀行の特設両替ショップでもこの規則は同様に適用されると推測されます。


【銀行の普通預金と定期預金の利率の例】

マレーシアマイセカンドホームプログラムへの参加申請が承認されれば、参加者に義務付けられた定期預金預けとは別に、恐らくほとんど全ての参加者はマレーシアの銀行になんらかの口座を持つことになるでしょう。

マレーシアマイセカンドホームプログラムの知識: プログラム参加条件として次の要項がある。
50歳以上の者の承認に際しては次のどちらかを選択できる:
・マレーシアにある銀行に定期預金口座を開設して RM 15万を預ける、
または
・政府認定の年金額が毎月 RM 1万あることを証明する

プログラム参加者であれば、銀行に口座を開設する要件を充分満たしているので、口座開設は容易にできる。さらに銀行口座を保有していることは、日常生活上において利便性があり、及び不必要な現金所持を回避できることにつながると言えますね。

プログラム参加者がどの銀行に口座を開設するかはもちろん参加者の任意です。
ここでは支店網がより多い、従ってATM機の台数もより多い、大手銀行に例を絞ります。なお Maybank, CIMB Bank, Public Bank の3行はマレーシアの3大銀行と呼ばれています。その中から当記事では、 Maybank, CIMB Bank の 2行が発表している2016年12月時点における幾つかの預金金利を紹介します。

・預金口座にはいろんな種類がある。そのうち最も一般的といえるであろう普通預金と定期預金の利率です。
・各口座にかかる預金金利は全て年利表示です。
・カッコ内の英文名はその銀行が使っている預金名称です。


【 CIMB Bank 】 (シーアイエムビーと発音)

A. 普通預金口座 (Regular Savings Account)

・当初必要な最低預け入れ額 - 預金通帳なしの場合: RM 250、
Intraasia 注:通帳を作ると費用が掛かることもあり、通帳なし口座の方が金利は幾分良い。もちろんネットバンキングで口座取引明細は閲覧できる

残高RM 5千まで:利率ゼロ
残高RM 2万5千まで:年利 0.10%、
残高RM 5万まで:年利 0.10%
残高RM 10万まで:年利 0.10%、
残高RM 10万超:年利 0.80%、

諸手数料の例として、 ATMカードの年間使用料金 RM 8.48

B. 中高年預金口座 (Senior Savings Account)
口座開設要件を見ると、国民に限定されていないため外国人居住者も開設できる。 預金者の年齢は50歳以上という条件です。

・当初必要な最低預け入れ額-預金通帳なしの場合: RM 250、

残高RM 1千まで:年利 0.10%
残高RM 5千まで:年利 0.20%、
残高RM 2万5千まで:年利 0.20%、
残高RM 5万まで:年利 0.70%
残高RM 10万まで:年利 1.00%、
残高RM 10万超:年利 1.50%、

諸手数料の例として、 ATMカードの年間使用料金 RM 8.48

定期預金 (Fixed Deposit )

C. 自由満期型定期預金(Unfixed Deposit)

・預入して3か月後から引き出すことができる、ただし引き出し額は千リンギットの倍数という条件がある。

1か月または2か月 :年利 2.95%、
3か月から5か月まで:年利 3.00%、
6か月から11か月まで:年利 3.05%、
12か月:年利 3.10%、
13か月から35か月まで:年利 3.10%、
36か月から47か月まで:年利 3.20%、
48か月から59ヶ月まで:年利 3.30%、
最長の60ヶ月:年利 3.40%、

D. 外貨定期預金

・預金できる外貨の種類:米ドル、日本円、英ポンド、オーストラリアドル、ユーロ、シンガポールドル、香港ドルなど11種類。
・自分(この定期預金者のこと)が保有するリンギット口座との間で振替えができる
・当初必要な最低預け入れ額は、リンギット換算でRM 1万。

外貨定期預金の利率の例 - 利率は全て年利表示であり、預け期間を抜粋します
米ドルの場合
1か月 0.55%、3か月 0.85%、6か月 1.05%、9か月 1.25%、12か月 1.30%、

オーストラリアドルの場合
1か月 1.55%、3か月 1.75%、6か月 1.95%、9か月 2.03%、12か月 2.10%、

日本円とユーロは全ての預け入れ期間において利率ゼロです。

参考:各預金の規定と条件、及び諸手数料・費用は CIMBサイトに掲載されている。
他にもいろんな種類の預金があります。


【 Maybank 】 (メイバンクという固有名詞)

A. 最も一般的な普通預金 (Kawanku Savings Account)

・最低限必要な預け入れ額 -預金通帳あり:RM 250

RM 1千まで 利率 0.30%、
RM 1千を超えRM 1万までの分 年利 0.30%
RM 1万を超えRM 2万5千までの分 年利 0.35%
RM 2万5千を超えRM 5万までの分 年利 0.40%
RM 5万を超えRM 10万までの分 年利 0.65%
RM 10万を超えRM 20万までの分 年利 1.10%
RM 20万を超えRM 50万までの分 年利 1.15%

手数料の例:他銀行のATM機を使って現金引出し -1回に付き RM 1、
Intraasia注: マレーシアの銀行では、現金引き出しにおいて自銀行のATM機を使う限り、夜間、早朝、休日でも手数料はかかりません。

B. オンライン普通預金 Maybank2u (Maybank2u Savers)

・当初必要な最低預け入れ額及び維持すべき最低残額: RM 250、
・預金通帳はありません
・既にMaybankの顧客でありATMカードを保有している人においては、Maybank2u Saversは自動的にそのATMカードに連動する。なおATM カードはネットバンキングである Maybank2u.com 口座にリンクしている。

残高RM 2千未満には利息が付かない
残高RM 2千からRM 5万までの分 年利 2.02%
残高RM 5万を超える分 年利 2.22%

C. 定期預金 (Fixed Deposit)
最低預入額 1か月の場合 RM 5千、2か月以上の場合 RM 1千

1か月または2か月 :年利 2.95%、
3か月から5か月まで:年利 3.00%、
6か月から11か月まで:年利 3.05%、
12か月:年利 3.10%、
13か月から24か月まで:年利 3.10%、
36か月:年利 3.20%、
48か月:年利 3.30%、
最長の60ヶ月:年利 3.40%、

参考:各預金の規定と条件、及び諸手数料・費用は Maybank サイトに掲載されている。
他にもいろんな種類の預金があります。

おことわり
この場で示した預金の利率は、CIMBサイト、 Maybankサイトがそれぞれ 2016年12月上旬時点で掲載している値です。 この種の利率は銀行側が任意に且つ随時変更できることが条件となっている。

この記事で載せました、円とリンギット間における為替レートの変動、銀行の普通預金と定期預金の利率の情報も、今後のマレーシア在住のための一助としてお役立てください。

 


クアラルンプール圏のLRT電車の延長路線が全面オープンすることによる波及効果は大きい

2016年06月06日 | マレーシア生活の案内と知識

当ブログの2015年8月の記事 『クアラルンプール圏で建設中の新しいMRT電車路線及びLRT電車の路線延長によって居住選択範囲が大いに広がる』 をまずご覧ください。
MRT電車に関しては、『クアラルンプール圏の新しい電車路線 MRT の2017年開通が近づき、新駅周辺で進む開発の様子の一例』 という記事を2016年3月に掲載しました。
そこで今回はLRT 電車の路線延長の例をあげておきます。

【LRT電車の路線延長は両側の終点駅から行われてきた】

路線延長は具体的には2つの路線で進行しており、1つは Sri Petaling 路線のSri Petaling 駅から新設の Putra Heights 駅までの延長、もう1つは Kelana Jaya 路線の Kelana Jaya 駅から新設の Putra Heights 駅までの延長です。つまり2つの延長路線がPutra Heights 駅で接続されることで、Sri Petaling 路線とKelana Jaya 路線がループ状につながることになる。予定としては竣工は2016年6月か7月になるそうです。

新設駅名を示している LRT電車路線図


路線延長区間はこれまでまったく電車路線がなかった地区ばかりを通るので、その電車効果は相当なものになることが予想されます。(唯一の例外は、路線延長区間が KTM Komuter 電車と一か所で交差する、その交差地点にある双方のSubanjaya 駅で乗り換えが可能になる)。路線延長区間を走行する電車は、従来型の車輛ではなく、新たに購入した新型電車が使われている、次の写真です。

新型のLRT電車
 

Sri Petaling 路線のSri Petaling 駅からの路線延長は進捗が進んでおり、2015年10月末の Kinrara BK5 駅までの完成区間の運行開始に続いて、2016年3月末にはさらに Bandar Putri 駅まで運行が始まった(下の画像はそれを広報するポスターをスキャンした画像)。Putra Heights 駅まであと少しという段階です。

新規オープン区間を知らせるポスター


【3年前に当ブログで写真を掲載した地区の3年後の変貌した姿】

Intraasia は Bandar Putri 駅までの新規オープン区間を早速2016年4月に乗りました。この区間に建設された駅の中で、駅一帯の開発度がより高く且つ人口がとりわけ多い駅が2つある。その内の1つである Pusat Bandar Puchong 駅で下車して周辺の写真を撮りましたので、この場に掲載します。

実はこの Pusat Bandar Puchongという地区は、当ブログで連載してきた 『クアラルンプール圏の住宅写真と地図の連載』で取材して載せた数多い地区の1つです。 まず2013年2月掲載の 『クアラルンプール圏の住宅写真と地図シリーズの開始』 をクリックしてください。
そのページに載っている写真のタイトル部分 ”シリーズ 第1回” をクリックすると、地図と住宅写真から成るPicasa ウエブアルバムが立ち上がります。

55枚載せている写真の上から第6列と第7列が Pusat Bandar Puchong地区で撮った写真です。2013年2月当時はLRT 路線延長のための基礎工事さえ始まっていなかった。それが3年後には駅舎も線路も完成して、既に電車が走っているのです。 

Pusat Bandar Puchong 駅の写真2枚
 

ハイウエー交通は、写真のようにたいへん盛んであり、また良くできているけど、公共交通としては乗り合いバス便だけでしかもきちんとしたバス停がないのが、当時の状態でした。
3年後写真のような立派な駅舎ができたことで、公共交通利用者の足の便利さと快適さが劇的に向上したわけです。

駅の脇を通るハイウエーの写真
 

Pusat Bandar Puchong 駅の横には大スーパーマーケットチェーンの1つである TESCO があり(下の写真)、IOI Puchong Jaya 駅至近には Aeonが入居するIOI(アイオーアイと発音)ショッピングセンターがある。

Pusat Bandar Puchong 駅と地域とその隣駅である IOI Puchong Jaya駅の地域は、商業面と住居面で今後も人気を増しより賑やかになっていくことでしょう。

Pusat Bandar Puchong 駅周辺に建つコンドミニアム
 

クアラルンプール郊外の急速発展と人気の地区でありながら、非自家用車族には、決して便利ではなかった Puchong地区の便利度が飛躍的に増すことは、これから住もう、住む選択肢に入れようという方には、大いに朗報となることでしょう。



マレーシアで醸造して販売されているビールに関するうんちく

2015年10月27日 | マレーシア生活の案内と知識

マレーシアマイセカンドホームプログラムについて調べている際またはマレーシア一般について情報を探している際に、酒関連のことばを検索言葉の1つにして当ブログに到達される方が結構いらっしゃることが、Gooブログが時々提供する情報からわかっています。

しばらく前ですが、『マレーシアの酒にまつわるお話 -ビール、椰子酒など 』 という記事を2011年に掲載しました。クリックすると別ページで開きます。

今回は、当時とは別の情報と観点からのマレーシアにおけるビールに関するうんちくです。といっても前にも書いたように、 Intraasia はマレーシアを専門とするのであってもアルコール類はなんであれ飲まないので、ビールそのものに関する知識は少ないし味の好みは持ち合わせていません。
当記事を書く際に参照したのは、2015年10月17日付け The Star 紙に載った Michael Cheang というマレーシア人の書いた記事です。記して感謝しておきます。

以下はそれから抜粋して訳してあります。

【国内で商業的に大量製造しているビール醸造会社は2社ある】

マレーシアにおける大量生産のビール醸造者は合法的に醸造できる認可を受けた2社に限られている:Guinness Anchor Berhad と Carlsberg Brewery Malaysia Berhad
Intraasia注:Berhad (ブルハットと発音)とは一般に、マレーシア証券取引所(Bursa Malaysiaという呼称) に上場している企業を示す。

マレーシアビール醸造会社連合の公式サイトが公表している統計によれば、国内のラガービールと黒ビール市場においてこの2社が(量の面で)95%のシェアを占めている。
Intraasia 注:外国からの輸入ビールも売られているので、そういうビールもいくらかのシェアを占めるのでしょう。

主流を離れた店を除いて、ほとんどのパブやバーでは Guinness Anchor 社またはCarlsberg社から排他的に生ビールの供給を受ける旨の供給契約を結んでいます。

何年か前にはマレーシア市場に他のビール醸造会社もありました。Napex という謎に包まれた会社が2007年に Jas Beer銘柄で市場に現れた。同社はさらに Starker ビール銘柄もあるパブチェーンに供給していた。両ビールともドイツ風ラガービールを歌っていたが、実際はマレーシアで醸造していました。
残念ながらこれらのビールは今一つであった。そのビール醸造会社は謎に包まれた中で消えてしまいました。

Intraasia 注:上記の『『マレーシアの酒にまつわるお話 -ビール、椰子酒など 』の中で、このビール醸造会社のことを紹介しましたね。

【一番最初にマレーシアで醸造された銘柄はTiger ビールである】

国内で醸造された最初のビール銘柄は Tiger ビールです。1932年に シンガポール基盤のMalayan Breweries Limited が醸造した。この会社はHineken と 大手飲料会社 F & N の合併によってできた。

今日 Guinness Anchor 社がTiger ビールを醸造している。
他にもよく知られた複数の外国ブランドビールがマレーシアの地で醸造されています。Guinness Anchor 社は先日、マレーシアでのGuinness 醸造50周年を祝いました。
Guinness Anchor 社はスランゴール州ペタリンジャヤにある工場で Kilkenny も醸造している。

Carlsberg社がマレーシアに醸造会社を設立したのは1969年です。Carlsberg社は同社の主要銘柄である Green Label ビールの他にも、数種の外国ブランドビールをスランゴール州シャーラムにあるマレーシア工場で醸造しています: Kronenbourg, Asahi.
Intraasia 注: Asahi ビールの銘柄はスーパードライのようですが、それをライセンス生産しているということですね。

【マレーシアがビールに課す税金(物品税)は世界で2番目に高い】

マレーシアビール醸造会社連合による発表によれば、1リットルにつきRM 7.40です、これに加えて15%の従価税が課される。 このためマレーシアは、ビールに課される税金で、ノルウエーに次ぐ世界で2番目に高い国となっている。

現在はさらに物品とサービス税(GST)の6%が掛かります。
おまけにパブやバーでは何らかの上乗せ料金があることで、マレーシアで飲むビールはこんなにも高いのです。
Intrasia注:ここでいうバーとは日本で使われているホステスのいる飲み屋ではなく、一般的な酒場の意味です。

【マレーシアにも地ビールが登場している】

主流の市販ビール以外には地ビールがあります。市販の大量生産ラガービールと黒ビールが国内ビール市場の圧倒的多数を占めるけれど、近年は地ビールがゆっくりとしかし確実に伸びています。

マレーシアはまだ、地ビールを提供するバー数は可哀そうなほどに少ないといえる。それでもそういったバーでは、既に100種を超えるタイプと銘柄の地ビールが選べます。
現時点でクアラルンプールには地ビールを注文できるバーが5か所ある:Taps Beer Bar, Ales And Lagers, The Great Beer Bar, Messrs Barley, Malt and Hops,

【ビールは必ずしも冷えている必要はない】

確かにラガービールは十分冷たい方が味が良い、そして冷たさがさめてしまったらまずくなる。

ラガーとは異なるタイプのビール、例えば黒ビールや多くの地ビールも冷やした方が味がずっと良い、とはいえ冷やし過ぎはよくない。
実際、ある種のビールはグラスに注いで時間をおいて多少ぬるくなった方が味が良いのです。

冷えたビールのことを言うのであれば、ビールグラスを冷やすのも悪くはない。そうすることは必ずしも必要ではないが、まずビールグラスを冷やしてそれからビールを注ぐのは確かに悪いことではない。

マレーシアの独特なビール飲み方の1つに、スノウビール(雪ビール)がある。これはビールグラスとビールを一定の低温度まで十分冷やすことで、ビールをグラスに注いだ時にグラスの中に雪のような効果を作ります。

【マレーシアでも熟成したビールは飲める】

ある種のビールは熟成して年月を重ねることができる、例えばオランダの地ビールメーカーDe Molen の作るビール。 そういったビールは数年経った方が味が良くなる。もっともワインと同じで、ビールは暗所で適切な環境下に置いておく必要がある。
(Intraasia 注:本当ですか? ビール飲みではないIntraasia はこういう知識は全くない)

以上抜粋訳から

特定のパブ・バーで地ビールが提供されているということは、個人でビールを醸造している人がいるということなんでしょう。この辺りの詳しい情報は書いてないし、これまでにもメディアで読んだ記憶がないので知りません。

市販の缶ビールは有名スーパーの棚に並んでいます。 非ムスリム地域にあるコンビニ・ミニマートには缶ビールを販売している店もある。 従って都市部でビールを買うことは、銘柄にこだわらない限り、容易であると言えますね。

マレーシア人は一般にかなり冷えたビールを好むことが観察からいえる。カラオケ、ナイトクラブなどでは、氷をたくさん入れたビール用バケツにビール瓶を突っ込んでテーブルに置くのが普通です。またはキューブアイスを容器にいれてビール瓶と一緒に供する場合も珍しくないし、客がそれを要求していることもある。

場末の大衆食堂でビールを注文している人たちの中には、アイスキューブをビールグラスに入れてビールを注ぐ人もいます。ビール瓶が全く冷やされていないからでしょう。

それぞれの国または民族によって食の趣向が違うように、ビール味の好みもそれなりに異なるのではないでしょうか。

参考:あるスーパーの棚に並んでいる缶ビール、320ml / 325ml、の価格

Carlsberg Beer  RM 6.25、 Tiger Beer  RM 7.75,  Asahi Super Dry  RM 7.65,
Anchor Beer  RM 6.70,  Heineken Beer  RM 9.75,

 


物品とサービス税(GST)が施行された後のレシートの見方を説明する

2015年05月03日 | マレーシア生活の案内と知識

2015年4月1日から物品とサービス税(GST)が施行されました。税率は6%です。GSTとは日本で言う消費税と同類の税です。なお事業者がGSTを課税しなければならない要件は、そのビジネスの年間売上高がRM 5万を超える場合です。

マレーシアの物品とサービス税(GST)ではかなりの数の非課税品目があります。生活必需品、生鮮食料品、公的医療、飛行機を除く公共交通機関、新聞、などは非課税です。

そのため非課税品と課税品の区別は覚えるしかないでしょう。例えばレギュラーガソリン(RON95という名称) は非課税ですが、ハイオクガソリン(RON97という名称) は課税です。また書籍は一般に非課税、しかし雑誌は課税品目に分類されている。

医薬品に至ってはいささかややこしい面がある。Intraasia の 『マレーシアの新聞の記事から』 から2つの記事を再録しておきます。

「公共医療サービスは全て物品とサービス税(GST)から免除されています。
一方薬局で薬を買う場合を含めて、民間の医療機関でのサービスと薬品においては、たくさんの分類に分かれており、これが消費者を困惑させそうです。

