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マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

円安時代に月予算額として1人なら10万円、夫婦なら15万円で暮らす、マレーシアマイセカンドホーム生活

2014年09月09日 | 総論と分析と考察

円安時代ですね。外国為替市場ではしばらく前から1米ドルが100円を数円程度上回っており、外為チャートを見るとこの状態が既に1年前後続いている。
日本政府と日銀による円安政策の要因と、日本経済が持つファンダメンタルズの要因の2つがこの主たる理由のようですが、この先大きく円高に振れることは当分、いやこの先何年もなさそうです。

マレーシアリンギット(記号RM)の対日本円為替レートは米ドルに直接リンクしているわけではなく、円が対米ドルでいくらか円高になっても円対リンギットの為替レートが動かない、さらには幾分円安方向に移ることさえもある。しかしながら、大きな流れからみれば、円対リンギットの為替レートは円対米ドルの動きにかなり沿っているといえそうです。
例えば2014年9月上旬の外為レート
(マレーシア最大の銀行)Maybankで1万円を両替すると、日によって異なるが RM 296からRM 298.0 を入手する。

注:なおクアラルンプールの人気ある公認両替屋で両替すれば、銀行レートより幾分良いレートで両替できる、この場合では RM 300かまたはRM 300をかろうじて上回る。両替屋によってレートはかなり違うので、日本円に比較的良いレートをつける所を探すのがお勧めです。

【RM 4.0 の頃を期待するのでなくRM 3.0の時代を前提に暮らしを考える】

円が対米ドル為替レートで100円超になる前、つまり何年か前の一時期、対リンギットの為替レートで100円が RM 4.0にまでなったことがあった。この意味は10万円を両替してRM 4千を入手できたということです。そこまで円高ではなくても、対リンギットの為替レートで 3.5前後を移動していた時期がしばらく続いていた。

しかし今や対リンギットでも円安時代です。つまり100円=RM 3.0 の時代、10万円を両替してRM 3千しか入手できない時代です。

マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者と参加希望者は、この対リンギット円安時代を前提にマレーシア生活を考える、計画しなければなりません。
2014年下半期の平均的為替レートになるであろう 100円=RM 3.0 を基にして考え、計画していく。運よく対リンギットで円高に進めば、その増額分は臨時ボーナス的収入増と捉える。こういう生活プランが必要でしょう。

イントラアジアは以前の記事 『月額10万円に満たない年金でもマレーシアロングステイはできる』  -2011年07月28日付け(総論と分析と考察カテゴリー)で、「平均的厚生年金受給者の年金受給額つまり月額16万7千円の半分程度だという方の場合」を例にして、具体的に説明しました。あらかじめぜひ目を通してください。
その中でイントラアジアは次のように書きました:
「2011年7月の時点でマレーシアで1万円を両替するとRM 370前後入手できる」
「現時点で1万円を両替してRM 370を得られても、3年後にはそれがRM 300に目減りする可能性もあるし、・・・・」

まさに3年後の2014年中頃は1万円=RM 300になっている。まこと外為相場は人を悩まし、困らします、また時には喜ばします。

【1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500】

そこで今回の記事ではRM 300という為替相場を考慮して、きりの良い10万円の場合を例にしてみましょう。これは1人でマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加する場合ですから、夫婦で参加なら月額15万円の予算とします。

必要な費用面で、2人の場合は1人の費用の倍にはならないことは皆さんも同感されますよね。住居は2人の場合でも1人とほぼ同額またはやや上回る程度に抑えられるからであり、光熱費なども倍にはならない、さらに外食は別として、自宅で料理する場合でも倍にはならないでしょう。もっとも公共交通費のように倍になることもありますが。イントラアジアの推定で 1.4倍程度で済むかもしれませんが、ここではきりのよい1.5倍に設定します。

毎月の予算として10万円を両替する、するとRM 3000を得る。15万円の両替ではRM 4500となる。日本人にとって希望するまたは好ましい対リンギット為替レート時なら、RM 3500位またはRM 5250位は入手できました。RM 500/ 750 の差とはいえ、RM 3500/5250 とRM 3000/4500 場合ではこの差は結構大きいと言えます。なぜならRM 10万とRM 10万5百の差ではないからです。
従ってRM 500またはRM 750を節約する心構えが必要ですね。

さてここで当ブログは読者の皆さんにあらためて念を押しておきたいことがあります。そこでまず、『マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ』  -2012年06月23日付け( 総論と分析と考察)をクリックしてお読みください。 

その中で書いた一部を抜粋して再録:「こういう出版物に晒された読者すなわち旅行者は知らず知らずにその作られたイメージが本来の姿またはあるべき姿だと思い、また期待して旅行する。
ロングステイ希望者・関心者も似たような過程を経ていることだと推測できます。
マスコミや業者・団体の作り出すイメージに大いに従いたい、イメージどおりでなければならない、と考える方ももちろんいらっしゃいます。それは個人の自由ですから、これもイントラアジアの関知するところではありません。
一方当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログです。」以上

月予算10万円または15万円ではとても十分な額とはいえない、20万円以上または30万円以上の予算を用意できるという方も当然いらっしゃいます。もちろん、そうであれば結構なことで、当ブログがそれをどうこう言うことはありません。

今回主として対象にしているのは、あくまでも月予算10万円または15万円程度の方たちです。もしくはこの金額より幾分少ない額でも、現実として暮らすことは十分可能です。

日本円を表示しましたが、それは両替の目安としてであり、マレーシア生活の際にいちいち円換算する必要はないし、そういう思考は止めるべきです。
以前にも説明したように、1万円とRM 300のそれぞれの国における価値は大いに異なるからです。できるだけリンギット(RM)で物事を捉えるようにしていってください。

【ある程度の妥協心を持って家賃を抑えることがまず鍵になる】

日本において、自家を所有しているため家賃や住宅ローンを払う必要のない方なら、この金額で暮らしていくことはできるでしょう、もちろん贅沢な暮らしは無理だとわかります。

マレーシアで考えます。現在の相場の下で住宅を購入するには、日本円で2千万円近くは必要なので、ここでは自家所有ということは考慮外とします。
学生や若年層向けのルーム賃貸ではなく、世帯向けとしてのユニット(1戸)の賃貸を当記事では想定しています。

そこでコンドミニアムであれ一般住宅であれ、いかに家賃を抑えるかが鍵になります。
家賃RM 1500前後の住居はいくらでもあります。マレーシアの相場でいえば、中の中くらいですから。 

当ブログでは既に皆さんご存知のように、 『クアラルンプール圏またはペナン島の住宅写真と地図の連載、 シリーズ』を掲載してきましたし、これからも続けていきます。それらの記事で載せている写真と地図が示しているように、実に多くの地区にコンドミニアムが数多く建っています。

要するに、例えば住むのはM地区でなければならない、B地区に限るといったこだわりをお持ちでない限り、選択は十分にあります。
「当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログ」ですから、読者の皆さんの中には、こういう特定地区に固執される方はいらっしゃらないことだと思っています。

1人で住むのに適しているであろう賃貸料RM 1000から1500、夫婦で住むのに適しているであろう賃貸料RM 1500から2000のクラスのコンドミニアムまたは中級以上のアパートは、誇張ではなく一杯あります。
いろいろと探してみることをしないで、誰々の話とか日本の雑誌や本に載っていたからといったごく限られた情報で全てを判断しないことです。

”1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500”という前提条件の下では、当然妥協心は必要です。予算がこの額の倍の人たちと同じ基準で住居探しができないことはいうまでもありませんね。

土地付き住宅の場合は、マレーシア国民が一般に求めるのと同程度の安全要件を満たしていることが必要です。多少賃貸料が安くても治安面で問題が起きやすい地区は避けるべきです。そういう情報は該当地区の住民や店の人に直接聞くのがお勧めです。もちろん不動産紹介の代理業者の話も参考になる。
仮にその程度の会話もできなければ、日本人だけが集まったコンドミニアムに住むしかないでしょう。あいにく、既に何回も言明していますように、当ブログではそういう範ちゅうは扱う対象にしていません。

コンドミニアムの場合は、一応壁に囲まれ守衛がいるので、住居への空き巣被害などが起きることは稀でしょう、反面コンドミニアム施設などの面がきちんと管理されているのかどうかが、判断の要因になります(もちろん賃貸料が最大要因です)。

とにかく、ご自分の予算内に収まり且つ自分がそれなりに気に入る住居を探しましょうということです、この意味は、代理業者に問い合わせて物件を見せてもらうことを大いに利用すべきです。物件を見るのは無料ですよ。

プログラム申請の際、下調べとして多くの物件を見てある程度決めておく、またはマレーシアに来て、短期滞在向けのコンドミニアムまたは中級以下のホテルに滞在しながら探して決める、という方法も取れます。こういったことは当ブログの以前の記事で詳しく書きました。
参考:『住居候補探しや下調べでマレーシアに短期滞在する方法とそのためのアドバイス』 -2013年1月5日の記事 -をクリックしてご覧ください。

【想定した予算における住居選びの主たる基準として何を考慮すべきか】

マレーシアでは、一般的に50平米以下の狭い住居はあまりありません。低所得層向け住宅でも50平米ぐらいはあるでしょう。もっとも低所得層向けの公共住宅は外国人は入居でない定めとなっている。

住居の広さについては、1人または2人で住む際に床面積100平米超は必要ないでしょう。いや広い所に住みたいからと100平米超の広い住居に憧れる方は、当然予算が少なくとも数割は余計にかかることになる。でもこういう点は妥協が必要ですね。

土地付き住宅の場合、非高級な1階建テラスハウスであれば、RM 600程度で賃借できる。2階建てテラスハウスならそれより数割賃貸料が上回る程度です。しかし賃貸料だけで住む場所は決められません。要はその住宅がある地区、場所が非常に重要です。

高架電車LRTまたは Komuter電車の路線が近くを通っているような場所ではなく、バス便しかない、それも主要バス通りから離れているため、ある1つのバス番号の路線だけしか通っていない、だから1時間に1本程度の頻度ということになる。

こういう地区・場所は自家用車を保有していないと相当不便です。バス便が1時間に1本と言ってもマレーシアの公共バスですから時間通りに運行はされないし、日曜は本数はより少ないし、夜間は早い時間に運行が終わる。ということで、賃貸料RM 500から700程度の非高級テラスハウスであっても、自家用車がないと生活自体がたいへん不便になってしまうことを、覚悟しなければなりません。
これはマレーシアマイセカンドホームプログラム滞在者にはまず選択外となることでしょう。

プログラム滞在者の生活スタイルを考慮すれば、賃貸料の比較的安さを求めて郊外のかなり不便な住宅地に住むというより、生活の便利さを考えて、都市部内かまたは都市部周辺の地を選んで公共交通の便利さを重要視されることになるではないでしょうか。

全く別の選択肢として、都会ではなく地方都市さらには地方の農村を選ぶという選択ももちろんある。そこでこの2つの選択を先に考えてみましょう。

【地方都市暮らしをされたい場合】

地方都市、ここでいう地方都市とは、ペナン州のジョージタウン、マラッカ州のマラッカ、ペラ州のイポー、ジョーホール州のジョーホールバルといった各州の中心都市を指すのではなく、州のある地方の主たる町を指す。市とか町というのは行政上の名称なのでここでは定義しません。 こういう地方都市であれば、複数の銀行があり、商店街がある、モダンとはいかないがスーパーマーケットもある。もちろん伝統的な市場(いちば)は必ずある。

あわただしく常に喧騒に包まれた大都市の生活を好まない方には、地方都市の生活が気に入ることでしょう。地方都市ではコンドミニアムは建っていないことが多い、例えあってもごくごく少数なので選択はまずない。しかしリンクハウスやショップロットハウス、準一戸建てといった選択はかなりある。当然ながら大都市より物価は幾分安いので、住居費も割安となる。

町から遠くないところには田舎が広がる、または海岸や漁村や山などがある。都会の確かに便利で華やかなしかし全てにお金のかかる娯楽レジャー生活は望むべくはないが、結構身近な所に自然が広がり、いささかのんびりとした地方都市生活は、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者にもっと注目されてもいいかもしれません。

なお地方都市生活を考慮される方で持病などの健康問題を抱えた人は、医療サービス面をよく調べてから決定すべきです。
地方都市にももちろん、私立医院は複数あって医院にかかること自体に困ることはないでしょうが、こういう医院は一般内科(GPと呼ぶ)であり、専門医ではない。全国の町以上の規模の地方都市には、公立(国立)医院が必ずあるが、こちらも一般内科医だけです。

マレーシアではそもそも専門医が日本ほど多くない。大都市であっても、整形外科、耳鼻科、胃腸科といった専門医院としての開業はごく少ない。多くの有名な大中病院に専門医が集中している。そしてその医療費は相当なる高額である。

こうしたことから地方都市では専門医自体がごく少ない、故に専門医院は皆無でしょう。必然的にその地にある公立(国立)病院へ行くことになる。地方都市には私立病院がある所もあるしない所もある。当然ながら種々の専門科を揃えた大きな私立病院にはなりえない。
参考:この点は 『マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明』- 2013年05月19日付け記事 で論じましたので、クリックしてご覧ください。

そこでその対象となる地方都市の国立病院で、持病を抱えた方が納得できる程度に対応してもらえるかどうかをあらかじめ確認しておくことは大切なことです。人それぞれによって病気の程度と納得する基準は異なる。ある人にとって満足できてもある人には満足できないこともある。大都市であれば、仮にA有名私立病院での診療に不満であれば、B有名私立病院に替わるという選択ができる。
しかし地方都市では、全てではないが大体において、その地の国立病院しか選択はありません。

既に決めている意中の地方都市がありそこに住むつもりだ、地方都市暮らしの選択は考慮外だ、という方は別にして、全国に数ある地方都市から気に入った地を選ぶのは多少時間がかかるはずです。

そこで地方都市生活を希望される方には次のような方法があります:マレーシアマイセカンドホームプログラム参加の第1年目は大都市に住む、そして半年以上かけていくつもの地方都市を訪れて下調べし、気に入った地方都市を決める。日本からマレーシアの地方都市の具体的なことを知らべるのは不可能ですが、クアラルンプールまたはその郊外に住みながら、地方都市を訪れることは比較的容易ですからね。その上で、2年目に決めた地方都市へ転居する。この方法はずっと現実的ですよ。

【田舎暮らしをされたい場合】

次に田舎暮らしの場合はどうでしょうか。 日本では定年・引退後は田舎生活に憧れる方は少なくないそうですね。イントラアジアはたとえ趣味としてであれ、庭で作物を育てたり、畑を耕したり、漁をしたりの経験はないので、田舎生活を論じることはできません。イントラアジアにとって田舎はあくまでも旅の中で訪れる地となっている。

マレーシアで田舎暮らしを目指される方は、それなりの経験があるかまたは強い意欲をお持ちのことでしょうから、イントラアジアとしてアドバイスできる点は以下のことです:

・マレーシアは田舎と都会の差が非常に大きな国です。現代日本では田舎へ行こうとコンビニはあり、社会インフラは整備されているはずですが、マレーシアではそれは期待できません。

・医療面はほとんど期待できない、小さな公立医院があるぐらいでしょう。ですから多くの場合は、公立病院があるその地方の主たる地方都市へ通うことになる。

・農地は賃借できても、購入できません、外国人は農地を買えない法律上の規定がある。

・その町の市場で買える材料で、料理して食事することを意に介さない気持ちがある。

・暮らしの中で車、最低限バイクの保有は必須です。

以上の点を踏まえて田舎暮らしを選ばれる方には、きっと素晴らしい、満足のいく生活になることでしょう。

【都市生活はやはり便利だが物価は高くなりがち】

さて都市での生活に戻ります。
大都市で暮らす生活よりも、地方都市で暮らす生活は一般的に物価が安くなるのは上記で述べた通りです。しかしながら同じマレーシア国内ですから物価の上昇潮流は変わりません。

2014年8月16日付け『マレーシアの新聞の記事から』を引用します:
「2014年の国内での消費者物価指数を見ると、第1四半期は 3.4%、第2四半期は3.3%の上昇でした。中央銀行Bank Negara総裁は、今年の消費者物価上昇率は 3%-4% になるとみている、と語る。」

消費者物価上昇率が3%を超えるというのは、2014年だけのことではありません、マレーシアの近年の傾向です。3%超という率は、4、5年位の期間でみるとかなりの物価上昇を実感する。消費者物価は、所得が低い層になればなるほどその上昇の影響を直撃するのはどの国でも同じですから、1人滞在で月10万円=RM 3000、夫婦滞在で月15万円=RM 4500という、この記事における想定者の場合も、じわじわとその影響を必ずや感じてきます。

追記:政府は2015年4月から物品サービス税、いわゆる消費税、を導入します、その税率は6%です。生活に必需な食品とサービスには税は掛からないと政府指導者は言明していますが、詳細はまだ発表されていません。
物品サービス税のような包括的な税は、中流層から低所得階層まで広く実際の影響を感じることになるであろうことは、読者の皆さんも同感されるでしょう。 以上追記

外国為替レート変動に直接さらされている、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者ですから、物価上昇率がこれ以上高くならないことを願うしかありません。

具体的にマレーシアの消費物品の価格はどれくらいだろうか、という読者の皆さんの興味に答えたのが、2013年10月01日付けで掲載した 『スーパーの広告でみる一般消費商品の画像と価格 』 記事です。クリックして開き商品の写真と値段をじっくりご覧ください。上記で書いたように、換算せずにリンギットで捉えるようにしましょう。

1人滞在で月10万円=RM 3000、夫婦滞在で 月15万円=RM 4500という想定者の場合、1  に住居賃貸料を総予算額の50%以下にする、2 に娯楽レジャーは余裕が出た時に限る、3  に食費関係の出費を抑え気味にする、これがまず大切なことでしょう。

1人滞在の場合、家賃をRM 2000にすれば、残りはRM 1000ですから、レジャー費などはまず捻出できない、RM 1000という額は食費関係と光熱費と外出に伴う公共交通費をまかなえるが、それ以上は苦しいでしょう。
ここは家賃をRM 1500位までに抑えて、いくらかの毎月の余裕を持たせる方がいいように思われる。 2人滞在の場合、RM 4500あれば1人予算よりも多少余裕があるでしょうが、家賃をRM 2千数百程度までに抑えないと、娯楽レジャー費などが捻出できなくなる。

