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ADD?先生の発達障害児 教育応援サイト

ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

自閉症のある子に教えるコミュニケーション、遊び、感情表現

2008-06-02 14:59:23 | 自閉症
知人に
「ソーシャル・スキル・アルバム」著ジェド・ベイガー 明石書店 2000円
という本をいただきました。
自閉症のある子に教えるコミュニケーション、遊び、感情表現について
写真つきで説明した本で、
子どもと写真どおり演じながら、
基本の対人関係のスキルが学べるようになっています。

227ページの大判で見やすくたくさん例が載っている本です。

「この女の子はジャンバーのチャックが閉められません。
先生達の話を中断させて、手伝いをお願いするつもりです。」
という写真と説明があると、

次のページには、
 よいやりかた「この女の子は、先生たちのところに行き、
先生達が話をやめて、
自分の方を見てくれるのを待っています。」
という写真と説明

よくないやりかた
「この女の子は、話がとぎれるのを待ちませんでした。
先生の注意を引くために、うでを引っぱりました。」
という写真と説明が載っています。

次のページには、「すいません」と言ってから、
手伝いをお願いすることが、写真つきで説明してあります。

その次のページには、
相手の答えを待ってから、その場をはなれる前に「ありがとう」
と言うことが、写真つきで説明してあります。

このように、とてもていねいに、
自閉症スペクトラムの子どもが、
家庭や学校での、対人関係のスキルを身につける方法が
紹介されています。

紹介されているスキル

スペースインベーダーにならないようにしよう
(会話をする時、相手から適当にはなれる)
聞くときの態度
中断させる 1・2・3(友だちにおもちゃをかしてもらう)
あいさつ
話を聞くこと
会話を始め、会話をつづけること 1 2
会話を終わらせること
自己紹介
いつ話をやめるとよいかを知ること
遊びにくわわる方法
分け合うこと
ゆずりあうこと
交代で遊ぶこと
ゲームで遊ぶ
落ち着くこと
人の気持ちがわかっていることをしめすこと
(人が悲しんでいたり、おこっていたり、助けを求めていたりするときの
サインに気をつける)
「だめ」という返答を受け入れること
まちがったときのこと
はじめてのことをしてみること
からかわれたときのこと
課題が難しくてもやってみること
 

いつもどうもありがとうございます。

0歳の時に自閉症の兆候を見つける研究

2008-05-08 20:58:16 | 自閉症
1歳前の子の自閉症の兆候を見つけるという研究がすすんでいます。
自閉症児の弟や妹は遺伝的に自閉症を発祥しやすい素因を持っているので、
そうした子を対象に、
視覚や言語、他人とのコミュニケーション能力の
発達具合を調べているそうです。

自閉症の兆候は、最初とても判別しにくいものの
かなり早い段階から見られるようです。

自閉症は早期に発見されるほど、
脳の再訓練ができ、子どもによりよい人生を切り開くチャンスが
与えられると言われています。

研究途中のデーターですが、
0歳~1歳前半子の自閉症の兆候とされてることを紹介します。

後に自閉症と診断される子も、
生後6ヶ月の時点では、たいてい周囲の大人と目を合わせるそうです。
ただし、他の子どもよりおとなしかったり、
受動的だったりという例が多いようです。

物に手を伸ばす、お座り…などに遅れが見られるときがある。

1歳頃、見慣れない玩具や初めての遊びにひどく動揺する子もいる。

同じ動作を繰り返したり、目の前の物体を凝視したりする。

一緒に遊んだときの反応が鈍い
いないないばぁをしてみせても、表情が乏しく、
相手を見ようとしないときがある。
こうした遊びで感じる「あれっ?」という困惑が欠如している。

生後6~14ヶ月の間に急激に頭のサイズが大きくなる。
(脳に新しい神経回路ができたとき、
いらないものを捨てていく働きがうまくいかないのかもしれない…
と言われています)


自閉的傾向には幅があります。

自閉症(言語障害。他人に興味をしるさない)
アスペルガー症候群(言葉を使う能力が高い。興味の対象に執着する)
特定不能の広汎性発達障害PDD-NOS
(自閉的だけど、深刻な社会性の欠陥はない)
小児崩壊性障害CDD(2~4まで正常。その後、自閉症的な症状が出る)
レット症候群(CDDと似ているが、早期に発病)