薬品はGSTの下では、品種と購入場所に基づいて 3分類されている: 
・約 4200種の薬品は税率ゼロと分類され、薬品登録番号 " MAL 8桁数字” の後ろに ”Z" が付いている。
・上記の免税薬品の他に、私立医療機関の医師が処方し私立病院または医院で購入する薬品は税率ゼロとなる、しかしそれを薬局で買うと課税される。
・私立の医療機関において、そこで雇われていない医師が診断した場合で且つその医師が年所得RM 50万以上の場合は、患者は支払う料金に物品とサービス税(GST)が課税される。」

別の記事
「物品とサービス税(GST)において、医薬品では 4215銘柄が国民必須医薬品表に載せられて非課税扱いとなっている。 この国民必須医薬品表は現実として320種の化学成分だけを含有した医薬品を載せている、この意味は異なる分量または包装から構成される 500種の医薬品ということです。(Intraasia 注:4215銘柄でも実質的な医薬品種は500ということだと理解される)

従ってマレーシア薬事協会によれば、マレーシアで保健省に登録された医薬品 約1万2千銘柄の内で、この国民必須医薬品表掲載の医薬品は約25%に過ぎないことになる。同協会はそのリポートの中で、糖尿病、心臓病、がんなど慢性病の治療に用いる先進薬品の多くが物品とサービス税(GST)の課税品となっている、と報じている。

民間医療分野の場合です、多くの医師は私立病院や医院に直接雇われているのではなく独立した契約者として働いているか、またはアウトソースサービスと分類されている。そこで診察料と専門医師に診てもらう費用は物品とサービス税(GST)の課税対象となる。」
以上

【スーパー、コンビニなどで受け取る買い物レシートにはGSTが明示されている】

さてスーパーマーケットやミニマート・コンビニで買い物すると、ほぼ全ての店で物品とサービス税(GST)が明示されたレシートを受け取ることになります。
幾つかの異なる企業に属する店舗でもらったレシートをよく比べて見ると、その印字フォーマットは同じではないがよく似ています。つまり物品とサービス税(GST)課税者の発行する買い物レシートは、税関庁が定めた一定の形式に準じていることだと理解される。

Intraasia がこれまで利用した店の中から、MYDIN のレシートを例に取り上げます。マレーシア国産企業である MYDINは大手のスーパーマーケット・ミニマートの1つであり、各地に店舗展開をしている。レシートをスキャンして画像化しました。



レシートに加えた数字の注書き
1.GST ID
物品とサービス税(GST)を課税しなければならない業者は全て税関庁に登録する義務がある。そこでその登録業者としての登録番号です。このID番号を印刷せずに GST を課すことは規則違反となる。

2. Rounding Adjustment
マレーシアはたいへんユニークな方式を採用しています。
マレーシアの通貨リンギット(RM)の補助単位はセント(マレーシア語では sen センという)であり、RM 1= 100 セント。一般市場でも、公共料金においても、計算上ではセントの単位までを用いる。

しかし実際に通貨を扱う段階では、セントの1桁数字をいわば四捨五入式に切り捨て、切り上げを行い、1セント硬貨の使用を省いている。既に1セント硬貨は流通していません。セントの1桁数字の規則:1と2は切り捨てて 0 にする。3と4は 5 に切り上げる。6と7は 5 に切り捨てる。8と9は 10 に切り上げる。
具体例: 買い物した品々の合計がRM 34.32 の場合、実際に払うお金はRM 34.30 となる。電気代のような公共料金の請求書の額が RM 54.14 の場合、実際に支払う金額は RM 54.15 となる。買い物した品々の合計額が RM 76.98 の場合、実際に支払うお金は RM 77.00 となる。

Rounding Adjustment の欄はレシート・領収書における切り捨て/切り上げしたセントの値を記している。この実例では 0.02 即ち2セントが切り上げられる値です。

3. Total After Rounding
切り捨て/切り上げした後の実際に支払う合計金額

4.GST Rate  
物品とサービス税(GST)の税率です。GSTが課される場合、その税率は6%です。

5. Amt Excl GST
Amount Excluding GST の省略形です。意味は GSTを含まない金額つまり課税前金額。

6. Tax
税金つまり物品とサービス税(GST)額のこと。

7. Z = 0%
物品とサービス税(GST)は税率6%と決まっているが、コメなどの生活必需品や生鮮食料品などは税率 0% の非課税扱いと定められている。分類上は免税ではなく税率 0% と分類されている。そのためこの項目が設けてあると推定される。

【別企業の買い物レシートの実例】

レシートの形式はどの小売業者であれよく似ている例として、ある全国的スーパーマーケットチェーンのレシートの画像も掲げておきます。



TOTAL SALES INCLUSIVE GST:  GST を含んだ合計購入額
MYDIN のレシートでは単に TOTAL となっているが、この企業の店舗ではGSTを含むと明記している。どちらのレシートも意味するところは同じです。

GST Sumary 欄ではGSTの明細が記されている。
”ここに注目”の部分 Z: GST 0%      3.58     0.00
物品とサービス税(GST)の税率が零%である品物の合計金額が RM 3.58ということを示している。当然 TAXは 0 となる。 購入した品物である、マンゴとトマトは税率 0% 品目に分類されているからです。

以上でおわかりのように、受け取る買い物レシートにおいて、印字形式は企業によって多少は異なるが基本的情報は必ず含まれている。当ブログの説明を頭に入れて何回かレシートをご覧になれば、レシート内容はすぐにわかるようになりますよ。



国が推進する医療ツーリズム下で認証された、私立の病院を紹介します

2014年01月27日 | マレーシア生活の案内と知識

マレーシアはいわゆる医療ツーリズム(medical/health tourism)を重要な政策の1つとして推進しています。公式サイト:www.medicaltourism.com.my

そこで保健省の指針に沿って設立され省の監督を受ける公的機関として、マレーシア医療旅行協議会(略称MHTC)があります。このマレーシア医療旅行協議会が、医療ツーリズムに関する様々なことを一手に行っています。

マレーシア医療旅行協議会には、多くの中大型私立病院または専門医療機関が登録しています。登録するには保健省の認証が必要であり、2年毎に更新されるとのことです。
登録するための必要条件・基準などはマレーシア医療旅行協議会(MHTC)の公式サイトに載っている:www.mhtc.org.my  このため、私立の病院・専門医療機関の内で条件と基準を満たした病院と専門医療機関だけが登録できる仕組みです。

さて、マレーシアにおける医療と私立病院・医療機関を案内する、マレーシア発行の "Healthcare Malaysia" というA4サイズ雑誌形式の英文書籍があります。
 この本は2010年から毎年1回編集発行されているようであり、マレーシア医療旅行協議会(MHTC)が直接出版しているわけではないが、監修していることは明らかです。いわばマレーシアの医療ツーリズムを紹介し案内する、半オフィシャル本のような体裁です。

"Healthcare Malaysia"は一般書店で販売されておらず、マレーシア医療旅行協議会(MHTC)などが配布しているようです。
イントラアジアはマレーシア医療旅行協議会(MHTC)が参加する展示会で2012年版を、クアラルンプール国際空港内に設けてあるマレーシア医療旅行協議会(MHTC)の案内所で2013年版を入手しました。

今回のブログ記事では、この"Healthcare Malaysia"2013年版に載っている、マレーシア医療旅行協議会(MHTC)認証の病院を以下に紹介します。そこに掲載されている病院から9割程度を選んで、その名称と住所とベッド数を引用しました。ただし本には各病院の特徴と案内及び診療科目一覧情報も載っていますが、これは相当なる文量なので訳すことは省略し、またサバ州とサラワク州の病院及びごく一部の病院は除外しました。

注記:マレーシアは英国英語を採用しているので、名詞などの綴りは全て British English 式となる。以下の掲載は基本的にはABC順です。

マレーシア医療旅行協議会(MHTC)認証の私立の病院と専門医療機関の紹介

【クアラルンプール及びスランゴール州】

ANOC Nueroscience and Orthopaedic Centre
クアラルンプール、Jalan Maarof Bangsar. 外来患者専門と推測される。MHTC認証

Ara Damansara Medical Centre
スランゴール州、Shah Alam. ベッド数 220. MHTC認証
2012年オープンの総合病院

Assunta Hospital
スランゴール州、Petaling Jaya. ベッド数344. MHTC認証
約60年の歴史を持つ由緒ある総合病院

Beacon International Specialist Centre
スランゴール州、Petaling Jaya. ベッド数49. MHTC認証
ガン治療が主体。

Columbia Asia Hospital -Bukit Rimau
スランゴール州、Shah Alam. ベッド数82. MHTC認証

Damai Service Hospital
クアラルンプール、Jalan Ipoh. ベッド数60. MHTC認証

DEMC Specialist Hospital
スランゴール州、Shah Alam. ベッド数130. MHTC認証

Gleneagles Kuala Lumpur
クアラルンプール、Jalan Ampang. ベッド数315. MHTC認証

HSC Mediccal Centre
クアラルンプール、Jalan Ampang. ベッド数17. MHTC認証
心臓病が主体。

International Specialist Eye Centre
クアラルンプール、Mid Valley City. ベッド数6. MHTC認証
眼科専門。

KPJ Ampang Puteri Specialist Hospital
スランゴール州、Ampang. ベッド数220. MHTC認証

KPJ Damansara Specialist Hospital
スランゴール州、 Petaling Jaya. ベッド数250。MHTC認証
KPJ Healthcare はマレーシアで最大の医療機関グループです。

KPJ Klang Specialist Hospital
スランゴール州、Klang. ベッド数220. MHTC認証

KPJ Selangor Specialist Hospital
スランゴール州、Sha Alam. ベッド数169. MHTC認証

KPJ Tawakkal Specialist Hospital
クアラルンプール、Jln Pahang. ベッド数200.  MHTC認証

Pantai Hospital Cheras
クアラルンプール、Taman Ceras Makmur. ベッド数143. MHTC認証

Pantai Hospital Kuala Lumpur
クアラルンプール、Jln Bukit Pantai. ベッド数332. MHTC認証
1974年創立

Prince Court Medical Centre
クアラルンプール、Jalan Kia Peng. ベッド数277. MHTC認証
マレーシアの準国営石油産業企業であるPetronasの翼下にある病院。2007年創立。

Sentosa Medical Centre
クアラルンプール、Jalan Chemor. ベッド数201. MHTC認証
Titiwangsa駅から至近距離

Sri Kota Specialist Medical Centre
スランゴール州、Klang, ベッド数232. MHTC認証

Subang Jaya Medical Centre (旧名Sime Darby Medical Centre Subang Jaya)
スランゴール州、 Subang Jaya. ベッド数393. MHTC認証
首都圏で最大級の私立病院。日本人患者も少なくないとのこと。

Sunway Medical Centre
スランゴール州、 Petaling Jaya. ベッド数350。MHTC認証
Bandar Sunway にある大総合病院。

Taman Desa Medical Centre
クアラルンプール、Taman Desa. ベッド数128. MHTC認証
1997年創立。

Tropicana Medical Centre
スランゴール州、Petaling Jaya, Kota Damansara.ベッド数139. MHTC認証

Tung Shin Hospital (同善病院)
クアラルンプール、Jalan Pudu. ベッド数238. MHTC認証
100年以上の歴史を持つ由緒ある病院。 一般的な西洋医療とは別個に中医専門の病院が同じ敷地内にある。

【ペナン州】

Gleneagles  Penang
ジョージタウン、Jalan Pangkor. ベッド数227. MHTC認証

Island Hospital
ジョージタウン、Jalan Macalister. ベッド数300. MHTC認証

KPJ Penang Specialist Hospital
Bukit Mertajam.  ベッド数168. MHTC認証

Lam Wah Ee Hospital
ジョージタウン、Jalan Tan Sri Teh Ewe Lim. ベッド数514. MHTC認証
1983年創立

Loh Guan Lye Specialists Centre
ジョージタウン、Jalan Macalister. ベッド数 273. MHTC認証
1975年創立。

Mount Miriam Cancer Hospital
Jalan Bulan, Tanjong Bunga.  ベッド数 40. MHTC認証

Pantai Hospital Penang
Jalan Tengah, Bayan Lepas. ベッド数 200. MHTC認証
1997年創立

Penang Adventist Hospital
Jalan Burma, ジョージタウン。ベッド数 211. MHTC認証
国際Adventists ネットワークの病院、創立は1924年。

【パハン州】

Darul Makmur Medical Centre
Kuantan,  ベッド数123. MHTC認証

【ペラ州】

Hospital Fatimah
Ipoh,  Ipoh Garden. ベッド数239. MHTC認証

KPJ Ipoh Specialist Hospital
Ipoh, ベッド数275. MHTC認証
KPJ Healthcareグループの総合病院。

Pantai Hospital Ipoh。
Ipoh, Jalan Tambun. ベッド数180. MHTC認証

【マラッカ州】

Mahkota Medical Centre
マラッカ。 ベッド数288. MHTC認証
1994年創立。

Pantai Hospital Ayer Keroh
Lebuh Ayer Keroh. ベッド数250. MHTC認証

Putra Specialist Hospital Melaka
マラッカ、Jalan Bebdahara. ベッド数225. MHTC認証

【ジョーホール州】

Puteri Specialist Hospital
Johor Bahru.  ベッド数155. MHTC認証
KPJ Healthcareグループの病院。

Regency Specialist Hospital
Masai, Bandar Seri Alam. ベッド数218.MHTC認証
Iskandar Mslaysia開発地域内。


以上、マレーシアに滞在・在住する場合またはしている時、民間の病院にかかる際の参考情報にしてください。
なおこれらの病院で診てもらうためには、当然ながら、ある程度の英語力がないと症状さえ伝えられないということになります(もちろんマレーシア語力があれば問題はない)。当ブログの記事 『マレーシアで暮らすには World Englishes の英語力が必要です』 をご覧ください。


マレーシアで生活していくために必要な情報と知識 -電気料金改定と水道供給、及び銀行口座開設

2014年01月09日 | マレーシア生活の案内と知識

当ブログのずっと以前の記事で電気料金のことを取り上げました: 『マレーシア生活における光熱費を計算してみましょう』- 2009年12月25日付け
そこで電気料金の改定がこの1月を期して実施されましたので、今回の記事で説明しておきます。

【 2014年1月から実施の改定電気料金】

政府が2013年に認めた、半島部とサバ州で適用される改定電気料金表からです。半島部の電力会社は Tenaga Nasional Berhad,  サバ州は Sabah Electricity Sdn. Bhd. です。なおサラワク州だけは今回の改定に含まれない。

月間使用電力量の単位はキロワット時 (kWh)、 右側の数字はその料金範囲、
一般家庭用契約
0- 200 kWh: RM 3.00 - RM 43.60,
201- 300kWh: RM 43.93- RM 77.00,
301- 400kWh: RM77.52- RM 128.60,
401-600kWh: RM 129.12- RM 231.80、これ以上は省略します

参考までに商業用利用契約 (低電圧)
0-200 kWh: RM 7.20 - RM 87.00, 201-300kWh: RM 87.51- RM 137.90,
301- 400kWh: RM 138.41 - RM 188.80, 401-500kWh: RM189.31 - RM 239.70、
501- 600kWh: RM 240.21 - RM 290.60, 601- 700kWh: RM 291.11 - RM 341.50,
これ以上は省略します

ほとんどの電力利用者には、再生可能エネルギー基金へ収める追加料として 1.6%が電気使用料に上乗せされる。ただし、一般家庭用契約で且つ月間300キロワット時以下の場合だけはこの追加料は課されない。

少量電力量使用者に関しては値上げはなし
一般家庭用契約の少量電力量使用者つまり月間300キロワット時以下の料金だけはこれまでの料金と同じですが、それ以上の多量電力使用者、及び商業利用契約、工業利用契約など一連の電気料金が改定された。

一般家庭用電気契約において、各使用量範疇に占める顧客の割合:0-200 kWhの範ちゅうで50%、201-300kWhの範ちゅうで20%

要するに一般世帯の70%は月間電気使用量が300キロワット時以下ということであり、この範ちゅうの使用量は今回の電気料金値上げから除かれたということです。
常識的に考えて、普通の世帯であればこの使用量範ちゅうですから、マレーシア生活される日本人滞在者も当然同じとみなせます。

ところで、小電力量使用者の家庭の電気代が直接値上がりすることはなくても、電気はあらゆる社会活動と全ての人の生活に関わるので、電気料金改定は身近な物価に影響をもたらすであろうことは容易に予想がつきます。


電気と並んで生活の絶対必需は水です。水道料金が値上げされるということではありません、それよりもっと深刻である、クアラルンプール圏の上水道供給における問題です。
この問題は既に数年前から時々報道されてきたので、イントラアジアにはとりたてて目新しいニュースではありませんが、ほとんどの読者の方はご存じないことでしょう。

まず2013年12月25日付けマレーシアの主要紙に載った広告(公告)の内容を以下に載せます。

【水道供給会社が各紙に載せた水道供給に関する公告】

水道供給が危機的な状況である -SYABAS 
(Intraasia注:SYABASとは、スランゴール州とクアラルンプールとプトゥラジャヤにおける水道供給を一手に管理運営する会社の通称です。浄水場を運営する4つの会社とは別の会社です。)

複数の地区でしばしば断水が発生していることに鑑みて、SYABAS は消費者の皆さんに次のことをお知らせします:
スランゴール州とクアラルンプールとプトゥラジャヤにおける現在の水道供給は危機的な状況になっています、その理由は我々の浄水化した供給できる上水の供給予備能力が2013年を通じて1%を割っているからです。

現在供給予備力がほとんどないことから需要が増して供給能力を上回るたびに、特定地域で予期せぬ断水がより多く発生することが予想されます。

SYABAS は、上水の予備供給能力は最低でも10%あるべきであり、望むべくは20%であることを、ここで強調しておきます。

スランゴール州とクアラルンプールとプトゥラジャヤの消費者は、現在の状況、及びSYABAS と当局が実施している実行プランをよく理解されることが期待されます。さらに消費者側でも、現在の水道供給状況の影響を減らすことに協力することでその役割を責任を持って果たされることが期待されます。

断水がしばしばおこる地区の一覧表(その影響を受ける世帯数)
Intraasia注:下記の地名は行政上の地方(daerah)名です。

・Hulu Langat 地方(2万7千世帯):地区名は省略

・Petaling 地方(24万7千世帯):Puchong全体、Subang 空港、Badar Tasek Selatan, Kerinchi, Jalan Klang Lama,Desa Petaling, Pekan Sungai Besi, Bandar Utama, Jalan Kuchai Lama,  Universiti Malaya, Bandar Baru Sri Petaling, Bandar Kinrara全体、Taman Seaport, Taman Seapark , Subang Jaya (SS12-SS19) 、

・Kuala Lumpur (3万2千世帯): Cheras Baru, Pandan Jaya, Taman Miharja, Taman Cempaka, Taman Pandan Jaya, Taman Cempaka, Jalan Ampang Hillir, Jalan Semarak, Taman Melur, Taman Chahaya, Taman Pandan Jaya, Desa Pandan, Pandan Cahaya, Taman Bukit Permai, Taman Muda など

