崖っぷちロー

チラ裏的ブログ。ここは「崖っぷち」シリーズ・あん○ーそん様とは関係ありません。レイアウト変更でいろいろ崩れ中

ニコニコ動画有名実況者「塩」さんのDVD発売問題

2012-01-25 20:09:56 | ニコニコ動画・ネットとか
ニコニコ動画の有名実況者である 塩 がコミックマーケット81にて『旅塩胡椒』という自身の旅行の様子を録画したDVDを1500円で販売」し、「推定数百万」円を売り上げたことがネット上で話題になっているようです。

 参照:塩と胡椒DVD問題まとめ@ ウィキ   

 塩さんのこのような行為を批判する側の意見/問題ないとする側の意見は上記まとめサイトに記載されている通りで、批判側の指摘で一番重要なのは「実況プレイ動画というグレーゾーンな動画によって得た知名度を利用して金儲けをするというのはいかがなものか」というものだと考えられます。

 ですが、知名度を上げる手段自体の妥当性と、あがった知名度を利用して行う活動自体の妥当性とは区別する必要があります。実況プレイ動画のアップロードがグレーゾーン乃至違法な行為だとしても、それをもって今回のDVD発売が妥当ではないとする規範はどこから導かれるのでしょうか。

 例えば、多数の人間を死傷させたテロ事件の犯人がそのテロ行為ゆえに有名になったとして、ではその犯人は事件や自分の人生について語った自叙伝を出してはいけないのでしょうか。あるいはタレント活動をしてはいけないのでしょうか。

 テロ行為については司法制度の下できちんと処罰される必要があるのはもちろんですが、それと自叙伝の出版やタレント活動の是非とは全く異なる次元の問題です。

 現段階では、両者の意見をサッと見た限りでは問題ないとする側に分がありそうですね。


***その他のあれこれ
(1)アサシンクリードリベレーションについて
 PS3 & Xbox360で2011年12月1日に発売された「アサシンクリードリベレーション」では、発売元のUBISOFT JAPAN の広報さんが下記のようなことをツイートしておられました。

【お願い①】アサシン クリード リベレーションはストーリー性を重視したアクションゲームになります。ネタバレを含むような動画の配信等はお控えくださると助かります。もし、 配信したい!という熱い気持ちがおありならば、マルチプレイを配信してみていはいかがでしょうか?
https://twitter.com/#!/ranran73/status/142258230725328897

【お願い②】リベレーションの初回特典につくDVDの映像コンテンツは手にされた方のお楽しみとして作成していますので、Web等へのアップロードはお控えください
https://twitter.com/#!/ranran73/status/141671689573511169

 シングルキャンペーンとマルチプレイを区別している点、シングルキャンペーンの動画配信を禁止する理由が明記されている点で、非常に良い方針発表だといえます。

(2)せんとす動画
 07th Expansion さんよりXBOX360/Pcで発売されている『黄金夢想曲(†CROSS)』という格闘ゲームを有名実況者のせんとすさんがゲーム実況プレイ動画として投稿されています。その第7回目の投稿者コメントにて、「なお、原作者の方から動画作成のご許可は頂いておりますが、オフィシャル実況ではありません。あくまで個人的にうpしている動画ですので、いつも通りの実況をさせて頂く所存です。」という説明がされています。

 発売元は「ひぐらし」「うみねこ」で有名な 07th Expansionさんで、いまや同人サークルというよりも企業と言ったほうが良いようなレベルのサークルさんです。格闘ゲームというネタバレの影響が少ないゲームであること、実況者のせんとすさんに既に高い知名度がありゲームのPRになると考えられることなどが許可する理由となっているのではないでしょうか。

 参照:黄金夢想曲を艶やかに実況せんとす第7話  


(3)ダークソウルについて

 フロムソフトウェアより2011年9月22日発売されPlayStation3用のアクションゲームの「ダークソウル」を、1月3日朝12時から5日夜24時までの60時間をかけてクリアまで丸々プレイ実況配信をするという企画が、ニコニコ生放送の公式番組として配信されました。

 参照:60時間ぶっ通し!ゲーム『ダークソウル』を全部クリアするまでお正月は終わらないぞ生放送!