【医療費の出費と保障の有無に気を付ける】

ここで注意しておかなければならないのは、医療費です。上記の『マレーシアの医療:公立医療施設と私立医療施設の説明』で説明しましたように、公立の医院へ行けば確かに安価に済むが、そのためにはかなりの忍耐と言語力がより必要です。

私立医院なら、軽い風邪や下痢でも1回の診察 RM 50を超える、医院や症状によってはRM 100近くになる場合もあるでしょう、さらに私立病院では専門医の診察は薬代を含めて1回の診察で数百リンギットは予期しておくべきです。

日本で加入した旅行者・滞在者保険でどこまで保障されるかです。手術後の事後通院は別にして、一般的通院治療はまず保障されないのではないでしょうか。さらに歯科の場合も保障されませんよね。
日本の国民健康保険が被保険者の全ての国外治療を保障してくれるようになっているとは思えません、自治体によっても適用の審査と基準に違いは出てくるのではないでしょうか。

入院手術というような場合は、日本で加入した旅行者・滞在者保険がカバーしてくれるが、こまごまとした必要経費は全てをまかなえない。そもそも手術というような場合は、日本へ戻って受けることを選択される方がほとんどでしょうし、イントラアジアもそれをお勧めしますので、ここでは問題とはなってきません。

問題は軽い病気や体調不良で医院や病院に時々かかる場合の医療費は、保障されないゆえに、俗な言葉で表現すれば”ばかにならない額になる”ということです。
そのためには毎月ある程度の額を手元に残しておくしかないでしょう。その額を娯楽レジャー費に使うか、医療費に使うかは、滞在者次第です。

【実際の可処分所得額を考慮すれば、想定額は低所得額とはならない】

統計面からいえば、月 RM 4500という額は、マレーシアの平均世帯月収入 RM 5900(2014年上半期の調査における仮発表値)よりも低い。なお州によって格差が大きいので、ある州ならこれぐらいが平均世帯収入となる。
しかし平均値よりも参考にすべき値は中央値ですね、それは収入のような統計では中央値のほうが平均値よりも優れているからです。
同じ調査・仮発表での世帯月収中央値は RM4258です。

この中央値を基に且つイントラアジアの経験を加えて評すれば、 1人で滞在 月10万円=RM 3000、夫婦で滞在 月15万円=RM 4500 という予算は、マレーシアの生活水準から言えば、特に悪くはない額です。

なぜなら、第1にマレーシアは平均世帯人員数が4人から5人の間にあること (約4.2人とのこと)、第2に日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者の間では子供の養育費や教育費を支出することはごく少数派のはずだからです。第3に一般国民(マレーシア人)と違って将来に備えて蓄える必要もない。つまり世帯人員数 4.2人よりずっと少ない1人のまたは2人の必要経費・費用に全てを回せるからです。

とはいえ、想定額は悠々自適で贅沢な暮らしを享受する額とは言い難い。高級な住宅に住み、高級車に乗り、しばしば高級レストランに足を運び、時には国内外のリゾートに滞在する、というような、画にかいたような優雅な引退生活が全く無理なことはおわかりですよね。

この予算額の暮らしは、(精神的贅沢ではなく)経済的贅沢とは無縁の、しかし経済的にはマレーシア国民の低所得階層の悩みとはかなり無縁の、生活になることでしょう。ただし病院にしばしば通うような状態となれば、それはまた別です。

【マレーシア暮らしで生ずるであろうメリットとデメリットをできるだけ認識しましょう】

では日本での地方都市暮らし、田舎暮らしと比べて、マレーシア暮らしはどういうメリットが感じられるのか、または何を期待されているのか、これが大いに重要な要因になります。
このブログをご覧になる皆さんの間でも、マレーシア生活に期待されること、イメージされることはそれぞれ異なるはずです。この予算額でできること、できないことをそれなりに理解されたうえで、この予算額でマレーシア暮らしするメリット、期待、目的をしっかりと認識されることが必要だと思います。

イントラアジアは前にも書いたように、マレーシアマイセカンドホームプログラムに興味ある方にマレーシア暮らしをお勧めします、ですから2009年以来このブログで膨大な文章を書いてきました、しかしマレーシア暮らしをするようにと説得はしません。


マレーシアマイセカンドホームプログラムの変節と参加条件の改正を考察する

2013年12月01日 | 総論と分析と考察

2002年から始まったマレーシアマイセカンドホームプログラムは年を経る中で多少変節してきました。
これは最近になって初めて起きたことではなく、2000年代の中頃にも起きた。そしてその変節の背後にはプログラム当局側及び各国の申請者側の双方の要因があると言えます。

読者の方々は、当ブログの記事 『マレーシアマイセカンドホームプログラムの2013年9か月間の新規参加者数』 の最後にあるイントラアジアのコメント部分を再度ご覧ください。
2003年から2005年にかけて中国またはバングラデシュからの新規参加者数が驚くほど増え且つ新規参加者総数の圧倒的多数を占めた数年間の後、プログラム当局は申請条件と規定を一部改正した、つまり厳しくした。

そして2011年から既に兆候が現れていた中国と日本の2か国による新規参加者の半数を占める寡占状態、そして今年2013年は中国1か国による新規参加者数が3分の1も占めるという状況が起きている。
本来の狙いとは幾分またはかなり違う形の新規参加者が増えているであろうことが、この急増を反映した推移及びマレーシアマスコミの報道、とりわけ住宅不動産業界に関連したニュース、から推測できます。

後述するように、住宅デベロッパーのような業界はこういう現象をなんら問題視せずむしろ歓迎しているかもしれませんが、マレーシアマイセカンドホームプログラムの本来の理念と観点から捉えたら、決して好ましい現象とは思えない。

観光省及びマレーシアマイセカンドホームプログラム当局がこの状況を傍観しているとすれば、マレーシアマイセカンドホームプログラムは本来の理念を失いかけたまたは理念を変えたプログラムと言ってもいいでしょう。

注:本来の理念とは、定年などで仕事または事業・商売を引退して老後を自国ではなく他国で過ごす、裕福な外国人をマレーシアに引き付けようというもの。


【プログラムの変節を起こしている様々な要因】
では説明していきましょう。いくつかの点をあげます。

1. 現在の申請条件には依然としていわば瑕疵がある。

申請条件の中から抜粋しますと、例えば:
「50歳以上の申請者は、流動資産が RM 35万あり及びマレーシア国外を源泉とする月収が RM 1万あることを示す条件に適合しなければなりません。
申請者は経済状況の証明として現在の預金口座の認証謄本を提出する必要があります。そのために直近3ヶ月間の口座取引明細書を提出し、その際各月の口座残高が RM 350,000 (35万リンギット)を下回らないことが必要です。」

この条件では、たった3か月間の口座取引証明で足りる。この短い月数であれば、誰かから金を借りて一時的に口座に入れておくことができる人またはそうする人はいるだろうと、考えても可笑しくない。そういう方策が難しくない国は世界には間違いなくあるでしょう、どことは言いませんが。

2. 前にも書いたように、マレーシアマイセカンドホームプログラムの公開されている規定と条件は詳細には書かれていない、保険証券のように規定を網羅したものではない。

参照:『マレーシアマイセカンドホームセンターで質問した結果明らかになったこと - その3』- 2012年3月11日付け記事内で次のように指摘しておきました:
「なぜなら公式サイト及びその発行文書は緻密な条件・規定を網羅したものではなく、世界各国からの申請者・申請希望者に対して最大公約数的に対応するためのものであり、運用上はマレーシアマイセカンドホーム当局内の審査委員会が審査して判断するというあり方です。」

だからイントラアジアは2011年から2012年にかけて、何回もPutrajaya にあるマレーシアマイセカンドホームセンターに足を運び、細かな点を問いただして、その内容を当ブログで書きました。

3. プログラム当局が参加申請を審査する際、審査のぶれがあるまたは起こりえる。これはプログラム開始時からのことです。

参照:上記の『マレーシアマイセカンドホームセンターで質問した結果明らかになったこと - その3』記事でさらに次のように指摘しました:
「経時変化としての審査のぶれもあるまたは起こりえるでしょう。また申請者の国籍は様々ですからその個人事情とお国事情は異なる、よってその申請書類の記載内容において微妙な点や条件・規定で触れていない点をどう判断するかは審査委員会にかかっています。」

4. 外的状況の変化がある。
マレーシア国内と国を取り巻く状況は、当然年月とともに少しずつ変化している。
つい最近マレーシア政府は、外国人が購入できる住宅不動産の最低価格をRM 100万に引き上げると発表した。 これは国内における中高級不動産市場の過熱気味の状況を鑑みたものである。参照:『マレーシア政府が実施する/した、中高級住宅不動産市場に対する3つの過熱抑制策』 -2013年11月6日付け記事をご覧ください。

5. マレーシア政府及びプログラム当局自体が、この10年の間に申請条件と滞在規定を変更または拡充させることでプログラムに参加する対象層を広げており、本来の理念は既に建前化しているかのように思われる。
要するに、プログラム参加条件さえ満たせば、誰でも歓迎という態度になっている。

6. プログラム新規参加者に本来の参加者像とは異なる像が増えていることが推測される。注:この点に関しては下段で論じます。


こうした要因とこの数年の新規参加者の傾向を基にすれば、そして当局になんらかの問題意識が起これば、近い将来マレーシアマイセカンドホームプログラムの条件と規定に多少の見直しが浮かびあがっても、不思議ではない。なぜならプログラムの条件と規定はこれまでにも変更されてきたし、変更一切不可なものではないからです。

あくまでもプログラム当局と観光省のトップが近年の新規参加者の状況と傾向をどう捉えるかに大きく掛かっている。同時に政府指導者がマレーシアマイセカンドホームプログラムをどのように発展させていくかの方針を変えるかどうかによる。

よって外部の者があれこれ推測しても、結局のところはごく少数の意思決定者の判断次第です。プログラムの条件と規定の改正に関する推測はあくまでも外部者の推測にすぎない。

【プログラムが本来想定したのとは異なる参加者像を持った人たちの増加傾向が推測される】

2003年から2005年にかけて及びこの数年のプログラムの新規参加者の像を推測すると、恐らく、プログラムが本来想定した人たちとは違う人たちがかなり混じっていると思われる。 

ところで住宅デベロッパー業界は、高級住宅を購入する層としてプログラム参加者の一部に大いに期待している。住宅デベロッパーと不動産代理業者にとってプログラム参加者は高額物件の購買可能客たることを望まれている。州政府幹部や連邦政府幹部の中には、デベロッパーと同じような観点を述べる人たちも珍しくない。
イントラアジアは長年マレーシアを観察している専門者ですから、こうしたマレーシアマスコミ上での発言・記事をよく目にします(日本語の二次情報は一切関知しません)。

要するに、マレーシアマイセカンドホームプログラムとはいったいどういう人たちを主たる対象とするのかの理念がぐらついている。

高級な住宅に投資するために、何か別の目的で長期滞在するために、ビジネスを立ち上げる方策の一つとして、参加するひとたちをより増やしていくことで、プログラムを変節させる、または拡大していくのか? それとも引退・定年者の第二の我が家プログラムに徹するのだろうか?
マレーシア当局は現状を追認していくのであれば、それも一つのあり方ですから、理念を変更しそれをはっきりと打ち出すべきです。

【参加条件の改正と審査基準の見直しはこれまでにもあったし今後もあるだろう】

第3者としてイントラアジアはこのように観察し、捉えています。しかしながら、どういうあり方が良い、良くないを論じてもあまり意味がありません、マレーシア指導層とプログラム当局のトップが判断したものを、プログラム参加者・参加希望者側はそのまま受けいれるしかないのです。その一方、検討した結果参加しないという選択も当然ある。

なお当局によって参加条件と規定が見直されれば、その新たに打ち出された条件と規則に対してまた何らかの抜け道探しも始まることでしょう。これは全然不思議ではありません、なぜならどんな世界にもこの種の外国人優遇政策を本来の目的外で利用しようとする人はいるのであり、同時にプログラム代理業者はビジネスチャンスとして捉えていることから、プログラムの理念などどうでもよいだろう。

日本人の参加希望者にとって、近い将来プログラムの参加条件などが変更される、内部の審査基準に見直しがある、かどうかが気になるのは当然でしょう。ただ上記で強調したように、しょせん決めるのはあくまでもマレーシアのごく少数の意思決定者です。これはマレーシアの政治や官僚システムの常である。そのごく少数意思決定者がどのような決定を下すか、今の段階で事前にわかるわけはありませんね。


住居候補探しや下調べでマレーシアに短期滞在する方法とそのためのアドバイス

2013年01月05日 | 総論と分析と考察

当ブログでは、マレーシア生活における基本的なまたは必須の知識と情報及び常識を、2009年以来20題近くの記事タイトルで書いてきました。例えば:

・自動車運転免許証をマレーシアの免許証に書き換えるのは簡単です
・マレーシア生活における光熱費を計算してみましょう
・マレーシアで携帯電話機を買いプリペードで使用することは、誰でも簡単にできます
・マレーシアと日本の物価比較はそれほど簡単にはいきません
・歯医者とマレーシア医療制度のお話
・一つの判断材料にすぎない、マレーシアの犯罪率のこと
・公益事業体の公共料金請求が巻き起こすトラブルは避けられない
・マレーシアに住んでも自治体役所には届けません
・生鮮食品の買い物に市場(いちば)を選択肢に加えてみませんか

などです。当ブログのカテゴリー欄から 『マレーシア生活の案内と知識』 をクリックして、ゆっくりお読みください

これらの記事はイントラアジアの実生活・行動と信条を基にして書いた、全て実証的であり且つ実践的な内容です。

さてマレーシアの住宅に関しては、上記とは別のカテゴリー『マレーシアの住居知識と情報』で既にかなり詳しく書いてきました。とりわけ最近はこのカテゴリーの内容をさらに充実させています、そして2013年も続けていきます。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加して住む/長期滞在する、またはプログラムに参加せずに住む/長期滞在する(これが可能なことは既に説明してあります、もちろん制限される面もある)その前段階で、マレーシアの居住希望地で住居の候補探しをされたい方は、少なくないことでしょう。また住居のことを確認してからプログラムに申請するつもりの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

『マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ』-2012年6月23日付け記事 の中で、次の一節を書きました:
富裕な外国人買い手を期待する不動産デベロッパーや不動産エージェント、高い費用を払わせるマレーシアマイセカンドホームプログラム代行業者を喜ばせたくない、喜ばせられない日本人の方も少なくないはずですよね。

イントラアジアのマレーシアマイセカンドホームプログラムブログはまさにそういう方たちのために製作しています。

そもそもイントラアジアが長年書いて発表してきた内のかなりの割合は、旅行代理店に頼らずにいかに自由に旅・行動をするか、(日本人コミュニティーでなく)マレーシア社会で暮らすための知識と情報、マレーシアをより知るための知識と考察、といった内容からなります。
以上

当ブログの主対象は、全ては無理でもできるだけ、自分(たち)で行動したい・試みたい方、行動する・試みる意欲を持っている方です。

そこで今回の記事では、そういう方たち向けにマレーシアの住居候補探しまたは下調べの方法について書き、アドバイスも添えます。

【住居探しや下調べに費やしたい日数】

住居候補探しまたはマレーシア生活の下調べのためにマレーシア訪問される際、その期間が少なくとも2週間、できれば1か月くらいは必要ですね。1週間程度ではいかにも不十分だと言えます。

もちろん2か月、3か月と滞在期間が長ければ確かにより良いですが、これを前提にすると実行できる方は極めて少数になってしまうはずです。
そこで1か月ぐらいを目安にして話を進めます。

 コンドミニアムまたは高級アパートを1か月程度借りる方法

1か月滞在ならコンドミニアムかアパートを賃貸するという手もあります。
『マレーシアの住宅市場を知る一助としてたくさんの広告を取り上げてみた』記事シリーズの中に載っている住宅広告の中にも、短中期の賃貸をする物件があります。それらは単なる例示ですから、たくさんあるとは言えませんが実際はもっとあります。

1か月程度だけ賃貸するコンドミニアムまたはアパートのオーナーはいます。中には 1,2週間、または数か月というような中途半端な期間でも貸すオーナーもいます。

全ては供給者側の意向次第ですから、短期間または超短期間でも貸して収入にしたいというオーナーがいてもおかしくありません。需要者(借り手)が運よくそういうオーナーを見つければ、それに越したことはないでしょう。しかし現実にはなかなか思い通りにはいかないことも想定しておくべきです。賃料は幾らでも気にしない、どんな場所・ユニットでも構わないという人は別にして、例えば賃料が予算オーバーだ、場所が不便すぎる、候補ユニットが気に入らない、などの理由が生じるからです。

【具体的な探し方】

1.不動産広告ページ(新聞、ウエブサイト)の中から、これといった物件に書かれている電話番号(仲介斡旋業を営んでいる個人または会社の電話番号、時にはオーナー自身の電話番号)に電話して、要件をはっきりと伝える。

注:こういう時に日本の携帯を使っていたら極めて高くつく。ですから当ブログの別記事で既に説明したように、マレーシアで安価な携帯を買い、プリペード利用することをお勧めします。電話機 + プリペードの予算はRM 150から200あれば十分です。マレーシアでは携帯利用者の8割強はプリペード式です。プリペード登録に定住所など不要であり、もし聞かれたらその時泊まっているホテルの住所を書いておけばよい。

2.一般に代理業者はいくつもの物件を抱えているので、その業者が広告に載せていない物件を紹介してくれることも期待できる。

3.希望条件に近い(と思われる)物件を実際に見せてもらう。その際業者の指定した場所で落ち合ってから目的地へ向かう、または業者がわざわざ迎えに来ることもある。だからマレーシアの携帯電話を持っておくべきです。