・Klang , Shah Alam 地方(2万6千世帯):地区名は省略

・Gombak 地方 (6万6千世帯):地区名は省略
以上

【Intraasia のコメント】

スランゴール州は民聯 (Pakatan Rakyat) が州政権を握る州です。このため大枠での水道事業とその長期計画に関して、及び水資源開発と運営と所有を巡って、国側と州政府の双方が互いに主張を譲らず、非協力関係がこの4,5年続いている。
おかげで水道供給の余裕が減少し続けているようです。その責任はSYABASの背後にあるBarisan Nasional (国陣)が政権を握る連邦政府とスランゴール州政府の両方にあるはずです。

住民として、消費者として大事なことは何よりも水道供給の末永い安定ですね。水道供給計画はかなり先の需要まで見込んで立案する必要があることを我々は知っています。今年の夏水不足になりそうだからといって、急に解決できないだろうことは素人でもわかる。
大断水にならないように連邦政府とスランゴール州政府が協力して欲しいことを願うだけです。 

断水の起こりやすい地区として上記に掲げた地区は、真っ先に断水の影響を受ける地区といえるでしょう。最も影響世帯数が多い Petaling 行政区分には少なからずの日本人も居住している(はずの)ペタリンジャヤ市、スバンジャヤ市も含まれる。こういう地区の住民は腹立たしいことになる率が高い、お気の毒にと同情します。 これから住むつもりの人はこういう地区名も参考にした方がいいかもしれません。

2014年3月上旬の追記
現実としてクアラルンプール圏で給水制限が行われています。
詳しくはイントラアジアのブログ 『マレーシアの新聞の記事からブログ』 をクリックして(別ウインドウが開く)、2014年3月8日付けの記事 「クアラルンプール圏の給水制限地区がさらに拡大されて」 をご覧ください。

【銀行口座について】

どこの国で暮らそうと銀行に口座がないと、生活の一面がかなり不便になります。例えば旅行先の国に滞在中に、ATM機で自由にお金を引き出せたらなあとほとんどの人が感じることでしょう。このように銀行に口座を持っていることは、必需ではないけどかなり必需に近いことだと言えます。

現在では日本の銀行の銀行カードを使ってある国のATM機で引き出せるサービスが普及してきたようですから、引出し自体は困らなさそうです。とはいえ、全ての銀行カードがこの外国でATM機引出しサービスができるのかどうかは、イントラアジアは知りません。
また引出し時は外国為替の両替率が適用されるので、為替率も気になります。いうまでもなくこのサービスでは預け入れは一切できません。

マレーシアに住む場合、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加すれば、必然的に銀行口座を開くことになる。当ブログの過去の記事で数回説明したことです。
必然的に開設するのは定期預金口座ですが、その際銀行は普通預金口座の開設も勧めるでしょう。その銀行に定期預金口座を持てば、他の口座も開設することは何ら問題なくできる。プログラム参加者の大多数は即時にまたは後日普通預金口座も開設されることでしょう。

マレーシアでビジネス・事業を立ち上げてエクスパトリエイトパスを保有している方は、もちろん会社設立の際、銀行口座を開設するので別に困ることはない。そういう方はこの話題には関係ありません。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加せずにマレーシア滞在される方の場合は、こうはいきません。これは以前の記事で説明しました:『マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加せずにロングステイ(中長期滞在)する』-2009年11月13日付け

ですから一般的な社会訪問パスを更新しながら、マレーシア滞在する場合、銀行口座が開設できないという面がどうしてもでてきます。
その解決策があると、マレーシア銀行協会が2013年12月下旬発行の新聞の記事中で説明していますので、抜粋翻訳して紹介しておきます。

いうまでもなく、普通の外国人旅行者がふらっと銀行の窓口に立ち寄って、口座を開設したいと伝えても、もちろん相手にされませんよ。きちんと以下の内容を把握してください。

【社会訪問パスの在マレーシア外国人が銀行口座を開設できるための条件】

マレーシア銀行協会の専務理事が新聞でこれを説明しています(2013年12月に掲載されたもの)。

マレーシア銀行協会は次の点を明確にします: 協会加盟のほとんどの銀行は、社会訪問パスによってマレーシアに滞在している外国人で、マレーシアの不動産を購入する意図を有する者には普通口座/当座預金口座を開設し利用することを認めている。ただし銀行の定める条件と規定に合致している場合に限る。

この銀行の定める条件と規定は、一般に次のようなものである:

・所持している有効なパスポートを提示すること
・(もし参加者であれば)マレーシアマイセカンドホームプログラムの参加者である証明を提示すること
・必要な場合は、購入する不動産の売買契約書のコピーまたは外国投資委員会の許可証明のコピーといった(不動産購入を証明する)書類を提示すること
・その銀行の顧客適正評価と顧客としての必要条件 に合致すること

マレーシア銀行協会の一般問い合わせ番号:1-300-88-9980, www.abm.org.my

【Intraasia のコメント】

社会訪問パスとは大多数の旅行者やごく短期間の商談などのためにマレーシア入国する外国人に与える滞在許可証です、日本人の場合は90日間の場合がほとんどでしょう。ただしこの期間は入国者の権利でなく、あくまでも Imigresen 係官が判断するものなので、ある人は30日有効のパスがパスポートに押されたということは起こり得る。

いわゆる観光ビザなどというものは、マレーシアの法規上は存在しませんよ。ビザとは入国査証であり、旅行者である日本人はビザ取得免除となっている。昔から言われており且つ現実に銀行が適用していることは、社会訪問パスだけを保持している外国人には口座開設を認めないことです。つまり一般的な旅行者では銀行口座を開設できません。

マレーシアマイセカンドホームプログラムの加入者には当初から口座開設を認めている。この点は上記で触れたように、当ブログで詳細に解説しています。

マレーシア銀行協会の専務理事の説明が示していることは、要するに社会訪問パスだけの外国人旅行者であっても住宅を購入できるような裕福な者、投資者にはついては審査したうえで銀行口座開設を認めます、ということです。
あからさまな経済優先志向の方針ですな。 

なお既に当ブログでお知らせしたように、2014年1月から外国人が買える不動産の最低価格はRM 100万以上になります。マレーシアでは連邦制ですから、州によって多少実施の細目は異なる。

1ユニット(1戸)あたりRM 100万以上の住宅不動産を具体的に購入する、投資するつもりの人は、デベロッパーとの購入交渉をある程度詰めた段階で、デベロッパー側が証明するような書類を持って銀行の窓口へ行って、口座開設の申請を行うということではないでしょうか。
詳しくは各銀行の担当窓口でどういう書類が必要かは説明してくれるはずです。

当ブログの読者の中で、RM 100万以上の住宅不動産を購入する意向の方は、恐らくごく少ないでしょうが、こういう方式もあるということでお知らせしておきます。


銀行のネットバンキングではマレーシアの携帯電話番号が必須です

2013年10月20日 | マレーシア生活の案内と知識

携帯電話一般については当ブログで既に3回記事にしています:

『マレーシアで携帯電話機を買いプリペードで使用することは、誰でも簡単にできます』  2010年1月6日付け記事と1月14日付け記事
『続編- マレーシアではプリペード携帯電話が簡単に利用できます』 2012年2月26日付け

内容を覚えていらっしゃらない方はあらかじめ目を通してください。

ご存じのように、携帯電話の世界は電話機種と携帯電話ネットワーク運営会社のサービスの両面でまことに変化が早い。3つの記事で載せた内容の一部に現時点で既に変化が出ていることは不思議ではありません。

マレーシアでも携帯電話ネットワーク会社間の競争はたいへん激しいので、各社ともひんぱんにサービス内容を見直しています。1,2年前に提供されていたサービス内容が変更された、新たなサービスができた、別サービスに移行したということも当然起きてくる。

そこで直近の情報は各社のホームページで確認することになる。
そういうためにも、英語読解力は必須です。参照: 『マレーシアで暮らすには World Englishes の英語力が必要です』 2013年8月24日付け記事

携帯電話ネットワーク会社の選択において、どの会社を選ぼうと基本的には同じだからこだわらないという方もあるでしょうし、ある特定の会社でなければならないという方もいらっしゃるでしょう。どちらであれ、携帯電話市場の情報は知っておいて損はありません。

日本に居てはわからない、現在のマレーシア携帯電話会社市場の様子を伝える新聞記事を Intraasia のブログから再録しておきます。

【三大携帯電話会社間の競争は激しい】-2013年9月掲載

マレーシアの三大携帯電話網運営会社において、モバイルサービスからの収入における市場占有率を、CIMB リサーチが発表しました:
1位の Maxis が37.3%、 2位の Celcom が 35.1%、 3位の DiGi が 27.6%、 

Celcom はシェアを伸ばしていますが、これは Maxis から奪っているようです。 このペースでいけば1年後には Celcomが最大の携帯会社になるでしょう、とリサーチ会社は推測する。
Maxis はかつて2007年には利用者市場で 50%近いシェアを誇っていました、近年シェアを少しづつ落としてきた Maxisは現在社内機構改革の最中です、そして10月からは新しい最高経営責任者が経営を引き継ぎます。

【携帯電話利用者の圧倒的多数派はプリペード方式】-2013年10月掲載

マレーシアにおける携帯電話利用者数は2013年6月末時点で4260万人です。(これは人口をはるかに超えるので)従って携帯電話普及率は 143%になる。
全体の17.6%にあたる 750万人が後払い式利用者で、プリペード利用者は82%にあたる 3500万人になる。

3大携帯電話網運営会社のシェア -2012年第2四半期時点
Maxis : 利用者数 1380万人、内プリペード利用者の比率 75%、 
Celcom Axiata: 利用者数 1300万人、内プリペード利用者の比率 77%、 
DiGi :利用者数 1050万人、内プリペード利用者の比率 84%、


【ネットバンキングの利用には携帯電話番号が必須】

ところでマレーシアでは、携帯電話は人と通話するためだけではなく、次のような情報伝達手段として必需品となっています。

マレーシアマイセカンドホームプログラム下で滞在される場合、参加者は必ず銀行に定期預金口座を開設することになる(プログラム参加条件の1つです)。ほとんどの方はその際普通口座を、中には加えて当座預金口座も、開設されることでしょう。もちろんこちらは必須ではないが、銀行口座を使わない手はありません。

現在ではどの銀行もネットバンキングを奨励しており、且つネットバンキングの利用者は益々増えている。ですからプログラム参加者もネットバンキングを活用されれば、銀行利用がより便利になる。

マレーシアのネットバンキングでは、その多くのメニューで取引の度にTAC というコード(要するに暗号数字)を画面に入力する仕組みです。ネットバンキング利用者登録者名とパスワードを最初に入力するのは言うまでもありませんが、1回1回の取引、振込、購入、支払などにおいてその都度このTACの入力が必要です。銀行によってはTACではなく別の名称もあるようですが、本質は同じです。
なおTAC コードは受信して数分経つと有効性が消滅する。

ネットバンキングの利用手順
1.ネットバンキング利用者はあらかじめマレーシアの携帯電話番号を登録しなければならない。
2.取引行為の行程の中で銀行側から登録済み携帯番号宛てにTACコードが送信される(いわゆるSMS機能です)。
3.取引の支払い者はそのTACコードを画面に入力することで、取引行為を完成させる。
4.いくら残高が十分あっても、TACコードを正確に入力しない限り取引は成立しません。

自分の口座間での振替のような場合はTACコードの入力はありませんが、大多数の取引・購入・支払などの行為にはTAC入力が必ず伴います。 
ということから、ネットバンキング利用面からもマレーシアの携帯電話番号の取得は必須と言えます。

これまでにも当ブログで強調しましたように、外国人旅行者を含めて誰でもプリペード携帯の電話番号はごく簡単に且つ安価に取得できる、同時に安価な携帯電話機がごく容易に買える。ですから、プログラム参加者は是非マレーシアの携帯電話に加入しておきましょう。

その際、強いて後払い方式にする必要はないし、スマートフォン機種でなければならないということはない。もちろん、スマートフォンならより多機能で便利ですから、これは個人の好みですね。

【プリペード式携帯電話の特徴】

なおプリペード式携帯電話番号は、トップアップ(料金補充)した価格に基づいて利用有効期間が決まります。このことは携帯電話を日々使う人には全く問題ないでしょうが、ごくたまにしか使わないのでトップアップをし忘れた場合、またはマレーシアを留守にしている間に、有効期間が切れてしまうことも起こるでしょう。そうなると、電話をかけること及び SMSを送ることはできません。

しかしながらその場合でも電話番号自体は有効なので、有効期限後90日間は電話とSMSの受信ができます。90日間以内にトップアップすれば、その同じ電話番号で通話できるようになります。この仕組みは、ほとんどの携帯電話ネットワーク会社に共通のはずですが、有効期限後の日数に会社及びプランによってある程度の違いがある、例えば DiGi のあるプランでは75日間と規定されている。

逆に言えば、この仕組みを上手に利用して一つの電話番号をごく安価に長期間使い続けることができます。もっとも電話をかける直前に必ずトップアップする手間はかかりますが。

これとは別に、通話できる有効期間が1年間である、1年プランもいくつかの携帯電話ネットワーク会社が販売している。ただしこのプランに関する宣伝はほとんど行われておらず、各社のホームページでもこのプランはごく目立たないあり方で紹介・説明されている。その理由は、このプランは儲けにつながらないからだと推測される。

1年プランの例: 
Maxis のプリペードサービスである Hotlink には 'Hotlink 365' というプランがある。
1年間の利用料金はRM 33、つまり最初にRM 33が差引かれた後、1年間その電話番号で通話ができるということです。もちろん残高がゼロ近くになれば、通話するためにはトップアップ(料金補充)する必要がある。

DiGI は 'Super Long Life' という1年プランを発売している。これに申し込む際、利用者のプリペード口座残高にRM 35以上あることが条件だと書いてある。

他には Tune Talkも1年プランを提供している(イントラアジアはこれを利用している)。年間利用料 RM 38.

注:SMSは日本でいう携帯メールとは違います。相手の’電話番号宛て’に文字情報を送信する機能であり、マレーシアを始めとして東南アジアでは通話並みに盛んです。

以上のようなプリペード式携帯電話の特徴を踏まえて、マレーシアで携帯電話の利用者になりましょう。


スーパーの広告でみる一般消費商品の画像と価格

2013年10月01日 | マレーシア生活の案内と知識

【マレーシアマイセカンドホームプログラムの変遷を手短に説明】

マレーシアマイセカンドホームプログラムの本来の狙いは、定年などで仕事または事業・商売を引退して老後を自国ではなく他国で過ごす、裕福な外国人をマレーシアに引き付けようというものです。 決して永住プログラムではないので、プログラム参加者に永住権は付与されません。

2002年にこのプログラムが開始されて既に10年以上経ちました。年毎の参加承認者数は、最初の年である2002年の818人から、2012年には3227人に増えました。11年間の累計参加者数は2万人を超えた。
マレーシアマイセカンドホームプログラムが、マレーシア当局の目論んだ程度に成功しているのか、それともそれ以上に成功しているのかは、当然ながらわかりません。マレーシア観光省もマレーシアマイセカンドホームプログラム当局も、参加者数の目標人数を発表したことがないので、推測のしようがない。

一つ言えることとして、本来の狙いとは幾分またはかなり違う形の新規参加者が増えているであろうことが近年の新規参加者数の急増を反映した推移及びマレーシアマスコミの報道、とりわけ住宅不動産業界のニュース、から推測できます。
2011年以前のバングラデシュ人参加者数の多さ、2011年と2012年の中国人と日本人の新規参加者数の大幅増加は、数字面からそれを示すものだと思われる。とりわけ中国人の少なからずの割合がプログラムが本来の狙いとしたタイプの参加者ではないことを示唆する、マレーシアマスコミのニュースを時に目にします。

ただ日本人の場合は、恐らく大多数が定年などで仕事や事業を引退してからマレーシアでロングステイしようとする方だろうと推測していましたが、その傾向も徐々に変化しているようですね。

そもそもマレーシア当局自体が、この10年の間に申請条件と滞在規定を変更または拡充させることでプログラムに参加する対象層を広げており、本来の狙いは既に建前化しているかのように思われます。要するに、プログラム参加条件さえ満たせば、誰でも歓迎ということです。

マレーシアマスコミのニュースを小まめに追っていると、裕福な外国人により多く参加してもらい、高級住宅不動産の主要購入グループの1つに育っていくことを期待する旨の発言が多い。購入ではなく賃貸であっても、そのことで高級住宅の供給先が確保できることになる。
こうした発言が不動産業界から出てくるのはいわば当然でしょうが、マレーシアマイセカンドホームプログラムを所轄する観光大臣や参加者が多く住む州の州首相などもよくこれを口にしています。

さて日本人のプログラム参加希望者やプログラムに興味をお持ちの人たちにおいて、その方がプログラム本来の対象者であるかどうかは、当ブログの関知しないことです。自分の仕事や事業を引退して老後を過ごされようと、プログラム参加を利用して何か別のことを考えていらっしゃろうと、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加条件を満たしてプログラムに参加にされることには変わらないからです。

なお当ブログで以前解説しましたように、プログラムに参加しなくても合法的にマレーシアに有期滞在できますから、それを繰り返していく方法もあります。ただし銀行口座を開設できない、自動車免許証の書き換えが不可能、などといった制約事項があるので、不便であることは確かです。
参考:2009年11月13日付け記事 『マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加せずにロングステイ(中長期滞在)する』

それよりも、40歳前後から50代前半位までの中年層の人たちが有期滞在を繰り返すことでマレーシア滞在期間が1,2年を超すことになれば、マレーシア Imigresen 当局から疑問を持たれても不思議ではありません。働き盛りの年代なのに、マレーシアで何をしているのか、こっそりと働いているかもしれない、と疑われることになる。

しかし60歳を超えたような高齢者になれば(60歳位を既に高齢者と見なすことには抵抗がありますが)、既に引退したという説明が十分通じることから、Imigresen当局の見方が変わることは大いに期待できます(もちろん、判断するのはImigresen ですから、ここでそのことを保証するとは言いませんよ)。

なおマレーシアの民間労働者の定年年齢の引き上げが2013年7月から法律として施行されて、最低60歳になりました。つまり60歳未満を定年に定めることは許されない。また公務員については、別の法律でこちらも定年60歳になりました。

【マレーシアに住むことになれば大いに関係する物価のこと】

プログラム参加条件を満たして参加申請し、承認が下りれば、遅かれ早かれマレーシアに中長期滞在することになりますよね。 マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者だから、1年中ずっとマレーシアに住む必要はもちろんありませんから、半年間だけ住む、数か月おきに住む、と言うように、滞在期間は参加者次第です。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに実際に参加しようとされる方の多くは、プログラム申請前に少なくとも1回はマレーシアを訪れていることだと、推測します。さらにプログラムの二次申請時には本人がその場にいることが条件ですから、参加申請が承認されるまでに最低1回は誰でもマレーシアを訪問することになる。

こうしたマレーシア訪問の際、マレーシアでの実物価を調べる方も当然いらっしゃるでしょう。一方、そのつもりだったが十分な時間がなかった、うっかりして忘れてしまった、多少は調べたが不十分だった、という方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回のブログ記事では、マレーシアで生活していく上で大いに関係する一般消費品を主とした物価を、広告引用の形で掲載します。

【有力スーパーマーケット・ハイパーマーケットの広告を紹介します】

掲載広告は、マレーシアでよく知られたスーパーマーケット・ハイパーマーケットの売出し広告をスキャンしたものです。Intraasiaはクアラルンプール在住なので、広告対象範囲はクアラルンプール圏になりますが、ペナン州、ジョーホール州、マラッカ州など半島部の都市部には各チェーン店があります。 同一グループ内では、特定店限定商品を除いて、店によって広告の商品価格に目立った違いはないはずです。

