マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

中高年層における一人暮らし人口が多い現状の下、シェアハウスの選択肢を考えてみる

2013年07月04日 | マレーシア生活の案内と知識

今年のことです、日本へ行ったときに読んだ本(2013年出版の新書)に興味深い記述とデータが載っていたので、メモしました。このブログで書いている、論じていることに間接的に関係することだったからです。

【現代日本社会における中高年層の一人暮らしの多さを示す数字】

以下に引用するデータは、その本の中で資料として掲載されているものであり、”国立社会保障・人口問題研究所 『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』 2013年1月推計” と注書きされている。
なおなぜ将来推計かというと、その本では2030年と2035年の推計数字と図表を載せているからでしょう。しかし当ブログではそのような推計数字には用がないので、2010年時点における実データ部分から当ブログの主題に関係ある年齢層のみを引用します(つまり一部の年齢層だけを抜粋)。

年齢別一人暮らし世帯数 -2010年時点
45歳から49歳:98万人、 内訳(男 66.1万人、女 31.4万人)
50歳から54歳:93万人、 内訳(男 61.1万人、女 31.4万人)
55歳から59歳:113万人、 内訳(男 69.8万人、女 42.9万人)
60歳から64歳:135万人、 内訳(男 71.9万人、女 63.2万人)

一人暮らし世帯の総数:1678万人

年齢別にみた未婚・死別・離別者の数 -2010年時点
45歳から49歳:207万人、 内訳(男 112.9万人、女 94万人)
50歳から54歳:174万人、 内訳(男 93.3万人、女 80.2万人)
55歳から59歳:186万人、 内訳(男 94.3万人、女 91.5万人)
60歳から64歳:212万人、 内訳(男 91万人、女 120.9万人)

この4つの年齢層の合計人数:779万人
以上は 「超おひとりさま社会の消費と行動力(光文社)」 から引用。

45歳から64歳までの層で一人暮らしの人たちの合計人数は400万人を超える、全体の4分の1を上回る割合です。一人暮らしが当然多いはずの20代(20歳から29歳)の一人暮らし人数の333万人と比較しても、この層における一人暮らし数の多さがわかりますね。

ここで45歳から64歳を取りあげたのは、マレーシアマイセカンドホームプログラムではこれぐらいの年齢層を申請者の主たる対象にしていることだと思われるからです。なお、例えば40歳でも申請自体はできるが、当ブログでも詳しく説明してますように、50歳以上と50歳未満では適用される申請条件が違う。

注:詳しくは、『マイセカンドホームプログラムの規定・条件の一部文章改定に合わせた、訳文とその解説』 2011年3月3日付け記事をご覧ください。

【プログラムに夫婦で参加、一人で参加の間に、条件上基本的な違いはない】

マレーシアマイセカンドホームプログラムでは、配偶者を帯同する形で申請もできるし、一人だけで参加の形で申請することもできる。この2つの間に基本的な違いはないが、配偶者帯同の場合は資産計算に夫婦合算ができるなど多少の利点がある。

参考:流動資産において、申請者の資産とその配偶者の資産を合算してRM35万以上あれば、参加申請することができます。

さて上記のデータを見て、あらためてこの年代層における一人暮らしの数の多さを知りました。
マレーシアマイセカンドホームプログラムおいて、マレーシア当局は一人参加か配偶者帯同参加かの統計は一切発表していません。そういう統計自体を取っていないかもしれない。
そのため推定するしかありませんが、現在の日本社会における上記事実を考えれば、日本人参加者の中では一人参加の比率は有意水準を超えていると思われます。 さらにこれからマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加したい、参加を検討している方の間では、一人暮らしの方の比率はさらに多いだろうと推測されます。

そこで今回の記事は一人暮らしの方、及び未婚・死別・離別者の方で海外ロングステイに興味ある方を念頭におきます。 
未婚・死別・離別者の方は必ずしも一人暮らしとは限らないことはお分かりですね。しかし未婚・死別・離別者の方は海外ロングステイとなれば、ほとんどが一人参加になると考えられます。いうまでもなく一人暮らしの方は一人参加にならざるを得ない。