ここまでは一切無料且つなんら契約に縛られることは発生しません。

【最低限の英語力は必須です】

このためには、最低限電話で会話できる言語力がないとこの行動ができません。
マレーシアでできるだけ自立して生活していくには、どうしてもある程度の言語力が必要です。日本人コミュニティー内だけで暮らすからそれは関係ないという方は、恐らく当ブログの読者にはいらっしゃらないことでしょう。

中学校教育を終えたマレーシア国民であれば、民族に関わらずマレーシア語で基本的なコミュニケーションができるので、英語でなくマレーシア語だけで問い合わせることもできますが、マレーシアロングステイ前の読者の方にこれを期待するのは無理ですから、上記の場合に使う言語は英語ということになります。

高度な英語力が必要なわけでも、それを求めているわけでもありません。ちゃんと要件を伝えられ、返答が理解できればこの段階では十分です。
日本にいるときに基本的な英語力をつけておくことが、「全ては無理でもできるだけ、自分(たち)で行動したい・試みたい方、行動する・試みる意欲を持っている方」であるための必要条件です。これは好むと好まざるに関わらず、現実であることは理解してください。

マレーシアにおける生活や滞在時に読者の皆さんは、アメリカ人や英国人と交渉するわけではありません。相手が理解できる英語を話せばそれでいいのです。つまりアメリカ英語、イギリス英語でなければならない必要性はありません、いわゆるグローバル英語の1種を話せればそれで構いません(日本語の発音のままで、日本語文法を基にした”英語もどき”で構わないという意味ではありませんよ、曲解なきように)。なぜなら読者の皆さんは、一般水準以上の英語力を必要とする仕事をするわけではないからです。
いつか英語力に関しても書くつもりですから、ここでは詳しく論じません。

参考:不動産三行広告の例
会話力と共に、こういう広告の意味がわかるくらいの読解力が必要だという例として、2012年12月中旬時点で掲載されていた物件を4つ載せておきます。こういう広告に載るペナン州の物件は極めて少ないので、1つだけです。なお電話番号は省略しました:

BRICKFIELDS MUTIARA
BRICKFIELDS MUTIARA Re-sidency / Scott Villa (3r2b) RM2700 studio RM1800. Tastefully furn.
Intraasia 注:クアラルンプールのKL Sentral駅界隈が BRICKFIELDS地区です。ですから交通面では便利であり、近年コンドミニアムが続々と増えています。furn というのは家具付きの略です。

JALIL DAMAI
JALIL DAMAI Apt 3r 2b 952 sf, 1 car park, near LRT, rental RM1200 per month
Intraasia 注:クアラルンプール郊外になります。3部屋2バスルーム、約87平米、 LRT駅が近い、賃料RM 1200 ということです。高級アパートクラスだと思われる。 

CHERAS DALAMANDA
CHERAS DALAMANDA nr LRT / Jusco Maluri 2r p/f high floor, a/c, fridge & w/machine. RM1900
Intraasia 注:LRT駅と Juscoが近い。一部家具付きの2部屋で高層階のユニットになる。限定された家具類に加えて、エアコン、冷蔵庫、洗濯機も付いている。便利な場所と言えそうです。

U-GARDEN CONDO
U-GARDEN CONDO, Penang, fully furnished & fully reno. to let.  
Intraasia 注:ペナン州の物件で賃貸用と書かれているが、賃貸料は載っていない。家具付きで、部屋の修復済み。reno(vation) という単語には改築・リフォームという訳語があるが、マレーシアの不動産物件で使われる場合、一般的には前の賃貸者が引っ越した後の修復を意味する。

【交通手段と交通費のことを計算に入れること】

コンドミニアムまたは高級アパートに短期滞在する場合、目的が住居探し・下調べですから毎日ぐらい出かけることになります。そこで掛かる交通費のことも十分に計算に入れておきましょう。

電車路線がない、バス路線はあるがきわめて便数が少ない、またはバス停まで遠いという場所に建つコンドミニアムは、比較多数派と言えます(電車路線に近接した場所に建つコンドミニアムがないということではありませんよ)。なぜならコンドミニアムは基本的に自家用車を持つ暮しを前提にしているからです。

自家用車を持つ意向の人でもまだ車を保有していない段階ですから、バスまたは電車が使えない環境の場合は交通費の経費がかなりかかることを承知しておきます。 バス停が近くにあっても便の少なさなどから、タクシー利用をせざるを得ない場合も多い。

タクシーを毎日数回使えば、数十リンギット、1か月にRM 1000ぐらいはかかるでしょう。メータを使わないタクシー運転手はごく普通にいます。ましてやマレーシアに素人の外国人とみれば、なおさらです。

自動車免許証をお持ちの方なら国際免許を携帯してレンタカーを借りる手もあります。当然ながら1か月の賃料は安く済みません。
レンタカー会社の3分の2から半値ぐらいで私的に車を貸すというマレーシア人がいます。そういう場合は、自動車保険証書の賠償などに関する記載部分を必ず自分の目で確かめておく必要がある。そうさせてくれない場合や、読んでも意味がよくわからない方は、やめた方がいいと思いますよ。

【家具付き、一部家具付きの物件に限ること】

コンドミニアムまたは高級なアパートを期間限定で借りる場合、当然ながら家具付きでないとどうしようもない。ベッドもカーテンも扇風機もないでは住めませんからね。

家具付き、一部家具付きと歌って賃貸しているコンドミニアムのユニットの場合でも、必ず内部見学する必要がある。借りる人にとって当座は必要でない物があってもどうしても必要だと思う物が抜けていることがあるからです、そういう場合は自分で買うことになって出費が加わる。

例え家具付でも、シーツ類は当然借主が購入する。鍋釜包丁まで揃っていると期待しないことです(例外はある)。たった1か月の滞在なのに細かなものをあれこれ揃える出費は軽視できません。

【有名だから、業者が勧めるから、を基準に物件を決めないようにする】

コンドミニアムやアパートの賃貸料がその程度・格、地域と場所、人気・評判、築の新旧、によって決まるのは、マレーシアでも同様です。
公共交通便がかなり不便または全くなくても賃貸料の高いコンドミニアムが珍しくないのは、上記で説明した理由からです。

こうしたことから、短期貸ししている、高級さを売り物にした有名なコンドミニアムの家具付きユニットを、例えば月RM 1500程度で借りるのは不可能であることはおわかりでしょう。 RM 2000以下で借りようとすれば、高級で有名なというようなことにこだわらないことです。
そもそも何を持って高級かも定義する人それぞれで違いますし、有名、最高級だから(借り手である)読者のあなたに適しているとは必ずしもならないことは、日本の例を持ち出すまでもありませんね。不動産代理業者らの言葉に踊らされないことです。

一般アパートなら同じクラスを比較すればクアラルンプール郊外にある方が中心部近くにあるよりも安くなると言えるでしょう(もちろん何事にも例外はある)。
だから月500前後で借りることだってできる。ただしこのクラスで家具付きはありえないし、足の便が不便になりがちです。

賃貸コンドミニアム・アパートの立地場所も重要です。徒歩で行ける範囲にスーパーが全くない、大衆レストラン(エアコンのない、食堂的な食べ物屋)もごく数が少ないという場合は、1か月の短期滞在でもかなり不便、不都合に感じるものです。
コンドミニアムやアパートの立つ近辺にミニマーケットぐらいはあるのが普通ですが、やはりスーパーほどの品ぞろえはない。

【サービスアパートメントについて】

なおマレーシアには Serviced Apartment という範疇がある。これは短中期滞在者用に高級ホテルの別棟または独立した建物を専用に建て、簡単な調理設備などを設けたユニットにホテル並みのサービスを加味したものです。
名称は Apartment でもいわゆるアパートとは違って低額な賃料は期待できません。予算に十分余裕のある方なら、Serviced Apartment に滞在という選択も取れます。

追記:クアラルンプールまたはその近郊にあるサービスアパートメント(ホテル)のリスト

Ascott Kuala Lumpur : www.the-ascott.com/
Crown Regency Serviced Apartment Kuala Lumpur : www.crownregency.com.my/
Somerset Serviced Residence : www.somerset.com/
E & O Residences Kuala Lumpur: www.eoresidences.com/
Fahrenheit Suites Kuala Lumpur : www.fahrenheitsuites.com/

Fraser Place Kuala Lumpur : //kualalumpur.frasershospitality.com/
Pacific Regency Hotel Suites : www.pacific-regency.com/
PARKROYAL Serviced Suites Kuala Lumpur: www.parkroyalhotels.com
Prince Hotel & Residence Kuala Lumpur : www.princehotelkl.com/
Swiss-Garden Hotel & Residences Kuala Lumpur: www.swissgarden.com/

The Maple Suite Serviced Apartments Kuala Lumpur: www.themaplesuite.com/
D-Villa Residence : www.holidayvillaapartmentsuiteskl.com/
MiCasa All Suite Hotel: www.micasahotel.com/
The Nomad SuCasa : www.thenomadsucasa.com
The ZON All Suites Residences on the park :www.zonhotel.com.my/kl/index-kl.html
Peninsula Residence All Suite Hotel: www.peninsularesidence-kualalumpur.com


1か月程度ホテルに滞在する方法

1か月程度ホテルに滞在して、いろんなことの下調べまたは住宅候補探しする方法も取れます。

1泊の部屋代が例えばRM 200以上もする高級なホテルに泊まる必要性はありません、このことをまず理解しておきましょう。予算は十分あるので 1週間であれ1か月であれ高級ホテル以外に宿泊するつもりはない、という方は、この部分を読むこと自体がないはずです。

【エコノミークラスのホテルを探し、泊まる行動と順応性が必要】

10年前よりホテル代は上がったとはいえ、RM 100ぐらいまたはそれを多少超える程度のホテルなら、十分滞在できる。発想の転換と行動を順応させることで、このクラスのホテルに泊まってみることですね。
このクラスのホテルに泊まったこともない、泊まろうともしないであれこれ言っている人たちの言に左右されない意識を持ってください。

なおイントラアジアはマレーシアを含めて東南アジアで1泊RM 50以下だけに絞っても百軒をはるかに超える数のホテルで数百泊はしています(数十ではありませんよ)。しかしながら、2012,3年代のマレーシアのホテル相場では、もはやRM 50は安宿の範疇であり、当ブログの読者の方には不適当または無理ですから、お勧めしません。

RM 100程度のエコノミーなホテルはもちろん高級さはありませんが、エアコン、お湯シャワー、小さな書き物台(机)、それにテレビが付いています(そのはず)。小さな冷蔵庫や電話が付いているところもあるでしょう(付いてない場合もある)。

きれいさはまさにいろいろです。かなりきれいな部屋もあれば、汚れた床や壁の部屋もあります。道路際なのでうるさかったり、奥の部屋でじめじめしていたりと、他のホテルとの比較だけでなく、同じホテルの部屋同士を比べても状態と環境は違います。

こうしたことからこそ、自分の気に入ったホテルを見つけるまで、ホテルを泊まり歩けばいいのです。もちろんエコノミークラスですから、RM 200以上の高級なホテルと比較するのではなく、どこかで妥協し自分を順応させることが必要です。

このクラスのホテルは、もちろん予約しても構わないが、強いて予約しなければならない必要性はない。街を歩いて目に入ったら飛び込みで尋ねて決める。または前日訪ねた時料金などを調べておき、翌日チェックインする。

このホテルを泊まり歩くということが、すなわちホテルを探して街を歩くという前提行動が、マレーシアの地で他人に頼らずに行動するという、自主行動の基本になります。
ホテルへ足を踏み入れてフロントで交渉して部屋を見せてもらう、泊まる、また次のホテルへ移る、そこが気に入れば、1か月ぐらい滞在したいと多少の割引を交渉する(成功不成功に関わらず)。こうしたことが、マレーシアでの対人交渉力の練習になる。

ホテル探しで街を歩けば、そのことによって道を覚えたり、電車やバス路線のごく一部であれ頭に入る。

こういう行動を多くの人はしたことがない、初めからしようとしない、だからこそ、”全ては無理でもできるだけ、自分(たち)で行動したい・試みたい方、行動する・試みる意欲を持っている方”は是非これを実行してみませんか。 5,6 軒ぐらいホテルを泊まり歩けば、どういう部分で妥協すべきかがわかってくることでしょう。そのホテルに1年も2年も滞在するわけではないのです。何か良い点、例えば交通面で便利、清潔だ、フロントが気さくだ、などという点を見つけて滞在を決めます。

誰々が勧めるからではなく、このブログをお読みのあなた自身が気に入ってまたは妥協心を持って決めるのです。ガイドブック類など必要ありません。地方の町であれば、地図1枚あればそれで充分です、なぜならくまなく歩き回ったって1日で歩けるから。

クアラルンプールやペナン島などの大都市は面積が広すぎて、地図だけでは不十分で回りきれませんから、ある程度資料や情報も参考にする必要があるでしょう。

参考:クアラルンプールのエコノミなーホテルの案内
イントラアジアのホームページを開きますと、目次の旅行者のためになるページにたくさん並んでいる項目中に、 「クアラルンプールでエコノミーホテルを探す」 というのがあります(クリックしてください)。かなりの数のエコノミークラスのホテルを載せていますよ。

【小さな失敗は経験の内、エコノミーホテル滞在は工夫も必要】

イントラアジアが昔から常々説いているのは次のことです:外国旅行や生活では、小さな失敗はできるだけ早いうちにたくさん経験しておこう、それがいつか起きるかもしれない、被るかもしれない致命的または取り返しのつかない大きな失敗の予防・防波堤になるからです。

ホテル探し、住居候補探し、下調べ、全て基本は同じです。思った通りに進まないことの方がずっと多い、当然です。ましてほとんどの読者の方は東南アジアやマレーシアの素人でしょう。ある失敗をしても、それも経験の内という心構えで行動し、滞在してください。

ひとたび宿が決まれば、多少の工夫をします。たとえば、洗濯などは必ず毎夕シャワー時に洗えるものは自分で洗う、翌朝にはほぼ乾いているでしょう。自分で洗えない物は、近くに洗濯屋を探し出して自分で持っていく、それだけで節約になる。

周りに食事処ができるだけ数多くあった方が便利で選択が増えることは言うまでもない。1か月程度、必然的に毎日外食になるので、あれこれ試してみることです。都会ならファーストフード店も種類多くある。市場が近くなら市場内外には必ず比較的安価な食事処がある。

街には大衆食堂、屋台があり、スーパーもある。持ち帰ってホテルの部屋で食べることもできる。たった1か月です、これくらいのことはやってみましょう。

【クアラルンプール郊外にもエコノミーなホテルがある】

クアラルンプールでは現在は郊外にもエコノミーなホテルが昔よりかなり増えた。こういうホテルの多くは、それ自体独立した建物ではなく、ショップハウス街の一角にある、つまりリンクしたショップハウスを改造した形式です。

追記:ショップロットホテルのことを恐らく多くの方はご存じないので、下記のページでショップロットホテルの例をご覧ください(あくまでも一例です)。
1.『クアラルンプールでエコノミーホテルを探す』 をクリックする。
2.その中の 「従来ホテルがなかった地区・場所で近年オープンしたホテル」 項目をクリックする。
3.中段にショップロットホテルの写真を載せています。

だから読者の皆さんの中で、電車かバスの便が良い、ある特定の郊外を拠点にして下調べしたい方なら、必ずしも滞在ホテルの場所としてクアラルンプールの中心部だけにこだわる必要はありません。これはペナン島でもある程度同様です。追記:しかしペナン島では、クアラルンプール圏ほど選択が多くないので、郊外でエコノミー滞在できるホテル探しは楽ではないでしょう。

クアラルンプールの場合、中心部にある複数のバス発着所からいわば東西南北に放射線状にバス便が数多く出ている。そういうバスで郊外に向かう、そして車窓から目についたコンドミニアムや中級以上の住宅地に近い商業地≒ショップ街で下車する。 最近は大きなショップ街だと、エコノミーなホテルがショップ街の中に混じっている場合がある。

現実としてバス乗りはそれほど簡単ではありませんが、心配しすぎてもいけません。乗ってきたバスと同じ番号で反対方向つまりクアラルンプール中心部行きに乗れば、出発地へ帰れます。

多くのことが、イントラアジアがここで説明しているようには、または読者の方が期待した通りには、なかなか行かない方が普通だと捉えておきましょう。だからこそ、小さな失敗を重ね徐々に経験が増していくのです。

【イントラアジアのブログは読者の皆さんに別の選択を提示しています】

エコノミーなホテル探しする気持ちはさらさらないし、街歩きで汗水など流したくない、バスなど乗りたくもない、斡旋・代理業者が勧める高級コンドミニアムにさっさと入居できればいいから、そのための費用など惜しくはない・・・・・・・ 
確かにそれも一つの選択ですね。ただそういう方は当ブログの内容になんら興味を感じないはずです。恐らく、立派なオフィスを構え、金を惜しげもなく使って広告を出したりセミナーを催している業者のドアをノックすることになるのでしょう。

当ブログの読者の多くは、”全ては無理でもできるだけ、自分(たち)で行動したい・試みたい方、行動する・試みる意欲を持っている方”のはずだと、イントラアジアは期待しています。
イントラアジアは読者の皆さんを説得する意図は全くありませんし、説得を試みているわけでもありません。例え説得を試みても功を奏さないことは、長い経験からよく知っています。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに大いにからそれなりにまで興味を持ちながらも、”富裕な外国人買い手を期待する不動産デベロッパーや不動産エージェント、高い費用を払わせるマレーシアマイセカンドホームプログラム代行業者を喜ばせたくない、喜ばせられない”方も少なくないはずです。

イントラアジアは読者の皆さんにオールターナティブつまり別の選択を提示しています

いくらイントラアジアが当ブログで長々とノウハウを書いても、実行するのは読者の皆さんです。あとはやってみる意欲と費やす労力次第です
費用はそれほど多くは掛かりません。例えば 1泊 RM 200のホテルに30泊すれば、その宿泊代だけですでにRM 6千です。イントラアジアのアドバイスに従って行動されれば、クアラルンプールの空港に着いた時からその空港を離れる時までの総費用がRM 6千ぐらいまでで抑えられます。2人カップルならその2倍ではなく、1.5-1.8倍ぐらいかな。

2012年6月23日付けの記事 「マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ 』も再度ご覧ください。

