崖っぷちロー

チラ裏的ブログ。ここは「崖っぷち」シリーズ・あん○ーそん様とは関係ありません。レイアウト変更でいろいろ崩れ中

大型バージョンアップ:ニコニコ動画(9)

2009-10-30 00:03:03 | ニコニコ動画・ネットとか
10月29日より、ニコニコ動画の大型バージョンアップがなされた。
その名も、ニコニコ動画(9)。

事前の説明通り、ユーザーインターフェイスはかなりいじっている印象。
使いにくくなったという意見も多く見られるが、個人的にはそれなりに好感が持てる改変です。

(1)トップページ
 トップページのカテゴリ欄がすっきりしたのは○。
 「サービス一覧」ボタンも地味に使いやすいのではないかと思う。

(2)カテゴリー再編とカテゴリーグループ
 各動画のカテゴリーの再編については、発表当初から賛否両論があった。
 廃止されたカテゴリーについては、確かに必要性が乏しいように思える。

 ただし、問題は6つのカテゴリの新設と、「カテゴリーグループ」の導入。
 特に、いわゆるニコニコ動画御三家(アイマス・ボーカロイド・東方)の隔離問題。
 これについては、作家の野尻抱介(通称尻P)さんらが、バージョンアップ直後から活発な議論をされていた。
 (野尻さんのツイッター参照→http://twitter.com/nojiri_h)

 >カテゴリタグの問題は早急に対処しないと、ニコ動は自滅に向かうんではなかろうか。
 >創発を喚起するアーキテクチャを、運営は故意に捨てようとしているように見える。

 >ニコ動で最高の創造性と技術を引き出してきた御三家を隔離するとは、
 >クリエイターを軽視しているとしか思えない。

 >ボカロについてはいろんなものを結びつける触媒・界面活性剤・接着剤みたいな働きに注目してきたので、
 >接着剤だけ隔離してどうするよ、というのが反発した一番の理由かな。自分の中では。
 
 
 野尻さんが仰るように、これらはジャンルの越境を促進させるための触媒として多いに機能してきたと言えるでしょう。
 にもかかわらず、これらを一カ所に押し込めてしまうことは、
 ジャンル間の越境機能を著しく低下させることになる。
 雑種の面白さ・強さを持ったものが誕生する機会が減ってしまうのはつまらないでしょう。

 なにやら、運営側も対応を考えるようですが……。
  →複数カテゴリに跨る動画でのタグ登録について
 (改良案を出されている方→ニコニコ動画のカテゴリタグに関する私案(たたき台ともいう))

(3)世界の新着動画
 これはあきらかに問題でしょうという機能。
 ニコニコ動画にあがる動画というのは、本来的にはコメントがつけられてなんぼというものですが、
 さすがにこの規模になってくると、おとなしく・分かる人に向けてだけやりたいという要請も無視できない。
 ここらへんのデリケートな動画に(文脈をしらない)大勢の人間が一挙に押し寄せることになるので、
 動画のアップをやめる/控える人がかなり出てくるのではないかと思う。
 (「公式の荒らし」「公開処刑」だと言う意見もあります。)

 少なくともプレミアム会員については、「世界の新着動画」へのピックアップ拒否の選択権
 及び、仮にピックアップを認めても、コメントの同期は拒否するという選択権を認めて良いのではないか?


(4)各カテゴリ選択後のメイン画面
 まず、画面最上部のメニューバーが画面スクロールに追随してくれるのはうれしい。
 「新着投稿動画」の表示欄が、大きくなったのも便利。

 今回は各動画のサムネイル表示が大きく、重要になったが、特に違和感はない。
 一覧性が増した分、ザックリ見て好みの動画を探すのに適している。

 ただ、「関連タグ」が画面上段から、画面最下部に移動させられたのはどうか。
 関連タグを結構頻繁に使用していたので、これには不満。

(5)マイページ
 マイページのトップページは、まだまだ改善の余地がありそう。
 例えば、右中段に表示される「新着投稿動画」は、トップページで選択したカテゴリではなく、
 この欄に表示するカテゴリを直接選択(固定)できるようにしたほうがいいのではないか。

 マイリストのページは、バージョンアップ当初は「とりあえずマイリスト」表示が左にあったので、
 既存のマイリストが使いにくかった。これは即座に改良されたようで、ありがたい。
 「とりあえずマイリスト」の機能は、もっと使い込まないと評価できないかもしれない。
 いまのところは魅力を感じないが……。

 ウォッチリストやニコレポの公開なんかには興味が持てない。

(6)ランキング画面
 個人的には嫌いではない。
 各ジャンルの人気動画を一覧できるので便利。
 ただし、これもかなり批判が多いようです。


東浩紀:朝まで生テレビ(その後3)

2009-10-29 04:37:28 | その他・趣味
朝まで生テレビの力というのは大きいですね。isedの出版計画がまた動き始めたようです。
私もデジタルネイティブなんぞではなく、ディスプレイで長文を読むと疲れてしまうので、
紙媒体になるのは非常に嬉しいですね。
(個人的には、A4×4枚くらいの分量を超えると、紙媒体でないと厳しい。)