【円高時代が終わった現今の状況を考慮に入れる】

2012年の中頃円高が最高潮になった時期、1万円の両替でRM 400を入手するという為替相場”4.0”の時代は、もう当分、ひょっとしたら二度となさそうな現今の状況です。現在の為替相場を考慮すれば”3.0”を見ておくのがよさそうです、つまり1万円を両替してRM 300を得る。
これはかなりの減額です、初期費用などを別にしてマレーシア滞在の年間予算を120万円(月10万円)と仮定すれば、RM 4万8千がRM 3万6千になるということですから。

マレーシアに住む際の予算は、参加者それぞれの事情によって大きな幅があるのはいうまでもありませんから、平均幾らと仮に算出することができたとしてもあまり意味がありません。なぜなら、平均値より下の額でもマレーシアで暮らすことは十分できるし、そもそも自分の予算をそれ以上増やせない人が多いはずですから、その人またはその夫婦の可能な予算額で暮らしていくしかありません。

さて当ブログの性格上、予算月額RM 1万でも問題ないというような裕福層の方は対象にしていません。RM 100万を超える住宅不動産を軽く購入できる、または賃貸月額RM 7千、8千もするコンドミニアムに滞在するというライフスタイルができる方、を目指す方は、当ブログの内容にはほとんど興味が湧かないことでしょう。

当然ながら地区と立地場所と評判でかなりの違いはあれど、高級な部類のコンドミニアムの月額賃貸料は少なくともRM 3千、4千はしますから、これを1人だけで負担するのは、月額予算が少なくともRM 5千は必要なことは間違いないでしょう。

月RM 5千の予算なら問題ないという方もいらっしゃる一方、それはちょっと難しいから全く無理だという方まで、RM 5千に壁を感じる方も当然いらっしゃるでしょう。

【シェアハウス・ルームシェア】

さてそんなとき、いわばシェアハウス・ルームシェアも一つの選択ではないでしょうか。
どんな形であれ、どんな意味であれ、シェアなど考慮外という方に提案したり勧めているわけではありませんよ、誤解なきように。
あくまでも一人暮らしする人口の多さを前提に、当ブログ読者の中の一人暮らしする方たちを念頭に置いた、選択肢にはこういう形式もありますよ、という提示と捉えてください。

家の場合シェアハウス、コンドミニアムの場合はルームシェアと呼ぶそうですが、当記事ではまとめてシェアハウスと呼んでおきます。

マレーシアのアパート、コンドミニアム、土地付き住宅であるテラスハウスや準一軒家は、日本のそれに比べれば、間取りがゆったりし、1部屋の面積が広く、複数のバスルームが備わっています。都市部の中流ヤングアダルトを対象としたストゥディオタイプのコンドミニアムが近年建築されていますが、全体から見れば数はごく少数です。

注:なお当ブログの読者には低所得者層向け住宅、公営であれ民営であれ、は全く関係ないので論点には入れません。

リビングルームは20平米ぐらいあるのが普通です(それより狭いリビングルームの住居は候補から外せばよい)。つまり6坪はある。
マスターベッドルームは必ずバスルーム付です。他のベッドルームは、バスルームが部屋に付属していない場合が比較的多いでしょうが、部屋数の多いコンドミニアムや土地付き住宅、または高級なコンドミニアムや土地付き高級住宅であれば、(マスターベッドルーム以外に)バスルーム付のベッドルームが1つまたは複数ある住居を探すのは難しくないでしょう。

バスルーム付属ベッドルームが複数あることが必須条件
シェアハウスを考える時、バスルーム付属のベッドルームがマスターベッドルーム以外にあることが必須条件です。バスルーム付属のベッドルームであれば、個々の住人のプライバシーは最大限に保たれる。

キッチンとリビングルームも複数備えた住居となると超高級住居の部類ですから、当ブログの扱い範疇から外れます。 
高級コンドミニアムまたは高級土地付き住宅ならば、キッチンとリビングルームはほとんどの人にゆったりと感じられる広さです。キッチンとダイニングが1つの区切られた空間になっている住居仕様もあれば、キッチンだけが区切られた仕様もある。オープンキッチンタイプの高級住居もありますよ。

そこでシェアハウスする2人または3人が、いっしょにいても違和感を感じない広さのリビングルームを備えたコンドミニアムまたは住宅を選ぶ必要があると言える。(コンドミニアムでは最大限は3人、土地付き住宅なら最大限は4人ではないだろうか?)

