マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

マレーシアに住んでも自治体役所には届けません

2011年01月22日 | マレーシア生活の案内と知識
【住民登録という仕組みは存在しない】

外国人がマレーシアに住む場合、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者であれ、プログラム非参加者であれ、企業の被雇用者として労働許可証を保有する人であれ、それぞれの自治体に住所を届け出る必要はありません。 なぜならマレーシアには居住者がその自治体に住民登録するという仕組みそのものが存在しないからです。

居住者にはマレーシア国民と外国人の両方が含まれます、つまり国民でも各自が住む自治体の役所に住民登録をしないのです。

なお以前説明しましたように、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加しなくても住むことはできます(参加者が得られる特典は当然受けられませんよ)。詳しくは当ブログの2009年11月13日の記事「マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加せずにロングステイ(中長期滞在)する」をよくお読みください。

【国家機構が国民と外国人を管理する】

そこで自治体に住民登録という制度がなくても国家機構は国民と外国人の氏名、生年月日、登録住所、民族、宗教、既婚・未婚といった基本個人情報を把握し管理しています。その管轄官庁は内務省翼下にある国民登録庁Jabatan Pendaftaran Negara Malaysia と 出入国管理庁Jabatan Imigresen Malaysia です。

国民登録庁は国民の出生、死亡、結婚、離婚の登録及び身分証明書類の発行などを扱います。通称 Imigresen はマレーシア国民に関してはパスポート発行及び出入国の管理を行い、外国人に関しては登録と滞在の許可など及び入出国の管理をしています。移民に関する業務は一部にすぎない役所である Imigresen を”移民庁”と訳すと、その字義から誤解を招きやすい印象を与えがちになるので、注意してください。

マレーシア国民は国民登録庁に出生,死亡を届け出る義務があり、よって登録されることで身分証 MyKad が発行されます。MyKad を保有していないということはマレーシア国民として認められていないということであり、パスポートも発行してもらえません。また MyKad 発行の前提となる出生証明書がないと小学校にもあがれません(ごく一部の先住民族などがこの問題に面していることが知られている)。

一方合法滞在・居住の外国人は出入国管理庁(通称Imigresen)に登録されていることが前提となり、滞在居住の種類に従って各自のパスポートに押されるパスの種類が違うことになります。例えば、企業の被雇用者であれば被雇用パスであり、マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者はマレーシアマイセカンドホームプログラム参加に基づく社会訪問パスですね。

なお密入国を含めた非合法滞在の外国人については、いうまでもなくこういった官庁の管轄網から漏れているわけですから、ここでは触れません。

【国民健康保険制度と国民年金制度はありません】


マレーシアには自治体が運営する国民健康保険と管轄する国民年金という制度が存在しないことから、住民が住所登録する仕組みがなくても困りません。自治体への住民登録がない以上、州段階と州内の市町村には住民税の仕組みはありません。ところでMyKad の登録住所を出身地のそれにしているマレーシア人は少なくありません。ですから選挙時には故郷へ帰って投票するということになります。

【自治体に住民が直接納付する税もある】


自治体へ市民が直接納める唯一ともいえる税金を cukai pintu と言います、強いて意訳すれば不動産評価税です。住居や店舗など不動産を所有する者は、その不動産の住所が属する自治体役所へ毎年この税金を納める義務があります(分割納入が一般的)。cukai pintu はいわば、不動産所有者に課される不動産の評価税といえるでしょう、ただし不動産ごとに評価するわけでも道路毎に評価するわけでもなく、きわめて大雑把に税率が決められているようです。

参考:ここにIntraasiaの「新聞の記事から」ブログの2009年12月掲載記事から抜粋しておきますので、参考にしてください。

[クアラルンプール市庁の2010年度予算]
クアラルンプール市長は2010年度のクアラルンプール市庁の予算を発表しました。市長は、今回の予算では市庁の行政コストの削減も織り込んであると語ります。
予算総額 RM 21億、
収入源の最大である、不動産評価税は2010年度も税率を変えず15年固定であり、不動産評価税の収入額は RM 7億5千万。建設など許可などの収入額はRM 1億1千万、連邦政府から得る 5カ年計画配分収入 RM 2億4千万、など
以上

住居、コンドミニアム、店舗などの不動産は建築が完成していくつかの基準に合致すれば、各監督官庁から入居と使用の許可をそれぞれ受けます。その時点で自治体役所は所有者を把握できるわけです。cukai pintu は国民、非国民に関係なく課税される税ですから、マレーシアマイセカンドホームプログラン参加者でコンドミニアムのユニットを購入した外国人にも課税されます。ただしユニットの所有権がデベロッパーなどから完全に移転している場合です。

以上の説明から次のようなこともわかります。外国人の場合、例えばペナン島にコンドミニアムを借りてその住所地がImigresen に登録してあるマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が、さらにクアラルンプールにもコンドミニアムを借りて両方の場所に交互に住んだとしても、何ら問題はでてきませんね。要はマレーシアマイセカンドホームプログラムの必要条件をいつも満たしていることです。


概略としてマレーシアのこういう仕組みを知っておきますと、外国人居住者としてどんな義務が生じるか、生じないかがおわかりになることでしょう。


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