>1冊500ページ超、2巻本になるという化物企画を通してくれた河出書房新社さんに感謝しよう。
ただ、このボリュームかつネット上で読めるものなので、
今脚光を浴びているとしても、なかなか商業的にはかなりきびしいんじゃないかと思います。
損益分岐点を越えることを祈っておりますw

***
>朝生見た。違法動画で見た。よくこんなイタい話し方で成功したなwww。
>あえて録画しなかったのでいままで見ていなかったのだが、大成功だ。
>見ていたら自信喪失してこんなにツィッターでもりあがれなかったことだろうw。


言って良いんですかこれ?とw
(ひろゆきでおなじみの某動画サイトなり、某掲示板の過去ログを読むなりすると見つかる)
ビデオがかさばるので、理想を言うと、テレビ朝日さん自らネット配信とかしてくれとうれしいのですけどね。
放送直後には、スケジュールの関係で、見るのを忘れていた・後から気付いたという人が多かったですし。

というか、コンテンツビジネスを展開したりするような番組でもないとおもうので、
出演者の調整さえできれば、ネット配信とかはやりやすいと思うんですけどね。
昔の回の奴でも、面白そうなのに見逃しているというのが多いので、
過去作品のアーカイブが見られたりするとなお嬉しいです。
(福島瑞穂さんの警察官発言問題とかも一挙に解決しそうですしね。)

田原総一郎さんなんかは案外理解してくれそうですけど、
テレビ局はなかなか動かないでしょうね……。
 

東浩紀:朝まで生テレビ(その後2)

2009-10-27 23:42:46 | その他・趣味
※改行修正ここまで

先日の朝まで生テレビの勢いがまだまだ止まらないようです。
主に東浩紀氏が提唱する民主主義2.0(一般意志2.0)について、ツイッター上での議論が積極的に行われ続けています。
ただ、その中で、東氏の気になる投稿がありました。

>問題はそこで若手論客が「話聞いてくれない」と愚痴っているだけなこと。

>ただぼくは、「もしかりに」高齢者世代を「議論で」説得したいのであれば、
>先日の朝生の面子はどうも機能しなかったなあ、同世代としてふがいなかったなあ、
>さらにそれを「司会者のせい」にするの若い視聴者も甘いなあ、と思っただけの話です。


これについては、私は別の場所で意見を書いたのですが、それを再構成してここに書いておきます。

***
まず、先日の朝まで生テレビでは、東氏の以下の発言がその後の方向性を決定づけたと言える。

「高齢者がどんどん増えていく日本という国がこのままダメになるのは自明で、
今後は高齢者が得するような国を作るしかないのだから、
若者が差別されているとか損しているといった『若者論』をやっても意味がない。
むしろ高齢者が増えていくなかで、それをうまく回していく社会をどう作るのかという話をするべきだ」

http://www.j-cast.com/2009/10/24052476.html

これに対して、いわゆる「若者論」をやりたがっていた若者側論客達は、
残念ながら即座に切り返して場をコントロールすることが出来なかった
司会の田原総一郎は政治的な話が好きだから~という以前に、そもそもこれが問題であり、
若者側論客の最終的な敗因である(あえて敗れるという表現を使う)。


(1)若者側論客の準備不足
しかし、この東さんの発言は、そもそもテレビ放送開始以前にツイッター上において示唆されていたものです。

>朝生の打ち合わせでは若者論ではなく未来論を語りたいと言ってみたが、
ぼくのスタジオでの役割はヒール役というかボケ役になりそうだ。
一回かぎりのチャンスだと考えて言いたいことを言っておこう。


>世代間格差の本質は少子高齢化にある。
日本では有権者内に占める高齢者の比率はこれからもどんどん上昇する。
とすれば政策が高齢者よりになるのは当然で、それを阻止しようとすれば、
移民でもじゃんじゃん入れて若者の有権者を人工的に増やすか、あるいは高齢者の選挙権を止める(!)ほかない。


>で、どちらも現実的でないのだから、「若者は差別されてる」とか叫んでも意味がないんだよね。
この条件でやっていくほかないのだ。


したがって、若者側論客としても、朝まで生テレビに出演する他の人(=東氏)のツイッターを見れば、
自分たちの「若者論」が潰されると言うことは分かる。

そして、ここでいう「未来論」は従前の東氏の仕事を見ていればある程度想像が付くはずである。
少なくとも、今回の朝まで生テレビの議題と関連がありそうなものとして、
「思想地図2号特集・ジェネレーション」の座談会を読んでいれば、おおよそのアウトラインは把握できる。

そうだとすると、若者側論客としては、朝まで生テレビに出演する際の「予習」としてこの二つさえ抑えておけば、
本番の東氏の発言は「想定内」になったはずである。

もちろん、作家の城繁幸さんなどが、
番組の流れについて「だが今回は、まったく頭にイメージが浮かんでこない(笑)」というのは仕方が無いと思う。
しかし、赤木智弘氏や雨宮処凛氏などは、(私の認識では)論壇に立っているというポジショニングなのだから、
東氏の動向について注目しているべきではなかったか?
この予習不足が、若者側論客の敗因への第一歩である。


