崖っぷちロー

チラ裏的ブログ。ここは「崖っぷち」シリーズ・あん○ーそん様とは関係ありません。レイアウト変更でいろいろ崩れ中

「ある海軍中佐一家の家計簿」読了

2009-03-30 03:11:12 | 小説・本
書店内をぶらぶらしていて、ふと目に入った本。
小泉昌義「ある海軍中佐一家の家計簿」光人社NF文庫。
予備知識は全くなかったのだか、なんとなくで買ってしまった。

内容は、著者(元海上自衛官)の父親である海軍士官の半生をまとめたもの。
この海軍士官は、何か目立った特別なことをしたわけでもなく、
平均的な海軍の軍人として、平凡な人生を送った人。
まぁ、あの戦争を「平凡」に過ごすことが出来たというのは、ある種特別なのかもしいれない。

で、タイトルには家計簿とあるが、家計簿自体が出てくるのは結婚をしてからであり、
本書の真ん中くらいから。
で、内容としても、家計簿に特化しているわけではなく、
むしろ軍人の普通の生活・業務の描写がメイン。

もう少し終戦が遅ければ(ないし、もう少し異動が早ければ)
皇族付武官としてのエピソードも増えていたのだろうけど、
まぁ、それは仕方ないのだろう。

また、何か専門的な知識がないと読めないという訳でもなく、
極めて平易に分かりやすく書かれているという印象。
時折挿入される婦人の短歌が良い味を出しているように思うw


偉人ではない、なんでもない普通の人間の人生を飽きずに読ませるというのは、
ひとえに著者の力なのだろうか。
夏に避暑地の別荘でだらだらしながら読むのに最適の一冊かもしれない。

パトリオットミサイル反対活動に対する反応

2009-03-29 10:49:59 | その他・趣味
>弾道ミサイル破壊措置命令を受け、航空自衛隊入間基地(埼玉県)など
>首都圏4カ所に配備されている空自の地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の4個高射隊が27日夜、
>東京・市谷など展開予定地へ移動した。

>習志野演習場には、市民団体「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会」のメンバーが駆けつけた。
>吉沢弘志代表は「今後、防衛省などに抗議していきたい」と話した。
対ミサイル誘導弾、首都圏で展開開始 反対運動も 

またいつものか……という感じですがw
もちろん、某掲示板ではかなり批判を集めているようです。

まぁ、記事の書き方が恣意的だとか、イメージ操作だとかは置いておくとしても。
この記事からは、この「市民団体」が配備に反対する理由が全く読み取れない。

ということで、検索してこの「市民団体」のHPらしきところに行く人が多いようです。
パトリオット・ミサイルはいらない! 習志野駐屯地に申し入れ
まぁ、このエントリ自体は2007/09/05付けの古い奴なんですが。

で、そこには一応理由らしきものが書いてある。
>これはアメリカ軍のミサイル防衛(MD)構想に基づくもので、
>アメリカ軍の戦略的優位性をあくまで保つためになされているものです。
>「迎撃ミサイル」と呼称されるために、何か専守防衛のもののように考えられがちですが、実際上は違います。

>まさに、アメリカの先制攻撃を可能にする体制づくりの一環にほかなりません。


もちろん、これだけでは話が飛躍しすぎていてつながらないので、非難囂々。
めんどくさいので数えては居ませんが、
2009/03/28の17時半頃から2009/03/29の10時半ころまでの短期間の間にも、
だいたい150くらいのコメントがついているようです。

まぁ、真っ当な批判からただの罵倒まで色々あるわけですが、
要はプチ炎上している。
当然、この事態には中の人も気付いているでしょうが、どのような対応を選択するのか気になるところです。


***
私としては、論理のつながりとか以前に、
書かれている文章自体の意味について、そもそも説明が必要だろうと思う。
①「専守防衛のもの」とは何か?その具体例は?
  そもそも、兵器自体についての話なのか?運用も込みの話なのか?

あとは、根本的なところで、
②仮にアメリカ軍の戦略的優位性を保つためのものであるとして、
 それが非難すべきものと考えるならば、何故か?

③仮に、アメリカの先制攻撃を可能にする体制づくりの一環であるとして、 
 なぜそれがいけないのか?