おことわり
ここに掲載したスーパーマーケット・ハイパーマーケットに関して、Intraasia が勧める、勧めない、といった観点は全くありません。単に商品の写真と価格を例示するために選んだだけです。その際、ご覧になる人にとっての商品イメージの得やすさの点から、カラー広告を主体にしました。
掲載商品中には日本メーカーの商品も含まれていますが、そのこと自体はここに掲載するために基準にしたわけでは全くありません、広告商品中に日本メーカー品もあるということです。

スキャンする対象にした広告
2013年中頃から9月にかけて、新聞に載った紙面広告及び新聞に挟み込まれたまたは郵便受けに投げ込まれた売出し広告パンフレット

閲覧の仕方と説明
1.それぞれの広告名部分をクリックしてください、するとPDF形式で別ページが開いて手間をかけることなく閲覧できる。
2.PDF形式ですので、読者の方がお使いのコンピューターに Adobe Reader XI または他社の同等品の最新版がインストールされている必要がある。ほとんどのPDF 閲覧ソフトは無料でダウンロードできます。
3.PDFページですから、画像の縮小拡大が容易にでき、保存もできる。

通貨について:マレーシアの通貨は Ringgit Malaysia です、その記号 RM は紙幣はもちろん、至る所で使われている。当ブログは全てRM で統一しています。

TESCO

この場で掲載する売出し広告の中でTESCOが最多数になったのは、好みであるとかお勧めということではなく、TESCOの広告は冊子式になったカラー印刷なので、スキャンしやすいというためです。
TESCOは英国の小売企業とマレーシアの大会社との合弁企業として2002年に営業を開始した。半島部各地に展開している、ただ店舗の多くは西海岸側にある。

TESCO 広告その1
TESCO 広告その2
TESCO 広告その3
TESCO 広告その4
TESCO 広告その5

TESCO 広告その6
TESCO 広告その7
TESCO 広告その8
TESCO 広告その9
TESCO 広告その10

AEON BIG

2012年にAEON はCarrefour のマレーシア店舗を全て買収しました。そして AEON BIG という新しい店舗ブランドでAEON スーパーとは異なる販売戦略と品揃えで営業しているようです。店舗買収したことで、既存の AEON店舗のすぐ近くに AEON BIGがある所もある。

参考として、Intraaskia の『マレーシアの新聞の記事から』 2013年7月28日付け記事から引用しておきます:
AEON Big は国内で28店舗目となる大型の新店舗をジョーホール州 Kluang でオープンしました。
Kluang 店は2012年10月に AEON Big (M) Sdn Bhd を設立して以来初の大型スーパー店、とのことです。同店は2階建てのビルで、小売面積が1万6千平米あります。食品、衣料、家庭用品など様々な日用品をお得な価格で揃えています。
Kluang 店はKluang 市内中心から2㎞離れているだけであり、Kluang地方の住民25万人の消費者を対象にしています。同店の営業時間は毎日9時から23時までです。

AEON BIG 広告その1
AEON BIG 広告その2
AEON BIG 広告その3
AEON BIG 広告その4

AEON BIG 広告その5
AEON BIG 広告その6
AEON BIG 広告その7

ホームページ www.aeonbig.com.my/ にはもっと多くの商品広告、店舗の場所などが掲載されている。

The Store

国内で店舗数が最多のスーパーマーケットです。東海岸部でもよく見かけます。

The Store 広告その1
The Store 広告その2
The Store 広告その3
The Store 広告その4
The Store 広告その5
The Store 広告その6

GIANT

元々はマレーシア人の個人経営スーパーでした。その後経営が変わり、現在では全国に店舗を展開する、国内有数のスーパーマーケットチェーンです。

GIANT 広告その1
GIANT 広告その2
GIANT 広告その3
GIANT 広告その4
GIANT 広告その5
GIANT 広告その6
GIANT 広告その7


MYDIN

純マレーシアの小売業チェーンであり、半島部各地に約100店舗を展開している。スーパーマーケット以外にミニマートを数多く運営している。

MYDIN 広告その1

家具の広告

一般的な家具販売店の広告を2種掲載しておきます。

家具広告その1
家具広告その2

 

じっくりとご覧になればマレーシアの物価がそれなりに感じ取れることでしょう。


マレーシアで暮らすには World Englishes の英語力が必要です

2013年08月24日 | マレーシア生活の案内と知識

【はじめに】

当ブログは以前から記事内で次のように時々強調しています:
”ロングステイ地ではその地のスタイルにできるだけまたはある程度は馴染もうとされる方、日本人コミュニティーと付かず離れずに暮らしたい方”、 ”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人” を応援します。
”日本人コミュニティー内だけで暮らすつもり、暮らしたい”場合のことは扱いません。
21世紀の現代は携帯電話、スマートフォン、ネット接続パソコンを使えば、(隣近所ではない)離れている在マレーシアの日本人とも容易につながりは持てますよね。以上

イントラアジアはこういう方たちを念頭においてまたは対象にしていますから、読者の皆さんもできるだけ自立したマレーシアロングステイを目指される方、自分で行動することを良しとする方、例え業者を利用してもそれに依存しない方、だと思っています。
マレーシアにロングステイされる方、したい方、興味をお持ちの方、のどれくらいの割合がこの範疇に入るのかの推定は難しいですが、多数派ではなくてもかなりの割合は占めるだろうと期待しています。

さてこういう範疇の方々ですから、外国であるマレーシアで日本語だけで暮らそうと考えていらっしゃらないはずですし、現実にそれは二律背反となって不可能です。

マレーシアの国語はマレーシア語です。といって当ブログの読者の方に、マレーシア語を使って暮らしましょう、などと呼びかけることはしませんし、そのつもりもありません。国語である以上、多少なりともマレーシア語を覚えてください、と呼びかけます。

イントラアジアは決して愛国語主義、ここでは愛マレーシア語、という立場に立つことなく、1990年代初期に習って以来日常的にマレーシア語を話し、聞き、量は多くなくても読んでいます。日本人が国語である日本語を大事にするように、外国人として住む国ではその国の国語への敬意を払うべきである、という観点に立ち、それを実践しているからです。

【マレーシアで非常に通用力の高い英語は避けて通れない】

そこでほとんどの日本人にとって最も馴染みのある外国の言語は英語ですから、話は英語に絞ります。マレーシアにおいてたいへん通用力の高い言語は英語です。元英国植民地であるという歴史が決定的にこの英語の通用性を高め且つ英語に相当依存した社会を作っている。

この場で詳しいことは一切書きませんが、イントラアジアは長年、世界における言語支配つまり英語支配を批判する論を書いて発表してきた、且つ実践してきた反”英語帝国主義”者です。
しかし言語としての英語に反対しているわけではありません。英語も1つの言語である、しかも非常に通用力の高い言語である、という事実を認め、1970年代中頃から今日に至るまで、旅行、生活、ビジネス、交際、読み物、調査、娯楽といった諸面で日常的に使っています。現実に20歳以降のイントラアジアの人生は英語を無視して成り立ちません。一方多言語主義者として、日常的に4つ、5つの言語を使います。

当ブログをいつもから時々までご覧になる読者の方であれば、英語をほとんど使わずにマレーシアで暮らしていくことはできないはずです。逆に言えば、英語をほとんど使わずに暮らすのであれば、当ブログの想定する範疇のマレーシアロングステイ者には成りえない、ということです。

もちろんどうやって暮らそうとその人の自由です。当ブログはあくまでも想定した範疇の方たちに向けて書いていますから、範疇外の人たちに、当ブログでこれまで数年間延々と書いてきたようなことを勧める意図は最初からありません。

残念ながら現在ほとんど英語がわからないという方は、マレーシアに住むまでの準備期間中に、少なくとも1年位はあることでしょう、しっかり英語を学習しておきましょう。
次に重要な点を説明します。その前にあらかじめ一点おことわりしておきます。イントラアジアはこの記事を書く際、できるだけ平易な表現を使い、専門用語は極力抑えましたが、それでも内容上意味を正しく伝えるためにどうしても使わなければならない表現と用語はあります。

【標準アメリカ英語/イギリス英語を至上目標にした価値観に捉われないこと】

学習する英語は、標準アメリカ英語または標準イギリス英語である必要はありません。ただし強調しておきます、英語とは呼べない段階の英語もどきを使えればそれで構わない、ということではありません。
注:ここで表現した”英語もどき”とはピジン英語とクレオール英語のことではありません。簡単な説明書きを最下段に載せてあります。

現在世界で使われている英語は既に World Englishes (複数形です)の方が多数派を占める。標準アメリカ英語または標準イギリス英語から離れた様々な英語が使われており、その話者数は、英語を母語とする米国人と英国人の合計数よりはるかに多い。
注:母語と母国語は似て非なるものです。言語と国は必ずしもイコールに結びつきませんから、母語が母国語ではない人は、母語が母国語である人並みに多い。

それぞれの母語と地域語に根差した様々な英語が使われており、それで十分事足ります。
マレーシアにロングステイされる方は、国際会議で通訳をするわけではありません。米国に住むわけでも、日常的に英米人だけとビジネスをするわけでもありません。マレーシアの地で、マレーシア社会の中で暮らすことになる。

マレーシアで使われる英語は一般に Malaysia English と呼ばれますが、多民族社会ですから例えば、マレー人はマレー語的な Malaysia Englishであり、華人は中文(漢語)の匂いを残した Malaysia Englishを話し、インド人はタミール語発音を感じさせる Malaysia Englishを使うのが一般的であり、圧倒的に多数です。
ごく一部のマレーシア人は確かに典型的な British English を話しますが、その人たちでも日常の中では Malaysia Englishに切り替えるのが普通です。

日本では未だに標準アメリカ英語または標準イギリス英語を至上目標にしている傾向が強いので、それ以外の World Englishesを否定的に捉える言語価値観にとらわれています。しかし世界の多くの地で、日常的に World Englishesがビジネスを含めて使われているのです。

英語の中で日本人は氏名をわざわざ逆にして表記したがる。日本国パスポートでは既に1980年代に、現在の記載順:姓先、名後の順序に変更された。中国人、台湾人、韓国人、ベトナム人は英語の中でも、ちゃんと本来の姓先、名後の順序を保っているではないか。日本人は不必要に欧米基準観に捉われ過ぎている、それが日本人の英語観に典型的に現れている。


【必要かつ十分である世界英語World Englishes 】

World Englishes(複数形)は決して崩れた英語でも英語変種でもありません、英語のバラエティーの広さの中に生まれた種々の英語です、従って言語として英語の統辞構造に基づくのは当然です。語彙や発音の面で民族性と地域性が十分に感じられ、文法面で標準アメリカ英語またはイギリス英語の規範から多少のずれが許容されている。

繰り返します。当ブログの読者の皆さん、つまりマレーシアでロングステイされる、されたい方は、アメリカ英語またはイギリス英語のプロになる必要はありませんし、米国で、英国で、オーストラリアで生活するわけではありません。口語American English の表現を覚えなければならない、Scottish English の発音に慣れなければならない、なんてことは全くありません。

英米人はそうは言わない、英米人の発想と表現はこうこうであるといった、ある種愚かで英米崇拝主義に満ち満ちた書籍が、日本の書店にはいっぱい並んでいますよね。 
そんなものに金と時間を使うなら、マレーシア語の単語やMalaysia Englishの表現を一つでも覚えた方がよっぽどためになります。

必要なことは、非日本人に理解できる World English(日本人の場合その多くはJapanese Englishになることでしょう)をそれなりに使えるようにするということです。英語もどきではだめです、あくまでも英語でなければならない、しかし標準的なアメリカ英語またはイギリス英語である必要はない。

”必要はない”ということは”いけない”ということではありません。私は昔から標準アメリカ英語を話してきた、という方であれば、もちろんそれで結構です。Intraasia 自身、1970年代、80年代の頃はできるだけアメリカ英語風に話していました。が今ではそういうことに捉われないようになりました。中立的な英語を話すようにしています。

【日本人は英語が読めるという神話のうそ】

昔から日本には、日本人は英語は読めるが話せないという、神話がありますね。これはあくまでも神話であり、英語を知らない人たちの思い込みです。これを主張しているのは、何もイントラアジアだけではない。(下段の参考資料も参照してください)

イントラアジアは、長年海外での日本人の言語状況を見聞してきたし、1990年代半ばからウエブ上でホームページ、ブログなどを主催してきましたので、日本人一般の英語読解力のなさをよく知っています。例えば、ごく基本的且つ初級英語で書かれている出入国カードの書き方さえ読めない人、つまり書かれた内容を理解できない日本人旅行者が少なくない(マレーシアは昨年出入国カードを廃止しましたが)。
注:だから日本の英語教育は不十分であり、小さいうちからもっと英語を勉強させる必要がある、という英語教育優先主義には賛同しません。イントラアジアは、人生のほとんどを日本国内で送る人たちに英語学習を強制する思考とあり方には強く反対します。(英語を学習することに反対しているわけではない)

マレーシア社会に暮らせば、日常としてあらゆる面で書かれた英語がついてまわる。もちろん国語マレーシア語も同じようについてまわるが、この記事で最初に書きましたように、プログラム参加者にマレーシア語文を是非読めるようになろうとは、ここでは呼びかけません。英語に絞ります。

【英語の指示文・説明文はマレーシア生活のいろんな面で関わってくる】

例をあげます、誰にでも関係する銀行の場合です。店舗に並んでいる、ATM機の指示言語はマレーシア語、英語の2言語から選択します。さらに華語が加わっている銀行が多い、よって2または3言語から選択する。各画面は単語だけの場合が多いですが簡単な指示文も表示される。

現在はネットバンキングが盛んですから、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者もネットバンキングを使えば、ぐっと銀行利用が便利になります。いちいち窓口に並ぶ必要もないし、銀行の商品とサービスについてほとんどの情報が得られる。

マレーシアの2大銀行の1つで、イントラアジアも口座を持っている、CIMB 銀行のウエブサイトのアドレスを掲げます。個人顧客用のページです(左部分をクリックしてください)
その中から誰にも最も縁があるはずの、普通口座の説明をご覧ください。
手順:そのページにある Daily Banking をクリックして、プルダウンメニューから Saving Accounts をクリックする。

例えばそこに表示される短く簡単な説明文:
A savings account that pay you higher interest when you save more

この一節を一読して意味が取れなければ、その方は基本的英語力がないと言えます。

また別の例をあげます。
マレーシアで携帯電話、スマートフォンを買って利用される方がほとんどでしょう。当然、機器の説明からネットワークの使用説明まで全て、マレーシア語か英語(加えて華語でも提供される場合がよくある)のどれかを読むことになる。

マレーシアの3大電話ネットワーク会社の1つ DiGiが提供している指示・説明文からほんの一つだけ例をあげます。Q and A の形になっている:

Can I use my mobile phone to perform talktime credit reloads for another DiGi Prepaid™ mobile number?

Yes, you can. Just key in *123* <your 14 or 16-digit reload PIN> * <your mobile phone number># and press SEND/CALL.

Example:
To reload a voucher with a 16-digit PIN (e.g. 1234567890123456) into a DiGi mobile number (e.g. 0161234567) you would key in *123*3456789123456*0161234567#.

中学生にもわかる基本的な単語だけの簡単な構造の平叙文です。何ら複雑な構文でも、難しい単語もありません。これはいわゆる指示文ですから、誰にでも理解できる程度になっている。
購入や使用における条件・規定を記述した契約文章では、持って回った表現や法律表現などがちりばめられるので、初級程度の英語力ではよく理解できないのが当たり前です。しかしここに例を挙げた指示文は初級程度です。

以上はほんの3例です。このような指示文、説明文は日常生活のあらゆるところに関わってくる。

【英語読解力の必要性をよく認識する】

こうした英文をわからないままでまたはわかろうとしないで暮らすこともできる。マレーシアで働く数百万人の外国人労働者の内、非英語国からの人たちの中には、全く英語を解さない人たちも少なくない。彼らは仲間内だけの世界に暮らしています。

日本にいる外国人でも日本語の指示文が全く読めない者が少なくないことは、皆さんもご存じですよね。わからなくても暮らせるし、わかろうとしない人もいる。なぜなら仲間内だけの世界に住んでいるからです。

しかし、何回も繰り返しますように、当ブログの読者の皆さんはできるだけ自立したマレーシアロングステイを目指される方、自分で行動することを良しとする方、例え業者を利用してもそれに依存しない方、のはずです。 

そうであるためには、日常生活で目にする、出会う、対応しなければならない、英語の説明や指示文をきちんと理解できるだけの英語読解力は最低限必要です。この現実を理解されるものだと期待しています。
当ブログは明記しているように、”日本人コミュニティー内だけで暮らすつもり、暮らしたい”場合のことは扱いませんから、そういう人たちに説得するような意図は最初から全くありません。

【日本での準備期間中に基礎英語力をつけておく】

基本的英語読解力を身につけるためには、これは相手がいなくても自習できるので、日本にいる間に学習しておくべきです。日本の書店にはあらゆる種類と言えるほど様々な英語学習書が売られている。その中から、きちんとした基礎英語力を学習できる書籍を選ぶことです。

聞くだけでわかるだの、苦労せずに覚えるなどといった商業主義に満ち満ちた書ではなく、基礎をきちんとつける学習書です。上記で説明しましたように、アメリカ口語表現を解説したり、何々試験・検定で点を取るための書は不要です。皆さんは試験のために英語を学習するのではないし、米国で暮らすための英語学習ではありません。

とにかく1年間きちんと自習してください。そうすれば英語の基礎力がつきます。

【英語の会話力をつけるのは多少後回しでも仕方がない】

英語の会話力、これは自習だけではなかなか難しい。とりわけ聞き取り力は一朝一夕につきません。
現在の英語学習書は多くがCDが付いているでしょうから、それを毎日聞き、必ず声を出すことです。そのためには、英語の発音ができるようにする。この意味は、例えばアメリカ人のように巻き舌でなければならない、[th] は絶対に舌をかまなければならないということではありません。Malaysia English では [th] を舌で挟む人は絶対的に少数です。

要は、英語発音の基本を身につけ、且つ相手に理解される英語を話すということです。ですから、日本的イントネーションが残っていてもいいのです。マレーシア人一般の発音を聞いてみればすぐわかるように、誰も American English のようには話しません。それが World Englishes なのです。

英語の基礎力をつけた後で、マレーシアの地で日々英語を話す試みをしながら、1年間ぐらい街の英語塾に通って会話を向上させるのがいいでしょう(必ずそうするべきだということではない)。

【何事も基礎をいい加減にしては向上できない】

スポーツであれ、何らかの技術であれ、基礎を無視してその後の進歩はありません。テレビの野球やゴルフ番組でプロ選手の試合を何百時間も見たからといって、それだけで野球、ゴルフの技量が向上することがないことは、誰でも知っています。プロ選手が人前でその素晴らしい技量を発揮するのは、体力と基礎をしっかり身につけた後、長い長い時間をかけた練習をこなしたからです。

英語基礎力のない人が、いくら会話を習っても英語力の向上には結びつきませんよ。非文的な英語もどきが話せるとの錯覚を持つだけです。”赤ん坊は本で言葉を習わない”などというごまかし文句に騙されないことです。大人は赤ん坊時の脳と環境・状況に戻れません。