(2)若者側論客の議論の弱さ
また、城氏は、
>「勝ち目が無いから諦める」というのは、少なくとも僕の中にはなくて、あくまで徹底抗戦派で行くつもりだ。
というが、ならばもう少し踏ん張るべきであった。

東氏の議論というのは、長期的な視点に立った議論である。
若者側論客の「若者論」というのが、ソマリアで今まさに飢え死にしそうな人々をどう助けるか?という
対処療法的なレベルの議論であるとすれば、
東氏の議論は、ソマリアの政治制度を変えようという原因療法レベルの議論である。

対処療法だけでは、次々と飢えていく人々を根本的に救うことは出来ないし、
反対に、原因治療だけでは、今まさに餓死していく人々を救うことは出来ない。
両者は共に必要な議論なのであり(但し、東氏にとっては前者は退屈な議論である。)、
問題なのは、今この場(朝まで生テレビ)でどちらの議論を選択するかということである。


ここで、東氏は発言の冒頭で、「負けることが決まっている」という旨のことを言われた。
これは、あの場では対処療法レベルの議論=「若者論」が選択されるであろうと想定していたからだろう。
つまり、東氏としては、そもそも勝てる見込みのない勝負なのであって、
若者側論客が議論を(番組政策的にも)コントロールすることについては諦観していたのではないか。

若者側論客はここで踏ん張って、「若者論」をすることの必要性を徹底的に主張しなければならなかった。
にもかかわらず、これが出来なかった。
若者側論客が「若者論」の必要性を説得出来なかったことが、決定的な敗因である。

(3)若者側論客の連携の弱さ
その上で、東氏が指摘するように、「もっと若者の意見を聞いてくれ」という旨の主張は最初の1人が言えばそれで十分なのであって、
この主張が若者側論客同士で重複してしまうのは非常にもったいないことであった。

予定調和でやれという訳ではないが、若者側論客としては、事前に打ち合わせをして 、
互いの主張がそのレベルで被らないようにするべきではなかったか?

ここまできて、ようやくスタートラインに立てるのであり、
高齢者世代論客との中身の議論へと入っていけるのである。

***
そういえば、ベーシックインカムに関する話題はあまり見ませんね。
某掲示板で少し盛り上がったくらいでしょうか。

***
今、NHKでやっている爆笑問題の番組で出ている教授が……。
あの当時のロシアとの関係で、安全保障上、朝鮮半島が地政学的に極めて重要な位置にあることの説明が不十分すぎるでしょ。
いや、いまも重要ですけど。

***
ised面白いですよ→http://www.glocom.jp/


城内実ブログ:更新中止問題(ネット右翼について)

2009-10-27 17:34:33 | ニュース系
衆議院議員の城内実氏といえば、郵政民営化問題における「造反組」として、片山さつき氏と激突したことでも有名。
その城内実氏が、自身のブログにおいて、
最近ブログを更新しない理由や今後のブログ・コメント欄の運営について、自身の見解を表明した。
◇ コ ラ ム ◇ ブログの更新一時休止

その中で書かれた、
>過去の私のブログの記事をろくに読みもしないで、
>上から目線で重箱のすみをつつくことに自己満足を感じている絶滅危惧種の左翼全体主義ブロガーや、
>一部のとんちんかんなネット右翼にはもはやつける薬はないかもしれない。

という部分が、一部で注目されている。

城内氏の見解にはその一部において表現の問題はあるにせよ、
ブログ記事全体における問題意識について私はおおむね同意したい。 

ただし、
>ルールを守れないような人たちは今後こちらの方で招かれざる客としてブラックリストに掲載し、
>場合によってはスパム対象とするとともに、ID番号をブログで公開

というのは、扱いを一歩間違えれば大きな事態に発展することもあるので、
慎重な検討が必要だろう。

「ID番号(IP?)をブログで公開」することは、荒らしに対する挑戦とみなされる可能性があり、
その場合、荒らしがムキになる危険性がある。


***
特に本文とは関係ないのだが、この機会に、「ネット右翼」的な単語について私なりに整理してみたい。
ただ、さしたる根拠もない私の妄想なので、認識が間違っている部分があるかも知れない。

簡単に言うと、「ネット右翼」・「ネットウヨク」・「ネトウヨ」の使い分けを提唱し、
かつ、「ネトウヨ」という単語の空虚さを書き連ねています。

(0)右翼
 まず、そもそも「右翼」とは何かという問題がある。これだけでまるまる一冊の本が書けるような問題である。
 だが、ここでは、戦前・戦後、あるいは「保守」や「街宣右翼」なども含めた、
 雑多で漠然とした総体的なイメージとして「右翼」を捉えることとにする。

 言うまでもなく、この「右翼」というのはネット登場以前から存在し続けるものであり、
 いわゆる「リアル(現実)」に活動している存在である。

(1)ネット右翼
 これに対して、ネット上の一部の人間をさして「ネット右翼」と呼ぶことがある。
 この言葉は、一般的には「インターネット上において右翼的な言動をする人物」を指すとされる。
 つまり、「ネット右翼」が上位概念であり、その下に「ネットウヨク」や「ネトウヨ」があるというのが一般的な理解である。

