崖っぷちロー

チラ裏的ブログ。ここは「崖っぷち」シリーズ・あん○ーそん様とは関係ありません。レイアウト変更でいろいろ崩れ中

朝まで生テレビ「凋落日本と若手起業家の成長戦略」

2010-02-27 06:33:16 | その他・趣味
いちおうテレビはつけていたのだけれど、ながらみだったので議論の中身はほとんど頭に入っていない。

面白い社長がいたなというのと、東浩紀-堀江社長ラインががんばっていたなという印象。

特に東さんについては、司会の田原さんにかなり話を振られていて、発言の機会が(番組開始前の予想よりも)かなり多かった。
これから準レギュラー的な位置づけになっていくのではないかと期待できる。

***
ざっくり見た感じだと、
「自由にやらせろ。支援にしろ規制にしろ、変な枠をはめようとするな。
 とはいえ、最低限死なない社会にする必要がある。」
という感じか。

これは先日の「朝までニコニコ生激論」でも語られていたことで、
ベーシックインカムにもつながる、東さんや堀江さんの基本的な思考だと思われる。
そういう意味では新しいことではないが、朝生というマスの舞台であれだけ主張できたのは大きいかもしれない。
 (いい意味でも悪い意味でも)

***
見逃した方も、東さんの発言部分についてはニコニコ動画で半公認的(?)にMADが作られると思うので、
それを見ればいいんじゃないでしょうか?


自衛隊「地下鉄サリン・イラク派遣・阪神大震災」関連書籍読了

2010-02-24 05:14:03 | 小説・本
この1~2ヶ月ほどで、自衛隊関連の本を3冊ほど読んだ。

松島悠佐『阪神大震災自衛隊かく戦えり』(時事通信社)
福山隆 『地下鉄サリン事件戦記』(光人社)
佐藤正久『イラク自衛隊「戦闘記」』(講談社)

いずれも、事件当時、現役の自衛官として自衛隊の活動に携わってきた方々の手記的作品である。

・松島悠佐『阪神大震災自衛隊かく戦えり』(時事通信社)
 著者の松島氏は、阪神淡路大震災発生当時の中部方面総監(伊丹)だった方。
 本書は地震発生から始まり、震災の被害状況が明らかになるにつれて36普通科連隊、第3師団、方面隊主力の各活動へと発展してく様がスピード感を持って描かれている。(1章~3章)

 また、実際の活動にあたった各級の指揮官や曹・兵の声も収録されているし、自衛隊の支援を受けた被災者の声も収録されている。
 (自衛隊に好意的な意見のみならず、自衛隊に対する苦情や、自衛隊の車に投石した男が居たことなども書かれている。)

 本書の後半では、自衛隊の災害に対する備えのあり方や、阪神大震災での教訓を受け他危機管理のあり方などが書かれている。

 なお、以下のような記述がある。(186頁)
 神戸においては自衛隊へのアレルギーが強く、対策会議で自衛隊側から積極的な提案をするのを好ましく思わない一部の職員がいて、相互の調整が巧く機能しなかったこともたびたびあった。

 救援活動に総力を上げなければならない時にまで、自治労の人たちがイデオロギーを主張して対応行動を遅らせてしまうのは、被災者不在の救援活動ではないかという感じがしていた。


・福山隆 『地下鉄サリン事件戦記』(光人社)
 著者の福山氏は、地下鉄サリン事件発生当時、市ヶ谷駐屯地の32普通科連隊長で、地下鉄サリンの除染作業を直接指揮された方。
 
 32普通科連隊の説明などもいれつつ、事件発生当時の様子(福山氏は休暇中でゴルフをしていた)から、駐屯地へ急いで帰還する様子、上級部隊も混乱している中で様々な決断を下しつつ事態に対処していく様などが描かれている。32普通科連隊の各隊員たちの証言も豊富に取り入れられており、読み物としての完成度も高い。

 第8章では「幻の作戦計画」として、上九一色村等への警察の捜査にたいしてオウム側が武力で抵抗した場合の自衛隊投入計画があったこと、32普通科連隊がそれに備えて準備していたことなどが書かれている。