商業主義に毒されていない、英語を含めた各種言語専門家や言語の教育者は誰もこの種のインスタント学習法を推奨しません。

英語だけに絞って論じましたが、それは上で書いたように、日本人にもっとも馴染みある言語だからです。 
英語ではなくマレーシア語でももちろん構いません。例えば、バスに乗ったり、店で買い物したり、官公署を訪れる時、相手がマレー人である場合が多く、マレーシア語で会話した方がずっとスムーズにいくことが多い。

注:マレーシア語に関しては、『マレーシア生活に多いに役立つ言語: オランウータンにもわかる、超入門マレーシア語』という記事があります。左のカテゴリー欄にある「その他と未分類」をクリックしてご覧ください。


【まとめ:World Englishes の1つとしての Japanese English】

ここで説明した World Englishes という捉え方は既にかなり前からあるもので新概念ではありません。少なからずの学者や専門家がこれを論じています。ただ一般大衆にまで周知されていないのは確かですから、初めて目にされた方もいらっしゃることでしょう。

読者の皆さんは、英語の通訳や翻訳家になるわけではありません、高度な英語力を必要とする仕事に就くわけでもありません。従って目的と目標の違いだけでなく、学習過程にも違いがあって当然です。
あくまでもマレーシアで暮らすための英語読解力と会話力をつけるのが目的であり、そのための英語学習です。巷で喧伝されている”英語脳”を作らなければならない、といった英語絶対視思考、楽して英語ができるようになる、といった英語商業主義に惑わされずに、まじめにコツコツと1,2年間学習してください。

まず一般英語(English for general purposes) を学んで身につけ、それに長期滞在のための英語(English for long-stay purposes) を上乗せします。滞在地がマレーシアですから、長期滞在のための英語は Malaysia English になる。要するにマレーシア的な発音や表現に慣れる、知っておくということです。Malaysia Englishを話さなければならないということではありませんよ。
読者の皆さんは日本語を母語とする日本人ですから”相手に通じる Japanese English”を話して何らかまいません。どちらも World Englishes なのです。

英語を絶対視、崇拝視せず、英語は言語の1つである、という観点に立ちながら英語を使う滞在者が少しでも増えることを、イントラアジアは願っています。

 

上段注の説明書き
”崩れた英語”であると差別的に捉えられている言語としてピジン英語とクレオール英語があります。これらの英語は劣った言語であり、英語ではないという差別的言語観が幅を利かせていますが、言語は変化し多様性を持つという言語の本質を受け入れることが大切であり、言語を経済的価値からだけ眺めないことです。
当ブログはこの種のことを論じる場ではないので、読者の誤解を避けるためだけに説明書きしておきます。



参考 -数多い参考文献の中から抜粋して紹介

世界英語に関する論、日本人の英語に関する論は、いろんな論者が本にして書いています。その中で説得力のある論を展開している1人として、鳥飼玖美子氏の本から抜粋引用しておきます。彼女は有名な会議同時通訳者で日本通訳翻訳学会の会長も務めた、また大学で異文化コミュニケーションを教える英語教育専門家です。

『国際共通語としての英語』鳥飼玖美子著 講談社現代新書 2011年4月刊

私たちは、英語支配がもたらす弊害をきちんと直視し、危惧や懸念や憂慮や批判を十分に理解し、多言語共生という理想を追求しながら、同時に「普遍語となった英語」を活用するしかなさそうです。

事実上「世界の共通語」となった英語は、世界中の人々が活用するものであり、英語を学習した日本人が、その英語を使って意思疎通をはかる相手は、英米人とは限らず、英語を第二言語もしくは外国語として使用する非母語話者である確立の方が高い。
そうなると、「外国の文化」としてアメリカ文化を教えることは果たして妥当なのかということになります。

発音やイントネーションだって、英米人の真似をする必要はないわけで、「きれいな英語」よりも「わかりやすい英語」が大切になります。これを守らないと英語に聞こえないという音を精選して教えれば良い。

これからの英語教育は、英米文化を理解することが目的ではない、英語母語話者をモデルとして到達目標にするのではないと覚悟すれば、そのことを意識するだけでも違いは出てくるのではないでしょうか。

少なくとも、目に見える表層的な文化を無自覚に教えることを避け、英米文化の真似を強要することを排除できます。これがなぜ重要かというと、現在の英語が置かれた「共通語」という位置、もしくは英語支配の現状、英語帝国主義的覇権という不幸な状況下では、英語の文化を教えるつもりでいながら、結果的に英米文化の優位性を児童や生徒に刷り込むことになりかねないからです。
以上

『TOEFL・TOEIC と日本人の英語力』鳥飼玖美子著 講談社現代新書 2002年4月刊

英語を書く際には、文法・構文の知識なくしては、相手に理解されるような英文を書くことは無理である。
文法構文の知識なしにむやみに暗記だけしても、応用が聞かないので、実際には使えないことになる。

日本人のTOEFLスコアが低いのは、一般に考えられているのと違い、リスニング力や会話力がないせいではない。
日本人は文法には強く英語を読むのは問題ないけれど話せない、という前提は、過去のものである。実際は、文法も自慢できるほどではなく、読む力が乏しいから、結果として、全体のスコアが低い

読解力に関してTOEICの平均スコアを見ると、やはり低い。日本人は英語を読むことは問題ないという通説は、もはや幻想にすぎない。

日本人の読解力欠如がTOEFLスコアに現れていることは、じつは何年も前から、専門家の間では指摘されていることである。しかしなぜかこの点に関する一般の認識は低く、TOEFLスコアが低いことイコール会話がダメ、という図式になっているのは,まこと不思議である。
以上

他にも、菅原克也著『英語と日本語のあいだ』、本名信行著『国際言語としての英語』などでは、全面的に賛成ではないがかなり参考になる論が展開されている。


中高年層における一人暮らし人口が多い現状の下、シェアハウスの選択肢を考えてみる

2013年07月04日 | マレーシア生活の案内と知識

今年のことです、日本へ行ったときに読んだ本(2013年出版の新書)に興味深い記述とデータが載っていたので、メモしました。このブログで書いている、論じていることに間接的に関係することだったからです。

【現代日本社会における中高年層の一人暮らしの多さを示す数字】

以下に引用するデータは、その本の中で資料として掲載されているものであり、”国立社会保障・人口問題研究所 『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』 2013年1月推計” と注書きされている。
なおなぜ将来推計かというと、その本では2030年と2035年の推計数字と図表を載せているからでしょう。しかし当ブログではそのような推計数字には用がないので、2010年時点における実データ部分から当ブログの主題に関係ある年齢層のみを引用します(つまり一部の年齢層だけを抜粋)。

年齢別一人暮らし世帯数 -2010年時点
45歳から49歳:98万人、 内訳(男 66.1万人、女 31.4万人)
50歳から54歳:93万人、 内訳(男 61.1万人、女 31.4万人)
55歳から59歳:113万人、 内訳(男 69.8万人、女 42.9万人)
60歳から64歳:135万人、 内訳(男 71.9万人、女 63.2万人)

一人暮らし世帯の総数:1678万人

年齢別にみた未婚・死別・離別者の数 -2010年時点
45歳から49歳:207万人、 内訳(男 112.9万人、女 94万人)
50歳から54歳:174万人、 内訳(男 93.3万人、女 80.2万人)
55歳から59歳:186万人、 内訳(男 94.3万人、女 91.5万人)
60歳から64歳:212万人、 内訳(男 91万人、女 120.9万人)

この4つの年齢層の合計人数:779万人
以上は 「超おひとりさま社会の消費と行動力(光文社)」 から引用。

45歳から64歳までの層で一人暮らしの人たちの合計人数は400万人を超える、全体の4分の1を上回る割合です。一人暮らしが当然多いはずの20代(20歳から29歳)の一人暮らし人数の333万人と比較しても、この層における一人暮らし数の多さがわかりますね。

ここで45歳から64歳を取りあげたのは、マレーシアマイセカンドホームプログラムではこれぐらいの年齢層を申請者の主たる対象にしていることだと思われるからです。なお、例えば40歳でも申請自体はできるが、当ブログでも詳しく説明してますように、50歳以上と50歳未満では適用される申請条件が違う。

注:詳しくは、『マイセカンドホームプログラムの規定・条件の一部文章改定に合わせた、訳文とその解説』 2011年3月3日付け記事をご覧ください。

【プログラムに夫婦で参加、一人で参加の間に、条件上基本的な違いはない】

マレーシアマイセカンドホームプログラムでは、配偶者を帯同する形で申請もできるし、一人だけで参加の形で申請することもできる。この2つの間に基本的な違いはないが、配偶者帯同の場合は資産計算に夫婦合算ができるなど多少の利点がある。

参考:流動資産において、申請者の資産とその配偶者の資産を合算してRM35万以上あれば、参加申請することができます。

さて上記のデータを見て、あらためてこの年代層における一人暮らしの数の多さを知りました。
マレーシアマイセカンドホームプログラムおいて、マレーシア当局は一人参加か配偶者帯同参加かの統計は一切発表していません。そういう統計自体を取っていないかもしれない。
そのため推定するしかありませんが、現在の日本社会における上記事実を考えれば、日本人参加者の中では一人参加の比率は有意水準を超えていると思われます。 さらにこれからマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加したい、参加を検討している方の間では、一人暮らしの方の比率はさらに多いだろうと推測されます。

そこで今回の記事は一人暮らしの方、及び未婚・死別・離別者の方で海外ロングステイに興味ある方を念頭におきます。 
未婚・死別・離別者の方は必ずしも一人暮らしとは限らないことはお分かりですね。しかし未婚・死別・離別者の方は海外ロングステイとなれば、ほとんどが一人参加になると考えられます。いうまでもなく一人暮らしの方は一人参加にならざるを得ない。

【円高時代が終わった現今の状況を考慮に入れる】

2012年の中頃円高が最高潮になった時期、1万円の両替でRM 400を入手するという為替相場”4.0”の時代は、もう当分、ひょっとしたら二度となさそうな現今の状況です。現在の為替相場を考慮すれば”3.0”を見ておくのがよさそうです、つまり1万円を両替してRM 300を得る。
これはかなりの減額です、初期費用などを別にしてマレーシア滞在の年間予算を120万円(月10万円)と仮定すれば、RM 4万8千がRM 3万6千になるということですから。

マレーシアに住む際の予算は、参加者それぞれの事情によって大きな幅があるのはいうまでもありませんから、平均幾らと仮に算出することができたとしてもあまり意味がありません。なぜなら、平均値より下の額でもマレーシアで暮らすことは十分できるし、そもそも自分の予算をそれ以上増やせない人が多いはずですから、その人またはその夫婦の可能な予算額で暮らしていくしかありません。

さて当ブログの性格上、予算月額RM 1万でも問題ないというような裕福層の方は対象にしていません。RM 100万を超える住宅不動産を軽く購入できる、または賃貸月額RM 7千、8千もするコンドミニアムに滞在するというライフスタイルができる方、を目指す方は、当ブログの内容にはほとんど興味が湧かないことでしょう。

当然ながら地区と立地場所と評判でかなりの違いはあれど、高級な部類のコンドミニアムの月額賃貸料は少なくともRM 3千、4千はしますから、これを1人だけで負担するのは、月額予算が少なくともRM 5千は必要なことは間違いないでしょう。

月RM 5千の予算なら問題ないという方もいらっしゃる一方、それはちょっと難しいから全く無理だという方まで、RM 5千に壁を感じる方も当然いらっしゃるでしょう。

【シェアハウス・ルームシェア】

さてそんなとき、いわばシェアハウス・ルームシェアも一つの選択ではないでしょうか。
どんな形であれ、どんな意味であれ、シェアなど考慮外という方に提案したり勧めているわけではありませんよ、誤解なきように。
あくまでも一人暮らしする人口の多さを前提に、当ブログ読者の中の一人暮らしする方たちを念頭に置いた、選択肢にはこういう形式もありますよ、という提示と捉えてください。

家の場合シェアハウス、コンドミニアムの場合はルームシェアと呼ぶそうですが、当記事ではまとめてシェアハウスと呼んでおきます。

マレーシアのアパート、コンドミニアム、土地付き住宅であるテラスハウスや準一軒家は、日本のそれに比べれば、間取りがゆったりし、1部屋の面積が広く、複数のバスルームが備わっています。都市部の中流ヤングアダルトを対象としたストゥディオタイプのコンドミニアムが近年建築されていますが、全体から見れば数はごく少数です。

注:なお当ブログの読者には低所得者層向け住宅、公営であれ民営であれ、は全く関係ないので論点には入れません。

リビングルームは20平米ぐらいあるのが普通です(それより狭いリビングルームの住居は候補から外せばよい)。つまり6坪はある。
マスターベッドルームは必ずバスルーム付です。他のベッドルームは、バスルームが部屋に付属していない場合が比較的多いでしょうが、部屋数の多いコンドミニアムや土地付き住宅、または高級なコンドミニアムや土地付き高級住宅であれば、(マスターベッドルーム以外に)バスルーム付のベッドルームが1つまたは複数ある住居を探すのは難しくないでしょう。

バスルーム付属ベッドルームが複数あることが必須条件
シェアハウスを考える時、バスルーム付属のベッドルームがマスターベッドルーム以外にあることが必須条件です。バスルーム付属のベッドルームであれば、個々の住人のプライバシーは最大限に保たれる。

キッチンとリビングルームも複数備えた住居となると超高級住居の部類ですから、当ブログの扱い範疇から外れます。 
高級コンドミニアムまたは高級土地付き住宅ならば、キッチンとリビングルームはほとんどの人にゆったりと感じられる広さです。キッチンとダイニングが1つの区切られた空間になっている住居仕様もあれば、キッチンだけが区切られた仕様もある。オープンキッチンタイプの高級住居もありますよ。

そこでシェアハウスする2人または3人が、いっしょにいても違和感を感じない広さのリビングルームを備えたコンドミニアムまたは住宅を選ぶ必要があると言える。(コンドミニアムでは最大限は3人、土地付き住宅なら最大限は4人ではないだろうか?)

プライバシーを保てるバスルーム付属のベッドルーム、充分広いリビングルーム、モダンなキッチン、さらに物置にも使える小部屋、こういう条件を備えた高級なコンドミニアムか土地付き住宅を探せばいいわけです。賃貸月額は当然高くなるが、2人または3人のシェアハウスですから、1人の負担分はRM 2千から3千の間で抑えられる。もちろんRM 1500でもRM 3500でも構わない、予算次第で探せる範囲が変わるだけです。

土地付き住宅の利点
理想的に言えば、土地付き住宅の方がシェアハウスにはより向いているでしょう。なぜなら2階建て、中には2階半建てもある、の造りですから、各ベッドルームは上階にあり、キッチンとリビングルームは地上階になるのが普通ですからね。さらに乗用車2台は駐車できる庭がある。
なおコンドミニアムでも駐車場での1ユニット(1世帯)の複数台駐車は可能です。中流層以上では自家用車2台保有の世帯は今や全然珍しくない。

かなり建築面積のある土地付き住宅に1人でポツンと住むより、シェアハウスした方が良さそうな場合もあるのではないでしょうか。 イントラアジアは土地付き住宅に住んだことはありませんが、仮に広めの土地付き住宅に住むならシェアハウスを選択肢にしてもいいかなと思います。

土地付き住宅は防犯上心配だという人は、クアラルンプール圏などで増えつつあるゲート付き住宅地を選べばいいでしょう。これはその住宅区画の出入り口で常駐の警備員が通行する車が住民の車であるかどうかを確認する仕組みです。その住宅区画に通じる道路を1本または2本に限定し、その他の道路との出入り口を封鎖してしまいます。 これは、完璧な仕組みではないがそれなりに防犯になると一般に捉えられている。
なおこういうゲート付き住宅区画は比較的新しい住宅地にあるのが普通です。

シェアハウスするのに適した条件を備えておれば、その住居形式はコンドミニアムでも土地付き住宅でも構いません、住む人が負担できる予算と好みの問題といえるでしょう。

費用分担は契約書式の形にしておく
もう一つ忘れてはいけないことです。シェアハウスする際に、いわばハード面だけでなく、ソフト面も大切だと言えます。
つまり、賃貸料、電気代、補修費など住むことに関わる費用をどう分担するかといったことです。決して口約束ではなく、事務弁護士(solicitor)に依頼して文書化して各自が署名するといった手続きを踏んでおくべきでしょう。当初は面倒で多少の費用は掛かるが、問題発生時の保険だと捉えて、どんなに親しい間柄であろうとこういう手続きを避けないことですね。

【後書きとしてのまとめ】

現代日本社会における中年層から高年層の間での一人暮らし世帯の目立った増加について、以前は知識として多少知っていましたが、この数年日本へ行ったときに読む、目にする統計数字や実状報道に触れて、知識を新たにしました(イントラアジアは日本国外では日本語のニュースや活字物は一切読みません)。

そこで海外ロングステイもそういう日本社会の実情を多かれ少なかれ反映することになると、見なしても間違いではないでしょう。

シェアハウスでは、シェアハウスすることでの問題が発生する可能性をもちろん推測できる、一方病気など困った時の身近な助け合い、コミュニケーション相手が身近にいるなどシェアハウスすることでの利点もありますね。さらに日本人コミュニティーが存在しないコンドミニアムや住宅街区で、数人の日本人とシェアハウスするというあり方は、イントラアジアの提示する下記のようなライフスタイルにも適していると言えます。

イントラアジアのブログは、日本人だけが固まって、例えばあるコンドミニアムの住人の7,8割を日本人が占める、といった海外ロングステイスタイルとは異なる、ライフスタイルを求めるまたは考えている人たちのためのブログです。

当ブログは以前から記事内で次のように強調しています:
”ロングステイ地ではその地のスタイルにできるだけまたはある程度は馴染もうとされる方、日本人コミュニティーと付かず離れずに暮らしたい方”、 ”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人” を応援します。 ”日本人コミュニティー内だけで暮らすつもり、暮らしたい”場合のことは扱いません。
21世紀の現代は携帯電話、スマートフォン、ネット接続パソコンを使えば、(隣近所ではない)離れている在マレーシアの日本人とも容易につながりは持てますよね。

今回のブログ記事ではシェアハウスというあり方を、マレーシアの住居事情を踏まえて論じました。シェアハウスの長所と短所をよく踏まえた上で、選択肢として捉えてください。


マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明

2013年05月19日 | マレーシア生活の案内と知識

マレーシアの医療については、以前の記事で1回書きましたので、始めにご覧ください:
『歯医者とマレーシア医療制度のお話』 2010年2月28日付け (【マレーシア生活の案内と知識】カテゴリー)

今回は制度面をもう少し具体的に説明し及び公立、私立の医療施設に分けてみていきます。なお歯科については触れません。

マレーシア生活に限らず海外での生活で最も気になることの1つは医療面です。
気になると書いたのは、必ずしもそれが障害になるとは言えないからです。

当ブログの趣旨からマレーシアに限定します。クアラルンプール及びその近隣は、国内で最も医療施設が種々あり数多いことは疑いのないことです。ペナン島ジョージタウンには大型の総合病院が数あり、半島部北部で一番医療施設が整っていると言えます。代表的な都市であるジョーホールバル、マラッカなどにも大型の医療施設を目にします。当ブログで最近解説を加えた、ジョーホール州のIskandar Malaysiaでは高級な医療施設の建築計画も公表されている。

今回の記事で触れる公的医療制度面での説明は全国共通なものです。公私立の医療施設に関してはクアラルンプール圏に絞ります。

公立即国立である医療施設として、クアラルンプール病院、マラヤ大学医療センター、マレーシア国民大学病院などが代表的な公立大総合病院です。ごく少ないながら単科専門病院もある、国立心臓インスティテュート、The Tun Hussein Onn 国立眼科病院など。

