マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

日本の常識はマレーシアなど東南アジアの常識ではない

2009年12月30日 | マレーシア生活の案内と知識
はじめに
年末ですからいつもとちょっと趣向を変えて、マレーシア生活の話題を載せておきましょう。出典はIntraasia の膨大なコラム集である「今週のマレーシア」からで、2004年に書いたものですが現在でもほぼ状況は変わっていません。マレーシア、というより東南アジアの庶民生活になじみのない人に、長年東南アジアを拠点としてきたIntraasia の解説という趣旨です。 マレーシアにロングステイなさりたい方も(中には庶民生活に縁遠い暮らしが少なくなさそうそうですが)、この程度の庶民生活知識はお持ちになった方がいいと思いますよ。

以下から本題です

日本の常識は東南アジアの常識ではない、という例は数ありますね。手近な例を一つあげれば、バスや電車の中で携帯電話を使わないでください、などというマナー要請は絶対にマレーシアでは通用しないでしょう。だからPutraline高架電車の車中には、”男女がいちゃつかないように” というイラストが掲示されていても、車中で携帯電話を自粛しようなどという提案はまったく起きません。

そこで今回、日常生活と自由旅の範疇で最も卑近で避けて通れない事を取り上げます。

トイレは有料が多い
マレーシアに限らずほとんどの東南アジアの国では、一般不特定多数向けのトイレは有料が一般的です。以下注記しない限りマレーシアを念頭に置いて書きます。

トイレが有料である場所:ショッピングセンター、バスターミナル、交通機間の駅、市場、広場や街路や公園など公共の場所、複合(混合)ビルの一般訪問者向け階にあるトイレ、長距離バスが立ち寄る民間の食事休憩所
例外(つまり無料):KLCCのSuria、Midvalley のようなハイクラスのショッピングセンターのトイレ、KLモノレールやマレー鉄道の改札を済ませた構内にある駅トイレ、尚長距離バスが立ち寄る民間の食事休憩所の中には無料トイレの所もある。

料金:1回大体 20, 30セント、高くて50セントで、表示してあります。この使用料は入り口にいるトイレ番の人に支払うので、1リンギット程度の場合はおつりもくれる、しかし5リンギット以上の札はまず受けつけない。ティッシュペーパーを売っている場合が多い。トイレ番がいないような時間帯にはトイレルーム自体に鍵がかかっている場合が多い。

有料である理由:トイレ掃除するだけでなく、トイレ荒らしや汚しを防ぐ名目です。確かにトイレ番として誰もいないとただでさえ汚しやすい使い方をする人が多いので、もっと汚れたり、さらに荒れることでしょう。ですから有料も致し方ないと言えます。尚トイレ番は外国人労働者の確率が相当高い。

トイレが無料の場所:レストラン、大衆食堂、ホテルの一般ロビー、シネマ内、一般的オフィス専用ビル、政府官庁の建物、高速道路の休憩所、、さらに国の誇る2大施設のKLIA空港とKLSentral駅、その他の空港内。一般的オフィス専用ビルの場合、その階のテナント専用として、テナントにトイレルームの鍵を配っている所もあります。

有料無料に関わらずトイレの特徴
トイレットペーパー:トイレットペーパーが準備してあるようなトイレは、有料無料に関わらず例外中の例外です(例えばKLIA空港, KL市営の新式公衆トイレなど)。尚東南アジアの伝統的なトイレ使用法は、排便後に水洗しても拭かない、つまりトイレットペーパーを使わないというものですが、現代ではトイレットペーパーやティッシュが普及したので、そういう人はマレーシアではごく少なくなっているはずです。

便器のタイプ:二分別すれば、個室の床に直接穴の開いたタイプと、いわゆる西洋式つまり腰掛けるタイプに分けられる。個室の床に直接穴の開いたタイプの場合、穴の形にひょうたん形、楕円形 がある。通常は閉めた扉方向に顔をむけてしゃがむ(しかし、そうしなければならないという規則はないので、お好きなようにとも言えますな)。