イントラアジアが当ブログでこれまで延々と書いてきたことを参考にして工夫しながら、ご自分の身体を十分に動かせば、マスコミや業者が作り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらなければ、海外ロングステイを本当にしたいという気概がある人なら、ほとんどどなたでもマレーシアに住めます。


マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層でなくても日本の中流層も十分参加が可能だ

2012年06月23日 | 総論と分析と考察
昨年マレーシアをマイセカンドホームに選んだ外国人の中で日本人が最多数を占めました。マレーシアの政治的安定と経済成長並びに大きな自然災害のないことが、こういう日本人を引き付ける主たる背景に上げられています。

という大きな見出し兼導入文を、英語紙 The Star が2012年6月15日付けの第一面に載せました。そして内部の1ページを使って日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者、日本人によるマレーシア住宅不動産投資に関する話題を主とした記事を展開しました。

一部を抜き出して訳しますと:
マレーシアマイセカンドホームセンターが明らかにしたところでは、2011年にマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を申請して承認された人数において、日本人は 423人でした、これは2010年の195人から大きく増えました。国別では2011年は日本が最多国でした、なお2010年はイランが最多国。 2011年の新規参加者数で2番目に多い国は中国で 405人。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加を承認された世界各国参加者数は これまでの累計で 2012年3月時点で1万8千人を超えました。

別の記事の一部:
ペナンの不動産を探し回る日本人投資家が今年は増えることが期待されています。なぜなら、また新たな自然災害が日本を襲うかもしれないという不安からです。
以上で引用終り

この紙面を読めば、豊かな日本人がマレーシアマイセカンドホームプログラムと住宅不動産投資において、マレーシア、とりわけペナン、に興味を増している、という印象を読者(その大多数はマレーシア人)に与えることになります。

まんざら間違いではないでしょうから、それはそれは結構なことでしょう。
当ブログの前回の記事でも詳しく書きましたように、日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム新規参加者数が2011年は激増といえるほど増え、今年の第1四半期新規参加者数も昨年の傾向を引き継いでいるかのようです。

【日本の世帯平均貯蓄額の数字と実態を基に考える】

ところで今年イントラアジアが日本へ行った時、新聞である統計記事を読みました。その時取ったメモから書きます:
2011年の統計
2人以上から成る 1世帯あたりの平均貯蓄高
1,664万円、 なお負債額は 462万円

ただ60歳以上から成る世帯では、その3分の1は貯蓄高 2,500万円以上である
60歳以上の世帯が貯蓄総額全体の 64%を占める

一方勤労世帯の平均貯蓄高は 1233万円、なお負債額は647万円
以上

7月中旬の追記:別の資料を見つけましたのでそれも加えておきます。
高齢社会白書 平成23年版
世帯主の年齢階級別1世帯あたり貯蓄・負債、年間収入、(平均世帯人数)
40歳から49歳(3.84人):貯蓄1111万円、負債942万円、年間収入746万円
50歳から59歳(3.30人):貯蓄1670万円、負債529万円、年間収入817万円
60歳から69歳(2.67人):貯蓄2202万円、負債201万円、年間収入566万円
以上追記終わり

なるほどシニア世代は確かに豊かなんですね。
現時点では外国人が購入できるマレーシア住宅不動産の最低価格はほとんどの州及びクアラルンプールでは、 1ユニットRM 50万以上です。ざっと円に換算すれば1千300万円前後というところでしょう(いうまでもなく為替の変動でこの価格の上下各10%程度の幅は想定しておくべきです)

貯蓄高 2500万円を超える世帯または資産家世帯であれば、住む目的または投資目的でマレーシアの住宅不動産を買うことはそれほど難しいことではないことは、イントラアジアにもわかります。

よって The Star紙が上記で触れた記事で好意的に紹介したことも、ある面では的を得ているといえるでしょう。

しかしながら、イントラアジアはこの数年日本へ何回も行くことで、日本社会の抱える別の姿もかなり知りました。階層格差の拡大です。若年層から老年層まで格差が拡大していることは、何冊もの該当分野の書籍を読む、新聞を読む、町の様子を感じる、ことで知りました。何よりもイントラアジア自身、1ユニットRM 50万以上の住宅不動産を買うことなど夢にも敵わない層に属しますから、我が層の人たちも増えているんだなと思った次第です(イントラアジアはその層内でもかなり下の方です)。

The Star紙の上記記事が書いているようなことには、”あまり”から”ほとんど”まで縁のない方も、当ブログの読者の間には少なくないことでしょう。

【マレーシアマイセカンドホームプログラムは富裕層だけでなく日本の中流層にも門戸が開かれている】

マレーシアマイセカンドホームプログラムは、富裕層の外国人にマレーシアに住んでもらい、どんどん金を使ってマレーシア経済に少しでも貢献してもらう、というのがその第一の趣旨です。そのために種種の特典と優遇措置をプログラム参加者に与えているわけです。

ただそうはいうものの、富裕層でもなくても貧しくなければプログラムに参加できる点も事実としてあります。
定められた最低限の手元資産額の基準を満たし且つ毎月の収入額(年金、賃貸し収入など)を確保できれば、金銭面ではプログラムの申請条件をクリアできます(当ブログはこれまでの記事で条件や規則を詳細に説明してきました)。

そこで不動産デベロッパー、不動産エージェントを喜ばせるような層に属されていない方でも、、マレーシアで十分に住めます。そのためには中級程度の住宅を賃貸すればいいのであり、同時にすべてを日本流に暮らすようなことをしなければいいのです。
こう書くと誤解・曲解する人が必ず出てきますから、蛇足で付け加えておきます:イントラアジアの生活スタイルを押し付けているわけではありませんよ、仮に押し付けたとしても実行できる人はいないことをよく知っているからです。

当ブログの2012年2月4日付けの記事『海外ロングステイの希望者を分類し、マレーシアロングステイの注意点を語る』ではっきり書きましたことを、どうぞもう一度読み返してください。初めての方は是非目を通してくださいね。

【当ブログの趣旨】

当ブログはそこで言明しているように 「全て人任せのマレーシアマイセカンドホームプログラム申請ではなくプログラムの詳細を知りたい方、当ブログはそんな方のために力になります。日本人コミュニティーだけに閉じこもらない、そんなロングステイ者を当ブログは応援します。」

さらに付け加えれば、1ユニットRM 100万前後もするような高価なマレーシア住宅不動産をぽんと購入できるような方たちはほとんど想定していません。買う場合でもRM 50、60万ぐらいの住宅を何とか購入したいという方たち、買うなんてとんでもない賃貸で十分または資金的に賃貸しか選択はないという方たちが、当ブログの主対象です。

日本人だからといって全てが The Star紙の上記記事が書いているような人たちばかりではないことは、日本人であれば誰でも知っていることではないでしょうか。
富裕な外国人買い手を期待する不動産デベロッパーや不動産エージェント、高い費用を払わせるマレーシアマイセカンドホームプログラム代行業者を喜ばせたくない、喜ばせられない日本人の方も少なくないはずですよね。

イントラアジアのマレーシアマイセカンドホームプログラムブログはまさにそういう方たちのために製作しています。

そもそもイントラアジアが長年書いて発表してきた内のかなりの割合は、旅行代理店に頼らずにいかに自由に旅・行動をするか、(日本人コミュニティーでなく)マレーシア社会で暮らすための知識と情報、マレーシアをより知るための知識と考察、といった内容からなります。マレーシアで日本的を暮らしをするためのハウツーとか情報を全く扱っていないことは、ほとんどの方が既にお気づきになっていることでしょう。

【海外ロングステイで創り出されるイメージは一様過ぎないか?】

また上記の論点に戻ります。海外ロングステイで、ここではマレーシアロングステイです、円換算賃料10万円を超える高級な住居に住み、日本車やベンツ車でゴルフ場に通い、日本レストランに頻繁に出入りするといったライフスタイルは、それが享受できれば結構なことで、イントラアジアの関知するところではありません。  

ロングステイをビジネスにしている業者・団体は数あるようですね。マレーシアが人気となれば、マレーシアを視野に入れた業者がわっと増えていることでしょう。ビジネスである以上、その狙いはわかるし、当然富裕層がまず主たる対象であることも理解できます。よってそれをどうのこうのといっても仕方のないことです。

それよりも海外ロングステイ紹介の問題は、例えば上記で取り上げたThe Star紙の記事に代表されるとりあげ方に見られる、贅沢なライフスタイルが享受できる人たちに光を当てがちなマスコミですね。

ロングステイの書籍や特集雑誌を出版している発行人と編集者は、なぜこうも富裕層主体のステレオタイプのロングステイばかりを取り上げるのだろう? 取材する書き手は何々といった内外の権威的組織や富裕層の言を受け売りするお手軽取材が目立つ(全部そうだとは言いませんが)。書き手は確かにある国、ここではマレーシア、に通じていないだろうが、もっと多様なライフスタイルを取材する姿勢と努力が欠けている、とイントラアジアは感じます。

こういうマスコミのお手軽出版、ステレオタイプのロングステイ者像に晒されている、ロングステイ希望者・興味者は、マスコミが創り出したロングステイイメージに捉われることになる。

この意味をイントラアジアが昔から批判している例で説明しましょう。
マレーシア語のマの字も知らず、華人と中国人の区別もできない書き手による、広告写真と見間違うような写真べたべた、原資料を読んだこともなく日本語書籍・情報からの孫引き参照としか思えないような文章に溢れた旅行案内出版物がたくさんありますね。強調しておくと、その責任の過半はそういう書き手を使う編集者・発行者にある。

こういう出版物に晒された読者すなわち旅行者は知らず知らずにその作られたイメージが本来の姿またはあるべき姿だと思い、また期待して旅行する。(綿密な取材による優れた書籍ももちろん少なくないが一過性の旅行者はそういう書籍をきちんと読まない)

ロングステイ希望者・関心者も似たような過程を経ていることだと推測できます。
マスコミや業者・団体の作り出すイメージに大いに従いたい、イメージどおりでなければならない、と考える方ももちろんいらっしゃいます。それは個人の自由ですから、これもイントラアジアの関知するところではありません。

一方当ブログはマスコミと業者が創り出したロングステイイメージに捉われない、捉われたくない、そんな方たちのためのブログです。

そして当ブログは読む方自身が内容を吟味してください、ご自分に向いていると判断されれば、多くの有益で実践的な知識を得られるはずです。あとはその方の適応力と実行意欲次第です。

海外ロングステイの希望者を分類し、マレーシアロングステイの注意点を語る

2012年02月04日 | 総論と分析と考察
【海外ロングステイ者を2つに大別する】

海外ロングステイをされたい方、計画されている方には2つのタイプがあるはずです。

A.他人つまりロングステイを扱う業者などに手続き一切や住居斡旋まで丸投げし、細かいことには関わりたくない方。滞在許可を得てその国に移り住んだ後は、多少でも面倒なことは全て日本人相手の業者にまかせ、日本人コミュニティーの中でとにかく日本的暮らしをされたい方。

B.調査段階からできるだけ自分で情報を集め、申請手続きは他人(業者)に頼んでも内容はよく把握したい方、ロングステイ地ではその地のスタイルにできるだけまたはある程度は馴染もうとされる方、日本人コミュニティーと付かず離れずに暮らしたい方。

大別すればこのどちらかに分かれますが、完全にAタイプまたはBタイプという方はかなり少数派であり、どちらかといえばAタイプまたはBタイプ、かなりAタイプまたはBタイプというような、不完全な Aタイプ、Bタイプが多数派だと思われます。

【当ブログで対象とするロングステイ希望者・計画者】

当ブログは新年の記事でいみじくも次のように書きました:
「全て人任せのマレーシアマイセカンドホームプログラム申請ではなくプログラムの詳細を知りたい方、当ブログはそんな方のために力になります。日本人コミュニティーだけに閉じこもらない、そんなロングステイ者を当ブログは応援します。」

早く言えば、当ブログは完全不完全に関わらずBタイプ派の方々を対象にしています。まあ、当ブログ記事を2,3お読みになれば、ほぼAタイプ派という方には興味のないことばかりが詳細に説明してありますから、当ブログのリピーターになられることは考えづらいですね。

【東南アジアで暮らす間は、違いを受け入れてみる】


東南アジアで暮らす場合、ここではマレーシアに絞ります、まず文化、慣習、言語、社会の仕組み、宗教の5要素が日本とは違うということは、ほとんどの方が頭の中では感じていらっしゃるはずです。読んだ知識として知っておくことはもちろん必要ですが、それだけでは不十分であり、行動と生活のためにできるだけ理解に努めるようにしましょう。

といって完璧に理解することを求める必要はないし、第一そんなことは不可能です。

理解に努めるということは、得た知識を具体的にどう利用するか、活かすかということです。思考回路の中から、日本はまたは日本人はこうだからこの地でもこうあるはずだ、こうあらねばならないという分枝回路を、暫定的にお休みにしておく方がいい場合が多いものです。日本国外に住んでいる間だけはその分枝回路を閉じておき、日本に戻った時に再度開けばいいのです。その分枝回路を取ってしまえということではありませんよ、誤解なきように。

理解したからといって、それは相手に盲従することにならないのはお分かりですよね。ここはこうした方がいいのになあ、と思うことはしょっちゅうあります。ですからイントラアジアはウエブ上での意見表明や批判は長年且つ頻繁にやっています。(イントラアジア は1996年以来各種のウエブメディアを運営し続けています)

一方、日本人的思考回路で先入観を持ちそれを過度に期待すること、期待が外れるとだからこの地は(何々国は)発展途上なんだよと毒づき、日本人としての変な優越感に浸ること、こうしたことをイントラアジアは嫌い、批判してきました。

【ロングステイ希望者の持つ捉え方に対するイントラアジアの思いと主張】

このことに関して一言触れておきましょう。
当ブログ宛てに、ブログに備わっているコメント機能またはメッセージ機能を使って読者からの質問、感想が届くことがあります。SNS(交流サイト)ほどではなくてもブログですから、運営者にとって読者からの反応は嬉しいことです。

ただ以前から気になっていることがあります。それは上記で主張したことに多いに関係あることです。

Bタイプ派の読者でいらっしゃるまたはBタイプ派でありたいという気持ちがイントラアジアに伝わってくるにも関わらず、かなり先入観に捉われた見方・観点があること、その見方と観点に沿った期待が強過ぎることが見受けられます。
これを無意識的にそうなってしまうから仕方ないというのでは、事なかれ主義に流れて読者に全て迎合するあり方になってしまいます。イントラアジアはものごとに関してはきちんと主張し、それを文章にして発表してきた人間ですから、ここでも書いておきます。

Bタイプ派の方であるからこそ、できるだけ先入観に捉われずというか、少なくとも捉われないように気を使うべきだと、イントラアジアは考えます。

2,3の例をあげます:
日本の大衆メディアで紹介されるイスラム教の姿は欧米のイスラム教観を写したものが主流ですが、このこと自体を気づいていない人が多い。さらにいかに日本人と違うかを面白おかしく強調することに主眼を置いたものも多い。
注:例えばイスラム原理主義というようなことばは米国で含蓄された意味を込めてそのまま使っている。(元々は”キリスト教原理主義”という表現を援用したことばです)

イスラム教であれ、キリスト教であれ、仏教であれ、決して一枚岩でない。地域差、民族差、階層差は極めて明示的に存在しているので、その国その民族の慣習・習慣と風俗を基にして捉えなければなりません。マレーシアのマレー人界が以前よりもイスラム化しても、それは即アラビア化することではないのです。

マレーシア華人は、中国人ではありません。華人はマレーシアで生まれ育ち、マレーシアの教育を受け、マレーシア社会で暮らしているのです(中国から移民してきた華人はもはや高齢の極少数者となった)。マレーシア華人の99.9%は漢民族であり、従って漢民族としてのアイデンティティーを持ち、先祖伝来地(祖籍)として中国を捉えていますが、”中国人”としてのアイデンティティーを持っているわけではないし、そもそも自分たちを”中国人”と称していません。一般に華人と称し、書き言葉では華裔となります。
マレーシア華人を”中国人”だの”中国系”だのという、”国”を絡ませた捉え方をするのは相応しくないし、間違いです。

マレーシアに住んだり関わったりする日本人の中には、ある特定の民族に肩入れする人がいます。もちろんそのこと自体は個人の勝手ですが、そういう捉え方で全てマレーシアを捉えては的外れになることはいうまでもない。
よくある例です、日本人に擦り寄ってくる人たち、それがビジネスや金儲け目的なのか、単なる日本好きなのかは問いません、そういう人たちはしばしば自民族の状況に不満を語り、ある特定民族を批判します。それ自体は彼らの勝手ですが、日本人がそれをそのまま受け売りすることは愚かというものです。

我々日本人は、その国に住む外国人として、特定民族の観点を鵜呑みにすべきではないし、肩入れなどする必要はない。

Bタイプ派の方であれば、多かれ少なかれ自立したマレーシア滞在をお望みではないでしょうか。そうであるからこそ、イントラアジアはBタイプ派の方たちに、日本人性を典型的に示す分枝思考回路(上で説明しましたね)を一時的に閉じた方がいいですよ、とアドバイスするのです。

マレーシアで日常生活を送れば、ほとんど全ての面で日本との違いを感じることになります。具体的には、電気水道といった公共サービス、公共交通機関、役所、医院・病院、郵便局、銀行、電話局などでの対応とサービスへの捉え方、いつも利用するスーパーや店、大衆食堂、レストラン、修理業者など民間分野におけるサービスへの捉え方、さらにはコンドミニアムで働く人たちや隣近所の住人との付き合い方などで、大きい小さいの差はあっても日本との差異は明らかです。違って当然です、日本とは違う国ですから。

この当然である異質さをそれなりに受け入れられないと、不満や苦情ばかりが溜まります。こんなはずではなかった、失望した、嫌いだ、となってしまいます。そうならないために、イントラアジアは楽観的な立場を取りませんし、一部の日本人に迎合した言葉を発しません。

中には、日本人性を典型的に示す分枝思考回路を一時的であれ閉じたくない、閉じられない方も当然いらっしゃるでしょう。そういう方はAタイプの方であり、Bタイプにはなりえないことになります。それはそれで結構であり、個人の自由です。ただ当ブログでは対象としていないだけです。