全米では 166人に一人が自閉症だそうです。
男の子 対 女の子 の比率は 4対1です。

もし気になって病院で見てもらったとしても、
PDDーNOSなどの場合、発見されない場合もあるかもしれません。
早期発見、早期の治療開始のために、
ちょっと気になる…という親御さんの勘を大切にする必要が
あると思います。


引用は 0歳からの教育 Newsw e e k 阪急コミュニケーションズ


 
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自閉症の3歳の子どもが劇的に進歩した事例 2

2008-05-02 14:25:51 | 自閉症
前回の記事でBちゃんという女の子が、
劇的に進歩していった様子を載せさせていただきました。

自閉症の症状をより良い状態に導くためには、
母子愛着行動を発展させる
幼児集団に入れて社会的行動を形成させる
といった 「アウトプット」のコントロールではなく、

知覚として情報を入力させる
「インプット」のコントロールのアプローチが
大事なようです。

なぜなら、自閉症の対人行動の障害は、
母子の愛にかかわる障害ではないからだそうです。

情報の入力過程や注意機構の障害という
インプットの障害だからなのだそう…。

Bちゃんのお母さんの、大きな身振りの手遊び歌は、
まさにインプットのコントロールであったのです。

虹色教室の親子レッスンには、双子の自閉症の女の子が
通ってくれています。
はじめて教室に来たころ、
二人ともまったく人に関心がなく、
コミュニケーションは不可能なようにも見えました。
ひとりごとと一人遊びとかんしゃくの連続でした。
しかし、数回通っていただくうち、
会話らしいものがなりたつようになり、
目に見えて進歩してきました。
いったい親御さんは、お家でどのような働きかけをされたのだろう?
と不思議に感じるほどでした。

が、Bちゃんの事例を読むうち、
この数ヶ月、双子ちゃんに対して、インプットを中心にした
働きかけができていたのではないか?
とも思えてきました。
双子ちゃんは、
教室の中で、箱の中から、ジャラジャラ音のする首飾りを
引っ張り出したり、
言葉を大きな身振りで表現すると喜ぶ様子が見られました。
お家でも、何でもオーバーにしてみてください!と
お願いしていました。
というのも、その時だけは、人の方をおもしろそうに見るしぐさが
見られたからです。
そうするうちに、双子ちゃんに、
言葉によるコミュニケーションを取ろうとする意志が、
見えてきました。
そして成長が加速されてきた様子なのです。

この双子ちゃんのお母さんもお父さんも、
とても育てにくくかんしゃくの多いお子さんに、
常に愛情深く接しながら、
さまざまな場所に連れて行っていらっしゃいます。
そうしたことも、成長に
良い影響を与えていると思います。

双子ちゃんのレッスンの様子です 1

双子ちゃんのレッスンの様子です2

双子ちゃんのレッスンの様子です3

 
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自閉症の3歳の子どもが劇的に進歩した事例 1

2008-05-01 14:20:26 | 自閉症
「自閉症児の保育・子育て入門」 中根 晃  大月書店
という本の中で、
2歳の自閉症の女の子Bちゃんが、
あるきっかけで、短期間に非常に進歩したという
興味深い事例が載っていました。

Bちゃんは、1歳7ヶ月になると「パパ」と言って、壁を指すようになり、
2~3週間するとトマトの絵を見て、
「パパ」っというようになりました。
そして1歳10ヶ月には全ての言葉が消え、
視線が合わなくなり、手をひらひらさせたり、
同じ動作の繰り返しが目立つようになったそうです。

近所の公園で鳴り出すオルゴールの音を恐れたり、
壁のしみに顔を近づけてみるなどの行動が目立ちました。

Bちゃんが、3歳6ヶ月になったとき、
母親が大きな身振りでやってみせる手遊び歌の
動作を目で追うようになりました。
テレビの「お母さんといっしょ」の一連の動作のまねをして、
母親といっしょに走り回ったりするようになりました。
母親が描いた絵を視線でなぞるように追うようになり、
目が合うとにこっとするようになりました。
絵本が 気に入るようになり、
夜、お母さんのしてくれるお話に耳を傾けるようになりました。
また人形で遊んだり、お友達に興味を持ったりもするようになりました。

最初Bちゃんが壁のしみなどを恐れていたのは、
物を見るプロセスに障害があることを推測させる行動なのだそうです。
Bちゃんは、母親の手まねを見るようになって、
回復し始めました。
それは なぜなのでしょう?

