マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

プログラム参加者が参加条件の1つとして開設する定期預金口座は移管できない、というお知らせを解説する

2014年06月29日 | 規定・条件及びその解説

マレーシアマイセカンドホーム公式サイトに、2014年6月25日付けでお知らせが掲示されました。いつもながらのいささかおかしな英語ですが、その趣旨は分かります。意味を取って訳しておきます。

【定期預金口座の移管を禁止する】

Malaysia My Second Home (MM2H) Centre から次のことをお知らせします:
マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者が、2014年7月1日以降、プログラム用として識別されている定期預金口座を移管することは認められません。
以上

このお知らせが出される根拠として、これまでマレーシアマイセカンドホーム当局は次のような規定を掲載していたことです:
マレーシアマイセカンドホームプログラム参加者は、その定期預金を(最初に)預けた銀行からマレーシア国内の他の銀行へ移管することが認められています。
以上

【定期預金口座に関する条件と規定の説明】

なぜこのようなお知らせが掲載されたかは興味あるところですが、その前にプログラム参加条件の中で、定期預金に関係する規定をおさらいしておきましょう(これは既に当ブログで複数の記事に渡って詳細に説明していることです)。

50歳以上の者の承認に際しては:
次のどちらかを選択できる。
・マレーシアにある銀行に定期預金口座を開設して RM 15万を預ける、
または
・政府認定の年金額が毎月 RM 1万あることを証明する

定期預金の基準を満たしたプログラム参加者は、定期預金を預けた後1年を過ぎれば、マレーシアの住宅購入、またはマレーシアにおける子供の教育、または医療費 用に認められる支出として、最大 RM 5万まで引き出すことができます。
(その場合でも)定期預金開設後2年目以降及びこのプログラムに参加してマレーシアに滞在している間中は、定期預金口座に最低 RM 10万の額を維持しなければならない

50歳未満の者承認に際しては: 
・マレーシアにある銀行に定期預金口座を開設して RM 30万を預ける。

このプログラム参加者は、定期預金を預けた後1年を過ぎれば、マレーシアの住宅購入、またはマレーシアにおける子供の教育、または医療費用に認められる支出として、最大 RM 15万まで引き出すことができます。
(その場合でも)定期預金開設後2年目以降及びこのプログラムに参加してマレーシアに滞在している間中は、定期預金口座に最低 RM 15万の額を維持しなければならない。

問答集
質問:いつになったら自分の定期預金を引き出せますか?
答え:プログラムに参加後1年経ちますと、次のような許された支出目的であれば参加者は自分の定期預金を引き出すことができます:住宅の購入、子供のマレーシアにおける教育費、医療費、
または
マレーシアマイセカンドホームセンターでこのプログラムから退出する意向を観光省に伝えてから、マレーシア滞在を終えるとき。
参加者は、観光省の事前承認を得ることで医療目的などのような緊急の場合に定期預金の一部を引き出すことを申請することができます。
以上

定期預金に関する定めの文言自体は、読者の皆さんもよくお分かりになりますよね。
なおこの文面からだけでは明らかでない諸点は、ご覧になっている画面左側にある 「規定・条件及びその解説」カテゴリーをクリックしてご覧ください。

【定期預金口座から引き出す際の規定】

ところで公式サイトには次のような規定も載っています(2014年4月23日付け)

定期預金を引き出すために必要な書類:
1.定期預金口座から引き出す意向を述べた書状

2.マレーシアマイセカンドホームパスのコピー

3.パスポートの表紙のコピー

4.定期預金(口座)を証明するもののコピー
Intraasia注:要するに口座証書のコピーということですね

・購入する住宅不動産への支払いを証明するもののコピー(不動産売買契約書の全ページ及び領収書を提出)
・自動車購入を証明するもののコピー(所有者名が載った自動車登記証、及び領収証を提出)
・子供の教育に関する支払いを証明するもののコピー(領収書を提出)
・医療費の支払いを証明するもののコピー(領収書を提出)
  Intraasia注:例によって不明瞭な記述なので、領収書もコピーでいいのかどうかはわかりません。まあ、念のために領収書自体も持参すればいいことです。

5.マレーシアマイセカンドホーム当局が発行した、プログラム参加を認める条件付き承認状

次のことをお知らせします:
・引出しは返済を基準にして行い、その金額は支払う金額に基づくこと
Intraasia 注:原文の英語自体が奇妙で且つ不明瞭なことから、意味がよくわからない。引き出せるのは実際に支払う金額だけであるということを言いたいのであろう。しかしながら返済・償還(reimbursement)という単語が使われている、定期預金から一時的に引き出すのでそれを返済するという意味なのであろうか。下記の”注の続き”をご覧ください。

