白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

白洲正子文学逍遥記 番外編-05

2017-07-21 | 日本の伝統芸術

 

 

茜ちゃんの「島日記

-004

 

 

 

 

 

 

本日も奄美の梅雨は開けませんでした。朝は上天気!

しかし段々曇り空になった来た。 雨が降りそうな塩梅だ。

と言う訳で本日もお預け!

 

 

 

 朝の5時ごろから、例の馬鹿ガラス夫婦がやって来た。

何しろ亭主の声が悪いのですぐ分かる。女房は普通なのだが亭主は浪花節だ。

声を聴いただけで石をぶつけたくなる。

 

    

 

 即、鷹の声のミサイルを一発お見舞いしてやる。

 

 

女房ガラス はすぐ逃げる。亭主は怖いのだが女房の手前頑張っている。

しかし、遂に退散する。本物の鷹が声で引き寄せられて来るからだ。

いずれ、こんな運命に成るかも?

 

    

 

 

紫陽花は毎日色合いが濃くなって行く。

奄美には余り紫陽花は見られない。花屋に苗も見当たらない。

「ガクアジサイ」が欲しいのだが・・本州に行けば素晴らしい紫陽花が有るのだが・・

 

 

ガクアジサイは可憐な花だ。様々な品種が有る。 

 

 

関西では奈良の中宮寺の観音堂の周りの紫陽花が美しい!

 

 

 

 

 

畑の野菜も終わりに近づいて来たようだ。 

タマネギも収穫終了! トマトはカタツムリの被害は増大する一方だ。

来年はカタツムリの食害の対策をしなければ・・

相手が地の虫なので中々大変である。石灰を沢山撒いてみようか??

 

  

 

 

    

 

 

面打ち再開!-2

 

 

 半蔀はじとみ)

 

 

 Twitterを以前観ていたら画面に掲載されていた「半蔀」のシテの姿が出て来た。

能面は恐らく・・「若女」であろう。<はんなり> とした面の風情である。

毛書きの部分が良く見えないので、ハッキリ確定は出来ないが、

面(おもて)の造りは「若女」である。たいへん素晴らしい面である。

* はんなり・・京言葉で「可愛らしい」という意味。 

 

 「若女」・・長澤 氏春師 作

    

 

 これは長澤氏春師作の「若女」である。良く風情が似ている。

名人の技量が良く出ている素晴らしい作品。

「半蔀」の面の作家は調べて解った。素晴らしい技量の方である。

何時間観ていても観飽きない良い出来の能面である。

能面を観る時はこのレベルの能面を観る事である。眼の保養にもなる。

 

能面師 選定保存技術保持者 長澤 氏春師 

       

 

能楽の道具 立て

 

 能装束

 

        

 

能楽には「能装束」が先ず挙げられる。 曲によっては「直面(ひためん)」と云って、

能面を掛けない場合もあるが能装束は必須である。能衣装という言い方は間違い。

 

    

 

美術館や博物館では江戸期以前の作品が見られるが、

照度の関係と時代による色の退色で余り美しくは見えない。

しかし、滋賀県の北近江では今でも能装束を大きな機で織って、染色して仕立てている業者が居られる。

素晴らしい色合いには感激するばかり。これ程美しいものはないという位の出来である。

北近江は強い丈夫な繭が出来る。其れと良質の水である。これが良い作品に繋がる。

女性なら暫く立ち竦んでしまうであろう。それほどの作品である。

写真よりも実物の方が美しく見える。

 

     

 

 

扇 

 

「扇」も 日本伝統工芸の素晴らしい芸術作品だ。京都の河原町界隈を歩けば

簡単に手に入る。何本か持っていたが全て女性に獲られてしまった。

竹と紙と日本画の複合芸術である。

 

 

 

 面袋

      

 

能面を納める道具の一番身近な物 が「面袋」。

これも能装束の端切れ(反切れ)を使ったもの、上質の布団生地、

それから専用に初めから機で織って、

染色して仕立てた高級品もある。ピンからキリまである。

専用の場合は生地で¥25.000円程度、仕立て料金は別である。

 

爺の面袋・中央 (中身は見せません)

   

 

面袋の中は「能面+面当て」からなる。 <面当て>はガーゼのような柔らかい布で、

能面の上に置いて擦れ傷、打撲の傷が出来るのを防ぐ役目がある。

写真のような場合も有るし、白い羽二重の布一枚の事もある。

 

 

本日はこの辺りでお開きと・・

 

 


白洲正子文学逍遥記 番外編-04

2017-07-21 | 日本の伝統芸術

 

 

茜ちゃんの「島日記

-003

 

 

 

 

ああ 奄美の梅雨明け如何に !

 

 

 

朝方は如何にも梅雨明けの素振りを見せていたのに・・

昼前から段々曇り空へ・・テゲテゲ天気メ! 

と云訳で本日も梅雨続行と相成りました。気温29

 

   

 

 朝の内から例の夫婦の馬鹿ガラスが鳴き騒ぐ!

<うるさい! て言うんだよ! 黙って鳴け!