便器の便座:腰掛けるタイプの場合、KLIAやハイクラスショッピングセンターなど高級でよく手入れされている場所のトイレを除いて、有料であろうと無料であろうと、便座がない場合がよくある。または最初から便座そのものが取りつけてないトイレも珍しくない。例え便座があっても部分的に壊れかけていたり、ものすごく汚い場合が珍しくない。
そういう時はどうするかって? マレーシア人に見習って便座の上にしゃがむか、腰を浮かして用を足す事になるでしょう。便座が汚れる、壊れるのはこの原因が多いと推定されます。日本から使い捨て便座カバーを持参するというような手間暇かけなくても、人の真似をすればいいのです。

個室内にある蛇口またはホースまたはバケツに貯めた水:それらは手動式ウオッシュレットに用いると理解してください。ホースの先が時々便器の中に入った状態になっていることに出会います。前に使った人が乱暴だからですが、そうでなくてもこういうホース自体や蛇口自体はあまり衛生的でないと思っておくべきで、感染症に気をつけましょう(水道水そのものは問題ない)。バケツに入った水は、蛇口などが壊れているか、水道の水力が弱いためであり、汚物を流す目的兼手動式ウオッシュレットの目的もある。

注:ホースまたはバケツに貯めた水をどのように使えば手動式ウオッシュレットになるか? 説明にはばかりがありますのでここでは省略します。ただ慣れないと難しいですよ、とりわけ腰掛ける式のタイプでは慣れていても失敗しがちです、その証拠にマレーシア人の使うトイレでも便座や床がよく濡れている。東南アジア旅行に情熱をお持ちの方は是非練習を兼ねる目的で試して下さい。ヒント:水は後ろからかけたほうが安全です。
個室の扉:場末のトイレや汚い大衆食堂のトイレの扉はきちんと閉まらない場合がよくあります。閉めたらチャンと閉まっているか確認が要です。

個室の水洗装置: タンク式、フラッシュ式の水洗装置がついていても壊れている場合が時々ありますので、そういう場合水を貯めたバケツが置いてあります。

トイレの照明と換気:高級な場所の有料トイレを除いて、照明と換気に期待してはいけません。暗くて空気がこもり暑いというのが常識です。おまけにハエや蚊が寄ってくることもあります。

落書き:もちろん落書きは珍しくありませんが、ひどいというほどでもない。何が描かれているか暇な方は研究して下さい(笑)。

トイレの手洗い場:水の出ない蛇口があったり、水力がたいへん弱い蛇口にであうのは珍しくない。床がべたべたに濡れている、鏡が壊れているなど、場末になればなるほど荒れてくる。カバンの置き場がないほど床が濡れている場合もあるので、その時はトイレ番に預かってもらいましょう。いうまでもなくカバンにお金と貴重品は絶対に入れない、これはどこを旅しようとどこに泊まろうと鉄則です。

ハエ、蚊、ゴキブリ、鼠、と付き合う
ゴキブリを別にして、現代日本で今でも飲食店や大衆レストランや食堂、安ホテル、さらに一般家庭でこれらの虫類と鼠に簡単にお目にかかることができるかについて、確信を持って言うにはちょっと知識不足ですが(長年日本を離れているため)、まずないだろうということを前提にします。

日本で、野山でなくても蚊はいるでしょうが、日常的に1年中蚊に刺されるようなことはないでしょうし、鼠は都会のレストランや食堂で深夜に徘徊はしていても日中客の目の前に堂々と現れるようなことはまれでしょう。筆者の子供時代、ハエなど至るところにいたので、ハエ取り紙があちこちにぶら下げてありました。しかし21世紀の日本でそういうものが存在するとはまず考えられません。カーペットに居つく家ダニは日本でも珍しくないそうですね。

ハエ:ハエは都会の店では飛び回っていてもごく少ないですが、ゴミ収集のいいかげんな郊外、高級感のない新興発展地区、古い下町の裏通り、田舎や漁村、そういった場所にある食堂や屋台で腰掛けていると、ハエがごく普通に寄ってきます。そういった場所では時々ハエを手で追い払いながら食事休憩するのもそれほど珍しいことであはりません。といってもハエが群がるというほどひどい飲食場所はマレーシアではまずありませんから、目障りだなあという程度でしょう。