 しかし、私としては「ネット右翼」と「ネットウヨク」、「ネトウヨ」を区別した上で、
 むしろ「ネットウヨク」を上位概念に据え、「ネット右翼」は下位概念であると捉えた方がしっくり来る

 というのも、この言葉が普及していく初期段階では、
 「リアルでは何も行動をしないが、ネット上では右翼的な言動をする」という、
 リアル/ネットの対比的な意味を強く込めて使われることが多いように思われたからだ。

 つまり、リアルでの活動を当然のように行ってきた右翼・左翼との対比において、
 彼等の現実社会における無力さ・弱さを揶揄する意図が込められていたのであり、
 いわゆる「ネット弁慶」の一類型として位置づけられる。
 
 しかし、このリアル/ネットの対比構造は、「右翼」のネット化あるいは行動する「ネット右翼」の登場によって崩れることとなる。
 今では右翼的な活動家の動画がネット上にアップされたり生中継されることは珍しくなく、
 また、右翼的デモ等のリアルの活動に「ネット」の人間が参加することも珍しいことではないのである。

 したがって、今やネット上で右翼的な言動をする人間であっても、
 それが常にネット弁慶的な意味での「ネット右翼」であるとは言えないのであり、
 これは匿名的な環境にある限り他者からは判別できるものではない。

 私は、「ネット右翼」は死語化していくべきだと思っている。
 (が、現実には難しい。ただ、少なくともネット弁慶的な意味があったことに目配せをしつつ、
 この言葉を使うべきである。)

(2)ネットウヨク
 そこで、私としては、一般的な意味における「ネット右翼」
 =「インターネット上において右翼的な言動をする人物」のことを、
 「ネットウヨク」と呼ぶこととしたい。

 ただ、これはかなり偽史的であるし、「右翼/ウヨク」の区別が捨象されてしまう用法ではある。
 この漢字/カタカナの区別は「左翼/サヨク」においても同様に存在するのであるが、
 一般的には、その活動内容の本気度やレベルの高さに対応するものであるとされる。
  (漢字が本気・高レベル、カタカナがファッション・低レベルであり、
  カタカナは嘲笑的に使うことが多い。
  ただし、カタカナを思想的な内容の絞りに使う場合もあるだろう。)
 
 ただ、リアル/ネットの関係を、そのまま本気・高レベル/ファッション・低レベルの関係にあてはめる傾向はあるので、
 (誤った認識ではあるが)それに沿ったものであるとして一応の説明はできそうである。

 なお、リアルとの紐付けがなされにくい「ネットウヨク」においては、
 その人物が所属する組織等から右翼的であるかどうかを外形的に判断することは困難である。
 右翼的であるかどうかのネット上での認定は、認定をする人物のスタンスとの相対的な関係によって決定される。
 (まぁ、そもそも右翼/左翼もそういうものであると言えばそれまでだが)

(3)ネットウヨ・ネトウヨ
 もっとも、現在ネット上で多く使われるラベリングは、「ネットウヨ・ネトウヨ」というものである。
 これは言うまでもなく「ネット右翼・ネットウヨク」を省略することで発展した言葉である。
 これは、「ウヨク」から「ク」を抜くことにより、「ウヨ」という語感の滑稽さと対象となる人物の滑稽さを巧みに対応させた表現である。

 ここでは、漢字/カタカナの区別によって後者を嘲笑的に表現した以上に、
 より強度の嘲笑的意味が含まれている。

 そして、私の経験的な観測によると、もはやそこでは右翼的な言動をしているかどうかという要素の比重は極めて軽くなる。
 観測者との相対的な関係で少しでも対象者が右翼方向の言動をしており、
 かつ、嘲笑されるべき言動をしていれば、それだけで「ネットウヨ・ネトウヨ」とのレッテルが貼られうることになる。

 つまり、ほとんど「馬鹿・アホ」という罵倒語と同義であり、
 立ち位置の僅かな違いによって「ネトウヨ/ネトサヨ」にカテゴライズされるにすぎないのである。
 (右翼/左翼という思想的な対立という意味では、ほとんど空虚な概念である。)

(4)自嘲的・先回り的なネトウヨ
 この「ネットウヨ・ネトウヨ」レッテルの無差別さ・節操の無さを嘲笑し、
 あるいは、即座に「ネットウヨ・ネトウヨ」と呼ばれてしまうことに対する自嘲の意味で、
 認定をされる側が(認定される前に)先回り的に自身(第三者)をネトウヨであると表明することがある。
 (あるいは、「ネトウヨ」と認定されること自体を楽しむことがある。)

 これは、『拡大する巨大組織ネトウヨ(未だ増殖中) 』というコピペを主軸に、
 日々その範囲を拡大しつづけている現象であり、止まる気配がない。

 人によっては、この無節操な「ネトウヨ」の拡大という現象について、
 領域の拡大によるレッテルの無意味化という意図を読み込む人もいるだろう。
 (思想的空虚さと相俟って、馬鹿は馬鹿だという程度の意味でしかなくなるのだから。)