という部分から説明をしてくれないと、どうしようもない気がする。
説明できないようでは、「市民団体」側としても、とてもじゃないが活動を広めることはできないだろう。

***
こういう炎上が起きた場合、もっともよい対応は黙殺なんでしょうけど、
私としては、まともな批判・質問に対する一括回答をしてくれることを望みます。


***3月29日21時追記
どうやら、一連のコメントは全部削除されたようです。
また、新規のコメントも不可となっているようです。
(表面上はコメントが出来るようになっているが、現実には反映されないとのこと)。

言葉では問題を解決することはできないのでしょうか?

「狼と香辛料」第2巻読了

2009-03-29 10:42:58 | 小説・本
1巻と同時に2巻も買っていたので、続きを読んでみた。で、2巻の感想。

まぁ、疑問は多々ある。
もちろん、いろんな人が既に書いているだろうけど……。

とはいえ、そこそこ面白いのではないかと思う。
それに、設定の情報もかなりでてきているし、なんだか地の文も1巻より多いかも?

***
森の狼と対峙したホロがさせられたという、
「ズボンの両膝が汚れ」るような「犬のような振る舞い」(332頁)というのは、
どうやらマウンティングという行為っぽいですね。
http://www4.ocn.ne.jp/~p-royal/dog6.html

最初は、土下座か交尾のどちらかなんじゃないかと思いましたが、
前者は人間の振る舞いだろうし、後者は犬に限定されないでしょうから。

***
経済的な要素としても、
信用買いやら、関税による保護政策やら、債権譲渡やら。
1巻に続きゾクゾクと。

あと、売掛債権という言葉も一巻からあったかと思いますが、
これと普通の売買代金債権との違いの説明とかは有った方が親切なんじゃないかと思ったり。

組合による債務の肩代わりというのは、
包括的黙示的な保証契約がある見るのでしょうかね?
まぁ、個別の契約を探すのは間違いなんだろうと思います。

終盤で、レメリオ商会に金を買い取らせ、その代金を「借用証書」という形で処理したのは、
準消費貸借契約なんでしょうかね。


で、一番気になるのは破産周りの設定。
「普通、商会が破産した際の財産整理で債権者に分配される金は所有する債権に比例する」(375頁)
とあるあたり、債権者平等の原則はありそう。
 (てっきり、早者勝ちの個人執行かと思っていました)

この「財産整理」や「分配」を誰がやるのかという点についても、
モラルとプライドを懸けた商会の最後の仕事ということも考えられなくはないが、
まぁ、公平という観点からは第三者(≒破産管財人)にやらせていると考えるのが普通かなと。

とすると、現代人の我々が想像する「破産」のイメージに近いようにも思える。

他方、莫大な債務を背負ったロレンスの末路として描かれていること、
つまり「身柄を拘束」「長距離貿易用の船を十年も漕げば」(201頁)などの表現をみるに、
おそらく破産免責や個人再生なんかの救済はなさそうな感じで。
これはどちらかというと、現代的ではない感じがする。

ということで、なにやらごっちゃまぜな印象を受けたのですが、
案外、中世ヨーロッパもそういういびつな制度だったりするんでしょうか?
 (破産法史とか全く知らないのでw)

***
<<前:「狼と香辛料」第1巻読了  「狼と香辛料」第9巻について:次>>

「狼と香辛料」第1巻読了

2009-03-28 03:40:27 | 小説・本
先日のエントリで、
ケン・フォレットの「大聖堂-果てしなき世界」をお勧めする人として、
>若い人だと、「狼と香辛料」が好きな人とかでしょうか?w
と書いた。  「大聖堂-果てしなき世界」読了

とはいえ、私は実際には「狼と香辛料」を読んでいないので、なんというか無責任な気もしていた。

なので、支倉凍砂著「狼と香辛料」を買ってきました。
20代半ばの人間がこういうレーベルの本を買うというのは、なにやら気恥ずかしいものです。
少なくとも私にとっては。まぁ、ライトノベル差別をする気はありませんが。

表紙も、風景画やルネッサンス以前の絵画の感じ(ゴシック様式等)の方がいいのではないかと思いますが、
それではターゲット層との関係で売上げは見込めないのかも知れません。