【海外ロングステイの落とし穴】


海外ロングステイは決して誰にでも向いていることではありません。きれいなパンフレットや、耳障りの良い宣伝文句に魅せられて、または何々団体や斡旋をビジネスにしている業者の言葉につられて、ある国に住んでみた、でもどうしても馴染めないという方も出てくることでしょう。
大多数の方にとっては、人生最初で最後の海外ロングステイでしょうから、対象となる国と地域の事前現地調査はいうまでもなく、ご自分及び同伴者の性質と行動スタイル、及び異質さへの許容度をよーくお考えになってから決めてください。


当ブログは、マレーシアロングステイを真剣に考慮されている方たちのために、仲間内だけの仲良しクラブ的雰囲気を感じさせない(笑)中で、正確な情報と具体的で実践に即した案内をモットーにしています。

蛇足:イントラアジアはいくつものウエブメディアを運営していますが、その中に典型的 SNSはないので、そのうち開設しようかなとも思っています。


ロングステイ先は、国は、民族は、宗教は、慣習は、文化は違えど人間の生活地であることにかわりはない

2011年10月01日 | 総論と分析と考察
当『マレーシアマイセカンドホームプログラム』ブログの実質訪問者数の累計が9月末で5万人を超えました。ブログ主催者として、読者からの支持が一定してあることを心強く思います。

海外ロングステイは短期の旅行と違ってかなりの長期間になりますし、滞在先を頻繁に変えることはまずないはずです。海外ロングステイはいうまでもなく、少額とはいえない資金及び毎月の出費を支えるなんらかの収入が必要になります。

世に紹介されるロングステイ者やロングステイ先は話題性を高めるため、裕福な暮らしや素晴らしい滞在先、申し分のない滞在環境といったことが強調される傾向があるようですね。それはそれで結構なことであり、貧乏人ライターのイントラアジアが感知することではありません。

しかしながら全ての海外ロングステイ者およびロングステイ希望者が、十分な資金を準備できる、十分な収入が確保できるということにならないことは現実であり、それゆえにロングステイを決断できない方も少なからずいらっしゃることでしょう。

イントラアジアはそういう方たち(十分に何々ができない方たち)及びできるだけ自立した滞在を目指される方たち(全てをお膳立てしてもらうようなあり方を好まない方たち)を念頭に置きまたは主対象にしてこのブログを書き運営しています。

4つの重要な要素を踏まえて海外ロングステイ
滞在国及び滞在場所は海外ロングステイの重要な要素です、そして滞在地での生活スタイルと行動様式も同様に重要な要素です。
この4つの重要要素においてご自分にあった選択をして上手にこなしていけば、資金または/及び見込み収入がいささか不十分でも、海外ロングステイはできます。そのためには相応の準備と心構えは必要ですが、といってそのことだけを強調してもなかなか真意が伝わらないことは知っています。

準備と心構えができたら、後は行動です、つまり海外ロングステイに踏み出しましょう。そこでロングステイ先としてマレーシアをお勧めします。イントラアジアは1975年に初めて日本を離れて以来、4大陸に渡って数多くの国を訪れて短中長期の旅行・滞在をしてきました。この20年間ほどはマレーシアを主たる生活地として広く東南アジアを訪れてきましたが、マレーシアだけが良いとか、最も適当であるなどとは言いません。あくまでもマレーシアはお勧めの選択地の1つとして捉えています。

繰り返します、準備資金はあるが充分とは言い難いとか、充分な収入が確保できそうにないという方でも、準備と心構えと現地での工夫次第でマレーシアロングステイができることを納得しつつ知っていただき、最終的にロングステイに踏み出される方が増えていくことを願っています。

マスコミによって植え付けられた先入観念や個人的な思い込みに捉われず、他者の喧伝に惑わされずに、まず現地を自分の目で見、足で歩いてください。マレーシアが気に入らない方、好きになれない方ももちろん出てくることでしょう。恐らく一生に一度の大事な海外ロングステイです、そういう場合は無理に馴染もうとせず他の国をお考えになってください。

イントラアジアを含めて誰でも失敗をします、ですから小さな失敗は早めにたくさん経験しておくべきです。これは大きな取り返しのつかない失敗を避けるためです。自分だけは絶対に何々という思い上がり思考は持たないようにしましょう。

マレーシアも人間の生きる地です、良いことも悪いことも、気に入ることも気に入らないことも日々起こります。国は、民族は、宗教は、慣習は、文化は違えど、人間の生活地であることにかわりはありません。

イントラアジアがこの当ブログで書き、説明し、主張していることを参考にし、アドバイスやヒントを活用してくだされば、ブログ主催者としてうれしく思います。

月額10万円に満たない年金でもマレーシアロングステイはできる

2011年07月28日 | 総論と分析と考察
はじめに
このところ円高である。2011年7月の時点でマレーシアで1万円を両替するとRM 370前後入手できる。大都市にある、よく知られた公認両替屋なら銀行の現金売り買いレートより多少良いレート(1パーセントぐらい)で両替できるが、外為市場でのレートは常に変動するので、ここでは幅を持ってRM 370前後と言っておこう。

いうまでもなくマレーシアの外為市場は世界の外為市場を忠実に反映したものなので、ドルやユーロや円の上がり下がりによって、リンギットの対日本円為替レートは日々変動している。いわゆる外為専門家の間でも、翌週のドル相場、円相場、ユーロ相場など外為市場の予想にはかなりの幅がある。ましてや1年先、3年先の相場など誰もわからないし、どんな専門家も保証を伴った相場予想などできないことを、我々は経験的に知っている。

だから現時点で1万円を両替してRM 370を得られても、3年後にはそれがRM 300に目減りする可能性もあるし、一方変動の中でその時偶然にRM 370で両替できることも可能性としてあるでしょう。

このため手持ちの余裕資産または近い将来の受給年金またはその両方を資金として、海外ロングステイをしようと計画または希望されている方々にとって、外為相場はまことにやっかいである。しかしそれを完全にヘッジする方策はまずないはずですから、真の富裕層を除いて、外為相場に多かれ少なかれ翻弄されながら海外ロングステイすることになりますね。

イントラアジアは去年(2010年)、平均的厚生年金受給者の年金収入額は年額201万円、つまり月額16万7千円という数字を知りました。そこでこの金額を基にして、当ブログの2010年10月30日付け記事『平均的厚生年金受給額でマレーシア中流生活ができる』で机上の検証をしてみました。この平均的な厚生年金月額を受領する年金生活者であれば、夫婦2人で贅沢生活は無理だが、それなりに快適なマレーシアロングステイができるであろうことを述べました。

しかし世の年金受給者は厚生年金受給者ばかりではないし、厚生年金受給額がこの額に満たない人も相当多いとみられます(理論的にはあと数年で支給されるイントラアジアの受給見込み額など、わずか10分の1程度だ)。

そこで今回の記事では、掛けた年金種を問わず受給額の合計で年額200万円も受給できないか受給見込みのない方々、あるいは自己資産引き出し額で年間200万円もとても引き出せない方々を対象として書くことにしました。

【世帯所得分布の下位にある人でもプログラムに参加できるだろうか?】

最近日本の新聞に載っていた統計に目が止まりました。厚生労働省が2010年に調査した、2009年1世帯あたりの所得統計です。
平均世帯所得は549万円だそうですが、統計の常で平均何々という数字はあまり実態を示しません。その証拠にこの平均世帯所得額以下の世帯が全体の61.4%を占めています。つまり高所得世帯の総額によって平均額が上方に引き上げられていることがわかります。なお65歳以上だけの世帯の平均所得額は308万円です。

そこで世帯所得区分別の数字を参照するのが、実態を知るにはよりふさわしいといえるでしょう。
100万円未満: 5.9%
100万円から200万円:12.6%
200万円から300万円:13.5%
ここまでで計 32%
300万円から400万円:13.1%
400万円から500万円:11.1%
ここまでで計 56.2%
500万円から600万円: 9.4%
600万円から700万円: 7.5%
これ以上は省略

全世帯の約3分の1である(32%)300万円未満の階層でも、果たしてマレーシアロングステイは可能であろうか?

プログラム参加申請時に口座残高がRM 35万以上あることが前提条件
現在日本に保有している口座において、普通預金であれ、定期預金であれ口座の種類は問わず、申請者(50歳以上)のまたはその配偶者を含めた口座残高合計額でRM 350,000 (35万リンギット)以上あることが、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加申請できる前提条件になります。まだ退職してない人であればマレーシア国外を源泉とする月収がRM 1万あることが条件となっています、これは例えば家賃収入でもいいはずです。

でも承認条件では次の選択ができますから、退職しておれば年間の世帯所得額が300万円以下でも申請は可能だと捉えてもかまわないでしょう。

当局が承認する際の条件
・マレーシアにある銀行に定期預金口座を開設して RM 15万を預ける、
または
・政府認定の年金額が毎月 RM 1万あることを証明する

年金のみの受給者であれば年金受領月額がRM 1万を下回らないということです。現時点でのレートは1万円がRM 370、よってRM 1=約27円、つまり1万リンギットは約27万円に当たります。
この条件を満たすことのできる年金受給者はかなの少数だと思えわれますから、マレーシアの銀行にRM 15万の定期預金をするという条件の方を選ばれる申請者が多いことでしょう。現時点のレートなら405万円ほどの預金用資金が必要だということになりますね。

ただ申請前の条件である、日本の口座にRM 35万相当以上の預金額(日本円にして950万円)があることという条件をすでに満たしてしているわけですから、その額から405万円を引き出すことは、理論的には可能ですよね(もちろん現実には個人個人の事情がある)。

以上のことから、(以前はもっと所得があった人を含めて)世帯所得が低い層でも理論的にはマレーシアマイセカンドホームプログラムに申請し、参加する道はあります。
ただし、預金などの流動資産がないと上記の条件を満たせないことになりますから、低所得階層では楽ではないことはわかります(流動資産のないイントラアジアには無理ですな)。

【マレーシア社会におけるRM 15万と35万の持つ重みを考える】

ところで口座残高RM 35万相当とか定期預金額RM 15万という金額ですが、一体マレーシアではこの金額は一般家庭にとってどのような重みを持つのでしょうか、少し説明しておきます。

マレーシアの労働人口は1100万人ぐらいです。その内公務員が約120万人を占めます。つまり1割以上の比率です。なおマレーシアに国家公務員と地方公務員の区別はありません。全て公務員 penjawat awam です。

公務員は最終学歴によって職務、職位、給与等級が厳然と区別されています。学歴の下から上に従って給与等級とその支給額をみていきましょう(マレーシア語紙 mStarを参照)。

N1等級からN16等級:PMR(中学第3学年生対象に実施される全国統一試験)で基準点以上を獲得した者
初任基本給 RM 647
生活手当て RM 100-300
住居手当 RM 180
公共サービス付加金 RM 85
N1等級の最低支給額:プラスαを加えてRM 1,224、最大支給額 RM 2,236

N17等級からN26等級:SPM(中学第5学年生対象に実施される全国統一試験)で基準点以上を獲得した者)
初任基本給 RM 820
生活手当て RM 100-300
住居手当 RM 180
公共サービス付加金 RM 130
N17等級の最低支給額:プラスαを加えてRM 1,395、最大支給額 RM 2,784

N27等級からN36等級:STPM(中学第6学年生対象に実施される国立大学入学資格試験)合格者またはカレッジなど非大学の高等教育機関の修了者、これをDiploma レベルと呼ぶ。
初任基本給 RM 1,100
生活手当て RM 100-300
住居手当 RM 180
公共サービス付加金 RM 160
N27 等級の最低支給額:プラスαを加えてRM 1,824, 最大支給額RM 4,025

1クラス省略

N41等級からN54等級:大学卒(学士である者)
初任基本給 RM 1,688
生活手当て RM 100-300
住居手当 RM 180
公共サービス付加金 RM 300
N41等級の最低支給額:プラスαを加えてRM 2,540, 最大支給額RM 6,070

Intraasia注:マレーシアの学制は小学校6年制、中学校5年制、その上が高等教育です。中学第6学年へ進学するものは5年生の1割程度だ。つまり11年間教育で高等教育機関へ進学できる道がある。ただし多くの国内外の大学は大学前段階予備教育の修了を条件としている。

一般論としていえば、公務員の給与は民間よりも低い、これは公務員身分の安定性からいえばある程度納得のいくところでしょう。しかしながら民間は千差万別ですから、公務員給与より低い職場は全然珍しくない。

人数からいえば「N1等級からN16等級」に次いで多い階層である「N17等級からN26等級」の人たちを見ると、初任最低支給額はRM 1,395です。もちろんいつまでも初任給のままではありませんが、この等級クラスで勤務開始30年後に支給額がRM 5000位まで上がるなんてことはありませんので(各クラスの最大支給額をご覧ください)、RM 15万という額はかなりの額ということがわかります。ましてRM 35万は個人が受ける給与額だけではまず貯めることが不可能な額と言えます(給与全額を預金すれば可能でしょうけど、それは非現実的ですね)。

参考までに公務員のトップ役職者への支給月額をあげておきましょう。
首相:RM 22,826、 大臣:RM 14,907、

RM 1,395に「1万円がRM 370だからRM 1=約27円」という現時点でのレートを掛け算しては、決してマレーシア社会での位置づけが見えてきません、それは国内物価などの因子を無視しているからです。RM 1,395という額は日本社会における37,665円と決して同じ重みではありません。

長々と公務員の給与を例に取り上げて説明しましたのは、RM 15万という額がマレーシア社会でどういう位置づけになるかを皆さんに知っていただきいためです。


【月額8万3500円の予算額をマレーシア社会にあてはめてみる】

さて今回のブログは上段で述べましたように「掛けた年金種を問わず受給額の合計で年額200万円も受給できないか受給見込みのない方々、あるいは資産引き出し額で年間200万円もとても引き出せない方々を対象」としていますので、マレーシアで手元に用意できるお金が、平均的厚生年金受給者の年金受給額つまり月額16万7千円の半分程度だという方の場合をみてみましょう。

この額8万3500円はN41等級からN54等級:大学卒(学士)の初任給額より多少良いレベルになります(現時点での為替レートならRM 3,090)。試しに為替が20%ほど対リンギット円安に進んだ 1万円 =RM 300の場合でも RM 2,505ですから、8万3500円という額の位置づけがある程度おわかりになりますね。

大卒初任給RM 2,540はマレーシア全体の勤労階層における月収額から見て低いとは言えません。すぐ下で説明しますように、8万3500円は現在の好為替レートで両替するとRM 3,000ぐらい、円安になった為替レートで両替してもRM 2,500ぐらいを得ることができますから、マレーシア社会の水準からいえば中位程度の収入額とみなせます。

ここでもう一つ統計を使います。2009年頃におけるマレーシア人家庭の月間世帯収入額とその割合を示しておきます。以下の数字は世帯収入額と全体に対するその割合です。
RM 1000以下:8.6%
RM 1001 - 2000:29.4%
RM 2001 - 3000:19.8%
RM 3001 - 4000:12.9%
RM 4001 - 5000:8.6%
RM 5001 - 10,000:15.8
RM 1万以上:4.9%

そうするとRM 3000ぐらいが全体のちょうど中位点あたりに位置することがおわかりでしょう(下から3つの階層の合計割合は57.8%を占める)。

結論的にいえば、8万3500円という額は、為替レートの変動を織り込んでも、公務員の大学卒初任給額よりやや多く、マレーシア全体の世帯所得分布の中位点ぐらいに当たるということです。この額では十分快適に暮らせるとは言えませんから、控えめに暮らすことになります、しかしそれは決して”かつかつの生活”ではありません。

【額としては十分ではないが、かつかつの生活にはならない】

月予算額8万3500円は、マレーシア生活はマレーシア社会でいえば中の上でなければならないというロングステイ希望者にはもちろん不十分な額です。ただ今回のブログでの想定対象者は、平均的厚生年金受給者の半分程度しか受給できない方、または年間所得300万円ほどの低所得層の方ですから、イントラアジアがここで説明していることがおわかりになっていただけることだと期待しています。

マレーシアに住むようになった当初の数ヶ月間は、賃貸料敷金やもろもろの物品の購入費などのため、それなりに費用がかかりますが、その後はこの予算月額つまり8万3500円で暮らしていくことは、可能です。そしてマレーシア社会においてその生活が決して下位クラス(下から3分の1の範囲)にあたらないこともおわかりでしょう。


都市に暮らす場合と地方で暮らす場合では生活費に当然違いはありますし、個人個人の期待度と許容範囲に差があることはいうまでもありません。十分なるロングステイ資金があるまたは準備できる方は別にして、十分とはいえない額しか準備・用意できそうにない方であっても、適応性と実行力さえあれば(これは必須です)、控えめなロングステイができることを、イントラアジア自身の長年の実践を裏づけにして理論的に説明してみました。



海外ロングステイにいたるまたは滞在先の選択に関わる動機と何が影響するかを考えてみる

2011年01月08日 | 総論と分析と考察
海外にロングステイなさりたい方、現在すでにされている方にとって、ロングステイの一番の動機は何でしょうかね?