東浩紀:朝まで生テレビ(その後)

2009-10-25 13:23:16 | その他・趣味
先日の朝まで生テレビ「激論!若者に未来はあるか?!」が終わった後も、各地で議論が交わされているようです。
興奮未だ醒め止まぬといったところでしょうか?
(はてなブックマークなど。http://b.hatena.ne.jp/entry/www.j-cast.com/2009/10/24052476.html)

また、当の東浩紀さん自身も、ツイッター上で活発な議論をされており、この議論のまとめも作られている。
この問題を巡って、なにやら新しい動きがありそうな感じで楽しみ。
2009/10/23 朝生後のTwitter上での議論まとめ

***
ただ、朝まで生テレビにおける東さんの主張の理解については、東さんが↓の指摘をするように、
某掲示板などではかなり錯綜した感じになっている。

>ぼくの考えるネット直接民主制は「市民ひとりひとりが自覚的に参加する政治」の対極にあるのだが、
>その意味を人々に理解してもらうのはあと数年かかるだろう。しばらくは誤解も引き受けるつもりだ。

>そういえばどうも「直接民主制」という言葉が独り歩きしていますが、
>ぼくの言っているのは「ネット国民投票」ではないです。そんなことやっても意味がない。

>重要なのは、ルソーが「一般意志」を「全体意志」から区別するときの特徴とした、
>「ひとびとの意志が加減され均される」状況をどう作るかです。

>バカと言われること覚悟で言うと、ぼくが実験してみてほしいなと思っているのは、
>「政策単位の投票」+「投票履歴とSocialGraphからなる投票権のグーグル・ページランク的な重み付け」で成立するシステムです。


 
とはいえ、私のような素人にはなかなか分かりにくい。
想像力が足りないからだと言われるかも知れないが、
「投票履歴とSocialGraphからなる投票権のグーグル・ページランク的な重み付け」をやるには、
具体的にどのようなシステムにする必要があるのかというのがピンと来ない。

むしろ、「ネット国民投票」で政治に「全体意志」を適切に反映させよう!みたいな「誤解」の方がしっくりきたりしてしまう。
なので、逆にその「誤解」に基づいて、素人なりに妄想みるのもいいかもしれない。

と思ったのだが、試しに書いてみようとしたところ、あまりにも電波過て挫折。
一院制+全国区制+テレビ・ネット等以外選挙活動禁止+選挙管理委員会公式選挙運動用ポータルサイト+政策タグ
みたいなことになってしまう勢い……濱野さんの単語だけ使いました的な。




東浩紀:朝まで生テレビ

2009-10-24 04:35:31 | その他・趣味
2010年7月の朝まで生テレビのエントリはこっち→朝まで生テレビ:東浩紀退場劇


***
今、テレビ朝日で朝まで生テレビを放送していますが、東浩紀が酷い。いろんな意味でw

☆そもそも(私=東は)負けるようになっている
☆世代論、若者論をしても仕方がない→東の持論へ
☆今までの議論は退屈
☆ツイッターをしたいが、電波が入らない
☆雨宮さんベーシックインカムどうなの?
☆(森永の発言に対して)衝撃ですね(笑)
☆東浩紀退席疑惑(一瞬)
☆赤木さんのやりたいことをするためには暴力革命をするしかない
☆「俺の言うことを聞いてくれ」とここで言っても電波がもったいない

初めて東浩紀の意見を聞いた人は怒濤の持論展開の意味内容が分かりにくいと思いますが、
とりあえずは東浩紀のツイッターの投稿等で補うと良いと思います。
また、東浩紀と鈴木健飲み会でも同じ様なことが語られています。
(私も全部を理解しているわけではありません)



***メモ
(番組を見ながら書いたので雑→こっちを見た方が良いです。「ネットがあれば政治家いらない」 東浩紀「SNS直接民主制」提案)

人口の問題、高齢化の問題=日本だけの問題ではないし、避けようがない。
選挙=多数決制度=人口の多い勢力が勝つ=高齢者側が勝つ ←これも不可避
つまり、若者VS高齢者で戦っても、若者に勝ち目がない

ところで、選挙(国民の意思を統合する手段)のあり方、直接民主制にするか間接民主制にするかなどの問題は、
時代のテクノロジーによって決まる。
(徒歩の時代、馬のある時代、郵便、鉄道、車、電話など。
 テクノロジーの進化と共に、直接民主制が可能な規模は拡大する。)

ルソーの好きな規模=2万~3万=今の日本の村レベル →現在のテクノロジーであれば、直接民主制が可能
現在、できないと思われていないのは、想像力が追いついていないから。

ネットで繋がる国民+専門家としての官僚でいい。
 (負担と利益が目に見える形で解るようになればよい。国民の政策判断に資する
国民に判断できるの?→自分が詳しい部分の政策にコミットすればいい。
 それの寄せ集めでいける。集合知的な話も。)

 ↑
しかし、官僚をコントロールできるのか?
国民が判断する元となる情報公開はできるのか?
 ↑
それが現在の民主主義形態の最後の仕事である。

○近代民主主義の問題→日本の二大政党制→大まかな政策のパッケージの二択しかない
 →これは政治のシステムが悪い。
  ↑
 イギリスや米国はどうか?
  ↑
 政治的な経緯で安定している(?)  ←これは確かに弱い。
  ↑
 日本の政治システムも進化しているのではないか?
  ↑
 民主党に政権交代しても展望は見え無い=システムの限界では? ←これは早計では?

