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ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

お母さん神経質すぎよ~そんな子育てしていたら… 4

2008-08-21 09:12:58 | アスペルガー症候群
☆くんは、だれとでも親しくなれますし、
新しい場所にもすんなりなじめる様子です。
おもちゃでの遊びに誘うと何であっても強く拒絶することもなく
乗ってきます。

アスペルガーの子の多くは、
さまざまな種類のおもちゃがある虹色教室に来ても、
電車だったら電車のおもちゃでだけ…
ブロックでだけあそびたがり、
いくら他の遊びに誘っても聞く耳持たずの子は
よくいます。こうしたタイプの子は知能が高い場合でも、
幼稚園などで周囲や先生とうまくいかなくてトラブルが多いようです。

しかしアスペルガーの受動型の子は
行事などにも形だけとはいえ参加していますし、
お友達にも引っ付いているだけとはいえ関わっていますし、
幼児期に取り立てて問題と思える部分が
見えにくいです。

ここで一番悩んでしまうのが、身近にいて、
しつけたり教えたりしているお母さんです。

☆くんタイプの子を育てているお家では、お父さんは「考えすぎ」
祖父母は「親のしつけが悪い」と決め付けていることが多いです。

自分の育て方が間違っているのか…
わが子は頭が悪いのか…障害があるのか…それは考えすぎか…
自分が神経質で口うるさい親なのか…
それにしても、会話をしても、いっしょに遊んでも、
何だか常にちぐはぐで不安を覚える…
とこのタイプの子のお母さんは悩まれるようです。

☆くんは強いこだわりがなく、さまざまなおもちゃに手を出しますが、
どのおもちゃにも本来の遊び方に関心を寄せることは
ありませんでした。
ビー玉を転がすクーゲルバーンのようなおもちゃも
ビー玉を転がすことや、積み上げて形を作ることは一切せず、
一部についている鈴に気をとられ、
ガラガラのようにいつまでも振っています。

そこで、わたしがビー玉を転がして関心をひこうとすると、
もう☆くんはうろうろと歩き出していました。

その後もずっとそんな遊び方でした。

☆くんのお母さんが、☆くんが迷路ができるようになるのに非常に時間がかかった…というエピソードを聞かせてくれました。

迷路で進み間違って行き止まりにあたる…「行き止まりよ」とお母さんがアドバイスをする…そのままできなくなる…
が何ヶ月も続いていたそうです。
あるとき、☆くんのお母さんが、「こうやって戻って~」と
手本を見せていると、☆くんは非常に驚いて、
「行き止まりに行ったら、戻るんだね。」とはじめて気づいたように言って
それ以来、迷路ができるようになったのだそうです。

迷路といえば、教室に来る幼児がどのようにできるようになるかを観察していると、行き止まった時点で、でたらめに試行錯誤を繰り返し、
たまたまうまくいった経験の繰り返しから、
迷路とはこのようにするもの…という結論を導き出している様子です。
たいていの子は説明なしに直感的に
そのルールを見つけ出すのです。

しかし☆くんは何ヶ月も「行き止まり」というお母さんの言葉を
「止まる」と解釈し、そこで止まることを続けていたらしいのです。
そして、お母さんが「戻って~」という説明を加えた途端、できるようになったのです。

このエピソードからも、☆くんが、
何がわかっていないのか?
なぜできないのか?
を正確に把握すること。
それを理解できる言葉で、説明すること。
がどれほど大切かが、見えてきますね。

また、何にでも関心があるように見えて、実際はほとんどのものに無関心という子には、とても注意が必要です。
少しずつでもひとつの遊びにじっくり関われるように
気をつけてあげることも大切ですね。

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