この種の調査はどこかの団体や一部のマスコミなどがそれぞれ何回も行って発表されてきたことでしょう。ここではそういった調査結果を基にした細かい数字を論じることはしません。

そこで今回のブログでは人々が海外ロングステイを目指す動機やきっかけ、それらの背景などを考察してみたいと思います


【自身の背景を少し語りましょう】

ことの性格上、まずイントラアジアのケースをちょっと例にしてみます。
イントラアジア (Intraasia)はその名前が示唆するように、東南アジアとりわけマレーシアを生活と滞在の基盤にしながら東南アジアに打ち込んでいます。東南アジアに打ち込むようになったのは1990年ごろからですが、それ以前の1980年代中ごろからすでに東南アジアをしばしば訪れており、かなり興味を持っていました。東南アジア言語の学習は1980年代前半にすでに手がけています。

ただ1980年代は私自身の中に中欧と東欧への強い興味と憧れがありましたので(これは1970年代後半から続いていたもの)、ヨーロッパをしばしば訪れ且つ短中期の滞在を繰り返していました。1980年代後期は中欧への移住を真剣に考え且つ現地でも試みていました。その後ある個人的理由から急遽取りやめて、日本に戻りました(1990年春)。ところがその半年後新たに雇われた会社の仕事で海外駐在の道を選び、これが以後マレーシアに住むようになるきっかけとなったわけです。

私の35年間に及ぶ長い海外旅行・滞在歴の中で、他にも北米、北部と南部のアフリカ、南太平洋諸国、南アジアなどを数多く訪れていますが、住む地つまり移住地としては考慮対象になりませんでした。

人がある地に自分から好んで住む・滞在する以上、それなりの動機が必要です。つまりイントラアジアにとってアフリカ、南太平洋諸国、北米などは中東欧と東南アジアに比べて移住したい十分な動機が足らないか”十分なる”興味がわかなかった、ということです。といっても興味がわかなかったとか嫌いだということではありませんよ、どの国や地域であれ、興味がまったくわかないなんてことはイントラアジアにはありません。例えばアフリカと南太平洋諸国は今でもまた訪れたい地です。

このようにイントラアジアがこれまでに移住地の対象に選んだのは中東欧と東南アジアの2つの地域です。この2つの地域にはそれぞれかなりの数の国がありますが、やはりどの国でもいいということにはなりません。

中東欧と東南アジアの両地域でそれぞれ多くの国々を訪れたことで、この国なら住んでみたいなあと思うようになる場合が、イントラアジアの場合は主たる動機になります。本や雑誌で読んだこことから ある Xという国に興味を持つようになることもあります。ただその場合でもやはり実際に訪れて自分で見てみることが、決定打になりますね。

20代前半から海外へ行き始めたイントラアジアですから、それ以来ある地域やある国に興味を持ったらできるだけ訪れるようにしてきました。といっても経済的と時間的制約がありますから、多少でも興味を持った国々の全てを訪れることはできませんでしたが、ざっと言って 3分の2ぐらいは訪れたでしょう。書物の上では大して興味を持たなかったまたはその国を詳しく紹介した書物を当時読んでいなかったけど、旅ルートの中で訪れたことでその国にかなり魅せられた、という場合もあります。


【非自発的選択だが多年の居住地になることもある】

イントラアジアにとってマレーシアはいわば非自発的選択の最たる例です。というのは、1990年当時東南アジアの中でイントラアジアの興味対象が大きかったのは、タイとインドネシアでした。当時イントラアジアは海外勤務の可能性を探して求職しており、そのとき就職した日本企業の海外初進出先がマレーシアであったことから、イントラアジアはまもなくマレーシアに赴任となりました。

このように、人間何がきっかけである国に住み始めるかわからないものですね。1990年ごろといえば、インターネットはまだ一般市民にはまったく普及していない頃であり、海外情報はほぼすべて活字で書かれた書籍類で探した時代です。言うまでもなく現地事情を知る人に尋ねるという直接手段と映画など撮られた映像で見るという手段はいつの時代でもありますね。


【情報が作るイメージと像が拡大しやすい現代

時代は変わり21世紀の現在、海外情報はまさにありあふれており、且つ手間暇かけて探す気さえあれば、かなり詳細な情報も以前とは比べものにならないほど容易く入手できるようになりました。世界がインターネットで結ばれ、そのことで世界の情報とコミュニケーションに一大革命をもたらしたからです。

そんな便利社会の現代ですから、むしろ情報に振り回される人たち、情報の質に惑わされる人たち、情報選択を誤っている人たち、の多さをイントラアジアは感じます。

人々の口コミ情報を含めてマスコミが植えつける地域や国々の像、日本人一般が以前から持っている捉え方、この2つがインターネット全盛である21世紀の現代社会でも、かなり、いや依然として最大級のイメージ作りに貢献していると感じます。

例えば、昨年2010年はタイのバンコクでは反政府騒乱が発生しましたよね。まるでタイ全土が危険地帯であるかのように、マスコミは報道し、ごく一般的なニュースしか見ない人はそんな印象を持たせられていました。

あれはバンコクの中心街で起きた出来事ですが(たまたま伝統的に少なからずの日本人が居住している、働いている地区に近かった)、広大なバンコクの全ての場所や町内で不穏状況が発生していたわけではありません。南部とか東北部といったバンコクから何百キロも離れた地方の県では、市民はごく普通に生活していたのに(極めてごく一部の場所だけで小さな事件が起きたのみ)、そういうことをマスコミは強調しないし、且つ日本人を含めた他国の民は知ろうとしないのです。隣国であるマレーシアでさえ、一般市民の反応は(日本の一般市民と)同様なのです。

これはマスコミが報道する海外ニュースの常であり、マスコミ界はある国で起きた問題をその国に全体化、一般化させる体質を持っていること、一方ある国のことをよく知らない、ある国とはあまり関係ない他国の人たちは報道される中で耳目を引くこと”だけ”に捉われて、そのイメージを全体化させてしまう傾向が強いからです。


【あるべきロングステイ先像から多少乖離していても候補に入れますか?】


世界200カ国あまりもある中で、全ての国をよく調べ、自分で訪れて、そうして比較するなんてことは誰もできません。ですから海外ロングステイされる方もその選択候補を考える際に、思考の基底にはこのようなネット情報を含めた広義のマスコミが伝えるある国の像、ある地域の像、及び日本人一般が抱いているイメージが相当程度付いて回ることになります(それだけとは言いませんよ)。

海外ロングステイを選ぶ、考えるとっかかりはまずここから出発するわけです。そこで、この思考の基底にある像とイメージだけを手がかりに候補を考えていく方たちと、その像やイメージが自分の求めるそれとは多少外れているけど(まったく外れている場合は別)、とりあえず候補にも入れてみるかと思う人たち、の2種類に分かれるでしょう。

わかりやすい例で言いましょう。イスラム教とムスリムに関する像とイメージは、日本人の間で非常にステレオタイプ化しています。これは多分に、伝統的に西欧思想が日本に大きな影響を与えてきた歴史と現代でも続く漠然とした西欧志向の強さが原因ですが(二言目には、先進国ではどうのこうのと言いたがる、何々の専門家やマスコミ登場者などが溢れてますね)、加えて日本人独自の思想と文化から見てもイスラム教とムスリムは異質であることは否定できないでしょう(この面では違和感を感じても仕方がないともいえる)。

しかし現実にイスラム世界に住み、ムスリムと日常的に接すれば、埋め込まれた像とイメージに合わない面が結構あることに気がつくはずです。気がつかないとすれば、それは真摯に日常的に接していないからです。さらに一口にイスラム教とムスリムといっても、その世界はサウジアラビアからインドネシアまで、イランの堅固なシーア派教徒から中国社会で代々生きるゆるやかなムスリム民族まで、かなり多様で幅広いのです。

ですから、読者の方がロングステイ先を考える際に、その国の像やイメージが自分の求めるそれとは多少外れているけど(まったく外れている場合は別)、とりあえず候補に入れてみるかと思う人たちのグループに属されておれば、多少正確性を欠くが卑近な形容である”いわゆる穏健なイスラム国やイスラム地域”も考慮先に入れてみるのもいいのではないでしょうか。具体的にいえば、東南アジアならマレーシア、インドネシアということになりますね。


【粗探しより、興味あること、良い面に目を向けてみる】

ここから上記で述べたことにつながっていきます。
ロングステイを考慮されている、ロングステイに憧れていらっしゃる方々には、多すぎる情報に振り回される、情報の質に惑わされる、情報選択を誤らないようにしていただきたいなと、イントラアジアは願っています。

あまりにも細かな情報や各国事情の比較にこだわれば、どんな国だって粗は出てきます。好ましくない点や気に食わない面が気になることは仕方ありませんが、それに気を取られ過ぎない、むしろ良い面や自分に興味ある面にもっと目をむけてみることが、海外暮らしで楽しく過ごし、長続きさせるには大いに必要なことです。


【小さな失敗をいくつも経験しないと実際の姿が見えてきません】


イントラアジアがこのブログで時々主張していることを再度書いておきます。いくらか情報収集されたら、まずご自分の目で見て、自分の足で歩き回ってください。そうすると、いわば耳学問で得た情報との違いが感じられるはずです。読者の方にとって 数十年とはいいませんが、5年、10年と住むことになる国です。ロングステイ先を決める前に、数ヶ月程度の実滞在はすべきだと言えます。そしてその体験は最終的な選択に大いに役立つのです。

当ブログをご覧になる方の大多数は、イントラアジアと違って、20歳以降の人生の大部分を海外で過ごされた経験のない方たちのはずです。あの国、この地域というように幅広く体験されてないため、どうしてもインターネット上の口コミを含めたマス情報に頼りがちになられることはわかります。

でもせっかくイントラアジアのブログをご覧になられたのではありませんか、多すぎる情報に振り回されないために、情報の質に惑わされないために、ご自分がとりあえず興味をお持ちになった国々をまず訪れて、例え短期でも滞在してみましょう。そうすれば小さな失敗もいくつか経験することになります。小さな失敗はその後の成功につながる大事な体験ですよ。

A国での家賃はいくらで、b国での食料費はいくらといった細かな微に入る比較本などあまり意味がありません。国情が違い、条件が違うことを前提にした単なる参考にしかならないでしょう。ビジネスとしてロングステイ先の美辞麗句を並べているような代理業者や団体など後回しにしましょう。
それよりも自分の目と感性を信じ、歩いて肌で感じてみましょう。

これはイントラアジアが長年実行してきたスタイルであり、専門書の多読はその後に来ます(感性だけでは不十分ですから、きちんとした書物からの知識も必要です)。ロングステイされたい方々に、20歳以降の人生の3分の2を複数地域で多国からなる外国で過ごしてきたイントラアジア的スタイルを押し付けたいのではなく(それは不可能です)、このブログからヒントを読み取っていただけたらなあ、という私の思いを込めています。


【ロングステイ層は経済基盤があり、多様な人々からなっている】

海外ロングステイが現実にできる方たちというのは、この格差社会の中で少なくとも路頭に迷わない経済基盤をお持ちの層であるはずです。受け取っているまたは受け取ることになる年金が主たる財源であれ、ご自身の蓄えが主体であれ、少なくとも月10万円ぐらいの可処分所得を、日本で働くことなく得られるまたはそれが十分に見込める方たちです。
イントラアジアは今回日本に滞在して、つくづく現代日本の格差社会を見聞することができ、同時に自分自身が直面しています。月10数万円程度の非正規雇用手取り賃金では、とても海外ロングステイ用の資金はたまりませんね。

ですから、実際にするしないは別にして、ロングステイをまじめに考慮されている方たちは、経済基盤があるわけです。つまり数千万円のコンドミニアムを現地でぽんと購入される方から、多少程度の落ちるコンドミニアムを賃貸するのが精一杯だという方まで違いはあろうとも、ロングステイ可能層という範疇に入りますね。

この経済基盤面の違いは当然として、その他の面でも海外ロングステイされたい、憧れていらっしゃる方は一様ではないはずですよね。南欧が好きな方もあれば、東南アジアに住みたいと思われている方もいらっしゃいます。そう、まず自分の好みを第一に、しかし多少柔軟な思考で広く検討もしてください、そして実体験を経てお決めください。その結果が、スペインであろうと、オーストラリアであろうと、タイであろうと、イントラアジアは感知しないことです。

その中で東南アジアに対象国を絞りたい方々に対しては、そうであればマレーシアも考慮に入れてみませんか、マレーシアは暮らしやすい国ですよ、とお勧めの言葉をかけてみます。でも選択はあくまでもあなた自身がなさるのです。イントラアジアはマレーシアだけが絶対にお勧めとか、是非マレーシアにすべきだなどと説得したいがためにこのブログを運営しているのではありません。

イントラアジア (Intraasia)は、マレーシアはロングステイになかなか向いている国ですよと宣伝、解説する一方、日本人の海外ロングステイの多様な発展にも微力ながら貢献したいと願っています。
おしまい。


2011年年頭のブログとして、読者の皆さんにとって良い年でありますようとの願いをここに記しておきます。

今回は今年最初のブログですので、反対に年初のブログなのにという感想もあることでしょうが(笑)、いささか理屈っぽく長目の文章を載せました、全5800字。実践を理論的に整理しまたは裏付けていくことはイントラアジアが標榜しているところなので、馴染みのない読者の方は悪しからずご了承くださいね。

【ひとことご挨拶】

当ブログは昨年(2010年)大晦日に、日々の実訪問者数を累計した訪問者総数で2万人に達しました。そして今年3月でブログ開設2周年を迎えます。ごく特化したテーマを論ずる当ブログは、あちこちに登録するようなこともせず、とりたてて宣伝しているわけではないにも関わらず、Google などで検索されることで、さらに口コミ紹介もあるでしょう、当ブログを訪問される方が結構いらっしゃることをいつもうれしく思っています。主催者として多くの方に読んでいただくことは励みにもなります。


海外に住みたい人も住みたくない人もいます。人それぞれ判断基準は違うから無理にロングステイを勧めません

2010年11月23日 | 総論と分析と考察
[新聞に載ったあるアンケート記事に目が留まった]

イントラアジア (Intraasia)は時々図書館へ行って新聞を読みます。その際、時々興味を起こさせる記事に目が留まります。その中で、 2010年11月20日付け朝日新聞に載っていた記事は、この”マレーシアマイセカンドホーム”ブログの対象者の方々にかなり関係があるとい えるでしょう。その記事は”be モニター”に登録している読者に対して行ったアンケートをまとめた記事だと理解されます。
そこでまずその記事の概要を紹介して、その後で論じてみましょう。


記事タイトル「between 読者とつくる」  外国に住んでみたいですか?

大きな見出し: はい 56%    いいえ 44%

はいの人が答えました、最も住んでみたい国・地域は?(3つまで選択、15位まで)
カナダ:776人、 オーストラリア:674人、 米国本土:592人、ニュージーランド:577人、英国:472人、イタリア:384人、北欧:380人 、西欧:364人、フランス:341人、スペイン:318人、ドイツ:313人、太平洋の島:306人、シンガポール:152人、南欧:145人、タイ: 133人

その理由は?(2つまで選択)
現地の食事、自然、気候が好き - 1262人
リタイア後の余生を暮らしたい - 1088人
その国の言葉を身につけたい - 555人
物価が安く、経済的に豊かに暮らせる - 367人
以下省略

いいえの人が答えました、 その理由は?(2つまで選択)
現地の言葉ができない - 985人、
慣れぬ土地で生活に不安 - 728人
治安が心配 - 700人
衛生面や医療体制が心配 - 447人
以下省略

この記事の編集者(原島という姓)はこう前書きに書いています:
「前半は省略。 一方、年配の人々の間では、日本の年金制度への不安もあって、老後は海外で暮らしたいと思う人々が増えているとも言 われます。 以後も省略。」

この記事によれば、朝日新聞の”be モニター”には1万7千人が登録しており、今回のアンケートに答えた人の数は4722人でしたとのことで す。

[グローバル化しても?グローバル化だから?やはり日本人は英語圏が好きなんだ]

さてこのアンケート記事は、自発的に申し込んでいるモニター登録者だけが回答者なので、おそらくいろんな面での問題意識または行動意 識が比較的高い人たちだと推測されます。そのためもあってでしょう、外国に住んでみたいですかの設問に、56%もの人が「はい」と答え ていますね。日本社会から無作為に抽出して同じようなアンケートを行ったら、きっと「はい」の割合がこんなに高くはならないでしょう 。

その点はここではこれ以上触れないとして、アンケート結果に示された国名にまず目が行きました。上位5カ国のカナダ、オーストラリア、 米国本土、ニュージーランド、英国 はいずれも英語圏ですね(その国の一部には非英語地域はあるが英語国という範疇にみなせます)。 あいも変わらず日本人は英語圏好きだなあ、というのがイントラアジア (Intraasia)がまず感じた印象です。

これほど世界でグローバル化が進んだ21世紀の現在でも、まるで数十年前の一般日本人の海外憧れ思考の内容とあまり変わってないではな いか、との思いをイントラアジア (Intraasia)は抱きました。グローバル化が英語の言語独占現象をより急速に広範化している面は、まこ とに残念ながら、ありますが、一方グローバル化は世界の多様さを一般市民にも身近に感じさせている面もありますよね。

グローバル化が引き起こしたさまざまな現象の中で、ある一面だけが日本人の意識をより捉えているんだなと思いました。日本はアジアの 国であることがいつも念を押され、東南アジアとの近しさが強調されているにもかかわらず、なぜ多くの日本人はいまだに典型的欧米社会 に憧れるのだろう、とイントラアジア (Intraasia)にはいつもながら納得がいきません。

その憧れを増幅させているのは、テレビや雑誌といったマスコミであり、欧米のことを扱ったニュース、記事、スポーツ、ゴシップ、事件 、写真、番組、体験記などがこれでもかこれでもかと流されていることですね。大リーグの話題をこれほど頻繁にニュース扱いする国民は 世界に二つとはないでしょう。これだけ多種多量に欧米のことが絶え間なく流されておれば、小さな子供から年配の方まで、意識の中に特 定の欧米像が形づくられていくのは不思議ではありません。市井の人々がふと口にする欧米への評価言葉と東南アジアへの評価言葉の間に ある、価値の差は歴然としていますね。 

[決して主流に加われない東南アジアの話題]

今回の日本滞在で改めて認識しました:数十年前と比べたら東南アジアに関する報道、記事類は格段に増えましたが、その多くが、何か問 題や事件が起きたことを伝えたり、エキゾチックな物や面、貧しさ面を必要以上に強調するスタイルが依然として主流ですね。 ありきた りの東南アジアの人々や生活を伝えることは日本人一般の興味を引かないようです。卵が先か鶏が先かと同じように、日本人一般の東南ア ジア興味が深化しないからマスコミは東南アジアをいつもステレオタイプ化やエキゾチック化して伝えるのだろうか、それともマスコミが 東南アジアを常にステレオタイプ化、エキゾチック化するので日本人一般は東南アジアへの興味が深化しないのだろうか?