・引出せるのはプログラムに参加して1年経ってからです、具体的にはパスポートに貼られたマレーシアマイセカンドホーム社会訪問パスの日付が基になる

・定期預金で発生する利子の引出しを申請する場合は、(上記で言及した)意図を示す書状内にその旨を明記すること
Intraasia 注:一般にマレーシアの銀行では、定期預金の開設の際、(1年、2年など)自動更新の期日が来た時、利子を元金に組み入れるのか、それとも利子を受け取るのかの選択ができるようになっている。(必ずこの選択ができるとの断定まではしません)

*申請を受けて処理し承認に要する日にちは、申請を提出した日付から3労働日です。(書類が全て完備していることが条件です)

Intraasia 注の続き:定期預金を期間中に解約して別の金額で預け直すのではなく、一時的にある金額を借りる形で引き出す方式にしなさい、だから返済・償還という単語が使われているのであろうか?
しかしながら2年目以降は、正当な支払い理由によって金額を引き出したら、”定期預金口座に最低 RM 10万の額を維持しなければならない”ということから、必然的に新たな金額で定期預金を契約し直すので、返済する必要はないことになる。

公式サイトのこの部分における原文は全く不明瞭というしかありません。結局こういう場合は、マレーシアマイセカンドホームセンターを訪れて、この奇妙な文章が言わんとした内容を尋ねるしか方法はないことになる。いつもながら、やれやれです。

【2014年9月下旬の追記】

2014年9月下旬に Putrajayaのマレーシアマイセカンドホームセンターを訪れて担当職員に会い、ここで(当記事で)指摘したようなことを含めて、公式サイトにいくつもある不明瞭な文章や疑問点を尋ねました(会話は主としてマレーシア語です)。なお担当職員とはセンターの窓口で書類受付をしている女性たちのことではありません。

定期預金に関しては、応対してくれた職員が定期預金事項が担当だという別の職員を呼んでくれたので、その職員に疑問点を尋ねました。

イントラアジアが例を上げた、「参加者が1年後にRM 3万を定期預金から引き出したとする、その残額はRM 12万なので義務最低額RM 10万を上回っている、よって返済する必要はない」ということにその職員は同意しながらも、返済・償還(reimbursement)という単語が使われているおかしさを認めようとしませんでした。

この理由は2つあるでしょう:マレーシアマイセカンドホームサイトの制作は別部門で行われていることからその職員がサイトの記述内容に責任を持つ立場ではないこと、及び自分に責任がないからと、論理の通らない言い訳を押し通す態度。

当ブログで以前から指摘しているように、マレーシアマイセカンドホーム公式サイトにはおかしな表現と稚拙な英語記述がしばしば見られます。しかしこれまで(この数年)応対してくれた複数の職員はいずれもサイトの制作には全く関与していません。
従って、この定期預金に関する説明部分についても、イントラアジアが疑問を正した、おかしな点を指摘したことが、今後公式サイトの文面に反映されるとの保証は全くないであろうことを感じます。

【イントラアジアのコメント】

そもそもマレーシアマイセカンドホーム当局は、なぜ定期預金口座の移管を認めていたのであろうか?

プログラム申請時に申請者の好みの銀行に定期預金口座を開設して預ける。マレーシアマイセカンドホーム用の口座なので、預金者が随意に解約できない定めになっているはずです。その預けた口座を後日になって他行へ移すということは、解約してまた別の銀行または別の支店で契約し直すという手続きになる。

マレーシアマイセカンドホーム参加者は期間10年の社会訪問パスを受領する。毎年定期預金口座の残高をマレーシアマイセカンドホームセンターに報告するわけではない。10年後にプログラムを更新して参加を続行する際には定期預金口座とその額を証明する必要はある。

口座を移管する際は、元の口座を先に解約する、その後に移管先で契約し直す。別の銀行(別の支店)に先に口座を開設してから、元の銀行で解約するわけではない、仮にそうなら手元資金が倍必要になってしまう。

マレーシアマイセカンドホームセンターが参加者のこういった一連の行為を全て監視しているとは思えない。さらに各銀行が、参加者がその銀行に開設している定期預金口座に関してマレーシアマイセカンドホームセンターに毎年定期報告している、といったことはありえない。
要するに、口座移管を認めることは、不正行為が発生する可能性が生まれる芽を作っているといえそうです。

【2014年9月下旬の追記】

この点に関しては、上記の定期預金関連が担当だという職員はイントラアジアの指摘に大体同意していました:要するに、定期預金口座を移管する過程で勝手に引き出したりまたは解約したままで再預けしない、プログラム参加者のいわば不正行為をプログラム当局が監視することは難しい。



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