私立病院は大は高級ホテル並みの外観を持つ立派な建物とロビーを持つ、有名私立病院がクアラルンプール及びその近郊に2桁数あります。例えばSime Darby メディカルセンター、Gleneagles Kuala Lumpur病院など。
交通便利な場所には昔からよく知られている中小規模の私立病院もあります。    例えば、Assunta Hospital, Tawakal Hospitalなど。

【公立即国立である医療施設に関して】

マレーシアの特徴として、公立即国立の医療施設は(比較すれば)少数の大規模総合病院と中小規模の病院、及び数多い小さな医院・診療所の2種類に分かれる。
大学病院と専門病院を除いて、国立病院は全国に約140あることが保健省のサイトでわかる。医院・診療所の数は全国で2800か所を超える。
なお州立とか地方自治体立のような病院と医院はありませんので、公立=国立になる。この場で公立と書く場合は即国立となる。

国内津々浦々にあるのが、全て保健省の管轄下にある公立医院・診療所です。 料金はごく低料金に設定されており、そういうこともあって外国人の中ではとりわけ外国人労働者が多く掛かっているようです。
こういう小さな医院・診療所には専門医がいません、いわゆる一般内科医だけです。小さいからといって古い建物ばかりかというとそうではなく、2000年頃以降に新しく建てられた、改築された、新しい建物も少なくない。公立医院・診療所とは別の範疇として近年発案されて設置数が増えている Klinik 1 Malaysiaは全て新しい公的医療施設です。
注:一般内科医は general practioner、略称GP、と呼ばれる。

公立の医院・診療所には専門医が全くいないことから、公立の医療施設で専門科目を診てもらう際には、必然的に公立総合病院に行くことになる。これが結構大変です。 国立総合病院の中には公共交通面で便利とは言えない場所にある所もあるし、いつも混んでいると言われているからです。

その第一の理由は、公立の医療施設の料金が私立の医療施設に比べてはるかに安価に設定されていることです。例外はあるものの基本的に外国人に適用される料金表は国民のそれの大体 2倍になっているが、それでも私立の病院に掛かるよりかなり安くなるのは間違いない。

外国人患者に適用する料金表の例:一般外来診察費 RM 15、レントゲン撮影 RM 50、専門科外来診察費 RM 60、通常分娩費 RM 500、入院料 4人部屋で1人1日当たりRM 80、
詳細な料金表が保健省のホームページに掲載されている。

マレーシアには国民健康保険、会社・組合健康保険といった公的な制度自体が存在しません。そこで、公立=国立の医療施設がいわば健康保険の代替えの役割を果たしている。つまり公立の医療施設の利用料金を政策的にかなり低く設定して、低所得層の人たちにも十分利用できるようにしている。

公立の大病院は低所得者層から中の下位所得層の利用者が多いでしょうが、そういう層だけ向けであると捉えてはいけません。立派な外見と新しい医療設備を備えた病院にするべく国は予算をつぎ込んでいるからです。よって中流層以上であっても私立病院より国立大病院を選ぶ人たちも少なくない。
病室には等級があり、つまり料金表に基づいて個室も備えている。また検査、手術などに課される料金一覧表が掲げてある(はずです)。
大総合病院は、実際病院外見と規模は有名私立大病院に引けをとらないとの印象を持ちます。

なお一部の公立大病院では、ベテラン医師が一般診療とは全く別の特定時間に特別料金表適用の条件で患者を診る仕組みがある、例えばマレーシア国民大学病院など。いわば公立病院制度下の私立医療と言える。

マレーシア国民の中には、そして白人を含めたエクスパトリエイトらにも、国立大病院をあまり評価しないとか否定的な言を吐く、人たちが少なからずいます。そういう外国人の場合は、全くマレーシア語を習おうとしないことから最初から敬遠している、または人から聞いた話を鵜呑みにする人たちが多いでしょう。

イントラアジアは、国立大病院は大変優れている、良い、だから是非行くべきだと強く勧めているわけではありません、といって避けた方がいいなどとはもちろん言いません。
国立病院に掛りたくない人は、私立有名病院へ行けばいいことであり、診てもらったこともなく、足を踏み入れたことすらもないのに、見下した評価は避けるべきだと言いたいのです。

【私立医療施設に関して】

私立の医療施設について概論します。
一般的な個人または医師2人程度の小さな医院は総数からいえば非常に数多くあります。言うまでもなくこれは地区によって大きな差がありますので、1軒か数軒しかない地区もあれば、イントラアジアの住む地区のように20軒近くも集中している地区もある。 

一般論として言えば、クアラルンプール及びその近郊では一般内科医(general practioner、略称GP)が常駐する個人開業的な医院を探すことは容易です。
この内、個人開業医とは多少違うであろう、統一した名称を持った医院が比較少数としてあり、そういう医院では勤務医がいます。

その一方で専門医のいる個人医院または医院が少ないことです。クアラルンプールの都市域でも、耳鼻科、眼科、整形外科、胃腸科、小児科、泌尿器科といった専門医院は少ない。まして例外はあるものの周縁部や郊外では非常に少ない。その中で比較的目にするのは、恐らく産婦人科でしょう。日本より出生率がずっと高いことがこの背景だと推測される。

専門医の個人医院は確かに少ないが、皆無ではないので、、例えばクアラルンプール中心部の一画にはそういう専門医がかたまって入居しているビルもあります。恐らく高級地ほど個人専門医が開業しやすいことでしょう。
また一般内科医の看板に加えて、胃腸科や性病科や呼吸器科の文字を掲げている医院もあります。レントゲン設備を備えていれば、それを医院の外面に表示している。放射線技師がいるとは思えませんが。

しかし全体的にいってクアラルンプールと言えども、個人専門医院はかなり少ない。地方の町で果たしてこういう専門医院があるのだろうか? 実際、ないと思っておく方がいいでしょう(だから公私立の総合病院へ行くことになる)。

そこで専門医に診てもらう場合は、多くの場合または必然的に総合病院へ行くことになる。ビルに入居した小規模な病院から、大敷地に建つ有名大総合病院まで種類があります。
専門医院や私立病院の障壁は、まず料金です。とにかく高額である。軽い診察であっても1回に付き最低でも百リンギットを超える、恐らく数百リンギット掛かることも珍しくないでしょうから、低所得層にとっては初めから考慮外です。診察と検査以外に薬代もかかりますからね。
公的保険制度がないとどうなるかがよく実感できます。

私立病院での料金を負担できる層の人たちは、私立病院の方を好むと言えそうです(上記で書きましたように、皆が皆ではないので、傾向としてです)。国立大病院の混雑が避けられる、中堅と熟練医師が多いと言われている、払う金に応じたサービスを期待できる、からでしょう。

富裕層だけでなく、それなりに余裕があったり医療保険をかけている中流層にも私立病院に掛る人が多いようです。もちろんこれも、病状、住所地から病院までの便利不便利さ、病院の持つ評判、個人の好みが要因となって、どの病院を選ぶかを決めることになるのは、マレーシアでも同じはずです。

【医療保険の必要性】

以前マレーシアの医療保険をざっと見てみた限り、入院と手術への補償がほとんどで、通院への補償は極めて限定したものでした。何年か前イントラアジアは外国系保険会社ではなくマレーシアの保険会社に1年間加入してみましたが、その約款での通院補償は全く不十分でした(保険金を申請することなく、更新しなかったので1年で自動解約)。
ということから、私立病院に掛かるには、必然的に経済的余裕が必要となる。

マレーシアマイセカンドホームプログラムの申請参加条件の1つに、あらかじめマレーシアで適用される医療保険に加入しなければならないことは、当ブログでも詳しく説明したことです。
 そこで日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者は、日本の医療保険に長期加入している人がほとんどでしょうから、多くの場合は補償対象になりそうです。規則上マレーシアに本拠を置く保険会社に加入もできるが、そういう日本人は少数派ではないでしょうか(こういうことをきちんと調査した数字があるのかな?)

自治体管轄の国民健康保険でも、加入者は海外で医者に掛かっても保険が適用されるそうですね、ただし現実運用においてどこまでそれが補償・付保されるのか、自治体によって補償・付保度に違いはないのか、といった疑問もでてきそうです(1自治体が世界各国で発生した医療請求費を調査などできるわけがない)。いずれにしろ、この場合はキャッシュレスではないので、全て一時自己負担になる。

【医院と病院にはあらかじめ掛かっておこう】

医師と病院選びで、個人の事情と好みから大いに違いが起きるのは不思議ではありません。ある人にとって満足のいく医師、病院であっても、ある人にとってそうではない場合は当然ある。掛かる医師と病院に常に満足できるとは限らないのは、国の違いではなく、医療と医師と患者の関係を考えれば不思議ではないことは皆さんも同感されるはずです。

以上のことからイントラアジアがいつも主張するのは、病気やけがが切羽詰まってから初めての医師に掛かるのではなく、軽いうちに医師に掛かっておくことです。どういうことかというと、風邪でも腹痛でも肩痛でもなんでもいいです、自分の掛かりつけ医療機関の対象になりそうだと思う(複数の)医院または病院で診てもらい、自分との相性やその医療機関のあり方を知っておくべきだということです。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者であれば、マレーシアのどこかに住むことになる。日本とマレーシアで半々生活というように1年の内半分くらしか住まないのであっても、住居を定めて住むことに変わりはない。そういう定住者ですから、通える範囲の医療機関をあらかじめ経験しておくことができます。

旅行先ではこういうことは無理なことはおわかりでしょう。何十という国々を長年歩き回ってきたイントラアジアですから、旅先で医師に診てもらったことは何回かあります。そういう時ぶっつけ本番で病院を訪ねるわけですから、その医療機関の様子自体がまったくわかりません。これは旅行者にはほぼ避けられないことですが、プログラム参加者のようないわば定住者であれば、多少準備をしておくことができるということです。

人口10万人にも満たない地方の町であれば、その町の近くにある州の代表的な公立総合病院しか選択がない、という場合が多いでしょう。
その点、クアラルンプール及びその近郊には、有名私立大病院を含め私立病院はかなり選択できる数がある。他の都市圏より選択が多いのは、都市規模の大きさから当然です。ただいくら選択が多くあっても、人は5つ、6つもの病院に掛ることはないはずです。やはり1つの病院か、せいぜい2つの病院になりますよね。

医療に対する評価は個人間で大いに捉え方が違う、そしてその人の病状、経済状況、医療観、言語の問題、住居地によって、選択は狭まっていく。つまり百軒の病院があってもその全てが選択対象になることはない。

選択に満足できない人は、不満を抱えているよりも早急に日本へ行って(帰って)かかりつけのまたは新たに医院・病院に掛かるというのが、主要な選択だと思います。とりわけ言語面でコミュニケーションが取れない人は、そうすべきではないでしょうか。

住居に関する選択は個人の経済状況と嗜好に大いに基づくはずです。医療に関する選択はそれ以上にその人の身体状態の要因がずっと大きい。どこに居ても医療選択は容易ではないですね。


料理法知らずのマレーシア大衆料理案内と勧め

2012年09月23日 | マレーシア生活の案内と知識

ここ数回住宅関連の話題を掲載しましたので、今回は趣向を変えて、マレーシアの大衆料理に目を向けてみましょう。

【複数民族の存在が食に多様さを生んでいる】

マレーシアを旅行する、マレーシアに滞在する楽しみの一つにその料理の豊富さがあります。マレーシアを構成する民族が複数であることがその最大の理由ですが、マレー人、華人、インド人、先住民族など各民族が持つ伝統的料理に付け加えて、自民族料理に別の民族の料理法や材料を使って新しい料理を生み出しまたはその民族料理に変化を付けているからです。

例えばラクサ料理は本来マレー料理ですが、華人がそれをとりいれて別種のラクサを生み出しました。ペナンのラクサでおなじみのアッサムラクサです。辛い魚スープにゆでた麺類を加えるアッサムラクサ、亜三(参)ラクサなどと書かれている、はクアラルンプールでももちろんありますが、やはりペナンの方がそれを提供する屋台・大衆食堂が多いです。

ロティチャナイは、インド料理起源でそれを供する数からいえばインド大衆料理店・屋台が一番多いのですが、東海岸だけでなくクアラルンプールでもマレー店がロティチャナイをそのメニューに加えているのは極めて普通に見られます。ロティチャナイはもうインド料理というよりマレーシア料理でもある、と言ってもいいくらい民族の垣根を越えて食される料理です。ただ華人のロティチャナイ屋だけには出会ったことはありませんね。

トムヤムスープ、言わずとしれたタイ料理ですが、これをメニューに加えているマレー屋台・大衆食堂はまことに多いです。この傾向は、北部と東部へ行けば行くほど多くなるような気がします。ただサバ州サラワク州でトムヤムスープを見かけた記憶がはっきりしないのですが(トムヤムスープがないと主張しているのではありません)、これはサバサラワク州がやはり地理的に半島部つまりタイから離れているからでしょう。

マレー屋台のトムヤムスープとタイの屋台・食堂のそれとには、はっきりと言えないが何か違いを感じます。料理法にまったく素人のイントラアジアですから、どの材料が違うのか何の香料が欠けているのかわからないのが残念ですが、タイのトムヤムのチリ辛さとは違うのですね。トムヤムスープは華人もその数は多くはありませんが、その屋台メニューに加えています。東炎湯/麺と書かれています。

 注記:大衆食堂とここで言っているのは、マレーシアで一般にいうコーヒーショップのことです。コーヒーとついてもコーヒーを主にサービスしているのでなく、大衆料理をメインにして、それに飲物も供するのです。

英名ではどの店も Restaurantと店名に加えています。例えば Intraasia Restaurant のように。またマレーシア語では Kudai Makanan Intraasiaとなる、でも実態は上記のコーヒーショップのことで、普通は冷房設備がありません。華語では茶餐室、茶室、飯店などと書かれてますが、これらはすべてコーヒーショップまたはコーヒーハウスのことです。
名は実態を示さずというか実態と少しずれているのですが、そんなことに文句を付けること自体がおかしいといえます。

【英語名は実態とずれる】

Nasi Ayam、 これは本来は中華料理の鶏飯をマレー風にアレンジしたものです。Nasi Ayam を英訳すると Chicken Riceです。また鶏飯を英訳しても Chicken Riceです。でもこの2つのチキンライスは味付けも鶏の焼き具合も相当違います。ですからマレーシアの呼び名である Nasi Ayam(ナシアヤム)と鶏飯(広東語でガイファンと呼ぶ)を使いましょう。なお鶏飯は海南人出身者が始めた海南鶏飯と白鶏を使ったイポー鶏飯が有名です。

注記:チキンライスというと日本のチキンライスを思い浮かべる方があるでしょうが、まったく違います。料理名を単に別の言語に置き換えると本当の姿が消えてしまう例ですね。

同じ英語名でも中身と材料の違うのに Mixed Riceがあります。同じ Mixed Riceでも、華人の日常飯である経済飯とマレー人の Nasi Campurは、手法と形態は同じですが、味とおかず内容が相当違います。材料に宗教上の制約のない華人の経済飯のほうが断然種類は豊富ですし、幾分安い。どちらの Mixed Riceも白ご飯に好きなおかずを自分で選びご飯の上に載せる方式です。

持ち帰りでも同じように、発泡スチロールにご飯をいれおかずを載せます。だからミックスという呼び名が生れたのでしょうが、経済飯の方が金銭感覚にさとい華人らしく直接的な表現ですね。マレー食のNasi Campurは混ぜご飯という意味です。でもご飯と混ぜるわけではない。

【他民族の味を取り入れる楽しさ】

さてこのように他民族の料理法を取りいれて自民族料理に幅を広げる、またはそのメニューに入れてしまうのは、世界いろんな国、地域でもあることですから、マレーシアだけの特例ではありません。日本はそれが得意ですよね。ラーメンでもハンバーガーでもスパゲティーでも日本人好みの味にしてしまいますから。

さてこのミックス民族料理の代表がマレーシアではニョニャ料理と言われるものです。家庭料理としての面はここでは論じないとして、外食料理においては大衆料理というよりレストラン料理です。マラッカ、次いでペナンがその代表地です。

一口知識:ニョニャ料理のいわれ
18世紀末にペナンがイギリスの植民地になり、それまで住民のごく少なかったペナン島は次第に人口が増えていきました。ペナンは茶、スパイス、陶磁器などの貿易の中継地として栄え、やがてその品目に錫とゴムが加わりました。そのため東西交易の交差点となり貿易者だけでなく様々な人たちをヨーロッパ、インド、中国、マレー半島から引き付けたのです。そこが現在のジョージタウンです。
1832年にペナンはマラッカとシンガポールとともに海峡植民地 The Straits Settlementを構成しました。

こうした中で中国からペナンやマラッカに渡ってきた中国人はマレー人との通婚を通して次第にマレー食文化と習慣などをその伝統的中国文化に取り入れていきました。こういう海峡植民地生まれの中国人をStraits-born Chinese といい、一般にBabaババ(男性)Nyonyaニョニャ(女性)と呼ぶのです。 注意:当時は中国人ですが、現在では皆マレーシア華人です。

ニョニャ料理はこのニョニャが生み出し育てた料理で、一般に辛く時には酸味より甘味が強いのです。食材料の主体は中華料理からのものを使いますが、マレー料理から香料や一部材料と料理法を取り入れたものです。ですからスパイス使用が比較的多く、材料では例ライムの葉、レモングラスなどを使用します。またニョニャ料理には、もち米、ココナツをベースに使用した甘く色とりどりのケーキ(Kuih)がつきもの。

ニョニャ料理はカレー味のものが多いのですが、マレー料理とインド料理の強烈なカレー辛味と少し違ってマイルドな辛さです。機会がありましたらペナンやマラッカ、クアラルンプールのニョニャ料理専門レストランで是非試してみてください。

【屋台といえばまずペナンと言われることがある】

屋台・大衆食堂料理ばマレーシア全土どこでもごく一般的であり、それを探す手間は要りません。

ペナンはペナンの観光メディアに言わせれば”マレーシアの食べ物首都”だそうですが、確かに屋台・大衆食堂の多さと種類の豊富さは他地域を少し上回るといってもいいでしょう。それは屋台・大衆食堂で一番種類が多い華人人口の占める割合がマレーシアのどの州よりも高いこと、海が近く海の幸が入手しやすいこと、相当に都会化している、などがその理由と考えられます。田舎というのは料理の種類と店の数はずっと少ないから、屋台が流行るのはやはり都会でなければなりません。

【ホーカーセンターが増えた】

ペナンにもクアラルンプールとその周辺にもホーカーセンターと呼ばれる屋台を1個所に集めた吹き抜け式の屋根付き場所があります。この場合は朝も昼も夜もどこかの店が営業しているものです。それともう一つが伝統的なタイプである、通りの一画に屋台が並ぶ屋台街です。このタイプは当然ながら夕方からが一般的です。

楽しさから言えば道路に広がった屋台街の方がいいかもしれませんが、その後始末がたいへんというより屋台商売人が後始末に力をいれないのは全国共通ですから、現在では都会ではホーカーセンター方式が増えてきました。ただ名称としては ”フードコート”、 ”美食中心” などいくつかの呼称が使われている。

呼び名はホーカーセンタ-とは言いませんが、大小のショッピングセンターには大概この種のフードコートがあります。つまりワンフロアーが多くの区画に仕切られ、各区画に種種の料理屋がテナント入居します。
客はフロアの真ん中に配置されたテーブルに座って飲食する方式です。冷房付きでショッピングセンター内ということで価格は幾分高めになる。

