崖っぷちロー

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まおゆう魔王勇者好きにはいいかもしれない本

2013-01-16 20:14:49 | 小説・本
表題通り、「まおゆう魔王勇者」が好きな人が読むと面白いんじゃないかという本を、ぱっと思いつくかぎりで。いろんな人のおすすめ本を見比べることができると更にいいんじゃないでしょうか。

(1)ポール・ポースト著 山形浩生訳 「戦争の経済学」
 ハードカバーでも意外と安い。今なら文庫本とかになってそう。

(2)ヴェルナー・ゾンバルト著 金森誠也訳 「戦争と資本主義」
 講談社学術文庫なので買いやすい。

(3)ロバート・S. ロペス著 宮松 浩憲訳 「中世の商業革命」
 これは以前にこのブログで取り上げたことがあったと思います。
 訳が硬い点に注意。

(4)ジョゼフ・ギース、フランシス・ギース著、栗原 泉訳
  「大聖堂・製鉄・水車 中世ヨーロッパのテクノロジー」
 これも講談社学術文庫。
 技術史の分野で手に取りやすくて読みやすい本はないかとおもっていたら、
 これが発売されました。この著者の二人は本当に安定してます。

***
 ブログを更新するのがあまりにも久しぶりすぎるため、まおゆう魔王勇者(原作の方)についての感想を書いていたかどうかも覚えていません。

 (1)ドラクエなどの和製RPGが作り上げてきた似非中世ヨーロッパなお約束、(2)2chの掲示板で日々生産消費されていたSSのお約束、(3)その両者を組み合わせた魔王と勇者物SSのお約束を前提としているという点はなかなか難しい。
 他方で、史実の技術であったり思想であったりの要素をちりばめているので、そこらへんの要素要素がフックになって楽しめるという側面もある。加えて、私にとってはあまりクリティカルではなかったけれども、キャラクター物とか恋愛物としても楽しめる。

 そういう意味では、巷で言われているように、狼と香辛料的な楽しみ方ができる作品なのかもしれません。

 なお、アニメ第2話のメイドさんが農奴姉妹に対して言った虫発言が話題になっているようです。ここでは、市民革命を経て勝ち取られた近代的な人権が、そこそこ財産のある成人男性を前提としたものであったということを思い出す必要があります(更に遡って、人権の歴史の始まりとされるマグナカルタともなると、そこで問題になっているのは国王に対する貴族たちの権利でしかありません。)。我々は近代において重要な物を確かに勝ち得たのですが、それはなお、不十分なものであり多数の人間がその保護から零れ落ちていたということ。

 近代で十分なのか、通過点としての近代なのか。

 現代の立場から過去を振り返って、あれがだめだこれが足りないということは簡単ですが、ではどうすればよいのか。

 人類が誕生したそのときから現代的な人権観を全人類が共有できていれば歴史はもっとよいものになったのか。あるいは、原始共産制のようなものが超越的にプログラムされ不変のものとされた世界がいいのか。私には良く分かりませんので、そこらへんを上手いこと書いてある作品があれば読んでみたいですね。


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