それには、「視覚運動性の感覚入力」ということが、
関係しているそうです。
動いているものを良く見るというのは、
ひとりであるけるようになる前の幼児に見られる現象なのだそうです。
Bちゃんの知覚入力の障害は非常に深刻でしたが、

母親のしてくれる手遊びを目で追うという視覚運動系の
情報を通して、
その運動をしてくれる母親に目が向くようになり、

母の描く 絵描き歌を見ると言う「注視行動」がとれるようになり、

母に甘えるという「愛着行動」につながり、

母の声に耳を傾けると言う「傾聴行動」ができるようになった様子です。

長くなったので、続きは次回に書きますね。
 
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自閉傾向のある子と「好き 嫌い」の話

2008-03-14 18:35:55 | 自閉症
「自閉的」といわれる子どもたち  石井 葉 著 すずき出版
の中で
自閉的な子は「好きー嫌い」では
「嫌い」の感情の方が強く
その対象が多い…
とありました。
一般的な発達では 子どもは「嫌い」よりも「好き」が多く
だから毎日が楽しいとも言えるのだそうです。

一般的な発達では 「好きー嫌い」のような二分法の考えを獲得した後で
子どもはあいまいな評価のあることを
学んでいきます。
自分の気持ちがマイナスにならないように
「バツ」よりも「あと少しでマル」などの
肯定的な表現が多くなるそうです。

それに比べて 自閉的な子は「マルーバツ」の区分けが明確過ぎるのだとか…。
バツの気持ちが強すぎると
心が落ち着かず パニックになったりするそうです。

この話を読んだ後で
私は かつてお預かりしていた自閉傾向のある3歳の子どもさんの様子を
思い出しました。
嫌いな食べ物 触ると嫌なもの 嫌な音
嫌いな子 などたくさんありすぎて
お預かりしている間中 始終ヒステリックに泣いて過していました。
何を見ても「イヤイヤ」を繰り返す姿は
ワガママそのもの。
その頃の私は 育てる側(親御さん)の大変さや苦労の方にばかり
気持ちが行きがちでした。

しかし 上の文章を目にしたとき
ハッとしました。
「嫌い」なものに囲まれて 
まだ幼いのに 辛さや苦しさを強く感じて生きているなんて…!
「ワガママ」という見方は
残酷な受け取り方だった…と反省しました

>大人はいつも、そしていつまでも「マルーバツ」だけでなしに、
あいまいな表現で評価を伝えていくことが大切になります<

という言葉を読んで
そんなことを考えても見なかったので 驚きました
つい
わかりやすく伝えなくては…と
「これはダメよ。」「これは良いよ。」とできるだけ単純な表現で
さまざまなことを
教えようとしていたのです。
「まぁまぁいい」「あと少しでマル」
「少しバツ」「バツっぽい」
そんなあいまいで 少し気持ちを明るくしてくれる表現を
たくさん教えてあげたいと思いました。
  
 
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高機能自閉症の子の親子レッスンから

2008-03-01 16:40:53 | 自閉症
 小学2年生の☆くんは
高機能自閉症の温和な性質の男の子です。
今日は はじめてお母さんといっしょに虹色教室に来てくれました。

お母さんの話では
今は学校の勉強についていけているけれど
応用問題となるとパニックを起すこともよくあるので
これから先の学習が心配…ということでした。


はじめに「右脳体験」ピタゴラスゲームを
いっしょにしました。
「話を聞く」ことは 苦手な様子でしたが
複雑なルールを正確に理解する力が感じられました。

その後 最レベ問題集の2年生の算数問題を
いくつか解いてもらいました。基礎力はあるようだったので
算術特訓のハイレベル問題から

☆ ちえ子さんは 1びょう間に 2m。 ひろ子さんは 1びょう間に 3m
歩きます。

2人は 10mはなれた ところに 立っています。
これから2人は 同時に はんたいのむきに すすみます。
8びょう後に 2人は何mはなれていますか。

という少し難しい問題を出しました。
すると くわしく説明したわけではないのに 
意味を正確に理解して
おまけに 1度読んだだけで内容を暗記して
解いてくれたのです。
とても驚きました。

これは 定型発達の優秀な子であっても
混乱しやすい問題だと思います。

また 5,6,8,0,7
の5枚のカードを使って4ケタの数を作る問題で

☆1番大きい数は?
☆6000に一番近い数は? 