他人が欧米に、とりわけ英語圏に憧れようといいではないか、それは人の好き好きさと言ってしまえば、確かにそれは一理あります。しか し長年マレーシアをはじめとして東南アジアに打ち込み、書き続けてきたイントラアジア (Intraasia)としては、この朝日新聞に載った1 つのアンケート記事に代表される、日本人一般の海外意識の変化の少なさに残念な気持ちを感じずにはいられません。だからこそ、今回の ブログの題材に取り上げたのです。

イントラアジア (Intraasia)のホームページやブログを長年お読みになっている読者の方なら、イントラアジア (Intraasia)がかつて1970 年代と80年代は、世界の他地域とりわけヨーロッパに打ち込んできたことに何回か触れたことを覚えていらっしゃるでしょう。イントラア ジア (Intraasia)は決して反欧米主義者ではなかったし、それは今でも同じです。反欧米などという観点からではなく(それどころ かイントラアジアは依然として欧州が好きです)、1990年ごろからイントラアジア (Intraasia)は東南アジアにより魅せられたことから、 東南アジアの自然な姿をより多くの日本人に知っていただきたい、という気持ちで長年書き続けてきました。

その東南アジアの中でもマレーシアは暮らしやすい国だと自信をもっていえるからこそ、このブログも立ち上げ、持続させています。

[海外に住みたい人、住みたくない人の諸理由にコメントする]

アンケートにおける”はい”の返答理由では、「現地の食事、自然、気候が好き」がトップになっていますね。-そう、このブログを訪問 された方ならきっと、マレーシアやタイやベトナムの食事、自然を気に入っていただけるようになりますよ。寒い、冷える、そんな気候と はまず関係ないのが東南アジアの大部分の地域です。暑さ苦手な方には涼しい地域も少なからずありますよ。

”はい”理由の第2に挙がっているのが「リタイア後の余生を暮らしたい」です。 - 上手に暮らせば物価の安さを享受できるのが、マレ ーシアなど東南アジアの国々です。”はい”の理由の第4に挙がっている「物価が安く、経済的に豊かに暮らせる」そのものですね。

尚このアンケートにも下位で載っているシンガポールですけど、物価はかなり高いし、国土は狭いし、他の東南アジア諸国を見下す国民性 だし・・・・ 地理上は東南アジアだけど東南アジアの国とは認めがたいというのが、イントラアジアの独断と偏見から捉えたシンガポー ル観ですな。

「その国の言葉を身につけたい」という理由をあげた”はい”の人たち、「現地の言葉ができない」という理由をあげた”いいえ”の人た ち、両者が言語の理由をあげていますね。 確かにその国の言葉がある程度できないと、その国・地域に馴染めない、日本語コミュニティ ーだけに浸ってしまうということになってしまいます。 海外ロングステイされる方はなにも通訳レベルになる必要はありませんから、コ ミュケーションの道具として言葉を習い、覚えていくのがいいのです。

イントラアジア (Intraasia)は海外ロングステイ者にはその地の言葉を覚える努力を推奨しています。どんな国であれ、生活する新天地に 馴染もうとせずに海外ロングステイするような人たちは当ブログの対象ではないことは、以前にも書いたとおりです。日本に住む外国人は 日本語を習う、使う努力をすべきであるのと同様に、海外ロングステイされる方々もその地の言葉に馴染む努力はすべきなのです。誤解な きように付け加えれば、結果として”ぺらぺら”になれないことなど気にする、恥じる必要はありませんよ、その言語の上級者になるため に海外ロングステイするわけではありませんからね。


”いいえ”の人たちがあげた理由第3は「慣れぬ土地で生活に不安」です。確かに誰であれ、初めて暮らす外国の地に不安感を抱くのは自然 なことでしょう。二十歳以降の人生の3分の2は日本国外にいるイントラアジア (Intraasia)でも、まったく初めての国や地域に足を踏み入 れるときはある程度の緊張感を抱いたものです。

長年日本に住んでいて、歳をとってから初めて海外で暮らすというようなロングステイ希望者であれば、その不安感はかなりのものだと思 われます。こういう方々に対する特効薬も魔法の杖もありません。徐々に慣れていこうという気持ちを持って、多少の失敗を恐れず慣れる 努力をしていくしかないでしょう。

慣れるんだという気持ちすらない方が海外ロングステイすれば、誰かに、つまりエージェントや知り合いに、おんぶに抱っこという状況に なるでしょう。海外ロングステイは誰にでも向いているとは思いません。向いていないなあと思われる方もいらっしゃいますね。イントラ アジア (Intraasia)はマレーシアマイセカンドプログラムを売り込んでビジネスにしているエージェントではありませんから、はっきりと ものを言っておきます。

[自分の目で見て、足で歩いてください]


”いいえ”という方たちがいつも典型的にあげる理由が、「治安が心配」「衛生面や医療体制が心配」ですね。イントラアジア (Intraasia)はそういう方々を無理に説得することはしません。マスコミの騒ぎ立てに踊らされずにまずご自分の目で十分確かめてください 。否定的な言動ばかり吐いている一部の在住者や旅行者の思考の根元にあるものに気がついてほしい、とイントラアジア (Intraasia)は願 っております。

ご自分の目で見て、足で歩いてみた結果、その国に納得できなかった、治安の心配がどうしても頭を離れない、衛生面や医療体制にどうし ても満足できなかった、そういう結論に達されたら、きっぱりとその国を、ここではマレーシアを、あきらめてください。他国をお探しく ださい、または海外ロングステイをあきらめるもいいかもしれませんね。人それぞれ判断基準は違います、だからイントラアジア (Intraasia)は無理にマレーシアを勧めるようなことはせずに、できるだけありのままのマレーシアを伝えようとしています。


ところで最後にひとこと加えておきます。この記事をまとめた編集者の言葉の中に、奇妙な発言がありますね:「年配の人々の間では、日 本の年金制度への不安もあって、老後は海外で暮らしたいと思う人々が増えているとも言われます。」

日本の年金制度への不安があることで、なぜ老後を海外で暮らしたくなるのだろうか? 仮に日本の年金制度が大幅に改悪されたら、一部 の本当の富裕層は除いて、ほとんどの人は海外ロングステイなどできません。海外ロングステイする国が外国人滞在者に日本で享受できる 以上の生活保障を約束したり、無料ながら良質で十分なる医療サービスを提供する国などありません。ロングステイを売り込んでいる国は 、滞在者が金を落としてその国の経済に貢献することを期待しているのです。



平均的厚生年金受給額でマレーシア中流生活ができる

2010年10月30日 | 総論と分析と考察
現在ものすごく久しぶりに、約20年ぶりです、日本にまとまった期間滞在していることから、毎日ではなくても新聞に目を通す機会がよくあります。こう書きますと読者の中には、インターネット時代の今日、マレーシアなど外国にいてもウエブ上で日本の各新聞を容易に読めるではないか、さらに主要都市に住んでいれば日本の(紙の)新聞購読もできるではないか、とお思いになる方が少なくないことでしょう。 

そこで説明しておきますと、Intraasia の長年のあり方として、海外に住んでいる時は日本語のメディアにはまったく目を通さないからです。マレーシアでいえば、マレーシア各言語メディアの伝える日本に関するニュースとIntraasia 主宰のホームページ、ブログなどに書き込まれる読者からの書き込みとメールがIntraasia の得るほとんどすべての日本情報と知識です。

[平均的厚生年金受給者の年金収入額に興味をおぼえた]
さてこの数ヶ月日本で読んだ新聞や雑誌や単行本に載っていた、現代日本の状況説明・解説と統計数字に興味をおぼえたものがかなりあります。そのたくさんある中の1つに、平均的厚生年金受給者の年金収入額は 年額201万円という数字があります。

現在すでに年金受給者ということですから、その年齢層は団塊の世代及びそれ以前の世代になりますね。日本の高度成長時代に刻苦精勤して長年厚生年金を納められてきた方々ということでしょう。なおIntraasia は団塊の世代の直後世代なので、理論上はあと数年で厚生年金が受給できます。しかし厚生年金を納めた年数が10年にもはるか満たない一桁年数なのでその額は微々たるものです。

自分のことはさておいて、この受給平均年額201万円という額を紙上で目にしたとき、ほーかなりの額なんだなあと思いました。もちろんそれは理論上の我が受給予定額の微額さを下敷きにしたものですが、現代日本では年収200万円に満たない層が軽視できないほどの比率を占めているという、別の事実も知っていたからです。

ということは、年額200万円または月額16万7千円という金額は、十分とはいえなくてもそれなりに価値ある額といえるのではないでしょうか。この金額は、日本で暮らす以上にマレーシアなど東南アジアで暮らせばより重みを増すことになります(ただし高物価のシンガポールは除きますよ)。

[月収5千リンギットはマレーシアの中流層といえる]

月額16万7千円をマレーシアリンギットに換算してみましょう。円高の現在のレートを安全に見込んで ¥100 = RM 3.0 で計算してみます。¥100 = RM 3.5 などという時期も1年ほど前にはありましたが、外国為替は安全なレートで計算するのがいいでしょう。

16万7千円は RM 5,010 つまり約5千リンギットになります。月収5千リンギットという額は、マレーシア社会では都会の中流階層世帯の月収となります(中流といってもその範疇が幅広いことはいうまでもありません)。マレーシア人世帯であれば、家族数5人が平均的であり、多少とはいえ所得税も納めるはずです。つまり世帯としての可処分所得は5千リンギットもありませんし、若年世帯であれば子供たちの教育費などにある程度の割合も割かなければなりません。

一方マレーシアマイセカンドホームプログラム適用者の場合はもはや子供に手のかからない夫婦2人のケースが圧倒的多数派でしょうから、1人あたりの額から考えてマレーシア人世帯よりずっと楽な家計となりますよね。さらに以前の当ブログで強調しましたように、マレーシアマイセカンドホームプログラム適用者が受け取る日本の年金額にはマレーシアの所得税は課されません。従って世帯としての可処分所得は丸々5千リンギットということになりますね。従って同じ月収5千リンギットでも、中流マレーシア人世帯の場合より日本人引退者夫婦世帯の方がずっと家計面では楽である、と言って間違いないでしょう。

別の表現をすれば、マレーシアマイセカンドホームプログラム適用者は月収5千リンギットあれば、マレーシアで十分中流生活ができるということです。こう書きますと、いや月5千リンギットでは足らない、不十分だという、現在滞在中のプログラム適用者からの反論も当然出てくることでしょう。個人差があるのでそういう声は否定しませんが、Intraasia がこのブログで対象にしているのは、幾分控えめな生活スタイルを実行し、生活のあらゆる面にまで日本的それを期待しない思考の持ち主たる、マレーシアマイセカンドホームプログラム希望者・考慮者なのです。

外国に住んでも相当なる日本的生活スタイルを期待する、あらゆる面で”日本”を外国に持ち込んで暮らそうとする方たちは、Intraasia の想定する海外居住者の像から外れます。これはこのブログだけでなく、Intraasia の主催する主媒体であるホームページでは長年貫いてきた方針です。

外国に中長期滞在する以上、何国人であれその人の自国とまったく同じ環境は期待できないし、期待すべきではない、その滞在国に”ある程度”あわせる必要がある、というのがIntraasia の一貫した主張です。こう書くと曲解されそうですから、誤解なきように付け加えれば、Intraasia のような非日本的スタイルで暮らすべきだと主張しているのではありませんよ。

Intraasia は、海外ロングステイを斡旋してビジネスにしているエージェントでも団体でもありません。その種のエージェントや団体やそういうエージェントや団体の声をそのまま載せているマスコミとは常に一線を画した立場であり、ビジネス目的の彼らの論点とは違ってあたりまえです。Intraasia は常に生活者としての立場と視点からホームページやブログを主催しています。

[5千リンギットの生活を机上で検証]
さて本題である月受領年金額5千リンギットつまり月収5千リンギットのマレーシアロングステイ生活に戻りましょう。
5千リンギットの中から、まず最大支払い項目であるコンドミニアムまたは住宅の賃貸用に2千リンギットを計上します。日本人のマレーシアマイセカンドホームプログラム適用者の大多数はコンドミニアム生活がご希望のようですね。2千リンギットではクアラルンプールの上流地であるKLCC地区やモンキアラ地区で物件を賃借するのはまず無理でしょうが、何もそんなところだけにこだわる必要はないですね。

以前にも書きましたように、コンドミニアムの供給は一般的に過剰状態であり、有名外国人居住地でない地区なら2千リンギット出せば、賃借できる物件は数多くあります。近くに高架鉄道の駅がある地区、マレーシア基準から中流階層主体の地区、ショッピングセンターに近い場所などなど、住居を探される方はその希望項目に重要度順位をつけて探していきましょう。大事なことは、1週間や2週間で探そうとせず、1,2ヶ月の期間をかけるつもりでゆっくりと探しましょう。日本にいながらエージェントにすべて任せるようなことはしない、マレーシアに到着してからしばらくはホテル暮らししながら探すまたは住居探し期間だと割り切って、十分に時間をかけて探しましょう。だってその後何年もお住みになるはずだからです。

マレーシアのコンドミニアムの各ユニットは日本のそれより床面積が広く、複数のバストイレが備わっているのが普通です(ストゥディオタイプを除く)。コンドミニアムと銘打てば、外部の者の出入りをチェックする守衛所は必須ですし、その多くがプール付きだといえるでしょう。もっともコンドミニアムにも当たり外れはありますから、よく下見しましょうということです。

次いで食費にうつります。副食を含めて月1千リンギットみておきましょう。Jusco で日本食材を時々買っても1千リンギットあれば足りるはずです(昔から日本食は一切口にしないIntraasia ですが、それでも店に並んでいる食材などの値段からある程度の推測はできます)。 なお1週間に複数回日本レストランで食事するような夫婦には1千リンギットでは足らないことになります。

光熱費に関しては以前のブログで詳説してありますので、それをご覧ください。

通信費を計上してみましょう。、インターネット接続代として 約RM 100, 携帯電話はよく使っても RM 200ぐらいに抑えます。海外通話においては、日本にいる家族や友人との国際電話はできるだけインターネット上で使えるSkype を使って節約すればいいのです。固定電話の基本料金は月RM 50弱 程度です。

交通費、これに関しては自動車を所有される方は、恐らく高架電車やバスの公共交通利用者よりも月間交通費は高めになることでしょう。もちろん交通費のかかり方は、滞在される方の行動様式次第でものすごく変化するので、平均的交通費というものの算出はむつかしくなります。ただクアラルンプール圏であれば、公共交通費として1ヶ月RM 200 を見ておけばいいのではないでしょうか。1ヶ月の乗り放題の定期的仕組みもありますからね。

頻繁にタクシーを利用される方は当然ながら、交通費がかなり高くなるのはいうまでもありません。ガソリン代と有料道路通行料と駐車場代が日本のそれに比べて数分の1かそれ以下であっても、自家用車があればその便利さからつい多用しがちだからです。高架電車とモノレールは誰にでも利用しやすいのですが、バスとなると慣れるのに時間がかかります。これはバスという交通機関の持つ性格上仕方のないことですから、失敗を恐れず乗り廻ってみることですね。

その他雑費として数百リンギットをみておきます。

上記の品目をざっと合計すると、大体4千リンギットになります。月予算額である5千リンギットまでにはまだRM 1,000の余裕があります。この1千リンギットは交際、娯楽、小旅行、などにあてる、または上記項目で予算オーバー額を補充するなどに使うとしておきましょう。例えば予算RM 500 もあれば2人で数泊の小旅行もできますし、数ヶ月間この予算を貯めて、数ヵ月後毎にちょっと贅沢な小旅行もできるわけです。ゆったりとした席のシネプレックスで映画を見ると1人約RM 10、あちこちにあるカラオケボックスでは平日日中なら1人あたり1回RM 50 ぐらいではないかな。なお女の子のいるラウンジやクラブはいくら安くても数百リンギットはかかります。

[医療についてひとこと]

おそらくマレーシアマイセカンドホームプログラム適用者のどなたにも多かれ少なかれ関係あるのが、医療の問題です。医療費だけをみれば、国立の病院または診療所は補助金のおかげで安く抑えてありますが、混雑度はかなり高いのが普通です。それよりも、マレーシア生活にある程度慣れられたとしても、国立病院・医院はプログラム適用者にはいささか利用しづらい面があります。一方白人や日本人などが好む私立の有名な病院や専門医院はかなりの高料金を覚悟する必要があります。つまり1回の診察と薬代で数百リンギットとの請求はごく普通です。

そこで以前のブログでも書きまたしように、マレーシアマイセカンドホームプログラム適用者の方は、ぜひ日本の海外旅行者保険にあらかじめ加入されることをお勧めしておきます。そうすれば高医療費も保険で担保できるからです。なお日本の医療保険に加入されている方も、海外での入院だけでなく通院治療も担保される海外旅行者保険は入っておくべきでしょう。マレーシアの都市部では通常の一般医院は数多く開業していますが、専門医の開業医となると日本よりはるかに数少ないのです。これは眼科や耳鼻科を含めて専門医自体の数の少なさが原因でしょう。そこで専門医に診てもらう際には、有名病院などへ行くことになりがちです。つまり医療費がかなり高くなることは避けられません。

持病などをお持ちのために日本でかかりつけの専門医がある方は、少なくとも年1回は日本で診てもらった方がいいのではと思います。これはマレーシアの医療水準うんぬんということはさておいて、医療サービスのあり方とその捉え方に違いがあるからです、言語面で不自由が感じられる方はなおさらでしょう。

[まとめとして]
こうしてマレーシア生活での必要支出金プラス非必須の使い道をざっと検討してみました。厚生年金の現在での平均受給額である月額16万7千円という金額、つまり換算した額である5千リンギットあれば、夫婦2人のマレーシアロングステイ生活を中流クラスとしてそれなりに享受できるといえるでしょう。もちろん、そんな金額では全然足らないという意見の方もいらっしゃるでしょうし、マレーシア的中流では不十分だという方もいらっしゃることは承知しています。