 経緯は良く分かりませんが、「※この番組はフロム・ソフトウェア様より『DARK SOULS(ダークソウル)』の使用と全部クリアの実況許諾を得ております。」ということです。

 発売後1年以内の準新作ゲームであることや、制限無しの全部クリアが許されていること、それをニコニコ公式生放送で60時間以上にわたり20名以上の実況者がリレー形式で実況配信することなどを考えると、前代未聞の大事件と言っていいのではないでしょうか。


 では、フロムソフトウェアが無条件にゲーム実況プレイ動画(配信)を認めているかというとそうではなく、例えば近日発売予定の「アーマードコアⅤ」については、発売元の宣伝担当さんが以下の様なツイートをしておられます。

製品版で生配信や動画投稿、静止画のアップしていいかと皆さんお聞きになりますが、体験版はダメと言いましたが、製品版については私は何も言ってませんの で。ダメともOKとも言ってませんので… で、立場上、正面から聞かれるとダメって言わないといけない。皆さんこの意味分かりますよね?
https://twitter.com/#!/senden_ogu/status/161834202537525248

 体験版についてはゲーム実況プレイ動画の投稿・配信は不可、製品版についてはオフィシャルには不可だが実際にはある程度は黙認するというところでしょうか。ゲーム実況プレイ動画を認めるメリットデメリットについて社内でも議論があるのではないかということが窺われます。

Aile製作アダルトゲームプレイ動画問題、示談で解決

2011-11-30 19:23:49 | ニコニコ動画・ネットとか

Aile(エール)という会社の製作した「relations sister×sister.」というゲームのプレイ動画がニコニコ動画に投稿されていた問題は、「投稿者が示談金を支払うということで決着」したようです。

 参照:公式ブログ記事http://www.aile-soft.com/blog/?p=260


 このようなインターネット上の投稿サイトへのゲーム(実況)プレイ動画の投稿について、ゲームメーカーと投稿者との間での紛争が決着したケースは他にはほとんど無いのではないかと思います。

 前提として、ゲームの(実況)プレイ動画を著作権者の許諾無く投稿することは著作権法違反であり、よく「グレーゾーン」だといわれるのは、著作権者が事後的に許諾(黙認)してくれる可能性があるというだけのことです。当然、著作権者が権利侵害があると主張すれば、アウトということになります。

 しかしながら、私としては、やはりゲーム(実況)プレイ動画の持つ文化的な意味というものを完全に否定することは避けるべきだとも思います。

 ゲーム会社の方も「いろいろと線引きが必要なので、ガイドラインを作成する予定です」とのことですが、どのようなガイドラインが作成されるのか注目したいと思います。

***
 現在のようなユーザーの判断による投稿・メーカーの黙認/事後的な権利侵害の主張という形では多くの紛争が今後も生じるでしょう。

 投稿可能なタイトルや制限事項などをあらかじめメーカーが決定し、それをホワイトリストとして提示する形でしか紛争の予防にはならないのではないでしょうか。(加えて、許諾を一切しないメーカーのブラックリストの作成提示)

 ただそうすると、リストの作成コスト等の問題、また、メーカー一般におけるゲーム(実況)プレイ動画に対する否定的な姿勢等の問題により、ゲーム(実況)プレイ動画の投稿は著しく制限されることになるでしょう。

 しかし、いままでがあまりにも勝手をして盛り上がりすぎていたのですから、今後は、権利者を尊重しながらのじっくりとした盛り上がりへと移行して欲しいものです。

フジテレビと韓流偏重問題

2011-08-24 19:58:59 | ニコニコ動画・ネットとか

 8月7日と21日のデモを頂点に、高岡蒼甫さんの発言に端を発するフジテレビと韓流偏重問題に対する盛り上がりがようやく落ち着いてきたようだ。この間、肯定・否定、批判・擁護含め様々な議論があったが、どうも一面的なものが多かったように思う。

 ある人はフジテレビ批判を韓流批判と捉え、嫌韓国・韓国差別の問題としてのみ考え、またある人はフジテレビ批判を公共の電波を独占(寡占)する放送局への批判の問題としてのみ捉える。