といった問いでも 高い算数の能力を見せてくれました。

ただ☆くんが 何でもよくできて放っておいても大丈夫か…というと
問題もあって
国語の「読み方」を書きなさいという問いで 漢字のまま書き写したり
算数で問われているのとは 全然違う内容を書く場面も
たくさんありました。
言葉の意味の理解において
「ごく常識的なことでも 教わらないとわからない」
ことが多いのです。

このように できることとできないことの開きがとても大きな子には
常にきめ細かな支援が必要です。

先日 知人の高機能自閉症のお子さんが
トップレベルの国公立の大学に合格したという話を
耳にしました。
おそらく先天的な才能もあったのでしょうが
親御さんや周囲の方々のていねいな支援があったことは
まちがいありません。

帰り際には 心そこにあらずで 歩き回ったり 勝手に引き出しを開けたりと
落ち着きをなくしてしまった☆くん。
これからどのように支援していけば良いのか…
親御さんといっしょに模索していきたいと思います。


 
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自閉症が疑われるサイン

2008-02-28 20:52:37 | 自閉症
次のようなサインはありませんか?
たくさん気になる点があるようなら、広汎性発達障害(自閉症)の疑いが
あります。

人と目をあわせない
人の表情に興味を持たない
遊びの種類やおもちゃの好みが とても限られている
両親に愛着をしるさない
抱き上げるといやがる
呼びかけてもふりむかない
他の子と遊ばない
不機嫌なときが多い
感情をコントロールするのが苦手

唐突に怒りだす
遊んでいるとき 笑わない
友達に共感をしるさない
自分勝手な振る舞いをする
音をとても不安がる
興味あるおもちゃや 知っている人に囲まれているときは落ち着いているのに初めての環境で感情を爆発させるときがある
匂いに敏感
遊び道具でないものに興味をしるして いつまでも遊んでいる
ドアを何度も開け閉めする
回転するいすで遊びたがる
商品のラベルを好む
扇風機をじっと見ている
小石を並べるのがすき
偏食がひどい
好きなものを暗記するのが得意
仕分け作業が得意

   
人や物事の呼び名を理解せず
相手の服を引っ張ることで意思表示する
言葉をしっていても 自発的に使わない
単語を理解するのが苦手
文字や数字 記号への強い興味と幼すぎる行動
発達水準に相応した 変化にとんだごっこ遊びや物まねの欠如
興味のあるものを見せたり 持って来たり 指をさしたりしない
いつも同じ道を通りたがる
「そのへんでちょっと待っていて」などあいまいな表現をされることが苦手
緊張が高まるとパニックをおこす
聴覚が過敏で 自身も声が大きくなりがち
見て調べる前に手を出してしまう
靴下や靴をいやがる(触感が意識にのぼる)

大人びた話し方をする
記憶力はあるのに推察力がない
相手の気持ちを推し量るのが下手
場の雰囲気がつかめない
言葉の裏が読めない
物事の要点がつかめない
身だしなみに気を使わない
動きがぎこちない
言葉は達者なのに指示にしたがえない
とつぜん記憶がよみがえってくる様子(タイムスリップ現象)

子どもさんが 幼すぎるとわかりにくいかもしれません。

こうした特徴をたくさん持っているな と感じたら
まず自閉症について 少し勉強してみることをおすすめします。
気になることが多い場合
専門家に相談してみる方がいと思います。
そうすることで 不安が解消されたり(取り越し苦労だった場合)
早期に療育がスタートできたり
2次障害を防げたりするからです。

周囲の理解や支援があれば 自閉症であっても
元気にすくすくと成長している子どもさんは たくさんいます。



引用は 自閉症の全てがわかる本 佐々木正美 講談社
アスペルガー症候群との接し方 榊原 洋一 講談社
自閉的といわれる子どもたち 石井 葉 すすき出版



 
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大らかに子育てしたい…でも不安はぬぐえない。うちの子 自閉症なの?