○個人の自意識の問題と、日本全体の問題や社会の問題は分けるべき。
 赤木の考え(当初:正規社員になりたい→今:みんな非正規社員=流動化
      最低限の社会保障がほしい。)
  ↑
 他の国では、そもそも正規社員という発想がないし、最低限の社会保障もない。

○雨宮への質問
 失業しても良い社会か、失業しない社会がいいのか?
   ↓
 失業しても良い社会もありだが、現状の政府では、ホームレスが増えるだけ。

○ローリスクハイリターン→正規社員
 ハイリスクローリターン→非正規社員
 少なくとも、日本ではこのような認識が広がっている。
  ↓
 ハイリスクハイリターンの成功モデルがない。
 →良い悪いは別にして、堀江はそのモデルを見せてくれた(幻視)
  ↑
 堀江は犯罪だからダメだろ  ←そもそも堀江自体の善し悪しではない。

○幻想を壊すための方法は?
  ↑
 チャンスは二回あったが、80年代=パソコン登場期は孫しか生き残らなかった。
 もう一個は堀江の時→三木谷しか生き残らなかった。
  ↑
 そもそも、この話が一部の優秀な人間の話。
  リーダーになりたい人間=ベンチャーと、牛後になりたい人間=非正規は別。

○ベーシックインカム導入論再び
 消費税等の税金の大幅UPとの引き換えに、ベーシックインカムを。
 だいたい7万くらいか?
  ↑
 消費税というのは間違い。法人税も低く、金持ち・企業融合になっている。
  
 とりあえず死なない社会をつくる。
 
 生活保護の不支給や自治体の制度的コストの問題も解決される。
 今の日本は複雑でパッチワーク的な制度。
 国民も疑心暗鬼があるので、これを単純化するほうがいい


○政治家に対する信頼と、政治に対する信頼は分けるべき。
 政治家に対する信頼は不要。システムをしっかりして、透明性を確保すればよい。
  ↑
 連続性を担保しているのは官僚機構
 →どうやって変えていくのか?

 選挙=政治家(人)じゃなくて政策を選ぶのが本来のはず
 →政策を選ぶシステムをつくるしかない。
   ↑
  マニフェストをつくった ←これは上手く機能しない(これは前にでた話)
  
***
短髪の女の方が地味にすごい。
若い人の自分語りはなぁ……
観客の人がどうかんがえても2ちゃんやっている人間。
観客の女の人が、メディア批判。最後にきっちり自分アピールするところがすごい。
 →どうも、他のテレビ番組にも良く出ている人間らしい。
あとは酷いが、テレビ出れば緊張するのも当然なので、人のことは言えなさそう。

***
ベーシックインカムの問題点として、ネットで議論されたこと
 →受給目的の外国人をどうするか?不法(的)移民をどうするか?
  諸外国で既に似たような問題がおこっている。

***
声優の柚木涼香のポストでほっこり。
>あずまんよく映ってる~。動物化では見ない顔だ!
>でもシャツは何回か着てるやつだね!CM中もトークしてるのかなぁ?
>つぶやかないのかなぁ?朝まで頑張ってねっ☆☆☆

岡田克也外相:天皇陛下のお言葉への注文問題

2009-10-23 22:42:35 | ニュース系
岡田克也外相が、国会開会式における天皇陛下のお言葉がほぼ毎回同じであることについて
意見を述べたことが話題となっている。

>「わざわざ来ていただいているのによく考えた方がいい。政治的な意味合いが入ってはいけないが、
>陛下の思いが少しは入ったお言葉をいただく工夫ができないか」と述べ、
>お言葉のあり方を検討すべきだとの考えを示した。
国会開会お言葉「陛下の思いを」…外相、検討求める

(1)「お言葉」の作成過程に対する認識の誤り
 他のソースによると、岡田外相は、宮内庁に対して見直しを検討するよう求めたようだ。
 「こう言うべきと言ったわけではない」岡田外相が「お言葉」発言で反論

 しかし、国会開会式での「お言葉」は、そもそも内閣が原案を作成し、これを閣議決定して出来るものである。
 したがって、宮内庁に対して見直しを求めるということ自体があやまりである。
 岡田外相自身も構成員である「内閣」が作成しているのだから。

(2)国会召集の「お言葉」を柔軟化させることの問題点
 これについては、岡田外相も「政治的な意味合いが入ってはいけない」と一応言及しているが、
 まさにこの点が問題となる。  外相、陛下のお言葉のあり方見直しを