 この作戦計画が連隊の各中隊長に下達された際のある中隊長のリアクションに緊迫した様子が見て取れる。(184頁。近藤2尉の証言として)
 連隊長室から出てくる各中隊長の表情は一様に強ばっており、ある中隊長は顔面蒼白で、ワナワナと体を震わせ「こんなことできないよ……」とつぶやく始末。

 なお、自治労関連のエピソードはここでも登場する(72頁)。
 通信小隊は、普段から通信伝播状況を調査するため、都内各地に展開して通話試験を行い、通話の可否に関するデータを整備することに努めていた。ところが、都内各区・市の災害対策の中枢となるべき区・市庁舎との通話試験は自治労などの妨害にあって、調査が出来ないところが多かった。


・佐藤正久『イラク自衛隊「戦闘記」』(講談社)
 著者の佐藤氏は「ヒゲの隊長」として有名で、このブログでも何度か取り上げてきた。イラク派遣当時は、イラク先遣隊の隊長として活動されていた。

 本書では、序章として殉職された外交官の奥克彦さんとのエピソードや、その中で醸成された「思い」を書くことから始まっている。
 中盤はイラクのサマーワでの佐藤氏たちの活動の様子の描写で、先遣隊隊長として心がけたことや実際に行ったこと等が書かれている。
 佐藤氏の文章は素朴で読みやすく、その内容も示唆に富んでいるが、指揮下の各隊員の声などは収録されていない点は残念といえば残念。

 第6章では佐藤氏の集団的自衛権に関する問題など、自衛隊が海外で活動する際の諸問題について著者の持論が語られている。

 なお、自衛隊の隊員たちが日本から出発/日本へ帰国する際、日本の民間航空機には乗せてもらえず、また、成田空港において制服=迷彩服を着ることが空港事務所から禁止されたとのこと。
 (26頁、188頁)

***
上記3冊が扱っている事件はどれも極めて大きな事件であるから、大体のことは知っているつもりであったが、いざ読んでみると知らないことも多く、また、著者がそれぞれの当事者であることから他にはない迫力があった。

とはいえ、それぞれの本でどこまで細かく書くのか、隊員の声を利用するのかなどはバラバラで、その点では第三者が一定の基準をもって客観的に記述する公刊戦史の必要性も感じられた。
 (もしかしたら見落としているのかもしれないけど、これらの活動についての公刊戦史はなかったはず。あるなら読みたいです。)

また、部隊の活動報告書などの各種文書の引用・利用も少なく、この点も公刊戦史でフォローすべきだと思われる。
 (例えば、アメリカ海兵隊の『国連平和維持軍アメリカ海兵隊レバノンへ』では、各種資料やインタビューがふんだんに利用されている。)

上記三冊はいずれも良書だと思うが、それ故に公刊戦史・オーラルヒストリーの重要性が感じられるような気がする。

「ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊」読了

2010-02-20 23:45:52 | 小説・本
「ヴァリャーギ ビザンツの北欧人親衛隊」マッツ・G. ラーション著、荒川明久訳

ヴァリャーギというのは、副題にもあるように、歴代のビザンツの皇帝に親衛隊として仕えた北欧人達のこと。

中世の北欧人というと西ヨーロッパを中心に暴れ回ったヴァイキングというイメージがあるが、本書はその北欧人たちが遥か東方のビザンツへと旅立ち、そこで様々な活躍をしていたことを描き出している。原著者はビザンツの資料・年代記と北欧の各地に点在する石碑(ルーン文字)、各地に残っているサガを丹念に比較検討し、北欧人たちの生き様を浮かび上がらせることに成功している。

本書の後半70ページほどは、スウェーデンに散在しているルーン文字の石碑の資料となっていて、石碑の写真・画に加えて、ルーン文字の書き起こし、ラテン語訳、古北欧語訳、日本語訳が併記されている。

私には言語的なことはさっぱり分からないが、写真や画を眺めているだけでも楽しいし、日本語訳を読めば亡き家族を思う心は今も昔も変わらないことが分かる。


また、本書については、翻訳された荒川明久さんの功績も特筆されるべきだろう。日本語訳をするにあたっての入り組んだ作業はもちろん、細かな部分にまで異常なほどに(主に語学的な)注釈がなされている。
 (上記の石碑の写真・画の収録も日本語版を出すにあたって荒川氏が行ったらしい)