鷹の声をスピーカーでカラスに向けて流す。

<やっぱり、爺の家には鷹が今日も居たか?>

と言う訳で夫婦ガラスは諦めて山に帰る・・

 

     

 

 

 

 毎日、これが延々と最近は続く。どちらかが諦めるまでこんな事が続くんだろうね。

 

時計草の実」が段々熟し始めて来た。

 

    

 

奄美の気象台は6/22に「紫陽花」の開花予報を出した。

自宅の紫陽花は段々色合いが濃くなって来た。

 

  

 

 

玄関先にある地元の樹にも花が付き始めた。何という花なのだろうか? 

 

 

畑にある「島バナナ」に大きな実のようなものが出始めて来た。 

 

  

 

アップにするとこんな感じ。カラスの顔に似ているぞ! 

どこから実際の実が飛び出してくるんかいな? 

何れにしても右のような形に収まるのであろう。

どれ位かかるか? 後5本は成長中・・

今年は初めて島バナナな実物が、自宅の畑でお目にかかる。

 

         

 

 

    

 

 

面打ち再開!-1

 

 

   

 

梅雨も終わりそうなので、やっと能面の面打ちをする気になって来た。

涼しい「信州」の山の中がだったらなあ・・・・・ッ!

でも、無い袖は振れない。木も揃っているのでやる気になりつつ・・・ある。 

 

 

 奄美には能楽や仏像文化はない。無い袖は振れぬので・・やるしかない。

能面集は県立図書館以上に充実している積り。

恐らく、鹿児島の県立図書館でもこれ程はない筈。

滋賀県立図書館でもそうであった。確認済みだ。

ちゅう分けで・・必要な資料を机に並べる。 

 

  

 

 現代の面打ちの名人・「長澤 氏春師 & 初代・掘 安右衛門師」

の能面集や、面打ちの手引きを全て用意してある。

奄美では能面師はいないし、京都や東京は遥か数千Kmの彼方である。

書籍に頼るか、専門家のビデオ・DVDに頼るしかない。

 

        

 

「能面打ち入門」のビデオ全集は絶版である。1セット(5本組)=¥150.000の代物。

恐らく市場にはないであろう。だが、掘安右衛門師の作であるから、

絶対の信頼を置いている。実は昔、近江・大津でこれを壊してしまった。

止むを得ず買い直したものである。実によく編集されている。

 

  

 

後、「面打」(AMAZONで発売)のDVDも参考になる。新井達矢師である。

東京の羽村に在住の若い面打ち師であるが、30年程の長い面打ちの年季のある方だ。

腕は一流である。この方の師匠は人間国宝・長澤氏春師。

癖のない何れは師匠を追い抜くであろう程の腕前である。面打ちの手順や運刀方法の参考になる。

東京近在の方であれば・・この方に付いて面打ちを習われることを勧める。

爺が保証する腕前である。面打ちは自分の才能と師匠で決まる。

 

様々な能面集

 

   

 

彩色の段階になると、有名な能面集の「能面」の色合いが参考になるので、

もう、市場にはないであろう能面集を集めてある。中には10年以上時間を要した能面集もある。

  

様々な能面集

   

 

 よう、飽きもしないで集めたものである。あの世に行くときは何処かの図書館に

全てを寄贈したいと思って居るのであるが・・何時お迎えが来るか・・???

 中には同じ能面集をダブって持っている。勘違いしたのであろう。

面打ち 長澤氏春」は2冊ある。御念が要っている・・イヤハヤ! 

1冊は新品そのものだ。市場では現在¥75.000円とか。

でも、随分安くなった。東京・神田では昔は¥100.000円だった!

 

 

 

面打ち用の木は充分枯らしてあるので、脂も出ないであろうし狂わないであろう。

新品が6本、やり直し2面で合計8面分もある。4年間位はこれで充分持つだろう・・・??

 

面打ち用部材・・木曾檜と櫟の木 

   

 

鑿、小刀など数々の道具を使って、長方形の部材を下の様な 形に掘りあげて行く。

この能面は「友閑」という、天下一と称された江戸時代の名人・是閑の弟子の作の写し木型である。

「小面」という名称の能面。小面は何時までも打って行くべき能面である。

ある面では一番難しい能面であろう。小面に始まって小面に終わる。

師匠から昔譲って貰ったものだ。何れにしても長方形の部材は手本の木型になって行く。

此処まで出来上がって面打ちの全工程の40%程である。先は長いのだ。

 

   

 

最終的には下のような面になれば出来上がりなのであるが・・そうは簡単に行かないのである。

 

友閑 「小面」 本面 

 

 能面は日本各地でプロ、アマ含めて多くの人が打たれている筈だ。

北は北海道から南は九州まで。都会の中でも山の中の庵のようなところ・・人によって様々であろう。

ある面では仏像と同じかもしれない。福井県や愛知県、関西方面は部材の関係や、

歴史的な理由から面打ち人数は多いかもしれない。

 

是閑・大飛出

 

 

能面師の名人は昔の越前と近江から出ていた事も一つある。

先程紹介した「是閑」は越前・大野の出目家が輩出した逸材である。

出目家は3系統あり、府中(福井)・越前大野・近江(滋賀)。

不出世の名人はほゞこの系統に入っているのだ。越前の文化の秘密である。

本日はこの辺りでお開きと・・