 だが、そのように一つの論点だけを取り上げて片付けることは適切ではない。インターネット上で盛り上がる言論一般に言える事だが、批判派も擁護派も決して一枚岩ではないからだ。今回の問題は多くのレイヤーが重なった問題であるということを、自分用のメモもかねて。(なお、このエントリは実証的ではないので要注意。)

1)韓国に対する差別感情・愛国運動
2)広告代理店・流行プロモーション批判 →ステルスマーケティング批判
3)マスメディア批判・地上波放送局批判
4)商業主義拝金主義批判 →行き過ぎた資本主義批判



1)韓国に対する差別感情・愛国運動
 これが最もピックアップしやすいく、分かりやすい論点だ。だから、気をつけないとこの論点が今回の問題の全てだと勘違いしてしまうことになる。反対に、この論点を見落としてしまっても綺麗ごとにしかならないだろう。注意すべきなのは、フジテレビ批判派やデモ参加者は一枚岩ではないということだ。

 デモの参加者の間でも、日の丸を掲げ、君が代を歌い、天皇陛下万歳を叫ぶ人もいれば、それは今回のデモには関係が無いとして批判する人もいる。フジテレビ批判派の中にも、韓国や韓国コンテンツそのものを批判する人もいれば、そのような姿勢を差別的だとして再批判する人もいる。

*追記
 江川紹子さんの「韓国の経済や、アジア市場への文化展開がうまくいっていることへの嫉妬の表われでしよう。文化的に偏狭な日本人の存在を内外に知らしめたのは非常に恥すかしい現象だと思います」というような意見もこのカテゴリの一種だろう。紙面の都合上その他の理由については省かれてしまっているのかもしれないが、ここに引用されている限りでは、やはり論点の単純化・矮小化と言える。
 参照:http://blog.livedoor.jp/newskorea/archives/1569037.html


*追記
 中村うさぎさんの記事は途中まではいい感じだが、最期の「それにしてもなぜ、今このタイミングで、韓流ブームヘの嫌悪が一気に高まってきたのだろう?ここで思い出すのは、関東大震災後の「朝鮮人虐殺事件」。震災後の不安が、異分子を排除する方向に向かっているとしたら…。うわ、似てる!何だかヤな感じがするぞ!」は妥当ではないし、蛇足。「韓流ブームヘの嫌悪」というまとめ方が誤りの原因。
 参照:http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1314953895/

2)広告代理店・流行プロモーション批判 →ステルスマーケティング批判
 これは「韓流ゴリ押し」に対する批判なのだという形で、フジテレビ批判派によく取り上げられる論点だ。ここでは、「ゴリ押し」される対象が何であるかは問題ではなく、「ゴリ押し」されることそれ自体が問題になる。だから、「韓流コンテンツ」以外であっても、「ゴリ押し」があればそれは批判するという論理になる。(広告代理店批判はお決まりなので省略)

 これについては逆に、「ありとあらゆる主体がありとあらゆる物をゴリ押ししてきたのだから、フジテレビ/韓流だけを取り上げて批判するのはおかしい」というような反論があるが、それは小学生が叱られて「皆もやっている」と言い訳するのと同じである。

 だが、「ゴリ押し」批判には、普通の営業(プロモーション)と「ゴリ押し」をどこで区別するのか明確ではないという弱点があり、これは今のところ克服できていないのではないかと思う。批判者が「ゴリ押し」だと主観的に感じたら「ゴリ押し」だということでしかない。(だが、その主観的な違和感がこの運動に多くの人を動員する力になっているようにも思う。)

 そこで、ある時期からステルスマーケティングが悪いのだという方向に移ってきたようだ。これについてはMIAUの小寺信良さんがまとめている。
 参照:フジテレビの韓流ゴリ押しは事実か
 

3)マスメディア批判・地上波放送局批判
 これは最近目立つようになってきた論点だ。ビートたけしさんや岡村隆史さんのような有名人が「嫌なら見るな」という旨の発言をしたことに対して、作家の深水黎一郎さんがその論理は通用しないと批判したことで注目を集めている。(従来からあるマスメディア・マスコミ批判は略)