海外ロングステイをされる、なさりたい全ての方が満足できるような論を述べるのは、Intraasia には不可能だと言っておきます。いや、誰であれ、どんな団体やエージェントであれ、全ての方を満足させる説明などできるはずありません。ですからIntraasia は八方美人的解説ではなく身の丈を知った論を展開して、マレーシアでのロングステイをなさりたい方の一助になりたいと願っております。

これまでの日本滞在ではずっとネット接続ができない状況にあるため、久しぶりの更新になりました。

マレーシアマイセカンドホームは本来の目的に沿った対象者に絞るべきです

2009年12月17日 | 総論と分析と考察
この下の記事(前回)でパートタイム雇用に関する規定を訳出しましたので、今回はそのことに関する批評をちょっと書いておきましょう。

「マレーシア マイセカンドホーム」プログラムの本来の目的は、自国で定年退職したまたは事業・仕事などを引退した裕福な外国人にマレーシアに何年か住んでもらう機会を提供する替わりに、そういう人たちがマレーシアである程度まとまったお金を使うことを意図したもののはずです。お金が使われるあり方には、滞在のための生活費、住居の賃貸費または購入費、交通・自動車関連費、娯楽交際費、旅行費などの形があり、他にもプログラム参加者がマレーシアで不動産や株に投資する場合もあると想定されていることでしょう。

最初からプログラムでは、滞在許可期間はある程度長いがあくまでも限定であり、決して永住権を与えるものではないことは明言されています。さらに労働に従事すること、ビジネスを行うことはこのプログラムの目的から外されていました。ところがこの数年、この労働に従事できるようにする方策が、ある方面の要求なのかそれとも当局自体の発想なのか知りませんが、話題にされていたと思ったら、ついにプログラムの規定に加えられてしまいました。

こういう腰の定まらない中途半端なことをなぜするんだろうと、Intraasiaは思います。外国人がマレーシアで働きたければまず雇用してくれる会社を自分で見つけ、次にその会社がImigresen からその人を雇用する許可証を得ることで 、その人はExpatriate という身分で滞在できるわけです。長年この方式が取られてきており、もちろん現在でも同様です。 だからパートタイマーとして週20時間以内などという中途半端な形で雇用する理由を作って、マレーシアマイセカンドホーム参加者に便宜を与える理由はないはずです。

ある外国人がマレーシアで働きたければ、マレーシアマイセカンドホームプログラム下ではなく、Expatriate として最初から雇用許可証を得る方策を探すべきです。それが実質はパートタイマーの形であれ、フルタイムの形であれ、両者間での契約労働時間はImigresen の感知しないことです。要するに雇う予定の外国人はその職にふさわしい人材だと雇用者が書類上で示せば、雇用労働許可証は下りるわけです(払い込み資本金の額などによって、雇えるExpatriateの総人数は制限されています)。

マレーシアマイセカンドホームプログラムは、本来の対象である定年退職したまたは事業・仕事などを引退した裕福な外国人に固執すべきであり、その対象範囲をあいまいにすればするほど、プログラムの本来の意義が薄れ且つプログラムの名前を利用した違法行為がはびこることになるでしょう。

海外生活体験素人だけど、マレーシア中長期滞在をお考えの方のために

2009年12月11日 | 総論と分析と考察
長年働いた会社を定年退職された後または仕事や自営業を引退された後、海外に長期滞在しようとお考えの方は、世の中に少なからずいらっしゃるようですね。団塊世代の大量定年でこの傾向が強まっているなどと言われているそうですが、私は長年日本に住んでいないし、日本人社会とのつながりが非常に薄いので、インターネットなどに現れる文字としては知っていても実感としてはわかりません。

中年時代に長年ある国またはある国々で過ごしたことのある方は別ですが、たまに団体での海外旅行に参加したことがある程度とか、ごく短期の海外滞在程度しか海外の経験はないという方の場合は、海外に中長期滞在するというのは、容易なことではないことは想像に難くありません。

いうまでもなく、海外は日本ではありません。このことを単なる目に入る文字としてではなく、生活の中に受け入れることが必要ですね。それができない人、そうしたくない人は、100% 日本の会社や日本人相手の現地会社におんぶに抱っこされた形で海外滞在地を選んでもらい、90%日本人に囲まれて、80%擬似日本的環境に依存した暮らしをするしかないでしょう。

当ブログはそういった形の海外中長期滞在を望まない、目指さない方たちのためのブログです。これが世の中に幾多とある、海外ロングステイ・長期滞在のためのサイトやブログとの大きな違いです。海外長期滞在をお考えの方に、至れり尽くせりのサービス提供などを掲げて読者のご機嫌伺いの調子で書くようなことはしていませんし、その種の団体や会社に属してはいません。

定年後、引退後、海外に中長期滞在されたいと真面目にお考えの方に、いわば自立した滞在者になるための情報とヒントとさらにはアドバイスをこのブログでは書いてきました、そして今後も書いていきます。
せっかく海外に中長期滞在されるのであれば、できる範囲で”リトルジャパン”から距離を置くのもいいのではないでしょうか? この意味は日本人コミュニティーに浸ることなく付かず離れずに、そんな形で海外滞在を過ごされるまたは過ごされたい人たちを応援したいという気持ちからです。

中長期滞在の地として、マレーシアに候補地を決める可能性が高い、またはそこまでは未だ至ってないがマレーシアは候補地の1つであるという方が、マレーシアマイセカンドホームプログラムの内容に強い興味を持たれる主たる層だと思います。プログラムの細かな規定及び条件とその解説は当ブログの過去の書き込みを丁寧にご覧ください。

またマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加しなくてもマレーシアに中長期滞在できることは、11月の記事で書いたとおりです。よってここではプログラムに参加されたい方たちも、するつもりのない方たちもいっしょに頭において書いています。

マレーシアにほとんど住んだことのない方はいうまでもなく、たとえ住んだことがあっても、ほとんど企業などの手配で高級コンドミニアムに住みもっぱら日本人社会・企業の中で短期過ごしただけの方では、マレーシアの状況はよくつかめません。こんなことは至極当たり前なのに、あまたあるインターネット世界ではごく一方的な経験談を基に決め付け論調で書いてるブログやサイトをたまに目にします。
またシンガポール人の見方をそのまま信用してしたり顔で書いたり、欧米のごく一部で生活したことを基にして海外長期滞在アドバイザーきどりで書いている人もいるようですね。

大体1週間程度の海外ロング滞在ツアーなどに参加して、その国の状況がわかるわけありません。逆の立場を考えてください。ある外国の人たちが全て事前手配されたツアーで日本にやって来て、4,5日滞在して日本がわかるなどと言ったら、皆さんはなんとお思いになりますか?

事前手配の4,5日ツアーは単なる体験です。もちろん体験から物事は全て始まるので、それ自体が悪いということではありませんよ。体験という意味合いでは役に立つということです。 その体験が終わったら、今度はできるだけ自分で体験を広げてみませんか? それが当ブログで書いている、マレーシアマイセカンドホーム情報をまず自分で理解してみる、事前に住居情報を入手してみる、などといったことです。 

そういった事前準備を自分たちで進めていく中で、いろんなことに出会います。気に入る事、嬉しいことばかりでなく、嫌なこと、不愉快なこと、失望することにも出会います。これはごく当たり前のことであり、人がある国で暮らし始めればその国の明と暗を目にします。日本で暮らしていても全く同様ですね。しかしある国、ここではマレーシア、で嫌なことや不愉快なことにあったからといって、すぐにそのことから全てを否定しないでいただきたいなと、願っています。海外で暮らすということは、いかに嫌なことや不愉快なことを乗り越えていくかに多いにかかっています。 だから早い時点でそういうことに出会うことが大事であり、必要でもあります。

その出会った、嫌なことや不愉快なことにどうしても我慢ができなければ、マレーシアを中長期滞在の候補地から外せばいいわけです。ですから、ご自分で体験を広げる過程と期間は大事なのです。その必要期間が1, 2ヶ月で十分なのか、半年ぐらいかかるかはその方の順応性と考え方次第でしょう。ある嫌なこと、不愉快なことに対して、その許容度というか受け入れ度は人によって多いに違いますよね。よってそのあたりが、ある国、ここではマレーシア、を中長期滞在地と決める決め手になることでしょう。

ところでIntraasiaはマレーシアを長年論じ、同時に売り込んでもいますが、何もマレーシアだけにこだわる必要はありません、ということもはっきり言っておきましょう。マレーシアのある面がどうしても受け入れられない人は当然いらっしゃるでしょうから、そういう人に、マレーシアを是非中長期滞在地にしませんかなどと説得するつもりはありません。他国が気に入れば、それはそれで結構なことだと思います。Intraasiaは二昔以上も前の1980年代中頃から東南アジア各国を広く旅し、徘徊し、働き、滞在してきました。よってIntraasia の中では、滞在地としてマレーシア以外の3か国も候補地になっています(ただし経済的余裕がないので未だに実現していませんけどね)。

さてご自分たちで体験を広げていく中で、自分たちだけで交渉できない、解決できない方が少なくないことはよくわかります。そういうときに、日本人向けにビジネスを行っているマレーシアマイセカンドホーム代理業者やマレーシアにそれなりに詳しい知人に頼むことは自然なことでしょう(Intraasia もそういう場合はお手伝いしますよ)。

人生のシルバー期を海外で過ごしてみるのは、すばらしいことだと思います。 とりわけこれまでほとんど海外体験のない”海外生活素人”の方たちには、大いなる挑戦であり且つ喜びであると思います。恐らく15年、20年といった相当なる長期お住みになりたい方はあまり多くないのではないでしょうか。そういうことを前提に、海外生活素人の皆さん、5年、10年程度海外でシルバー期を過ごしてみませんか? その候補地としてマレーシアは大いに考慮すべきですよ、と呼びかけて、今回の書き込みを終えます。

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マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加せずにロングステイ(中長期滞在)する

2009年11月13日 | 総論と分析と考察
マレーシアマイセカンドホームプログラムの申請条件と規定はこれまでにも度々変更されているので、今後もあると思っておくほうがいいでしょう。ここでは2009年時点での条件と規定を基にして論じます。

マレーシアマイセカンドホームプログラムに申請に際して、そして承認してもらえる条件の中に、次のような条項があります。ここでは申請者が50歳以上の方の場合に限ります。

申請に際して:
50歳以上の申請者は、流動資産が RM 35万あり及びマレーシア国外を源泉とする月収が RM 1万あることを示す条件に適合しなければなりません。すでに引退された方は、政府認証の基金から月額 RM 1万の年金を受領することを証明する必要があります。

承認に際して:
・マレーシアにある銀行に定期預金口座を開設して RM 15万を預ける、または
・政府認定の年金額が毎月 RM 1万あることを証明する

日本の一般的中高年の退職者であれば、定年退職であれ定年多少前の退職であれ、この承認条件を満たすことはそれほど困難なことではないでしょう。とりわけ会社や役所勤めが25年、30年と長く、結果として厚生年金を長年かけてきた方であれば、円高の現在 毎月の年金額 をリンギット換算してRM 1万に達する方は多いとはいえなくてもそれなりにいらっしゃることでしょう。 例えば現時点のレートでいえば、25万円年金は RM 9250 に当たる。

円高が多少緩んで RM 1 = 30円 と控えめに予測して計算しても、RM 15万は 450万円ですから、海外で老後・退職後を暮らそうというお考えの層であれば、この額をマレーシアの銀行に定期預金することはまず問題なくできることだと思われます。預金ですから年月が経っても額が減ることはないし、適用される利率は日本より一桁上の利率ですから、利息はずっと良いことになります。短所は何年か先のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加終了時に定期預金を解約して、それを日本円に換えたとき、その時点でさらに円高になっていると損が出るという、為替リスクがあることです。もっとも物事には両面あって、円安にすすんでいれば、益がでるということです。

さてここで、海外で老後・退職後を暮らしたいが、マレーシアマイセカンドホームプログラムの条件と規定の水準がやや高すぎると感じる方、またはRM 15万の定期預金は問題なくできるがどうも気が進まないという方もいらっしゃることでしょう。丸々1年間海外に滞在する・したいわけではなく日本にある自家で半年ぐらい、海外(ここではマレーシア)で半年ぐらい過ごすつもりだ、という方も少なからずいらっしゃることでしょう。

こうした、マレーシアに中長期滞在したいけど、完全なるマレーシアマイセカンドホーム参加者になるまでもない、参加者になるつもりはない、できれば参加者にはなりたくない、層のために今回のブログでは説明してみましょう。

現実として、別にマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加しなくたって、マレーシアに中長期滞在できます。入国時にパスポートに捺されるのはもちろん「社会訪問パス」ですから(ビザが捺されるわけではありませんよ。お間違えのないように。こうした言葉の定義さえ知らずに無邪気に論じている人たち・グループがいますね)、1回の滞在期限は3ヶ月です。この期間はマレーシアと日本をた時々行ったり来たりする方には好都合ともいえます。例えば冬の3ヶ月をマレーシアで過ごして春には日本へ帰り、日本が真夏の期間はマレーシアで3ヵ月過ごすというようにです。

ある人が30代40代のばりばりの働き盛りの年代である場合、こうしたことを続けていると、当然空港などの出入国検査所の係官から、「あなたはマレーシアでこっそりと働いたりビジネスをしているのではありませんか?」 と怪しまれたりすることになりますが、一見60歳過ぎでいかにも定年者風体であれば、まず確実に問題なく出入国許可となることでしょう。 もちろん出入国検問所の係官の言動を Intraasia が100%保証することはできませんが、常識的に考えて且ついろんな見聞を下敷きにして判断すれば、この見方はまず適当だと、Intraasia は思っています。

実際に、 「社会訪問パス」で入国し1年の3分の2ぐらいをマレーシアで過ごしたからといって、何の法律または規則違反にもなりませんよ。ただしどんな形であれ働かない、ビジネス活動をしないということは絶対の前提です。これが係官に通用するかどうかはあくまでも長期滞在する方の年齢と行動様式によるといえます。つまり繰り返しますが、バリバリの働き盛りの方が、もし出入国検査カウンター(パスポート検査場)で問い詰められた時、60歳の方と同じような言い訳を係官にしてもまず言い分を認めてくれない可能性が高いということです。

マレーシアに何年にも渡って長期滞在するために、コンドミニアムなどを購入することは十分価値あることだと思います。日本の住居との価格比較でいけば、その広さと設備の良さは特筆ものと言えるからです。1千万円でユニットの広さ100平米を超え、プール、テニスコート付などというコンドミニアムは日本では不可能ですよね。 また資金に十分余裕があれば、短期滞在であっても売却を前提とした投資目的を兼ねるという手もあることでしょう。

一般にマレーシアマイセカンドホーム参加者の間では、住居を購入せずに賃貸で滞在される方の方が多いはずです。 賃貸の方が転居が容易ですし、初期費用は小さくてすみますからね。 長い目で見れば、購入したほうが得になる場合も出てくるのは当然ですが、住居購入か賃貸かはその人の好みでしょう。 

ではマレーシアマイセカンドホームプログラムに参加しない場合の中期長期滞在者のことを考えてみましょう。プログラム参加者でなくても、住居は購入できますし、もちろん賃貸もできます。海外、とりわけシンガポール、の裕福者が投資目的または賃貸収入向けにクアラルンプールやペナンの特定のコンドミニアムを購入していることは、昔からごく普通に行われています。 有名なコンドミニアムのユニットの数割がマレーシアに住んでいない外国人所有者であることは珍しいことではありません。外国人の住居購入は今年さらに自由化され、ユニット(1軒)価格がRM 25万以上であれば外国人は問題なく購入できます。ただし購入するために銀行ローンを得ることは無理です。

コンドミニアムなど中級以上の住居を賃貸するのは、とりたてて難しくありません。新聞の3行広告欄には毎日数千件の物件が載っています。もちろん数あっても賃貸したい人の対象になるのはその何百分の1でしょうが、あるコンドミニアムを名指しで賃貸固執するようなことをしない限り、十分な選択はあるはずです。 超有名または非常に人気あるコンドミニアムを除けば、中級以上の賃貸住居市場は供給過多がずっと続いていますから、駐在員であろうとなかろうと、マレーシアマイセカンドホーム参加者であろうとなかろうと、賃貸してくれます。オーナーの中には賃貸相手はある特定国の者とか駐在員地位かマレーシアマイセカンドホーム参加者に限るという人もいるでしょうが、そういう狭量なオーナーにもし出会ったら、他のオーナーに当たればいいのです。賃貸市場は供給過多なのです。

マレーシアでは住居斡旋の不増産エージェント(代理人)に賃借人が賃貸料1ヶ月分を払う仕組みはありません。手数料は家主が払う仕組みです。マレーシアマイセカンドホームプログラムの非参加者は賃貸したその住居に関して毎月賃貸料を払っておれば、そこに毎月住もうが、半年留守にしようが、個人の自由ですね。もちろん留守にするときでも電気水道などの支払いは怠らないようにすべきです。無線インターネットも加入利用できますし、プリペード式の携帯電話カードは初回だけパスポート提示で登録すれば、あとはいつどこでも購入できます。特定住所のない外国人旅行者でさえも携帯電話は簡単に保有且つ利用できます。

こうして、マレーシアマイセカンドホームプログラムの非参加者でも、ある1点を除いてマレーシアにそれほど不都合感なく住むことはできます。その1点というのは、銀行に口座を開設できない、ということです。つまり口座振替や一時的預金、小切手払いはできませんから、この面だけは不都合、デメリットだといえます。(なお銀行または支店によっては、ちゃんとした住所、例えばよく知られたコンドミニアム、があれば口座開設を認めてくれる場合も出てくるかもしれませんが、そういう場合はあくまでも幸運なケースだと思っておくべきです)。

ところでマレーシアには自治体に住所登録するという仕組み自体が存在しません。

以上に説明しましたように、マレーシアマイセカンドホームプログラム不参加でも、中長期に渡ってマレーシアに滞在することはできます。いうまでもなくマレーシアの法に違反しないことが前提です。 Intraasia のこのブログはマレーシアマイセカンドホームプログラムを説明するのが目的であり、このプログラムに参加してもらうことをビジネスにしているわけではありません。ということで、マレーシアマイセカンドホームプログラム非参加のメリットとデメリットもここに書いておきました。