2008-02-27 10:06:04 | 自閉症
よその子と比べず 大らかに子育てしたい!
でも子どもと過ごす日々の中で
どうしても不安がぬぐえない…という声を聞きます。

祖父母に相談すると
「うちの孫が障害児のはずがない。もっとかまってあげなさい。」という
アドバイス。

何だか よその子と育ちが違う…
私が神経質なのだろうか?
自分の愛情が足りないのだろうか?

そんな悩みや迷いの多い子育てをされている方がいます。
私も少し前まで乳幼児をお預かりする有料ボランティアをしていた時に
続けて5組も 
2歳0ヶ月女の子 1歳8ヶ月男の子 3歳、1歳の姉妹
4歳男の子(他にも1歳代の少し心配な子がいました) 

何だかおかしい…自分の気にしすぎ?…ただ成長がゆっくりなだけ?
数年前にお預かりしていた軽度発達障害のある女の子の幼児期に似ている…
と不安を覚え
いろいろな本をしらべたり
専門家に相談してみたりしました。

すると 私が不安を覚える理由のほとんどが
「自閉症の特性をあらわすサイン」として
関連本に明記されていました。
それにしても続けて5組も来たのはなぜか…というと
親御さんが病院などの用事で出かける際
連れて行くのがとてもたいへん!
だからこそ有料ボランティアに預けるのですが
そうした子育てが難しい子の中には
高い確率で自閉症の特性を持った子が集まりやすかったんですね。

もちろん私は そうした判断をする専門家ではありませんし
自閉症の特性があるから 自閉症である
とは限りません。

ただ発達障害の特性は

周囲がいつまでも気づかずにいると
その後の経過が悪くなる

と言われているので
いくつか引っかかるサインがあるのなら
まず情報集めだけはした方が良いように思います。
そして心配なことが少しでもあるなら 安心を得るためにも
専門家をたずねてみるのをおすすめします。

しかし0~2歳半くらいまでは
専門家であっても正しい判断をくだすことが難しいようです。
現在4歳で親子レッスンに通って下さっている自閉症のお子さんも
2歳代で専門の先生に「障害はない」という判断されました。
安心して暮らしていたら
後に 中度の自閉症とわかったため 
療育のスタートが少し遅れてしまったようです。

自閉症は誤解の多い障害です。
かつては 反応性の情緒障害と考えられ
子どもを叱らず受け入れると良いと考えられていました。
(心の病気)と考えられていたんですね。

また重度の自閉症の子=自閉症という
偏ったイメージもあって
外から見ただけでは おしゃべりも行動も
自閉症だとはだれも気づかない アスペルガー症候群や高機能自閉症
について 正しく把握している人は
教育者であっても少ないように思います。

子どもにレッテルを貼るためではなく
子どもの困難を軽くし
幸せに生きていくことをサポートするために
障害のサインに気づき 今するべき一歩を踏み出すことが
大切だと思います

次回は 障害のサインにどのようなものがあるのか
具体的に書いていきますね。
 

 
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引用は 自閉症のすべてがわかる本 佐々木正美 講談社健康ライブラリー

「自閉症の僕が飛びはねる理由」

2007-12-04 19:58:11 | 自閉症
自閉症という障害を持つ
東田 直樹くんという中学生の男の子が
「自閉症の僕が飛びはねる理由」という本を書いています。

東田くんは 会話ができません。声を出して本を読んだり 歌ったりはできるのですが 人と話をしようとすると言葉が消えてしまうらしいのです。
簡単な買い物もひとりでできないのだそうです。

なぜ 僕にはできないの‥
悔しくて悲しくてどうしようもない毎日を送っていた東田くん。

会話はできなくても 訓練により筆談というコミュニケーション方法を
手に入れました。そして今ではパソコンで原稿がかけるまでに
なったらしいのです。
東田くんは 童話も書いていて
「グリム童話賞」の中学生以下の部大賞受賞をはじめ
多くの受賞歴があります。


東田君は

自閉症の子の多くは 自分の気持ちを表現する手段を持たない。
両親さえ 自分の子の気持ちがわからない場合が多い。
だから 自分が
自閉症の人の心の中を僕なりに説明することで
少しでもみんなの助けになれたら幸せだ!

そう考えて この本を書いたそうです。

東田君の紹介の言葉~
自閉の世界は みんなから見れば謎だらけです。
少しだけ僕の言葉に耳を傾けてくださいませんか?