 参照:「韓流が嫌なら見るな」は間違っている 作家・深水黎一郎がフジ騒動を分析
 

 これに対してはさらに、元フジテレビ関係者の岩佐徹さんが再反論している。
 参照:「深水ツイート・考~リモコンの8を押さない選択も~」 
 

 深水さんはテレビ局が公共の電波を独占(寡占)していることを理由に「嫌なら見るな」は成立しないとしているのに対して、岩佐さんはその寡占によっても代替手段はなお残されており、命にはかかわらないことをもって「嫌なら見るな」は成立しているとしている。(テレビ局を一私企業として、経済合理性の観点からのみ論じるのは公共の電波論を見過ごしている時点で失当。)

 だが、岩佐氏の代替手段があるからテレビ局は何をしてもいい、見たくないなら見るなという理論は、あくまでもテレビ局(事業者)対視聴者(消費者)という構図によるものだ。これは深水さんが依拠するところの、テレビ局(事業者)対視聴者(国民)という構図に対する正面からの反論にはなっていない。

   視聴者(国民) → 国・政府 → テレビ局(事業者)
                        テレビ局(事業者) → 視聴者(消費者)


 岩佐さんの論理でいくならば、例えばテレビ局が過剰な量の広告を放送しても、視聴者は嫌ならば見なければ良いというだけの話になるはずだ。だがそうではない。例えばBSデジタルでは、総務省が放送時間の3割を超えて広告放送をしてはいけないとする。決して、広告を見るのが嫌なら見るなと言う話ではないわけだ。

 参照:○放送法関係審査基準の一部変更案
 

 これは国・政府によるテレビ局に対する規制だが、当然、国・政府というものは国民に依拠する。つまり、主権者国民である視聴者は、国・政府を通して、テレビ局に対して意見を言える(その内容を規制として実現でき得る)ということだ。

 そして、そのように民主主義の過程においてテレビ局に対して意見を言う/実現するためには、広く一般における言論が重要であることは言うまでもない。

 つまり、一視聴者として特定のテレビ番組を見る/見ないに関わらず、主権者国民として、本来的には国民の/公共の財産である電波を寡占的に使わせているテレビ局に対して、その放送内容等に対して意見を述べて良いということだ。

 もちろん、そのような過程を経てテレビ局への規制を実現するということは、表現の自由を侵害する危険性を帯びているのであり、最大限の注意をする必要がある。国民の望みによる(という形での)テレビ局規制が結局は国民の不利益になるということだってありえるのだから。

 今回のフジテレビはどの法律や規則に照らして妥当ではないのか、あるいは、どのような規制を新たに作るべきだというのか。そして、そのような運用や規制の制定にはどのようなメリット・デメリットがあるのか。そのような議論が今回のフジテレビ批判派には(もちろん擁護派にも)欠けているように思う。

 過去に韓国が行ってきたような、外国映画規制や日本の大衆文化の流入制限のようなことをやりたいのかどうか。

4)商業主義拝金主義批判 →行き過ぎた資本主義批判
 お決まりなので略。

***追記
「テレビ局の売上高が減少傾向にあることは承知している」フジテレビデモ総務省からの回答
 参照:http://getnews.jp/archives/139658

津田氏「ニコ生の出演料はテレビより高い」

2010-11-04 14:12:04 | ニコニコ動画・ネットとか
津田大介さんが出演された「UstToday vol.27」が大変興味深い内容でした。
>津田氏「テレビは制作費が削られ、厳しい状況になってきている。一方でニコニコ生放送は制作費
>をしっかりかけており、放送作家や出演者など、テレビ業界で活躍している人材が流れこんできている」
>「テレビに出るのもニコ生もギャラはそんなに変わらない。場合によってはニコ生の方が高いこともある」
>「ニコ生の出演料はテレビより高い」
津田氏「ニコ生の出演料はテレビより高い」

確かに、地上派で放送していてもおかしくない出演者陣・内容の番組も増えてきました。田原総一朗司会の討論番組あり、遠藤章造さんや陣内智則さんが出演するバラエティ番組ありと。最近では、読者モデルや湘南乃風を起用した番組も放送されているようです。ニコニコ動画・生放送のサービス開始当初には全く想像できなかったラインナップです。

