マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアロングステイでは交通事故の危険性をよく認識しておきましょう

2010年04月05日 | マレーシア生活の案内と知識
【はじめに】
海外旅行でしいて何が最も危険率が高いかといえば、強盗のような犯罪に遭うことでも、摂取した飲食物によって病気にかかることでもなく、交通事故に遭うことなのです。この点を昔からIntraasia は折に触れて説明してきましたので、このブログでも書いておきます。

ある人にとって海外旅行でのリスクはその人の旅行スタイルに大きく左右されますから、全て団体行動であり、一流ホテルに泊まり一流レストランで食事、ほとんど自由行動なく添乗員付きバスやバンの行動であれば、いろんな面でのリスクは当然一番低くなることでしょう。それでもリスクがゼロにならないことはおわかりですね。この種の旅行はIntraasia の行動スタイルの対極にある旅行であり、Intraasia が論ずることはありません。

Intraasia のホームページで対象にしてきたのはマレーシアを主とした東南アジアの自由旅行者であり、次いでマレーシア在住者です。自由旅行者といっても幅はかなり広いですが、とにかく団体旅行参加ではないということです。こういう自由旅行者にとって、行動する中で、なんらかの危険に遭うこと当然あります。100%安全などということはありえないので、誰であれ、もちろんIntraasia自身を含めて、なんらかのリスクはあります。しかしそのリスクのことばかりを気にしていてはなんのための自由旅行かわからなくなりますね。  3月15日のブログ記事 【一つの判断材料にすぎない、マレーシアの犯罪率のこと】でこのことに触れましたので、参考にしてください。

そこで当ブログの対象である、マレーシアに滞在する・住む方たちの場合も、自由旅行者の場合と基本的に同じであると言っても間違いではないでしょう。
マレーシア(他の東南アジア国も含めて)に滞在する・住む以上、個人の行動スタイルから多かれ少なかれの違いは当然でてきても、自由行動自体は当たり前となりますし、それなくして滞在の意味がなくなってしまいます。日本人がたくさん固まって住むコンドミニアムからほとんど出ることなく、ロングステイする・するつもりという方であれば、当ブログを開いたり、その内容に興味を持つことはないでしょう。当ブログの対象は、旅行面での自由旅行者と同じように、滞在においては自由行動される・するつもりであるロングステイ者です。

【比較的リスクが高いのは交通事故】
さて日常の行動、そしてマレーシア国内の小旅行において、何が比較的リスクが高いといえば、それは交通事故ですね。札付きの犯罪高率発生地区、つまり空き巣や強盗事件が頻繁に発生している、その中で比較的多いのが都市部近郊にある新興住宅地です、地区に日本人ロングステイ者がわざわざ住居を定めるようなことはまず考えられません。 日本人ロングステイ者は都市部であれば、コンドミニアムが圧倒的に第1選択であり、次いで犯罪のごく少ない中流住宅地での土地付き住宅でしょう。ほとんどの田舎は、交通などの面で不便であっても、都市部よりずっと犯罪発生率が低くなっていますので、田舎の土地付き住居にお住まい・住みたいロングステイ者はこの面でのリスクはずっと低くなりますね。田舎は近所の皆が顔見知りとなる緊密なコミュニティーですから、都会型の犯罪は起こりにくいわけです(といってゼロではない)。

Intraasia はホームページの中で長年、マレーシア社会における交通マナーの悪さを批判してきました。基本的にマレーシア人は交通マナーを重視しません、というかそういう社会慣習がまだ出来上がっていません。このため西欧米人のマレーシア滞在者が交通マナーの悪さを嘆く、批判する投書類をよく目にします。その観点はIntraasia とほぼ同じです。これは西欧米国や日本の社会における、交通マナーと交通規則遵守風潮を経験している者であれば、当然起きてくる反応といえます。

自動車化時代がマレーシアより遅れて始まった国、例えばカンボジアやインドネシアはもっと交通マナーが悪いのだから、マレーシアの現状に我慢するべきだなどというふざけた論理にはIntraasia は到底賛成できません。マレーシア社会には国の発展度に見合った、交通規則遵守と交通マナー重視の風潮が出来上がってないからこそ、西欧米人や日本人はマレーシア社会の交通規則軽視とマナーの悪さを批判するのです。

【バイク乗りの性質の悪さは際立っている】
マレーシアの特徴として、タイやインドネシアより性質が悪いといえる、バイク乗りの他人を危険に巻き込む自己中心振舞いがあります。渋滞道路でのジグザグ走行、無理な追い越し、スピード違反はバイク乗り自身が被るであろう危険を伴っています。文字通り横行であり決して数少ない行動ではない、バイクの一方通行の逆走行と赤信号無視の横行は、歩行者を直接巻き込む危険性を常に伴っています。ですから性質が悪いのです。最悪は歩道を走行するバイクの多さです。日本の都会で歩道を走行する自転車の多さに驚きますが、これと同じようにマレーシアでは都市部の歩道をバイクがごく当たり前に走行しています。これは歩行者を危険にさらす危険度の高い行為ながら、警察は全く取り締まりません。