この本で東田君は
いつも同じことを尋ねるのはなぜですか?
どうして質問された言葉を繰り返すのですか?
どうして何度言っても分からないのですか?
どうして目を見て話さないのですか?
声を掛けられても無視するのはなぜですか?
何が一番辛いですか
跳びはねるのはなぜですか
空中に字を書くのはなぜですか?
どうしてパニックになるのですか?
などの58項目の質問に
とても丁寧に答えてくれています。
どんな自閉症の専門書を見ても分からないような
貴重な知識が得られます。
本当にすばらしい本です。

ひとりでも多くの人がこの本を手に取ることを
願っています

数の大小がわからない子には?(自閉症の子に教えるコツ)

2007-11-05 17:17:31 | 自閉症
親子レッスンに来ていただいた
自閉症で知的障害のある双子ちゃんのお母さんから こんな質問メールをいただきました。

数の大小(1から5まで)が長い間わからず困っています.
ドッツと数字のマッチングはできており,ドッツ同士の比較もできます.
数字の上にドッツを書いてもできます.(聞き方は多いのは?,大きいのは?と両方
で聞いています)
しかし,ドッツをとったとたん,できないのです.(1と5,2と3 など)
‥‥(つづく)

ひとつひとつの数はわかっているのに
多い少ないがわからない‥

何となくモヤモヤっと???な気持ちになった方が
おられるかと思います。
(数のマッチングもできて 並べることもできるんなら
当然 多いか少ないかくらい わかっているのでは‥??)

しかし 自閉症の子どもさんで
知識と知識のつながりや意味を推測するのが苦手な場合
このように わかってるんだか
わからないんだか
肝心なところが抜けてるような
‥ということが たくさんあると思います。

次回いらっしゃった時に 本人に会って
わかっていない原因を正確に見極めないと
くわしいことはわかりませんが‥
  
教える教材を
もう少し本人に
数の多い少ないを感じさせる物に
してみてはどうでしょうか?

たとえば お菓子などは
たくさん食べたら お腹がいっぱいになった
ちょっとしかもらえないと悲しい‥など
物の多い少ないを五感で感じやすいものです。
他に 実際触って動かせるもので
繰り返し「多い」と「少ない」を
教えていくといいと思います。


ただ 前回お会いした時の感じからすると
双子ちゃんは
言葉と意味がきちんとつながっていない様子でした。

おそらく記号(1,2,3)とそれが あらわそうとしているものの意味が
つながっていないのだと思います。

ドッツカードや数字を書いたカードを見せて
お人形を5個
お菓子を3個など
おもちゃのカートに入れて取ってくる遊びは
いかがでしょうか?

そうした遊びを理解させるには
口で説明するより 大人が何度も見本を見せることです。




自閉症発症は親のせい?

2007-09-04 18:42:28 | 自閉症
前回 自閉症の発症とテレビやCDといった機械音との関係について
記事を書きました。

すると
こうした記事を読むと
自閉症=親のせい と
結論ずけられているようで
不快に感じた
という方もおられたようです。

私自身は 大変な思いをされている親御さんに
精神的な攻めまで
負わせる気持ちは少しもありません。
けれど 不快に感じる部分が あったとしたら
ごめんなさい。 

記事の最初にも書かせていただきましたが
自閉症の原因は
「生まれつきの脳の障害」という説が
優勢です。

ただ そうした傷ついた脳に
負担をかけるものが
たくさん そろっているのが
現代の社会ですよね。

たとえ
こうした知識を知っていて
気をつけていたとしても
発症するケースはたくさんあることでしょう。
だからこそ
根本的な原因は「生まれつき」
と考えられているのですから。

でも 何十パーセントもの子が良くなっている
という
うそ偽りのない 実践結果があるのなら
自分が 妊婦なら知らせて欲しいと思うのは
私だけでしょうか?