内容は、中世ヨーロッパ風の架空世界を舞台に、
行商人の男と、人間の女性の姿をした狼(豊穣の神とされていた)の旅を描くもの。
ライトノベルとしては珍しく(らしい)、中世商人の経済活動に重点を置いた作品。
まぁ、貨幣制度・為替制度・公証制度なんかの説明を入れてくる作品はそうそうないんでしょう。

で、感想ですが。
私としては、風景描写(街や調度品等)や細かい設定をもう少し地の文で書いてくれると嬉しいのですが……。
 (例えば、港町パッチィオの大まかな人口が書かれているだけで、
  想像される風景がだいぶ変わってくる。)

まぁ、主人公の行商人ロレンスとその道連れの少女ホロの掛け合いを楽しむことさえできるのであれば、
そういった細かい情報はどうでもいいとも言えるのでしょう。

筆者の方も30冊を超える文献を読んでいらっしゃる様なので、
(そして、本当はもっと読んでいらっしゃるだろうと思うので)
描写しようと思えば可能なんだろうとは思いますが、あえて切っているのでしょう。


なんにせよ、既に多数の人が賞賛しているように、確かに面白い作品であるとは思います。

***
とはいえ、この作品について「考証」をするというのも、一つの楽しみ方であると思います。
アニメ放送時も考証スレがありましたしね。
その時は、作品世界内の貨幣価値の話や、法制度の話をしていたように思います。

現行法の話として、刑事の詐欺罪と民事の詐欺の違いなんかを話していたような気もします。
そこから発展して、中世の商取引についての法制度を調べていたような……

***
「狼と香辛料」第2巻読了:次>>

社民・福島瑞穂「警察官は死んでもいい」発言デマ問題

2009-03-27 21:59:13 | その他・趣味
前回の続きというか。
社民・福島氏、北ミサイル迎撃批判で触れた問題について、まだまだ議論があるようで。

その中で気になったのは、
一連の福島氏の発言を「必死に否定したい集団がいる」というレス。

世の中には、なんでも陰謀とか裏工作みたいなものに結び付けたがる人がいると言えば、それまでですが……
ちょっと、この認識については突っ込んで考えるべきだろうと。

端的に言えば、この問題について、「否定」には2つの意味があり、その動機も3つはある。
もちろん、少なくともという意味で。
したがって、一括りにして、何らかの意図に基づいた「集団」が存在するとみなすことは出来ない。

(1)「否定」の意味について
 第1に、問題となっている福島氏の発言は、そもそも存在しないという意味での「否定」。
 つまり、神のみぞ知る真実として、福島氏は発言をしていないということ。
  これを「意味①」とします。

 第2に、真に発言をしたかどうかは不明だが、証明できない以上、存在しないとせざるを得ない
 という意味での否定。
 これは、裁判でなされる事実認定(証明責任)をイメージすればいいと思います。
  これを「意味②」とします。

 で、両者はともに発言「否定」を否定するものですが、
 この2つを同じ立場であると見ることができないことは誰でも分かるでしょう。

(2)否定の動機について
 第1に、純粋に福島氏を擁護することを動機とする者。
 こういった旨の発言をしたことが福島氏の評価にとってどういう影響があるかということについて、
 明確な事は言えませんが、マイナスの評価につながると思う人が多いのでしょう。
 だとすれば、そういう発言はなかったと否定することは、福島氏を擁護することになる。
  これを「動機①」とします。

 第2に、より的確に福島氏を批判することを動機とする者。
 あるいは、福島氏批判の障害を取り除きたい者と言っても良いかも知れない。
 証明できない事実にもとづいて福島氏が批判されているとすれば、
 福島氏は「いわれなき非難を浴びている」と主張することが可能になってしまう。
 これ自体が、福島氏に対する同情等を集める口実になりかねない。

 また、その他の真っ当な批判についても、これと同様に、「言われ無き非難だ」とレッテルを貼られかねない。
 そうなってしまえば、真っ当な批判であると主張する手間がより重くなるでしょう。
 
 そうだとすると、福島氏を批判したい者も、そういう邪魔な批判を取り除くために、
 この発言を否定しようとするでしょう。
  これを「動機②」とします。

 第3に、福島氏自体には興味はないが、こういう「批判の在り方」に疑問があることを動機とする者。
 これは、「ソース至上主義」と考えることも可能かもしれません。
 (まぁ、それだけには還元できないでしょうけど。)