 どの国会開会式においても同一の「お言葉」を述べるということは、
 前の政権や今の政権がどのようなものであっても、それに影響されることがないということである。
 そこになんらかの変化をつけるとすれば、そのさじ加減によって政治的な影響が出てしまう危険性がある。
 「一定の制約があるのは事実だが、制約があるということと、同じ言葉を繰り返すことは違う」と岡田氏は述べるが、
 一旦「変化」を認めてしまえば、取り返しの付かないダメージを憲法秩序に与える危険性もあると言わざるを得ないだろう。
 
 報道等では、災害時に「お言葉」が変わる場合があるということが例に出されているが、
 政治利用の危険性を考えるためには、むしろ1952年の国会開会式における、
 サンフランシスコ平和条約に関する「お言葉」を取り上げるべきである。

 この岡田発言については、与党・野党を問わずに強い批判が出ている。
 岡田氏はその批判を真摯に受け止める必要がある。
   ↓
 西岡武夫参院議院運営委員長(民主党)は「軽々に言うべきではない。極めて不適切な発言だ」と批判。
 社民党の福島瑞穂消費者・少子化担当相は「天皇陛下のお言葉は慎重に考えられるべきだ。政治利用が起きたらまずい」と語った。
 自民党首脳は「そういうことを閣僚が言うべきではない」と非難。
  (自民党首脳の名前だけ出ていないことに疑問を感じる。)
 岡田外相の「お言葉」発言に与野党から批判
 

***
なお、岡田氏は国会開会式における「お言葉」について、
「天皇陛下の国会開会式にあたってのごあいさつというのは、国事行為ではないが、それに準ずる行為。」であると語っている。
また、宮内庁の羽毛田信吾長官も、「国会でのお言葉は国事行為に準ずる行為」としている。

他方、読売新聞の解説では、
憲法の学説では、開会式での天皇のお言葉は、国事行為と私的行為の中間にある「公的行為」と位置づけられている。
としている。  外相「天皇お言葉」発言、政治利用との批判も

岡田外相と羽毛田宮内庁長官は清水教授の見解(準国事行為説)に立っているものと考えられる。
他方、読売新聞解説は記述が曖昧だが、
おそらくは芦部教授的な「象徴としての地位に基づく公的行為」だという見解に立っているのでしょう。

しかし、この両説は国事行為以外の公的な行為を認めるかという点について異なる立場からの見解ですので、
読売新聞のこの説明では不十分というか、やや混乱を招くおそれがあるのではないかと思う。

佐藤正久議員:中東・アフリカ訪問記

2009-10-22 23:25:05 | ニコニコ動画・ネットとか
参議院議員の佐藤正久氏といえばヒゲの隊長として有名だが、
実は熱心にブログを更新されることでも一部で有名である。
その佐藤正久議員が現在シリーズ物として書かれているのが、中東・アフリカ訪問記
10日間に渡っての中東・アフリカへの出張の様子を、豊富な写真と解りやすい文章で書かれている。
09中東・アフリカ訪問記(その1)

10月22日更新の09中東・アフリカ訪問記(その4)(治安状況の悪化を体感!)では、
アフガニスタンのタリバンによるロケット攻撃の被害の様子を伝える生々しい写真もある。
一歩間違えれば、佐藤議員等の車列が攻撃に遭っていたかもしれないという緊張感が伝わってくる。
(アフガニスタンにおける兵站(輸送)の厳しい状況などについては、
 三井光夫氏が軍事研究09年5月・6月号でコンパクトにまとめられている。)

この記事の表題が(治安状況の悪化を体感!)となっているように、
タリバンの勢力回復と共に治安は悪化しているのであるから、
アフガニスタンとの関わり方を検討・議論する際には、以前とは状況が異なっているということに留意する必要がある。
(タリバンが「恒久的に勢力を確立した地域」は、前年の54%から大幅に拡大し、アフガニスタン全土の72%となっているらしく、
 また、97%の地域で活動が活発化しているとのこと。
 http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2547322/3599378
 http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2640415/4571405


佐藤正久氏のブログでは、この他にも興味深い海外訪問記が掲載されており、
非常に見応えがある。
中東・アフリカ訪問記(08冬:その1) ~ 中東・アフリカ訪問記(08冬:その13)
グアム訪問記(09新春:その1) ~ グアム訪問記(09新春:その6)

***
但し、サイトの構成というか、見やすさには少々難がある。
各記事に日付が入っていないこと、前後の記事への移動がしにくい事、
カテゴリー分けがされていことなど。
特に最後の点は、目次等がないブログ形式にあっては、過去記事の探しにくさに直結してしまう。
技術的な問題もあるかもしれないが、改善されればより一層良いサイトになると思う。

***
同じく10月22日付けの他の記事では、
10月21日に開催された自民党の国防部会で使用された内部資料(の一部だろう)が公開されている。
野党となったことでメディアへの露出が大幅に減少する中で、
このような情報公開を進めることの意義は極めて大きいといえるでしょう。


ニコニコ生放送・タイムシフト機能について

2009-10-21 06:13:21 | ニコニコ動画・ネットとか
このところ意欲的に様々な試みを行っているニコニコ動画がこの間始めたサービス、ニコニコ生放送・タイムシフト機能
【公式生放送】新機能・タイムシフト機能を公開!
>タイムシフトとは、「生放送を見たいけど、時間が合わない!」という時、
>事前に登録しておくと、『後から、生放送当時のコメント付きで視聴できる』機能です。