プライバシーを保てるバスルーム付属のベッドルーム、充分広いリビングルーム、モダンなキッチン、さらに物置にも使える小部屋、こういう条件を備えた高級なコンドミニアムか土地付き住宅を探せばいいわけです。賃貸月額は当然高くなるが、2人または3人のシェアハウスですから、1人の負担分はRM 2千から3千の間で抑えられる。もちろんRM 1500でもRM 3500でも構わない、予算次第で探せる範囲が変わるだけです。

土地付き住宅の利点
理想的に言えば、土地付き住宅の方がシェアハウスにはより向いているでしょう。なぜなら2階建て、中には2階半建てもある、の造りですから、各ベッドルームは上階にあり、キッチンとリビングルームは地上階になるのが普通ですからね。さらに乗用車2台は駐車できる庭がある。
なおコンドミニアムでも駐車場での1ユニット(1世帯)の複数台駐車は可能です。中流層以上では自家用車2台保有の世帯は今や全然珍しくない。

かなり建築面積のある土地付き住宅に1人でポツンと住むより、シェアハウスした方が良さそうな場合もあるのではないでしょうか。 イントラアジアは土地付き住宅に住んだことはありませんが、仮に広めの土地付き住宅に住むならシェアハウスを選択肢にしてもいいかなと思います。

土地付き住宅は防犯上心配だという人は、クアラルンプール圏などで増えつつあるゲート付き住宅地を選べばいいでしょう。これはその住宅区画の出入り口で常駐の警備員が通行する車が住民の車であるかどうかを確認する仕組みです。その住宅区画に通じる道路を1本または2本に限定し、その他の道路との出入り口を封鎖してしまいます。 これは、完璧な仕組みではないがそれなりに防犯になると一般に捉えられている。
なおこういうゲート付き住宅区画は比較的新しい住宅地にあるのが普通です。

シェアハウスするのに適した条件を備えておれば、その住居形式はコンドミニアムでも土地付き住宅でも構いません、住む人が負担できる予算と好みの問題といえるでしょう。

費用分担は契約書式の形にしておく
もう一つ忘れてはいけないことです。シェアハウスする際に、いわばハード面だけでなく、ソフト面も大切だと言えます。
つまり、賃貸料、電気代、補修費など住むことに関わる費用をどう分担するかといったことです。決して口約束ではなく、事務弁護士(solicitor)に依頼して文書化して各自が署名するといった手続きを踏んでおくべきでしょう。当初は面倒で多少の費用は掛かるが、問題発生時の保険だと捉えて、どんなに親しい間柄であろうとこういう手続きを避けないことですね。

【後書きとしてのまとめ】

現代日本社会における中年層から高年層の間での一人暮らし世帯の目立った増加について、以前は知識として多少知っていましたが、この数年日本へ行ったときに読む、目にする統計数字や実状報道に触れて、知識を新たにしました(イントラアジアは日本国外では日本語のニュースや活字物は一切読みません)。

そこで海外ロングステイもそういう日本社会の実情を多かれ少なかれ反映することになると、見なしても間違いではないでしょう。

シェアハウスでは、シェアハウスすることでの問題が発生する可能性をもちろん推測できる、一方病気など困った時の身近な助け合い、コミュニケーション相手が身近にいるなどシェアハウスすることでの利点もありますね。さらに日本人コミュニティーが存在しないコンドミニアムや住宅街区で、数人の日本人とシェアハウスするというあり方は、イントラアジアの提示する下記のようなライフスタイルにも適していると言えます。

イントラアジアのブログは、日本人だけが固まって、例えばあるコンドミニアムの住人の7,8割を日本人が占める、といった海外ロングステイスタイルとは異なる、ライフスタイルを求めるまたは考えている人たちのためのブログです。

当ブログは以前から記事内で次のように強調しています:
”ロングステイ地ではその地のスタイルにできるだけまたはある程度は馴染もうとされる方、日本人コミュニティーと付かず離れずに暮らしたい方”、 ”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人” を応援します。 ”日本人コミュニティー内だけで暮らすつもり、暮らしたい”場合のことは扱いません。
21世紀の現代は携帯電話、スマートフォン、ネット接続パソコンを使えば、(隣近所ではない)離れている在マレーシアの日本人とも容易につながりは持てますよね。

今回のブログ記事ではシェアハウスというあり方を、マレーシアの住居事情を踏まえて論じました。シェアハウスの長所と短所をよく踏まえた上で、選択肢として捉えてください。



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