蚊:これは野山に限らずもうどこにでいつでもいますね。都会の真中のアパートであろうと田舎であろうと、海岸のリゾートであろうと24時間出現します。都会の真中でも蚊が発生するのはゴミで詰った溝に滞る水、雨水の溜まった空き缶、植木の水、貯水タンク、エアコンの水貯め、バケツ、などなどちょっとした水の溜まった場所にボウフラが湧くからです。好都合の温度と湿気で蚊は非常に湧きやすいようで、そのため蚊を媒介にしたデング熱の発生も毎年数万件を数えます。田舎へ行けばいたるところに小川、池、水貯めなどがあるので蚊など当然の存在ですね。ですから殺虫スプレーと蚊取り線香はどこでも容易に購入できます。

ゴキブリ:これも場所を選ばずどこでも出てくるタイプの虫ですね。日中はほとんど出てきませんが、深夜はたいへん元気です(早寝族の私は太刀打ちできません、笑)。ゴキブリはハエ、蚊よりはるかにタフで防虫スプレーなどあまり効かないので、ほんと厄介者ですね。生ゴミの発生しない我が家では全く”養殖”していないのに勝手に我が家に入り込んで来ますし、棲みかを選びませんので、大衆食堂の壁や屋台街の道路をよくちょろちょろと這い回っています。はっきりいって私はゴキブリが大嫌いです!、

鼠:これは多いですよ。ほんとよく見かけます。もちろん高級なコンドミニアムのようなところはでまずいないでしょうが、低層の建物、飲食業の店、食品小売り店、下町の溝などに居ついています。ですから大衆食堂で食事しながらふと溝を見やると、鼠が顔を覗かせているとか、早朝下町や市場を歩いていると、車に轢かれた鼠の死骸や鼠取りに捕まった鼠を目にします。屋台や路上で商売し飲食する習慣のマレーシア人ですから、鼠にとって餌には全然こまりません。

大衆飲食店・レストランのお冷は無料ではない
大衆食堂、それほど高級ではないレストラン、屋台、屋台式食堂、伝統的コーヒーショップ、こういった店店では、グラスに注いだ水は無料ではありません。注文できる飲み物で一番安いのは氷入りの水か白湯です、さらに屋台は別にしてほとんどどんな店でもミネラルボトルも注文できます。中華大衆食堂でもお茶はもちろん有料ですよ。

でこういう店の氷水や白湯は衛生的なのだろうか?という疑問をお持ちの方がよくいらっしゃいますね。衛生的といえば衛生的、不衛生といえば不衛生でしょう。所詮、大衆食堂、それほど高級ではないレストラン、屋台、屋台式食堂などで食事する限り、料理を作っている人たち、料理を運んでくる人たち、洗い物している人たちの衛生意識を受け入れることになります。ある料理だけものすごく衛生的に料理し、お冷用のグラスだけをものすごく丁寧に洗うなどということは全くありえません。グラスに入れる氷をきれいに水洗いするなんてことはないし、がんがんと沸騰させた湯だけを白湯に用いるなんてこともほとんど期待できません。適当に湧かせた湯を薄めるのに水道の水を注いでいる店もあるのですよ。

まあ多くの地元人がそれを飲んでいることだし、気にせず飲めばいいのです。といって無理に衛生的だと思い込む必要はないですよ、こんなものさと思えばいいのです。要は気にしないこと。マレーシア人だって気にする人はいますが、それに一々こだわる人はごくごく少数派ですね。どうしてもそういう気持ちに慣れない人は、常にミネラルボトルだけを注文し、ボトルから直接飲むことですね。

一方通行は一方通行にあらず
一方通行とはとういう意味でしょうか?道路交通で車両類は決められた一方向だけに通行しなさい、という万国共通の意味兼規則ですよね。一方通行をマレーシアでは”Jalan Sehala” と表記し、一方通行の交通標識にはほとんど全て矢印と共にこう表示されています。”Jalan”は通りのことだから、”Sehala(スハラ) 通り” だなんて理解しないように。この程度のマレーシア語は覚えましょう。

こんな子供でもわかる明白な交通標識を無視して、決められた方向とは反対方向にバイクを走らす、バイク乗りが非常に多いのです。非常にと形容したので、この状況をご存知ない方は、バイク乗り10人中2、3人が一方通行を無視するのだろうと思われるのかもしれませんが、いやいや、従がうのが2、3人で無視するのが10人中7、8人なのです。