前回紹介した岩佐先生のように
多くの医者たちがさじを投げている自閉症の謎に
真剣に取り組み続け
一般の人のもわかるように
そのメカニズムを
説明していただけるのは
ありがたいことです。

まだ 
確証でなくても
とにかく 研究の結果 見えてきたものは
知らせてもらいたい
自分たちで判断をくださせてもらいたい
と私なら感じます。

「知識」として多くの人と共有し
万が一の予防に励みたいです。

回復していく子が 何百人中1人でも
いるのなら
私は こうした情報を伝え合う
価値があると 思っています。
 
でも そうすることが 
多くの自閉症の子どもさんを持つ親御さんに
今さら どうすることもできない
後悔をさせるとしたら…

親のせいと責められているようだと
深く傷つけるとしたら…
どうなのでしょう?

とても 悲しいことです。

世間には まだ 自閉症=親のせい 
という偏見が
色濃いのかも知れません。
きっと
そう感じた方は 辛い思いを
たくさんされてきたのだと思います。

でも このブログに来られた皆さんは
十分ご存知でしょうが

自閉症は 親の育て方が原因で
発症するものでは ありません

もし その時代に知られていなかったことが
発症の一因だったとしても
それもまた
絶対 親の責任ではありません。

前回は 早期療育の大切さを伝えたかったため
偏った内容になったかもしれませんが
どの年齢の子も
周囲に温かく見守られて
日々 進歩していくことを 望んでいます。

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自閉症は治るって本当?(3)

2007-09-03 14:25:17 | 自閉症
前回の記事のつづきです。

「自閉症の謎に挑む」
「テレビに子守をさせないで」を著した
岩佐京子先生をごぞんじでしょうか?

岩佐先生は
3才児検診を仕事としていました。
そして言葉の遅い子の家庭で
テレビ ビデオ CDラジカセなどが
一日のうち 長時間かかっていることに気づきました。

そこで半信半疑でしたが
音の出るものを止める指導をすると
言葉の遅れや
多動が
回復していったそうです。

その後 先生はこのメカニズムを研究され
このように
説明してくださっています。

「赤ちゃんは
耳に届いた音を伝達するために
アセチルコリンという神経伝達物質を使います。
つねに音がしていると
アセチルコリンが多く消費されます。
エネルギーも使います。
脳のエネルギーはブドウ糖を燃焼し 
ビタミンB群を消耗します。
これが補われないと 刺激は伝えられなくなるのです。」 

アセチルコリン…前回の記事にも書きました。
これが 足りないと目があわない…
呼んでも無視!
という症状がでるんでした。

岩佐先生は
子どもたちの自閉症を予防したいと
自閉症発症の謎に挑み続けました。

先生は
原因があり
プロモーター(推進させるもの)が作用して
自閉症が発症する と考えています。

岩佐先生のアドバイス

機械音を完全に取り除くこと
(少しならとズルズルしていると 正常になりません。)
音の出るおもちゃもやめる。

脳が成長するために栄養を十分に
(男の子は胎児期と新生児期に女の子より多く 脂肪とナトリウムが必要。)

レシチンをあたえる。
(自閉症児の脳の中で リン脂質が不足するから)
ビタミンC
(自閉症児はスッパイものが大嫌いで飲ませるのに苦労するそう。
でも ビタミンCが飲めるようになると 発音が非常に良くなり 言葉も増え
運動面も発達する。)

総合ビタミン剤(ビタミンB1 B2 B6)を与える。
(ビタミンB1はニューロンの働きに直接関係している。)

なるたけ遊んであげる。

集団生活は4歳以降が効果があがる。

他の子と遊ばせるのは 落ち着きが出てから。

話しかけは普通に。必死で教え込まない。


初期には 脳の回復のため ワーワー キャーキャーという遊びはしない。
遠出は1年はやめた方がいい。
(症状の逆戻りの可能性がある)

症状が いったん良くなっても
正月 ゴールデンウィーク 夏休みなどの旅行
夏の冷房
冬の薄着から
症状が逆戻りすることがあるそう。

原因が化学物質による脳アレルギーである場合がある。
農薬 保存料 白砂糖を避ける。

ジュース 甘いもの アイスクリームは中止。


どれも 現実に 実施していくのは たいへんだと思います。

でも この記事を読んでいる方で
赤ちゃんが どこかよその子と違うようだ と
悩んでいるなら
ぜひ 機械音を消すことから 始めてみてください。
短期間で良い結果が現れてくるそうです。
引用は「問題行動と子どもの脳」浅野幸恵 築地書館より
写真は 上の記事とは関係ありませんが 私のオススメ本です。
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