***
当時のヴァリャーギたちの様子を伝える文献が少なく、断片的な情報から推量していかねばならないことから、ヴァリャーギたちの組織・編成・生活などについての細かな情報を読み取ることはできないし、ある時点においてヴァリャーギたちがビザンツ帝国内にどれくらいいたかということも分からないようだ。

それでも、皇帝を警護する様子、警戒のために武装したまま寝ること、大酒のみで騒がしい様子、斧や盾を装備して勇猛果敢に戦う様子、ビザンツでの勤めを終えて故郷に錦を飾る際の晴れ晴れとした様などが記述されている。

私としては、研究が深まり、ヴァリャーギたちの生活の様子が細部にわたるまで明らかになることを期待する。


戦場で反乱軍と交渉する皇帝を警護する様子 92頁(プロセースによる描写)
 この戦士らは(皇帝を囲むように)円陣を組み、長槍や片刃の闘斧で武装していた。斧は肩に担ぎ、投げ槍は目の前に並べてあるため、まるで屋根が組まれたような光景でった。

 
野営地で皇帝を警護するヴァリャーギが寝るときの様子 142頁
 ヴァリャーギは夜通し交代で皇帝の身辺警護の任に当たっていた。警護を終えると横になって休むことができたが、完全武装のままであった。ソノッリによれば、彼らは頭に兜を冠ったまま盾で身体を覆い、剣を枕代わりに寝るのが慣わしであった。そして、右手は剣の柄を握るのが決まりであった。


***
世界各国・各時代の親衛隊や近衛隊を厚かった通史的な本を探していたが上手く見つからず、「武装SS全史Ⅰ」(歴史群像欧州戦史シリーズ)に収録されている「『親衛隊』の世界史」という記事ぐらいしか無く、そこで紹介されている親衛隊の各論を探してもいまいちという結果に。
 (もちろんナチスのSSは別)

なにか良い本がないものか……

「狼と香辛料」14巻読了

2010-02-13 09:05:16 | 小説・本
支倉凍砂・「狼と香辛料」第14巻を読み終えた。

本巻はホロとロレンスの旅路が収束に向かう様を丁寧に描写していて、派手なアクションや商業的駆け引きこそないものの、概ね好評なよう。

あとがきではホロとロレンスがどういう関係になるのかという点についてもなにやら匂わされており、読者の結末予想の選択肢もだいぶ狭まってきたという感じ。

あと2巻くらいで本編が終わるのかなというのが個人的な予想です。

***
「現実の中世世界では商人が取り扱える品物は限定されているのでは?」という指摘は前々からなされていましたが、今回はその点について触れているところがあった。

>発展した町では分業が進み、商人たちは商える品物の種類が決まっている。
>靴屋は靴を、薬商は薬をといったふうにだ。

(73頁)

この記述からは断定的なことはいえないが、(行商人との売買も含めた)小売商について、それなりに細かく専門分野の分担がなされているということだろう。

この点については、鯖田豊之「ヨーロッパ封建都市」(講談社学術文庫)がちょろっと触れている。

>都市が成立し、「都市共同体」としての本来の性格が確立した十二-十三世紀になると、
>それまで比較的自由だった商業活動にもかなりの制限が加えられるようになった。
>以後ある程度野放しだった卸売商業は別として、少なくとも小売商業の営業については、
>どこの都市も原則として自分のところの市民だけに限定しようとし始めた。

>具体的には小売商人にギルドを結成させ、ギルド加盟者でなければ小売商業に従事させないようにした。

>にもかかわらず、実際に結成された商人ギルドはお粗末きわまるものだった。
>なにもかもを取り扱うものを除いた商品別のものとしては、織物商、小間物商、食料商の三系列しかない。

 (165~166頁)

この記述を見ると、「靴」「薬」などと特定されている分、狼と香辛料の世界の商人ギルドは専門化が進んでいるということになるだろうか。
(同時に、ロレンスがどんな品物でも扱えていたのは、ロレンスが小売商ではなく行商人=卸商だからということだろう。)

***
鯖田豊之「ヨーロッパ封建都市」は、近代資本主義の発達が偏在的に生じた理由を分析するため、西洋の都市と日本の都市を比較しつつ、歴史を深く掘り下げたところから論理を構築していくもの。

古代的商業から「中世農業革命」や「中世商業ルネサンス」あたりを経て「南欧都市」「北欧都市」という都市類型を考察していくもので、読むとヨーロッパの歴史の縦軸のひとつが浮かび上がってくる。