【屋台料理の勧め】

マレーシア滞在の下見の際、是非屋台街やホーカーセンター、大衆食堂を訪れておいしいマレーシア大衆料理を味わってみませんか。誰でも始めから思うように自分の欲しいものが注文できませんし、時には何がでてくるかよくわからないこともあります。それは当たり前、30年近く東南アジア各地を歩いているイントラアジアでも全く知らない所では戸惑います。ずっと昔マレーシア料理の注文に充分に慣れるまでに、言語面を含めて数年はかかりました。

ですから始めから希望通りにはならないのは当然です。大衆料理を味わうには物怖じせず、店で食べている人の料理と同じ物を注文してみるのです。少しずつそうやって覚えていくしかありません。軽い気持ちで料理を味わう、興味心と食い気があれば失敗もまた楽しですよ。

そしてマレーシアに住むことになったら、少しづつ注文のレパートリーを増やしていけばいいのです。

【マレーシア料理に興味がわかなくても食べる機会はいつもある】

イントラアジアは日本国外では日本食と日本味に一切こだわらず、例外なく口にしません、そしてまったく料理ができず且つ料理しないので、東南アジアに住もうがヨーロッパに住もうが、昔から一貫して外食派です(家でシリアルとかパンのような非料理品や果物は毎日食べますよ)。幸運なことに東南アジア、とりわけマレーシアは食事が種類多く比較的割安で得られるので、暮らすにはより都合が良い。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加される方たちは恐らくほとんど全員が、自分で(つまり自宅で)料理を多かれ少なかれ作られることでしょう。ですからここで紹介したようなマレーシア料理が主体になることは少ないかもしれません。そうであっても選択としてマレーシア料理を味わう場合も必ずでてくるはずです。

ところで半島部西海岸側の都市部に住む場合は、Jusco が身近にあれば、日本食品・食材の入手がし易くなるでしょう。もちろん食材種と味にこだわる方にとって、不充分な選択種と数でしょうが。現在はインターネットで外国まで食品を配送するビジネスも盛んなようですから、経済的余裕さえあれば食生活の徹底した日本化も大いに可能になると推測されます。
参考:Juscoスーパーが入居した AEON Shopping Centreの場所をサイトで調べる の部分をクリックすると、別ページで開きます。


初心者のためのマレーシアに関する 99の問答 -後編

2012年05月20日 | マレーシア生活の案内と知識
【はじめに】
今回は、2012年4月1日に掲載した「初心者のためのマレーシアに関する 99の問答 -前編」の続きです。

当ブログの特徴は、単なるマレーシアマイセカンドホームプログラムの小手先の解説ではないということです。
イントラアジは東南アジアの中のマレーシアという視点と捉え方で、長年マレーシアに関して伝え、解説し、論じてきました。その膨大な記述のほとんどはインターネット上に残っており、誰でも容易に検索できます。こういう経験と知識を基にして、マレーシアマイセカンドホームプログラムに絞って2009年に開設したのが、当ブログです。

ですから、イントラアジアの書いた物を通してマレーシアのことに興味を持っていただければ、またマレーシアマイセカンドホームプログラム参加の一助になれば、書き手としてうれしく思います。
それでは後編に入ります。


学校と学生に関する事柄

質問51:マレーシアの初等と中等教育は何年間ですか?
答え: 6年間の小学校、5年間の中高校 というのが基本です。ただ中高校で5年間を終えた後、主として国立大学に入るための資格試験準備教育として1年半の第6学年があります、しかし第6学年に進むのは5年生の約1割に過ぎません。5年で卒業してなんらかの高等教育機関へ進学するありかたはごく普通です。
注:中と高が分れていないのでここでは便宜上 中高校と表記しておきますが、実際は”中学校”という呼称です。

質問52:生徒の評価は試験制主体ですか、それとも何らかの課外活動など試験以外の評価もある程度の比重を占めているのですか?
答え:小学校の6年次、中高校の3年次と5年次の終りにそれぞれ全国統一試験があるように、徹底的にペーパーテストの点数で生徒を評価します。これがマレーシア教育制度での大きな特徴の1つです。

質問53: ブミプトラプ割り当制ってどういうことですか?
答え:国立大学で、新入生の入学定員の 55%をブミプトラ生徒に割り当てることです。そのため非ブミプトラの生徒が試験上の結果ブミプトラ生徒より上位にいてもその希望の国立大学に入学できない場合がでてきます。

質問54:小学校からすべてマレーシア語教育ですか?
答え:小学校には大きく分けて2タイプあり、親はどちらに子供を送るかを選択できます。マレーシア語教育の国民小学校、及び華語で教育する国民型華語小学校またはタミール語で教育する国民型タミール語小学校です。 ”型”があるかないかで大きく違います。

質問55:では中学校ではどうなりますか?
答え:基本的にはマレーシア語教育の国民中学校のみです(多少のバリエーションはある)。例外的に華語で教育する独立中華中学校があります。しかしこの独立中華中学校は教育省から援助などを一才受けられない私立というあり方です。

質問56:小学校は何才から入学しますか?
答え:1月1日時点で満 6才になっておれば、その年に入学資格があります。

質問57:小学校が2部制になっているのはどうしてですか?
答え:生徒数に比して都会では学校が足らないので、1つの建物を午前と午後に分けて、2部制にしている小学校がたくさんあります。しかし全国の小学校が全部2部制ということではなく、数からいえば一部制の方がずっと多い。

質問58:全国に大学は何校ありますか?
返答:国立大学が 20校、私立大学は2000年以降かなり増えて 20数校ある。カレッジは大学とは分類されていませんが、ユニバーシティカレッジという分類が近年作られた。こちらも20数校あるようだ。

質問59:国内の大学に入れないまたは入りたくない学生は留学するしかないのですか?
答え:国内には数百のカレッジがあります。そういうカレッジには英国圏の大学と提携しているカレッジが多数あり、学士(Degree) を授与できるカリキュラムを組んでいる所が少なくありません。

質問60:小学校・中学校では制服がありますか?
答え:公立校は全国に共通の制服があり、生徒は着用しなければなりません。私立校の制服も公立学校の制服と同じではないが似たデザインであり、全く独自デザインの制服は見かけたことがない。

テレビ、ラジオと芸能に関する事柄

質問61:マレーシアにはテレビチャンネルがいくつありますか?
答え:公営放送 RTM が2チャンネル、民放が4チャンネルです。衛星放送の Astro (同時に有料放送でもある)が 2011年時点で300万世帯数の契約数を持つほど普及している。
従ってマレーシアの全テレビ放送視聴率の面で 民放放送が49%、Astro が第2位の 38%を占め、残りを 13%を公共放送のRTM となります。

質問62:衛星放送なら世界中の放送が楽しめますか?
答え:マレーシアの衛星放送会社 ASTROが提供するチャンネルに限られています。その中に NHK国際が入っています。許可されたサイズ以上の衛星アンテナを設置してはいけません。

質問63: テレビ放送は何語ですか?
答え:公営放送ではマレーシア語の放送が一番時間数は多いです、次いで英語が多い。3番目が華語放送でタミール語が一番少ない。民放を含めて通常、マレーシア語以外のドラマとか映画番組にはマレーシア語の字幕がつきます。

質問64:お笑い芸人っているんですか?
答え:お笑い芸人はもちろんいますしお笑い番組もありますが、多くはありません。とりわけ演芸ホールや演芸場は存在しませんので、お笑い芸だけで生活はできる芸人はごく限られた数のはずです。

質問65:ラジオでマレー歌謡がかからないのですが、どうしてですかですか?
答え:マレーシアのラジオ局は言語別になっています、つまりマレーシア語局、華語・広東語局、英語局、タミール語局に分かれています。ですからマレーシア語局にダイアルを合わせれば、1日中マレー歌謡がかかっていますよ。サバ州とサラワク州は半島部と多少違いがある。

質問66:日本や西欧にないタイプの歌手はいますか?
答え:ボーカルグループRaihanに代表される Nasyidグループはマレーシアならではの歌手・グループでしょう。イスラム教に基づいたNasyidソングを歌い、ステージ衣装も典型的ムスリム服装です。

質問67:マレー映画って年間何本くらい公開されますか?
答え:90年代は10本を多少超える程度でしたが、2011年は40本近いマレー映画が公開されるまでに興隆しています。

質問68:インドのボリウッド映画が人気だと聞いたのですが、本当ですか?
答え:そうです。マレーシアのインド人だけでなくマレー人も一般にボリウッド映画が好きで、大きなファン層です。

質問69:マレーシアのテレビや映画の検閲は厳しいですか?
答え:その面では厳しい国として知られており、ハリウッド映画は公開作品でも相当カットがあります。且つ国内製作ドラマなどは製作者側が自主的に自己規制しているようです。

質問70:マレーシア華人歌手の中には国外で活動している人がいるのですか?
答え:人気あるよく知られた華人歌手の多くはもっぱら国外で活動しています。例えば、光良、梁静茹、品冠、戴Penny、阿牛などです。彼ら彼女らは、台湾または中国または香港を拠点にしています。

通貨に関する事柄

質問71:マレーシアの通貨呼称はドルですか?
答え:違います。正式名をリンギット・マレーシアと呼び、記号は RM です。未だにマレーシア・ドルと呼ぶ人がいますが、こういう植民地時代の呼称は止めましょう。

質問72:リンギットは外国で両替できないと聞きましたが、本当ですか?
答え:1997年のアジア経済危機後、政府の方針で、US$1 = RM 3.80 に固定させました。そのためリンギットの持ちだしと持ち込みに制限を設け、外国の銀行はリンギットとの両替を中止しました。しかしそれはとっくに過去のことであり、2000年代半ば以降外国の銀行はリンギット両替を行っています。

質問73:利子が日本より高いので銀行に預金したいのですが、できますか?
答え:観光客が入国時にパスポートに捺される社会訪問パスでは銀行に口座を開設できません。マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加すれば、もちろん口座開設して預金ができます。

質問74:外国人でも不動産を購入できますか?
答え:工場を建てるから土地を購入するような場合は別にして、一般に外国人が土地だけを買うことはできません。住宅であれば、購入価格RM 50万以上の物件は、マレーシア在住者でなくても購入できます。(少数の例外措置はある)

質問75:マレーシアの物価は安定していますか?
答え:安定していますよ。年上昇率数パーセントです。極端なインフレはまったく経験していません。

質問76:マレーシアの1人当たり国民所得はどれぐらいになりますか?
答え:2010年は RM 26,174 に増えました。当時の為替レートで換算すれば US$7,985です。

質問77:マレーシアにとって日本との貿易はどのような重みを持っていますか?
答え:マレーシアの主たる貿易相手は、1980年代と90年代は米国と欧州と日本でした、しかし21世紀にはいって大きく変わりました。中国との貿易は一定して増えており、2008年は輸出面で 9.5%を占めました。
マレーシアからの輸出市場
1990年: 米国:16.9%   欧州連合:14.9%   日本:15.3%   中国:2.1%
2000年: 米国:20.5%   欧州連合:13.7%   日本:13.1%   中国:3.1%
2011年: 中国:13.1%    シンガポール 12.7%   日本 11.5%    米国 8.3%    
( シンガポールは中継貿易地点なので、マレーシア輸出にとってシンガポールの占める割合は高くても他の地域とは同じような比較はできません。)

質問78:クレジットカードは普及していますか?
答え:たいへん普及しています。勤め人であればクレジットカードの申請はあまり難しい事ではないでしょう。

質問79:チップは必要ですか?
答え:外国人が主として対象になる高級ホテルや高級レストラン、サービスなどは別にして、市中のレストランやエコノミーホテル、一般タクシーなどはチップは必要ではありません。もちろん釣り銭の一部をそのまま置いてくる人も中にはいます。

質問80:消費税はありますか?
答え:通常の商品売買にかかる消費税は導入されていません。ただし、一定規模以上の飲食店では売上税5%を、駐車場のようなサービス業ではサービス税5%を消費者に課す事が法定されています。

交際、結婚と性に関する事柄

質問81: 10代の若者の男女交際はどの程度認められていますか?
答え:答えが難しいです。建前上は結婚前の性交渉はすべきでないとの社会通念が依然として強い。尚ムスリムの場合は、建前でなくムスリムとしてそれは許されない行為です、つまり宗教上の罪になります。

質問82:学校で性教育って行われているのですか?
答え:そういう名称での正規カリキュラムとしては存在しないそうです。

質問83:では若者はそういう知識はどこで得るのでしょうか?
答え:口コミは当然として、若者向けの雑誌には、言語に関わらずこういった話題がよく質問や相談形式で載っています。現代はインターネット時代ですから、誰でもその気になればいくらでも探せることでしょう。

質問84:アダルトビデオやVCDは買えますか?
返答:その種のものはすべて違法です。しかし夜市の屋台、露店などでは少し前までは堂々と売られていましたが、今では常連客向けに隠して売っています。

質問85:非ムスリムがムスリムの異性と交際できますか?
答え:もちろんできます。ただしそういう例はやはり少ないですね。

質問86:それでは非ムスリムとムスリムの間で結婚できますか?
答え:できません。非ムスリムは結婚する前に必ずイスラム教に入信しなければなりません。これは絶対条件なので、非ムスリムがムスリムと結婚することは法律上許されませんし、どんな形であれ認められません。

質問87:ムスリム男性は4人まで妻をもてるというのはマレーシアでも同じですか?
答え:原則として同じです。しかし認める基準はイスラム国家によって違いがあるそうです。現実としてマレーシアで4人も妻を持つムスリム男性は極めて極めて少数です。しかし2人妻を持つムスリム男性の話しなら、多数ではなくても珍しいことではないと言えます。

質問88:マレーシアにラブホテルってあるんですか?
答え:ラブホテルのようにけばけばしい外観や内部作りのまたは明らかにそれとわかる掲示・宣伝文句を掲げたホテルは存在しません。しかし実質的にはラブホテルであるような安ホテルは数あります。もちろん普通のホテルをラブホテル的に使う人も当然いるでしょう。

質問89: コンドームはどこで買えますか?
答え:薬局、ドラッグストアー及び多くのコンビニエンストアとスーパーマーケットです。コンドーム販売機のようなものは当然ありません。

質問90:インドのカースト制度はマレーシアのインド人コミュニティーにも残っていますか?
答え:カーストの影響は皆無ではないそうですが、多くのマレーシアインド人の間ではごく薄いと言われています。

旅行に関する一般知識

質問91:マレー鉄道でシンガポールからバンコクまでマレー半島縦断旅行したいのですが?
答え:マレー鉄道だけではできません。数百メートルほどのシンガポール内線路とマレーシア国内全線、つまりタイとの国境の町パダンブサールまでがマレー鉄道です。それ以北はタイ国鉄です。日本の旅行マスコミの歌い文句は大間違いなので、イントラアジアは90年代の昔から批判しています。

質問92:マレーシア航空と Air Asia 以外に乗客用国内航空会社はあるんですか?
答え:あります。 Berjaya Air、Firefly の2航空会社があります。Firefly はマレーシア航空の子会社であり、Berjaya Air はごく小規模な会社です。さらにサバ州とサラワク州だけで主に僻地運行に特化したマレーシア航空の子会社がある。

質問93:11月頃から3月頃まで東海岸の離島の島々は閉鎖するんですか?
答え:モンスーンシーズンのため、雨の降る日が多く波が高くなるので、一時的に閉鎖する宿が多くあります。ただ全部が閉鎖するわけではありません。

質問94:タマンヌガラは1年中オープンしていますか?
答え:もちろん年中無休です。

質問95:クアラルンプールとKLIA空港を結んでいる空港鉄道は KLIA2 まで延びるのですか?
答え:建設中の新格安航空専用ターミナルKLIA2 は2013年4月頃オープンする計画です、そこで空港電車もそれに合わせて延長されます。

質問96:マレー半島からサバ州またはサラワク州を結ぶフェリー航路はありますか?
答え:乗客用としては全くありません。かつてそんな話もささやかれたが、実現可能性はありません。

質問97:半島部にオランウータンの保護区はあるんですか?
答え:半島部にオランウータンの生息地はありませんので、存在しません。オランウータンのいる動物園と動物園もどきはあります。

質問98:マレー虎はまだジャングルに生息していますか?
答え:harimau つまりマレー虎は今では数がぐっと減って、保護動物に指定されています。従って狩猟も捕獲も禁じられています。

質問99:世界一の巨大花ラフレシアをボルネオ島部でなく、半島部でも観察できますか?
答え:キャメロンハイランドの山中でできます。さらにもっと奥深いジャングルであるペラ州最北部にあるBelum渓谷でもできます。いずれもプロのガイドに連れていってもらう必要があるはずです。

終わり

初心者のためのマレーシアに関する 99の問答 -前編)

2012年04月01日 | マレーシア生活の案内と知識
当ブログを訪問される方の中には、マレーシアのことは全然知らないが海外ロングステイの検討先の1つとして漠然と考えていらっしゃる方も少なくないことでしょう。
またマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加したいので、これから少しづつマレーシアに関する知識を増やしていこうという方もいらっしゃいますし、とりあえずマレーシアマイセカンドホームプログラムの条件と規則だけを知りたいという方もいらっしゃるでしょう。

イントラアジアはマレーシアの初心者から事情通まで幅広く対象にして、1990年代半ばから始まって今日に至るまで長年マレーシアのことを書いてきたので、その文章量は膨大な量となっています。

そこで今回はマレーシアのことをご存じないまたはごく初歩的なことしか知らない、といった読者を主対象に、ずっと以前に発表した文章に多少手を加えてこの場に掲載します。
こういう文章内容を通してマレーシアのことに興味を持っていただければ、またはマレーシアマイセカンドホームプログラム参加の一助になれば、書き手としてうれしく思います。


国家に関する事柄

質問1:総人口はどれぐらいですか?
答え:2010年中頃時点で2,825万人です。その内92%がマレーシア国民です。

質問2: 国歌はマレーシア語ですか?
答え:そうです。題名を Negaraku (ヌガラクと発音、ネガラクではない)といい、マレーシア語でわが国という意味です。この歌はペラ州の州歌を基にしたもので、1957年のマラヤ連邦独立時に国歌に選定されました。

質問3:イスラム教は国教ですか?
答え:そうです、国教はイスラム教だと憲法に書かれています。ただ非ムスリムには信教の自由が認められています。

質問4:ということはムスリムはイスラム教から離脱または他の宗教へ改宗できないのですか?
答え:現実として認められていませんし、できません。

質問5:国花は何の花ですか?
答え:マレーシアの国花はハイビスカスです。マレーシア語でbunga raya といいます。

質問6:マレーシアはいくつの州から構成されていますか?
答え:半島部に11の州、ボルネオ島部に2つの州、合計13の州です。加えて連邦直轄領というのがあります。

質問7:その連邦直轄領とはなんですか?
答え:その統括権が州でなく国に属する自治体のことで、具体的にはクアラルンプールとラブアン島とPutra Jayaの3自治体です。

質問8:マレーシアが独立したのは1957年ですよね?
答え:いいえ、違います。半島部だけからなるマラヤ連邦が独立したのが1957年8月で、現在のサバ州とサラワク州はマラヤ連邦には属していません。マレーシアという現在の国体ができあがったのは、1963年9月です。従って、一般に言われる”マレーシアが独立したのは1957年”というのは正しくないのです。