その他にも、自動車が右左折時に指示ランプを点けない、車間距離が非常に不充分である、道路での二重駐車の多さなどなど、あげればきりがありません。これらは全てマレーシア社会に交通事故の危険性を高度の危険度と捉える社会慣習・認識ができていないことに起因します。ですから交通事故で死亡させても、免停や免許取り消しに即なるわけではない、飲酒運転で即免許取り消しにならない、交通違反金を滞納した人たちを”救済”するために警察や官庁が罰金割り引きキャンペーンを展開するなどといった、非常に緩い処罰と寛大な処置が未だに続いています。

それでは交通事故に関する統計をご覧ください。現在の 6745人という数になる前に、恐らく10数年間ぐらいに渡って、毎年の交通事故死者数が 5、6千人前後ありました。まずこれだけでも事故の多さがおわかりでしょう。死者の背後にはその5倍にも10倍にもなる交通事故負傷者がいるわけですから、5、6千人前後という数は非常に重みを持つ数字です。

【マレーシア道路安全研究所のまとめた統計】
・1万台当たりの交通事故死者数: 2009年 3.55人、 1999年 5.83人
・人口10万人当たりの交通事故死者数: 2009年 23.83人、 1999年 25.5人
・10億自動車キロメートル当たりの交通事故死者数: 2009年 17.28人、 1999年 26.79人

・総人口と自動車台数:         2009年 2831万人で 1900万台、 1989年 1740万人で 415万台、 
・交通事故総数と交通事故死者数: 2009年 397,330件で 6,745人、  1989年 75,626件で 3,773人

世界保健機構の 登録自動車1万台当たりの交通事故死者数番付によれば、マレーシアは 172か国中46位とのことです。この順位はインドネシア、ベトナムより良いが、中国より下とのことです。

【交通事故に対する社会的捉え方が生み出している】
自動車台数の飛躍的増加にも関わらず、交通事故発生件数と死者数はそれと同じ比率ほど増えてはいないという、奇妙な主張がマレーシア国内にあります。この種の論理を展開する側の責任回避なのか、人命尊重意識の低さなのか知りませんが、まともに相手にする論議とはいえません。死亡や重体が生じた交通事故を過失で起こした運転手の免許証を取り上げるのは、その人の生活の糧を奪うことになり反対だという論理がまかり通っています。交通事故で相手を死亡させれば、それはある種の殺人なのに、なぜこれほど刑罰が軽いのだろうか。 こうした現状を知れば、マレーシア社会は交通違反と事故をある種の犯罪ではなく不可避のできごととでも捉えているあり方がわかります。

いずれにしろ人口 2千7、8百万人の国で交通事故死者数年間 6千人から7千人という数は、日本人であれば誰でも多すぎると感じることでしょう。マレーシア社会の交通規則軽視とマナーの悪さを批判だけしていてもことは解決しません。こういう現状を踏まえて、自分自身で交通事故に遭わない行動に心がけましょう、というしかないですな。

【飲食に起因する病気の深刻さの低さ】
ところで上記であげたリスクの1つ、”摂取した飲食物によって病気にかかる”ことは、強盗などの犯罪や交通事故に遭うことに比べれば、発生率の面からではなく、重大さの面からこの両者をずっと下回る、深刻度の低いリスクです。摂取した飲食物によって病気にかかることは、クアラルンプールのような大都会にだってもちろんあります。これまで Intraasiaは軽い食中毒並みのひどい下痢をクアラルンプールで2回経験しています。対象を東南アジアの他国に広げれば、かなりひどい下痢は4,5回は経験しています。東南アジアを広範囲に町部から僻地まで歩いてきた旅人として、ある意味では避けられないことと言えますが、あの苦しさは二度と味わいたくないとその都度強く強く思いました。

深刻度の低いリスクという判断を説明しましょう。重い下痢やデング熱といった病気は時間の猶予があります、つまり交通事故のような一刻を争う危険性はまずありません。その面での深刻度は落ちるということです(リスクが低いからあまり注意を払わなくてよい、ということではありませんよ)。とりわけ都会であれば医院や病院がすぐ近くにありますので、身体的苦しさはなくなりませんが、交通事故よりはるかに深刻さは減るということです。 Intraasiaは東南アジアの僻地も数多く旅してきたので、例えばスマトラのアチェ内陸部など、多少まともな医者のいる町まで半日は十分にかかるような不便な地も訪れました。そんな僻地だと食中毒症状になったら命にさえ危険を及ぼしますが、その種の行動をされる方は当ブログの読者にはいらっしゃらないでしょうから、考慮する必要はないと言っておきます。

【なにはともあれ交通事故には十分に気をつけましょう】
ということで、とにかく交通事故が一番危険度が高いのです。日本と違って電話したら救急車がすぐ向かえる来るような地は、東南アジアには稀有です。クアラルンプール市内でも事故現場に居合わせた人が車で病院へ運ぶ場合の方が、救急車では運ばれるよりも多いのです。事故は時間の猶予がないからこそ、深刻度が高いのです。 マレーシアでは交通事故に多いに気をつけましょう。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。