田舎の農家が続く村道や、日中でも人や車の往来がぐっと少ない、都市部にある寂れた新興開発地区の通りでの話しではありません。もっとも村道に一方通行道路などまずありえません。クアラルンプールのような都会の往来の激しい立派な道路、そしてそういう道路に交差するまたは平行する路地、こういった道路や路地にはしばしば一方通行が設定されています。マレーシアの道路交通規制は、たくさんの一方通行路を設けるのが特徴です。交通渋滞を減らしスムースな走行のためということで、一方通行道路を増やしており、郊外、商業地区、新興開発地区、など至るところに設定されています。クアラルンプールの中心部にも長短の一方通行路がたくさんありますよ。観光客にも馴染みの深い主要通りをちょっとあげれば Jalan Bukit Bintang, Jalan Raja Chulan, Jalan Pinang などです。

この一方通行の多いことは、反面一部のドライバーに面倒さを強いることにもなります。十字路で交差する道路が一方通行のため、右折すれば100メートルほど先に目的の建物がある、しかし一方通行のため左折し数百メートルほど走行して、Uターン指定所でUターンし、そしてまた1キロメートル以上走行して再度Uターンして目的に建物にたどり着くとなる、または交差点を左折せずに直進し時計回りに右折を重ねて先ほどの道路に入り、目的の建物にたどり着く、などとなりますね。

こういう一方通行路のある交差点に臨んだ時、つまり右折すれば百メートル先に目的の建物があるような時、バイクはこの一方通行道路を逆走行するのです。しかもこの一通道路の右側をスピードを落として逆走するのが普通です。右側ですから時に歩行者が歩いています。本来は車の来るはずのない後ろからいきなりバイクが歩行者を抜いて行くのです。この一方通行道路にもし歩道があれば多くのバイクはこの歩道を車の流れと反対方向に走ります。歩行者としてはまったくたまったものではありませんが、バイク乗りはこの走行法を既得権のように捉えていますので、なんら悪びれた態度も且つ歩行者に警告する事もなく、当然のごとく歩道上を走りまたは一方通行路を逆走行します。

既得権と書きましたように、この行為を警察は全くといっていいほど取り締まりません。交通警官がその付近にいてもバイク乗りは歩道走行や一方通行の逆走をします。だから既得権と私は呼ぶのです。上で例に上げたのは、一方通行道路だが逆走行すれば百メートルほど先に目的の建物がある、といった例ですが、もちろんこれは一例であり、多種多様な状況で一方通行路のバイク逆走行がなされています。三叉路で交差点に臨んだ時、車線間に緩衝地帯があって向こう側の車線に直接入れないので、数十メートルほど手前の車線を逆送し、緩衝帯が切れている場所で違法横断して向こう側の車線に入る、なんてのもよく見かけます。

傍若無人なバイク乗りはさらに次ぎのような手段を用います。十字路交差点のある車線を走行していて、交差点で自車線に向けた前方信号が赤となれば、車は停車しますね。しかしバイク乗りの中にはこの赤信号停車を嫌って、交差点で急に左折しすぐまた違法Uターンして交差点に戻ります(交差する最初の車線が赤ですからこの車線の信号は青になってますね)、そしてその交差点で左折して最初の車線に戻りそのまま走って行く、つまり交差点の信号で止まらず結果としてノンストップで走行してしまうのです。

もちろん赤信号の交差点に臨んだ時、左右車線を通行する車がごく少なければまたはなければ、10台中半分くらいのバイクは信号無視ですね。尚交通警官が交差点にいれば、これらの無法バイクも赤信号無視だけは控えます。交通量が相当激しい道路でも信号無視するバイクは珍しくありませんが、交通量が少なくなればなるほど、またはラッシュ時を外れれば外れるほど赤信号無視のバイクは増えます。

こうして一方通行路は一方通行としての権威がありません。歩行者は道路横断する時、どんな道路でも必ず左右をよく確認してからにしましょう。一方通行道路や歩道を歩くときは、常に後ろからバイクがくるかもしれないことを頭に置いておきましょう。
以上


正月明けからまたこれまでのように、ロングステイのための解説や情報を載せていくつもりです。



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