 つまり、確たる証拠も無しに批判するという行為自体が適切ではないと考えている場合、
 そこで対象となっている問題がなんであれ、
 事実の存在を証明できない場合には「否定」する側に廻るでしょう。
  これを「動機③」とします。


(3)意味と動機の関係
 で、ザックリとした関連づけですが……
 動機①の人は、まずは意味①としての否定を行い、併せて予備的に意味②としての否定をするでしょう。

 対して、動機②③の人は、意味①としての否定は行わず、
 意味②としての否定のみを行うでしょう。

 ここで、最初に取り上げたレスについて。
 邪推といわれるかもしれませんが、
 そのレスでは動機①-意味①の組合せしか考えていないのではないでしょうか?
 良くても、動機①-意味②の組合せでしょうか。

 「敵か味方か?」という単純な2項対立しか頭にないから、
 動機③-意味②の組合せなどに考えが及ばないのだと批判することは、飛躍しすぎかもしれませんがw

***
動機③としては、先にも取り上げた荻上チキさんが代表になるでしょうか?
>本エントリーは発言の有無」についての真贋論争を主目的にしているものではなく、
>批判形式の正当性について問うものでした。

 「福島瑞穂の迷言」という都市伝説について(事務所コメント付)

私は……
建前的には動機③ですが、本音としては動機②でしょうか?w

社民・福島氏、北ミサイル迎撃批判

2009-03-27 03:59:56 | その他・趣味

>社民党の福島瑞穂党首は26日の参院予算委員会で、
>北朝鮮の弾道ミサイルが日本領内に落下した場合、迎撃する日本政府の方針について、
>「迎撃ミサイルが目標に当たったら残骸(ざんがい)が落ちる。
>当たらなくともミサイルは向こう(国外)へ行ってしまう。国内外の市民に被害はないといえるのか」
>と激しい批判を展開した。
社民・福島氏、北ミサイル迎撃批判を延々と 野党席からも失笑

まぁ、彼女がアレなことを言うのはいつもの通りなので、特に目新しい記事でもないのですが。

某掲示板では、このニュースに関連して(内容的には関連していないがw)、
過去の福嶋瑞穂氏の問題発言についての議論が展開されている。

要は、このコピペの真偽についてなんですが。
福島 「警察官の拳銃使用は絶対反対。犯罪者と言えども人権はある訳ですし、犯人には傷一つ付けてはいけない。たとえ凶器を持った凶悪犯と言えども警察官は丸腰で逮捕に向かうべき」
田原 「そんな事して、警察官が殺されたら?」
福島 「それは警察官の職務ですし」
福島 「それに犯人がそんなに抵抗するんだったら無理して逮捕する必要は無いと思うんですよ、逃がしても良い訳ですし」
田原 「じゃっ、逃がした犯人が別の所でまた人を殺したら?」
福島 「それはそれで別の問題ですし」



今回も、こういう発言があったんだという書き込みがあり。
「自分もその発言をテレビで見た」「憶えている」という書き込みが多数あり。

しかし、あったとされる放送日時もバラバラで、
2~3年前という言う人、10年前と言う人、20年前と言う人などなど。

果ては、「福島なら言いそうだから、本当に言ったかどうかは関係ない」と言い出す人まで……。


***
福島氏がこういう発言をしたんだという主張・批判は数年前から継続的に見られますが、
いまだにその発言が本当になされたのかどうかは分かっていない。
つまり、証拠となる動画などの「ソース」がない。
いろんな人がソースを探し、検証を重ねたようですが……。
「福島瑞穂の迷言」という都市伝説について(事務所コメント付)
 (ちなみに、このブログ主の荻上チキさんは、批評の世界でもそれなりに有名な方だと思います。)

確固たる証拠がない以上、とりあえずはそういう事実は無かったとするしかないので、
文明人であるならば、この福島発言を取り上げて彼女を批判することはやめたほうがいい。
「存在しない事実」に基づいて批判をするのは適切ではありませんから。


福島氏を批判する材料は事欠かないはずですから、他の事実に基づいて批判すればいいのであって、
この件に関してはちゃんとした証拠が出てくるまでは控えるべきでしょう。

「大聖堂-果てしなき世界」読了

2009-03-26 05:17:17 | 小説・本
ケン・フォレットの大作、「大聖堂」の続編が出ていた。
「大聖堂-果てしなき世界」という題名で、
これまた文庫本で上中下巻あわせて1800頁ほどの大作。