質問9: マレーシアは君主制ですか?
答え:そうです。立憲君主制で、国王が元首になります。

質問10:国王は世襲制ですか?
答え:違います。半島部にある9つの州のスルタンから互選(実質は輪番制)で5年任期の国王を選出します。

食・料理に関する事柄

質問11: マレー人とインド人は手で食事するのですか?
答え:一部正しく一部間違いです。まず手ではなく、右手の指を使って食物を口に運びます。この食べ方は場所と食事内容と且つ個人の好みで相当違いますので、指で食べる人は多いが、そうしない人と場もたくさんあるということです。

質問12: マレー料理って辛いんですよね?
答え:一般にその通りです。いろんな料理にはチリを混ぜることが多く、さらにカレー粉を多用するからです。

質問13: マレー料理に豚肉を使っていいのですか?
答え:もちろん使いませんし、使えません。イスラム教で禁じられている豚肉がマレー料理に加わることはありえません。

質問14: 屋台などでの大衆中華料理に餃子を見かけませんが、なぜですか?
答え:マレーシア華人の先祖は中国大陸の南方出身の人たちがほとんど全部を占めます。従って大陸北方の料理は大衆料理としては珍しいのです(例外はある)。

質問15:”Halal" という文字をよく見かけますが、これはなんのことですか?
答え:イスラム教で食することが許されている、という意味です。

質問16:ということはムスリムが食べてはいけない飲食物や料理があるんですね?
答え:もちろんです。一般に中国・中華料理は、大衆料理店であれ高級レストランであれ、Halal料理ではありません。そこで供される(中国・中華)料理・食事がHalalの場合だけ、Halal と書いてあるのが普通です。

質問17:日本でいう弁当とかランチボックスってマレーシアでも店で売られているんですか?
答え:コンビニで弁当類は売られていませんが、その替わりに大衆食堂と屋台では、発泡スチロールなどの容器に料理を詰めてもらって持ちかえる方式が、ものすごく一般的です。これを bungkus (ブンクスと発音)といい、この方式は朝から夜まで時を選ばず盛んです。

質問18:インド料理で皿の替わりにバナナの皮に載せて食べるカレーご飯って相当辛いのでしょうか?
答え:バナナリーフカレーですね。結構カレーと香料がきついですよ。カレー汁の種類によって辛さに違いが随分あります。

質問19:肉骨茶というのは茶ですか、それとも料理ですか?
答え:各種ハーブを加えて煮こんだスープに豚肉の各部位と野菜などを加えた料理です。福建人の始めたマレーシア華人料理といわれています。スープの味がその肉骨茶の味と人気を決めるほど重要ですね。

質問20:お勧めマレー大衆料理は何ですか?
答え:人とそれぞれ好き好きなのでこれは絶対という答えが出ません。イントラアジア個人としてはナシダガンかナシルマをお勧めします。

交通に関する事柄

質問21:バイク乗りが上着の背中部分を身体の前面にして着ていますよね、つまりエプロンみたいに上着を着るスタイルであり且つ背中部分でボタンやジッパーを締めない人も多いですね。なぜあんな奇妙な着方をバイク乗りはするのでしょうか?
答え:まず上着を普通に着ると、走行中に背中部分に風が入って身体の後ろ部分が膨らむから、その状態をマレーシア人のバイク乗りは好まないのです。もともとゆったりとした服装の好きなマレーシア人は上着もゆったりとしているので、風のふくらみはさらに大きくなります。2番目の理由は、皆がやるからそれを真似しているだけのバイク乗りも結構いると思います。

質問22:自動車には強制保険がかかっていますよね?
答え:そうです、毎年支払わなければならない道路交通税を支払う時に、自動車強制保険の加入または更新して保険料支払い済みが条件になっています。

質問23:一般に自動車はウインカーを出さずに右左折しますが、あれって違法ではないのですか?
答え:もちろん道路交通法上は違法です。しかしその程度で交通違反で捕まることはありません。だから半分ぐらいの車はウインカーを出さずに曲がります。

質問24:歩道橋があっても渡らない人が、特に若い子でも多いのはどうしてでしょうか?
答え:学校で交通安全思想の教育が十分なされていないので、そういう行為が平気で行われるのです。

質問25:歩行者用信号は大都市の人通りの多い限られた交差点にしかないのですね?
答え:そうです。一般道路にはごくごく少ないです。歩行者用信号が設置されている場合は、大都市の有名繁華街の交差点と交通の激しい道路に面した学校がある場所がほとんだと言えるでしょう。

質問26:国産自動車のProton車は同じクラスの車よりどの程度安いのですか?
答え:排気量はいっしょでも車の車種と仕様で評価が違いますから比較が難しいのですが、ProtonのSaga 1600ccの新型車でRM 4万5千 - 5万5千ぐらい、カローラの Altis 1600cc の新型車で RM 10万5千ぐらいといったところです。

質問27:一般に道路の最高時速は何 Kmですか?
答え:市内地では時速 60km、市街地を外れれば時速90Km になります。高速道路では最高時速 110Kmです。しかしいずれの場合も、場所と時期によって最高時速がそれ以下の速度に制限されます。

質問28:救急自動車を呼ぶ電話は何番ですか?
答え:999です。しかしこれは全国どこでも通用するとはとても言えません。なぜなら全国津々浦々に至って救急自動車網が出来上がっていないからです。

質問29:バイク乗りは一方通行道路を逆走行する、双方向通行の道路でも片側の端を逆方向に走る、歩道上を走るといったように、交通法規無視して走行していますが、なぜ警官は捕まえないのですか?
答え:もちろんそういった走行は違法です。しかし相当高速で逆送したり高速で歩道を走らない限り、まず交通警官は違反行為で取り締まりません。だから交通警官の目の前でもそういう走行は全く減らないのです。

参考:マレーシア道路安全研究所のまとめた統計です:
1万台当たりの交通事故死者数: 2009年 3.55人、1999年 5.83人
人口10万人当たりの交通事故死者数: 2009年 23.83人、 1999年 25.5
交通事故総数と交通事故死者数: 2009年 397330件で 6745人、 
道路交通庁の統計では、2008年にオートバイ乗りが交通事故死した人数は3898人でした。

質問30:自動車の外側に時々大きな"P"の文字が張られているのですが、あれは何ですか?
答え:日本で言えば初心者マークにあたるとも言えますが、違いがあります。"P"とは probationaryつまり試用という意味なので、"P"を掲げなければならない2年間は試用免許期間ということです。その間に事故や違反を起こしたことで減点数が規定の点数に達しなければ、手続きをすることで通常免許に変更できます。

スポーツに関する事柄

質問31:マレーシアで一番盛んなスポーツは何ですか?
答え:バドミントンです。

質問32:ではマレーシアがスポーツ種目の中で世界的に強い種目は何ですか?
答え:これもバドミントンです。そのために国民的に人気があり選手も多いのです。

質問33:マレーシアにプロサッカーリーグはあるのですか?
答え:あります。マレーシアスポーツ界唯一のプロリーグです。各州別にチームを構成しています。

質問34:マレーシアのサッカーは世界の中でどの程度の実力でしょうか?
答え:国際サッカー連盟の国別番付でマレーシアは2011年末は148位でした。
世界番付でマレーシアと同じくらいの国は、145位がシンガポール、トルクメニスタンが146位、サモアが149位。

質問35:陸上とか水泳で世界的に有名な選手はいるのでしょうか?
答え:いません。昔々確か一人ぐらいメダルを獲得した人はいたようですが(未確認)、80年代以降オリンピックでメダルを獲得するような選手は一人もいません。

質問36:若い選手を育てる英才教育はないんでしょうか?
答え:スポーツ専門大学はありません。ただスポーツ専門の中学校、つまり12才から17才までの生徒を対象にした中高学校が全国に2校あります。

質問37:英国人がもたらしたスポーツは今でも人気ですか?
答え:クリケットやポロはスポーツ種目として行う人の数からいえば極少数であり、大衆的に人気あるとはとても言えません。

質問38:寒い国でのスポーツ、例えばスキーとかスケートはスポーツとして存在していますか?
答え:スケートは大都市の有名ショッピングセンターの中にごくわずかですが屋内スケート場を設置している所があるので、一部の都会人にスケートは娯楽スポーツとして存在しています。しかしスキーは屋内スキー場がないので、どんな形でも存在していません。

質問39:ボーリングは人気ありますか?
答え:ショッピングセンターの中にはボーリング場を併設している所が案外多いので、手軽なスポーツとしてそれなりに人気があります。

質問40:スポーツ選手が芸能界デビューするようなことはありますか?
答え:少なくとも国のトップレベルであった選手が芸能界に転出したまたはそうして成功した例はありません(テレビ、映画などに顔を出したことはあります)。

果物に関する事柄

質問41:マレーシア人の一番こだわる果物は何でしょうか?
答え:マレーシア産、タイ産に関わらず、ドリアンでしょう。個人の嗜好によりますから、大好きな人も多い一方ほとんど食べない人も中にはいます。一般にマレーシア人はドリアンが好きと言っても間違いではありません。

質問42: マレーシア産で容易に買える果物にどんな種類があるのでしょうか?
答え:パイナップル、メロン、パパイア、スターフルーツ、ドリアン、バナナ、マンゴ、スイカ、ジャックフルーツ、ランブターン、ポメロ、などです。

質問43:ドリアンはホテルに持ち込めないって聞いたのですが、旅行者はどうやって食べればいいのですか?
答え:ドリアンの季節には路上のドリアン屋がいろんな場所に出現するので、そういう屋台店の中にはその場で食べる場を設けた店もあります。さらにスーパーでは中身だけをサランラップに包んで売っていますので、それをホテルに持ち帰ればいいのです。

質問44:マレーシアで採れない果物も一般的によく売られていますか?
答え:もちろんです。ニュージーランドのキイウイ、米国やフランスのリンゴ、中国のナシやリンゴ、タイのロンガンなどごく普通に安価に販売されています。

質問45:路上の屋台で果物を油で揚げているのをみかけますが、あれはお菓子ですか?
答え:そう一種のお菓子またはデザートですね。有名なのがバナナを揚げたPisang Gorengです。3切れで1リンギットぐらいが平均的な価格です。

質46:椰子の実をまるまる1個飲んでみたいです、どこでできますか?
答え:レストランでは瀟洒なタイプの椰子の実をメニューに載せている店もあります。また大衆食堂では大きな椰子の実をそのまま売っている店もあります。一番安いのは路上の椰子の実屋ですね。

質問47:果物を市場で買いたいのですが、誰でも買えますか?
答え:ごく一部の市場を例外として、伝統的な市場は一般消費者対象に果物、野菜、魚、肉などを販売しています。

質問48:果物ジュースが好きです、お店で簡単に飲めますか?
答え:大衆食堂や屋台街では生果物ジュースもメニューに加わっていますよ。

質問49:行楽としてミカン狩りとかイチゴ狩りのような概念はあるのですか?
答え:キャメロンハイランドでイチゴ狩りの看板を見たことはありますが、日本的な意味合いで多くの行楽客が参加するような果物狩りはありません。

質問50:ドリアンを除いて、日本ではまず食す機会のない果物の中で、誰でも美味に感じるだろう果物は何でしょうか?
答え:マンゴスチーンでしょうね。

ひとこと
続きである後編は今年の中頃までには掲載するつもりです。

-続編- マレーシアではプリペード携帯電話が簡単に利用できます

2012年02月26日 | マレーシア生活の案内と知識
マレーシアでは、外国人旅行者を含めて誰でも簡単に携帯電話用SIMカード兼電話番号がプリペード式で入手でき、同時に安価な携帯電話機がごく容易に買えます。

このことは当ブログの 2010年1月6日付け記事 『マレーシアで携帯電話機を買いプリペードで使用することは、誰でも簡単にできます』で、携帯電話機と携帯電話網(ネットワーク)会社の事情を紹介しながら説明しましたね。ご覧になっていない方は、まず先に目を通されるようにお勧めします。

コンピュータと携帯電話機器の分野は日進月歩の世界ですから、マレーシアでもこの分野は変化が著しいといえます。
上記のブログを書いて2年経った現在では、i-Phjone に代表されるスマートフォンが携帯機種にそれなりの比重を占めるようになりました。とはいっても一般携帯電話の方がまだまだ多数派なことに変わりはありません。

スマートフォンの普及に沿って携帯電話網を使ってのネット接続が盛になりました。これとは別にパソコン利用におけるインターネット無線接続も大いに増えました。
現今では、無線接続の進歩によってパソコンとスマートフォンにおける接続の違いが小さくなってきていることは、皆さんもご存知ですね。

そこでマレーシアにおける2012年2月時点での広い意味での携帯事情を今回の記事として書きますが、パソコン接続の分野にも多少言及します。

【3大携帯電話ネットワーク会社】
携帯電話網(ネットワーク)会社は 主要3社:Maxis, Celcom, DiGi が依然として市場の多数派を形成しています。

注:Maxis のプリペード電話は Hotlink というブランド名です。Celcom は Malaysia Telekom 翼下の会社でCelcom Axiata Berhad という社名です。DiGiはノルウエーの携帯電話網企業の子会社です。

Maxis: www.hotlink.com.my/
Celcom: www.xpax.com.my/index.htm
DiGi: www.digi.com.my/prepaid/

【後発の携帯電話ネットワーク会社】
加えて、独自のインフラを持たない携帯電話網会社として U-Mobil, TuneTalk などがあり、それぞれ独自の局番も持っています。

U Mobile: www.u.com.my/
Tune Talk: www.tunetalk.com/

注:U Mobileは大企業 Berjayaグループ翼下の会社です。Tune Talkは AirAsia グループ翼下の会社です。

なお2011年ごろから携帯局番3桁 + 電話番号8桁制になりました。そこで新しくプリペード携帯電話番号を買うと、大抵は 11桁番号になるようですが、10桁番号もまだたくさんその番号を表示して並べてあります。


マレーシアでどのくらいの携帯電話利用者があるかは Intraasia の『新聞の記事から』の2012年2月12日付け記事を載せておきましょう。

【マレーシアの携帯電話事情】
(この分野で大綱方針を決め監督する機関である)マレーシアコミュニケーションとマルチメディア委員会の公表報告によれば、2010年9月末時点における、携帯電話契約者数は 3325万人でした。(その頃の)総人口は2832万人でした。

携帯電話使用者の大多数である71.5%は保有台数が1個だけですが、2台分契約保有している携帯使用者は 23.9%を占め、3台分以上の契約保有者は4.6%になります

Intraasia 注:マレーシアで販売されている携帯電話はほとんど全てが Simロックフリーですから、携帯電話網運営会社の変更は簡単です。この記事で言及しているのは携帯電話契約者数であり、携帯電話本体の数ではありません。電話本体の数を数えるのは不可能でしょう。マレーシアの携帯電話事情の特徴は8割以上の契約はプリペード利用者です。

よって1人でいくつも契約することが可能です。規定としてプリペード番号を最初に買うときに、身分証明書またはパスポートの番号と氏名などを登録することになります、しかし実態は厳格に運用されていません。よってマレーシアコミュニケーションとマルチメディア委員会が全ての利用者情報をつかむのは不可能です。

プリペード番号は外国人の旅行者、労働者でも最低RM 10程度だせば簡単に登録購入できます。加えて安価な中古機市場も盛んです。数百万人の外国人労働者のほとんどが携帯電話を持っているのは、こうした背景があるからです。
以上

【どこでも手軽にトップアップできる】
どんな小さな町にも携帯電話とプリペードSIMカード販売店があります。クアラルンプールやペナン州ジョージタウンのような大都市であれば、あちこちの街角にある販売店以上に数多くあるのが、販売キオスクとも呼べる、ショッピングセンターの一角に設けたブースで商売している携帯簡易売り場です、これがまことに数多くあります。

プリペード利用者がトップアップの代金を支払う場合、コンビニでもATM機でもできますから、早朝から深夜までいつでもどこでもできます。
要するに、携帯電話とプリペードSIMカードを買った後、プリペード電話使用はまことに手軽に継続できるということです。

販売されている携帯電話機では、新品の場合下はRM 100弱から上はスマートフォンの数千リンギットまで種類は豊富です。メーカーは Nokia, Samsung, SonyEricson など。

中古機市場も盛んなので、携帯販売店や携帯販売ブースによっては中古機もちゃんと並べています。ただし高級なショッピングセンターにはまずありませんが、大衆的なショッピングセンターか街の携帯販売店や携帯販売ブースなら容易に探せます。

【携帯電話機購入時に縛り期間などありません】
ところでイントラアジアは大のパソコン派なので携帯電話は電話+SMS機能だけで十分です。これまで使っていた古い携帯電話機があまりにも古くなったので、今年になって新品を1台買いました。といっても旧型の小さな Nokia製携帯です。表示画面が非カラーなので、RM 100弱という安価な価格でした。電話機能とSMS機能だけを使うならこれで十分間に合います。

マレーシアの携帯電話は、iPhoneのような例外を除いてほとんど全て携帯電話網運営会社とは無関係に販売されています、つまり縛り期間というような契約はまったくありません。携帯電話機は純粋に機器だけの価格です。

【電話番号表示のSIMカードが売られている】
このようなことから、上記で述べましたように、外国人を含めて誰でも簡単に電話機を購入できます、しかもえり好みしなければ新品でも非常に安価に買えます。

携帯機を買ったら、次は携帯電話網会社を選んでプリペードSIMカードを買うことになります。携帯電話店舗では一般に電話番号を表示したSIMカードを販売していますから、番号にこだわる方はそういう番号を選らんで買うこともできますよ。

また例えば TuneTalk のように、電話番号を選べないSIMカードもあります。ちなみにIntraasia は昨年 TuneTalkに乗り換えた時、振り当てられた番号は局番+1500-XXXX というものでした。単に偶然に比較的覚えやすい番号でした。

マレーシアマイセカンドホームプログラムの調査兼体験時にマレーシアに半月、1ヶ月ぐらい滞在される場合、プリペード電話を購入しておけば、安価に日本と通話できますよ。そして本格的に滞在となれば、好みのちょっと高価なスマートフォンでも購入すればいいのです。

付録【モバイルインターネット接続サービスと無線ブロードバンド接続サービスの例】
携帯電話利用者はその加入会社の接続網を利用してインターネット接続できますから、各社次々とインタネット接続サービスを打ち出し、しばしば内容を変更しています。

携帯電話網会社 Maxis の提供するモバイルインタネット接続サービスの広告から
(国内で最大の携帯電話網会社 )Maxis が始めた新しいモバイルインタネット接続サービス -インターネットバリュープラン

インターネットバリュー75: 縛り期間なし、月額RM 75、 データ許容量 3.5GB
インターネットバリュー50: 縛り期間なし、月額RM 50、 データ許容量 1.5GB
インターネットバリュー48: 12ヶ月契約、月額RM 48、 データ許容量 1.5GB

無線ブロードバンド接続サービス提供の先行会社である、Packet One network (略称 P1) は2011年に契約者数を延ばし、38万人を超えました。契約者1人あたりの収入は(月間)RM 81とのことです。
そこで P1のパンフレットから引用しておきます。

ホームプラン -家庭内使用
Home 139: モデム込み、ダウンロード速度 5Mbps, データ許容量 30GB, 月額使用料金 RM 139、
Home 99: モデム込み、ダウンロード速度 2Mbps, データ許容量 15GB, 月額使用料金 RM 99、
条件:最初にRM 100、+外国人は保証金としてRM 100、12ヶ月以内に解約するとRM 200掛かる。