機能が実装されて以来ちょくちょく使っているのですが、まだまだ気になる点や実装して欲しい事項が多いですね。
技術的なことはまったく解りませんが、そういうのを自分勝手に書き出してみます。
運営のスタッフさん達はすでに検討されておられると思いますが……。
(プレミアムが前提。ユーザー生放送の一部機能のように、有料化の検討も必要かも。)

***
・タイムシフト予約を行える番組は、放送開始時間より30分以上前のものに限られる点
 生放送を見ている途中で他の用件が出来たり都合が悪くなった場合には、タイムシフト機能は使えない。
 これが実に不便。 
 ユーザー側で保存するわけではないので、放送終了までは登録できるようにして頂きたい。

・一般会員は事前登録が1番組まで、プレミアム会員は5番組でもしか登録できない点
 これは単純に数字の問題で、多ければ多いほどいいという話。
 ただ、あまり多すぎても仕方ないし、肝心の生放送が盛り上がらなくなる可能性があるという危惧もあるでしょうから、
 バランス調整が必要ということは理解できます。

 もっとも、既に指摘されているように、タイムシフト機能をつかって番組を見る場合の番組の魅力は、
 生放送の場合と比べるとかなり劣る。 
  (この方の意見に同旨→ニコニコ生放送のタイムシフト視聴はテレビのようだった)

 生放送=真正同期でもないし、コメントができない分疑似同期としての魅力も低いですからね。
 なので、生放送をスポイルしてまって盛り上がらないかもということは、
 そこまで心配する必要はないのかもしれない。

 下記の視聴権行使可能期間なんかも考慮すると、10番組は登録したいというところですかね。

・タイムシフト視聴を行うための「視聴権」が一回使うと無くなる点
 これも権利的な問題やらがあるのでしょうけど、タイムシフト機能の利便性を阻害する要因の一つ。
 一旦視聴権を行使してしまえば、タイムシフト視聴時に不意の用事やトラブルなんかが生じて視聴をやめた場合、
 あらためて視聴することができなくなる。

 まぁ、一時停止したり巻き戻したりということは可能なのでそれで対応しろということでしょうけど、
 ブラウザを閉じたりPCを再起動したりという事態には対応できないわけですので。
 
・視聴権の行使可能期間が1週間しかない点
 これも短いですね。1週間はあっという間ですよ。
 1ヶ月というのは言い過ぎかも知れませんが、2週間くらいは有った方がいいですね。

 上記の回数の問題と絡めて考えると、
 生放送後の視聴権行使可能期間は生放送から2週間とした上で、
 視聴行使時から48時間あるいは72時間(但し上記2週間の制限を超えない範囲で)以内なら何回でも視聴できる
 
 みたいな感じが望ましい。
  

森薫「乙嫁語り 第1巻」読了

2009-10-19 00:19:38 | 小説・本
神作品こと「エマ」の作者、森薫さんの新作コミック「乙嫁語り(おとよめがたり)」が発売されていたので即購入。
連載を読むのは我慢しているので、待ちに待ったという感じ。

前作の「エマ」ではヴィクトリア朝時代のイギリスを圧倒的な説得力をもって表現されていましたが、
今作「乙嫁語り」ではうって変わって19世紀の中央アジアが舞台になっている。
19世紀の中央アジアを舞台にした漫画作品ってほとんど無いんじゃないでしょうかね?
ここら辺を出すなら、普通はそれっぽいファンタジー世界に行くでしょうからね。

「エマ」に引き続き、いろいろな意味で「濃い」作品です。
装飾関係や背景等、作画に関する森薫さんのこだわりは↓のインタビューなんかでもよくわかる(貴重な動画付)。
http://natalie.mu/comic/pp/otoyomegatari


***
メインストーリーとしては、<身分違いの恋>というシンプルで解りやすかった「エマ」とは異なり、
この「乙嫁語り」は嫁を巡る実家と嫁ぎ先の争いという、ややつかみの弱い感じのもの。

もっとも、森薫作品の魅力はそういう部分というよりも、
むしろ個々のエピソードや細部の表現にありますから、その点では全く問題がない。
また、アミルが狩りをするシーンや(建具職人?)のおじいさんが戸柱を彫るシーンなど、
要所要所でかなり贅沢なコマの使い方をしており、リアルで幸せな時間を感じることが出来る。

キャラクターも非常に良いですしね。
お嫁さんのアミルは言うまでもなく。
旦那さんのカルルクや姉夫婦の子ども達(ロステム・チャルグ・トルカン・ティレケ)の可愛さがすごい。
シャーリーといい、ヴィヴィアン&コリンといい、
森薫さんの作品ではここら辺の子ども達が非常に生き生きとしている。


おそらくは長寿作品になることを意図していらっしゃらないでしょうし、
個人的には、3巻~5巻くらいで綺麗にまとめてもらえると嬉しいですね。
まぁそれでも1巻1年ペースなので結構な時間がかかりますけどね。