本書は、先にエントリに書いたロバート・S・ロペス「中世の商業革命」と重なるところもありつつ、日本人が書いたものだけあって文章も平易で読みやすく、更に望外のことに遍歴商人についてもちょくちょく触れられている。

狼と香辛料読者にとっては面白い一冊ではないだろうか。

<<前:狼と香辛料13巻読了  

ハイチ大地震・自衛隊PKO派遣(メモ)

2010-02-07 03:41:07 | ニュース系
また自分用メモです。
この度の自衛隊のハイチへの派遣について。

***
10年1月19日  国連よりPKOへの部隊派遣の要請

10年2月5日午後 閣議決定
        国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、大地震で被災したハイチの支援のため、
        国連ハイチ安定化派遣団(MINUSTAH)に陸上自衛隊の施設部隊約三百五十人を派遣する実施計画


10年2月6日夜 一次隊出発(政府専用機とチャーター機で)
       中央即応連隊(宇都宮市)の200人の内の160人。隊長は山本雅治一等陸佐(佐藤正久議員と同期)。
       持参する武器→護身用の拳銃五十四丁、小銃三百五丁、機関銃七丁
       持参する車両→ブルドーザーやパワーショベルなどのほか軽装甲機動車を含め計百五十台
        http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010020602000079.html

2月8日未明(現地時間7日午前)
1次要員のうち34人は米マイアミから航空自衛隊のC130輸送機で到着

8日
 部隊34人が寝泊まりなどをするテント12張りを設置
 およそ3万平方メートルに及ぶ宿営地の整地を急ピッチで進めている。
 国連ハイチ安定化派遣団「MINUSTAH(ミヌスタ)」を訪問し、技術部隊の投入時期など今後の展開などについて話し合った。
  http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00171489.html
 司令官は、ペイショトビエイラ司令官(ブラジル)
  http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020801000977.html

9日夜
 陸上自衛隊が使う重機を運搬する、ウクライナの大型輸送機「アントノフ」が成田空港を出発
 約2時間半かけてブルドーザーや大型トラック、ダンプなど約100トン分を積み込んだ
  http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20100210k0000m040076000c.html

16日 復興支援始動
 首都ポルトープランスで国際機関の事務所建設などに向けた整地作業。
 30メートル四方ほどの敷地で、ブルドーザーで砂利を広げ、隊員がシャベルを使ってデコボコを整えた。
  http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100217-OYT1T00745.htm

18日 国際救援隊第2陣壮行式

22日 首都ポルトープランスのナデール美術館でがれき撤去作業
 市中での復興支援活動は初めて。
 作業は陸自の油圧ショベルと、ブラジル軍のダンプカーなどを使い、両部隊の計約10人が共同で実施し、3月6日ごろまで行う予定。
  http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022201001050.html

 作業は20人のネパール兵が警備する中で、自衛隊とブラジル軍の計14人が担当
  http://www.asahi.com/international/update/0223/TKY201002230137.html
 
24日午前
 2次隊の陸自北部方面隊第1陣約40人が、新千歳空港から羽田行きの民間機に乗り、現地へ向け出発
 指揮官は小松次一2等陸佐(53)
  http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/217301.html
 
26日未明(現地25日午後)
 第2陣第1波約40人が航空自衛隊の輸送機で首都ポルトープランスに到着した。
 http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010022601000298.html

3月4日午後3時30分
 第2陣第2波、チャーター機で新千歳空港を飛び立った。
 北部方面施設隊を主力とする約140人。
 副隊長は内之段道夫(うちのだんみちお)2等陸佐(第105施設器材隊長)
 4日午後5時頃(現地時間)到着予定。
  http://www.hokkaido-365.com/news/2010/03/post-857.html

***
ツイッター上での気になる発言 田村重信さん(@shigenobutamura)
>ハイチには、政府専用機とチャーター便はアメリカン航空です。日本航空も全日空も自衛隊を載せないようです。
>イラクの時も、外国のチャーター便でした。自衛隊を輸送してくれない日本の航空会社って、おかしいです。
>原因は労組にあるようです。

***10年4月27日追記
10年5月号の軍事研究に、嘉納愛夏さんの現地取材レポートが掲載されています。