マレーシアマイセカンドホームプログラム公式サイトには、「不動産を取得することは、マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加するための必要条件ではありません」と強調して書いてある。
いうまでもなく、プログラム参加者の中で住宅不動産を購入される方は少数派でしょう。外国人が購入できる住宅不動産には制限があります。例えば価格1つをとってみても、1ユニット(住居1軒)あたり日本円換算で約1千万円を超える物件にほぼ限定される。下記の掲載で示していますように、2014年から多少条件が変わりました。
そこで今回の記事では、プログラム参加者が高層住宅であれ土地付き住宅であれ、マレーシアで住居を購入することに関する、マレーシアマイセカンドホームプログラム当局の規定とお知らせを訳出し、説明を付けます。
外国投資委員会(略称 FIC)の指針に沿った、外国人による不動産の取得
1.マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で、住宅不動産を取得する
a. マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加して住宅不動産を購入することは、外国投資委員会の承認を得る必要はありません、これは2014年3月1日から施行する。
Intraasia 注:外国投資委員会(略称 FIC)とは、外国企業や外国人によるマレーシアへの投資全般に関して審査し、承認する権限を付与された委員会です。
b. 購入できる住宅ユニットの範疇は次のものを除く全ての区分です;
- 州当局が決めることになっている、低コスト区分及び中の下コスト区分の住宅
- マレー保留地に建てられた全ての不動産
- ブミプトラ割当て用となっている住宅
- 入植の概念に基づいて開発された農地に建つ住宅
Intraasia 注:原文は冗長すぎて意味が取りづらいので、箇条書きにして訳してあります。
c. 州当局が、場所、ある一つの住宅開発プロジェクトにおけるユニット数、不動産の種類に基づいて、住宅取得を決める裁量権を有する。
Intraasia 注:わかりにくい表現で舌足らずの文です。要するに、プログラム参加者が購入できる住宅はその州当局が決めた範囲内の住宅に限られる。その範囲は、住宅のある場所、住宅ユニット数、不動産の種類を考慮して、州当局が決めるということですね。
2.不動産の取得
a.住宅不動産以外の不動産を取得するには、外国投資委員会(FIC)の許可を得ることが条件となる。
b.どのような提示された購入もRM 50万を超えなければならない、ただし次の地を除く:
- サラワク州のシブ、ミリ、クチンではRM 30万を超える
- ペラ州のイポーではRM 35万を超える
Intraasia 注:原文の英語に間違いがあると言えそうです。提示された購入ではなく、購入する価格とすべきでしょう。要するに、販売価格がRM 50万以下の不動産は購入できない。下記の当局からの追加文書を忘れずに参照してください。
3.外国人による不動産の所有権譲渡
a. 外国人による不動産所有権の譲渡はその者の直系家族(に譲渡する場合)にだけ許される。
外国投資委員会(FIC)が定めた指針における家族の範囲:婚姻関係にある夫と妻、血族(祖父、祖母、兄弟姉妹)、継子、法律に基づいた養子
b. 遺言または裁判所の命令による不動産の譲渡の場合は、外国投資委員会(FIC)の承認は不要となる。
4.マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で、住宅不動産を取得する際の手続き
上記のチャートに関して:マレーシアマイセカンドホームプログラムの下で、住宅不動産を取得する際の手続き
- a プログラム参加者が購入するつもりの不動産を特定する
- b ”不動産が使用に適していることを証明する書類”(通称 CFという)が発行された不動産を購入する
- c 土地事務所や地方自治体といった関連官庁からその不動産の情報を求める
- d 弁護士に依頼して、売買契約書に売り手側の署名をもらう
5. 不動産の売却
a. 該当不動産の購入に興味を示すマレーシア人購入者を特定する。もし購入希望者が外国人の場合は、外国投資委員会から事前に許可を得ること
b. 売買契約書に購入者が署名する(Intraasia注:もちろん売り手側も署名する)
c. 不動産の売却を関係する次の官庁に知らせる: 外国投資委員会、観光省、内国歳入庁、
【購入できる住宅不動産の最低価格 -2015年1月15日時点に改定】-マレーシアマイセカンドホーム当局発行の追加文書
マレーシアマイセカンドホームプログラムサイトでは次のように書いてある:「土地は各州の管轄下にあります。そこで購入すると決める前に、購入できる最低価格は州によって異なるので、その州の法律・規定を確認することが大切です。」
RM 100万の州:トレンガヌ州、ジョーホール州、パハン州、クアラルンプール、ヌグリスンビラン州、プトゥラジャヤ、ケダー州、クランタン州、スランゴール州の第3地区、
ただしスランゴール州の第1地区と第2地区はRM 200万
RM 50万の州:ペルリス州、サバ州、
マラッカ州:strata 所有権の場合 RM 50万、土地オーナーが所有権の場合 RM 100万
ペナン州:RM 50万(2ユニット)
ペラ州:RM 35万
サラワク州:RM 30万
Intraasia 注:ここでは当局文書の表記のまま、数字だけを書いておきました。マレーシアマイセカンドホーム当局の発表文書の常で、舌足らずで不明瞭な表現です。”購入できる最低価格” ということなので、その価格以上の物件が購入できるという意味ですね。なお本来あるべき”ユニットあたりの価格” という表現が失せている。
ペナン州の表記では、多くの人は惑うことになる、では1ユニットの最低価格はいくらなのか? なぜわざわざ2ユニットと書いてあるのだろう?
この疑問は、Malaysia Property Incorporated のサイトを見ると、購入は2ユニットまでに限られると書いてあるので、解決しました。
マレーシアマイセカンドホーム当局の公式サイトの文章と掲載している公式書式には、これまでも度々指摘したように、不明瞭、不十分、不正確な表現が目立ちます。
【不動産開発のデベロッパーとMalaysia Property Incorporated のこと】
プログラム当局は次のように書いています:我々は皆さんに、既に CF が発行されている住居を購入されるようにアドバイスします。住居をデベロッパーから購入するつもりの時は、それが評判の良いデベロッパーであることを確実にしましょう。
信頼のおける開発デベロッパーのリストは、Malaysia Property Incorporated (マレーシア不動産独立法人)と連絡を取って最新のリストを入手してください。
Malaysia Property Incorporated
Unit 6-03A & 6-05, Level 6, Menara UAC, No 12,
Jalan PJU 7/5, Mutiara Damansara,
47800 Petaling Jaya,
Selangor Darul Ehsan.
Intraasia 注:しかしながら Malaysia Property Incorporated のサイトにはデベロッパーリストは載っていません。そこでそのサイトをよく探すと、いろんな関連リンクサイトを載せたページがあるので、その中の ”Real Estate & Housing Developers’ Association Malaysia (REHDA)” が目的のサイトです。こうしてようやくデベロッパーリストが閲覧できる。
ところで Malaysia Property Incorporatedサイトにはかなりの多種多様な情報が載せてある。しかし普通のマレーシアマイセカンドホームプログラム参加者で住宅購入の希望者が、これら全ての情報を読んでおく必要はありません。関係するまたは興味ある部分だけを読めば、事足りるでしょう。