内容は、12世紀のイングランドを舞台にした人間ドラマ。
伯爵、騎士、司教、修道院長、修道士、修道女、建築職人、羊毛商人、貧農、無法者……
当時の社会を構成するあらゆる階級・身分の人間が登場し、
その彼らの多様な思惑・行動がゆったりとした物語を織りなす。

端的に言ってしまえば、「恋愛」と「権力闘争」です。
その意味では、こういう雰囲気の物語を読んだことのない人たちにとって、
仮に物語の背景やオブジェクトがとっつきにくいものだとしても、
物語の芯の部分については慣れ親しんだエンターティメント物と同じように読めるだろうと思います。
 (※このパラグラフ追記4月24日)

まぁ、あらすじなら公式HPなりでみればいいでしょうがw


で、思うに、この物語に富士山のような突出した「山」(見せ場)はない。
しかし、彼/彼女らの物語のひとつひとつが、文句なしにおもしろい。
こういう場合、その物語の様を「大河」に喩えるのが通常だろうが、
あるいは、尽きることのない「山脈」に喩えることもできるかもしれない。

もちろん、欠点がないかといえばそうではないだろう。
少なくとも私には、性描写が多すぎたように思われる。
たとえそれが当時の貞操観念を表現するものであるとしても。
まぁ、ストーリーを構成する上で不可欠な部分もあるのだが。

ともかく、この本の価値を毀損するとまではいえないだろう。

***
本書の主題からははずれるかも知れないが、
私が思うに、この本を読んだほうがいいとおすすめすべき人種が2つある。
①法学部生、②宗教を信仰している人。

①法学部生にとっては、自分たちが学んでいる近代以降の法・法律というものと、
本書内で描写されている法や法秩序との比較という観点からも愉しめるのではないか。
また、我々が合理的な法を必要とする理由に思いを巡らすことも面白いかも知れない。

②宗教を信仰している人。
もちろん、「宗教=悪」ということが言いたいわけではないし、
そのような図式は著者の意図するところでは決してないだろう。

むしろ、対立構造を作るために選ばれた装置の一つにすぎず、
それは例えば「大会社」や「政治家」、
あるいは「学校」といったものに置き換えられるかも知れない。

その意味では、読むべき人種も「新入社員」や「有権者」、
「新米教師」等に置き換えることが可能かもしれない。

いずれにせよ、<自分の頭で合理的に考えること>の重要性が読み取れるように思われる。

***
あとは、もちろん、中世ヨーロッパという背景が好きな人。
浸れます。

若い人だと、「狼と香辛料」が好きな人とかでしょうか?w

WBCイチローにごめんなさいする

2009-03-24 14:38:04 | その他・趣味
いままで、正直言って、イチローをスタメンから外した方がいいんじゃないかと思っていた。
もちろん、精神的な意味ではスタメンにいるべきだが、いまのコンディションてきには……と。
(完全にド素人の意見ですが。)

なんで、今日は調子が回復しているように思えたとはいえ、
延長10回のあの場面でも「あぁ無理だろうな」と思いながら見ていた。
ほとんどあきらめながら。

にもかかわらず。
イチローはやってくれた。


やはりイチローはイチローだった。

***追記
ちなみに、このエントリにタイトルは、
イチローがあれを打った時~優勝決定後ほとぼりがさめるまで、
某掲示板のニュース速報板や実況板でかなり大量に書かれた
「(手のひら返しをして)イチローに謝る」系の書き込みに由来するもの。

前回WBCでの盛り上がりから、今大会の不調を経て、最後の最後で爆発するという一連の流れが、
あたかも筋書きをもったフィクションのように、
きれいに「罵倒から謝罪・賞賛へ」という掌返しを演出したように思われる。

掌返しに定評のある(?)ニュー速民の面目躍如といったところかw

gooブログの不具合?/死刑と冤罪

2009-03-19 04:31:51 | その他・趣味
最近、どうもブログの調子が悪い……かもしれない。

「編集」の「記事メニュー」の「新規投稿」を開き、
エントリを書いている時点で、そもそもgooブログに管理人としてログインしているはずである。

にもかかわらず、いざ投稿しようとして「投稿」ボタンをクリックすると、
ログインが求められてしまう。
もちろん、gooブログには本文を保護する機能はない(と思う)ので、
書いた文章は消える。

私が誤解しているだけかもしれないが、
ログインしているのにログインを求め、結果として、書いた文章が消える。
というのは、不具合といっていいのではないだろうか?


***
記者の目:死刑寸前で無実となった米国人の告白
某掲示板で、死刑スレがあり、議論があった。
従来なら、「冤罪」を鍵とする死刑反対論と、
冤罪と死刑は無関係とする死刑肯定論が対立するのだが。

今回は、
冤罪による死刑を否定することが、なぜ、死刑制度全体の否定につながるのか?
というのが主な問題だったように思う。

死刑制度については以前から何回か書いているが、
ここは省略していたように思うので、メモっておく。
 死刑存置or廃止

1)冤罪の場合の死刑は、許されない(大前提)。
2)冤罪でない場合の死刑は、許される(大前提の反対解釈)
 とすると、死刑制度は一部肯定されるようにも思える。

3)しかし、「冤罪でない場合」であるかどうかの判断を誤る危険性がある。
 この判断を誤ると、本来1)として死刑にしてはいけない者を、
 2)の場合であるとして、死刑にしてしまう危険性がある。

4)したがって、1)の大前提を全うするためには、
 2)の場合であっても、死刑を否定する必要がある。

5)よって、死刑制度は許されない。

この、
冤罪でない場合は本来死刑にして良いが、結論として、死刑は許されない
という部分を巡り、表現不足やら誤解やらで混乱が生じたように思えわれる。


ゼロアカ第5関門/第4関門まとめ本

2009-03-14 02:05:12 | その他・趣味
今日、東浩紀が主宰する批評家育成コンテスト「ゼロアカ道場」の第5関門が行われた。

やることは以下の通り。
>ゼロアカ道場の関門をすべて突破したあと、
>あなたが講談社BOXから出版したいと考えている著作の内容を7分間でプレゼンテーションせよ。

>プレゼンテーション終了後に、道場主・東浩紀、特別審査員・筒井康隆、
>村上隆、講談社・太田克史による口頭諮問が行われる。


で、このうちの口頭諮問部分が、ニコニコ動画の生放送で放映された。
ゼロアカ第5関門 口頭諮問ニコ生(その1)

(1)雑感
 なんというか、審査員側に対する好感度が上がるだけの関門だったようなw

 とりあえず、筒井康隆に興味を持った。
 「シャングリ・ラ」の「解説」を読んだ直後というのもあるし。

 もちろん、間接的にはこの人の作品をたくさん受容しているわけだけど、
 直接的に読んだことはなかったので、今度読んでみようかなと。

 それから、村上隆
 この人、私の中ではどちらかというと嫌いな部類に入っていたんだけど……
 かなりプラスに傾いていますw
 現金すぎるかもしれません。

(2)藤田さん乱入について
 以前、私は、
 元門下生の藤田さんの行動(いわゆるザクティ革命)がすごいと書いたわけですが、
 今回の乱入はどうも……。
  ゼロアカ道場第4関門

 予定調和のスベリ芸なのかもしれませんが、
 あの場では求められていないでしょう。
 「求められて居ないのに出る」という事をネタ化できる余地もないほどに。

(3)第5関門の結果
 結果としては、妥当な人選になったようです。
 まぁ、大前提として気を付けるべき事は、
 どんなシンポジウム・ディベートでも同じだなという感じ。

***
同じくゼロアカ。
第四関門は、参加者が批評の同人誌を作って文学フリマで売るというものでしたが、
その同人誌(の一部)がまとまって出版されたらしく。
いまさらながら買ってきました。

いままで無料で楽しませて貰っていたので、
それについての対価という意味もあります。

個人的には、わかむらPのインタビューと一迅社編集長のインタビューだけで、
十分に満足です。
あとは、ネットスターのアンディさんの文章とか。

そういう取っつきやすいところから読んでます。
あとは、目に優しいw記事から。

頁数の制限のせいだと思いますが、つめこみすぎで、全体的に読みにくすぎる。
その点、「チョコレート・てろりすと」の安定感は素晴らしい。