他にも、
・政治方面では小沢一郎さんのネット会見を放送して注目を集める。
・かつては違法コンテンツにただ乗りしていたニコニコが、アニメを公式に配信・放送する。
・宇野常寛さん主催の「PLANETS」や荻上チキさんらが関わる「シドノス」が月1回のレギュラー番組を持つ
・中森明夫さん高橋源一郎さんのトークショーや、宮台真司東浩紀対談が中継される。

などなど。
個人的には、下二つのような方面の番組がうれしいですね。

「小沢一郎ネット会見」 新聞・テレビはどう伝えたか
「これからはみんなで正史を作っていけばいい」宇野常寛が語る未来のガンダム
食料自給率の大ウソを暴く!ニコ生シドノス「大丈夫か!?日本の食と農」

***
以下、この記事には掲載されていない部分を一部文字起こし。

・31分~ ニコニコ生放送で月1放送している「ネットの羅針盤」について 
津田
インターネット界隈の、NHKでの「視点論点」のような、専門性が高くなってしまうネットの問題に対してちゃんと解説する番組が欲しいと思った。じゃあ、「MIAU」で継続的に追いかけている問題もたくさんあるので、それをゲストなんかを招きながら、ちゃんとその背景にどういうことがあるのかを議論する番組を作りたい。

かつ、ニコ生さんはちゃんとギャラとか制作費も払ってもらえるので、で、僕らも僕らで「MIAU」という活動は完全ボランティアでやっているので、ある種収入源も欲しいというところで、ドワンゴさんにこういう公式番組をつくりたいんだけどとお願いしたら、わかりましたっていって、制作費をいただいて作ることができている。

ちゃんとコンテンツ、ネットならではのテレビでは見られないコンテンツを作りますということに対して、コンテンツに対してちゃんと金を払いましょうと。結構いまインターネットの企業って、どことは言わないが、金を払わない。

良いコンテンツを作ってがんばっているのにそれにたいして金を払わないで、ただで、トラフィックあげるからいいんじゃんみたいな感じで、お金を払わない企業が多すぎる。ミクシィとか。ミクシィとか。ミクシィとか。そういうのが僕はすごくイヤで、コンテンツを作る側に対して、作ったものに対してちゃんと制作費もはらいます、それでお互い幸せになりましょうという風になってほしい。そういう意味でドワンゴさんには感謝している。

司会
ドワンゴさん、話によると月に一億円以上生放送の公式にかけているというお話も。


・46分~ ニコ生番組の二つのとらえ方
津田
 (テレビは)地方局ですら一回電波に流してやれば数万人が同時にみているわけで、どんなにくだらない番組でも誰かが見ているというメディアと、USTっていうのは見たいと思った人が意識的に見に来ているメディアという意味で、全然違う。

 (UstTodayの視聴者数である)700という数字をどう捉えるかというかで、テレビの価値観で考えればすごく低い数字で、影響力なんて持たないということになると思うんですけど、そうじゃなくて、USTやニコナマって、ある種講演会とかイベントの拡張なんじゃないかという、そっちの捉え方を最近はしている。 

普通に個人がこれについて語るトークをやりたいといって場所を借りる、50人入る場所を借りるのもまず大変だし、そこで50人埋めるというのも大変なわけです。でも、それが普通に今USTでやれば50人とか100人とか平気で入ってくるわけです。
 
だから今、僕と三上さんが話している内容を700人の会場を借りてやるとしたら相当リスキー。まず700人入るかも分からない。でも、トークイベント見たなものがすごく拡張されて、700人が見ていると考えるとこれは結構すごいこと。

あくまでイベント空間の拡張としてのUST・ニコ生という風に、ユーザーがやる場合はそう考えると、ものすごいメディアになるんじゃないか。あとはそこから先は、これに対して良かった人がお金を払える送金のプラットフォームとかが入ってくるだけで相当かわってくる。

ある意味で言うと、ニコ生は両方やっている。
 (略)
テレビのオマージュ、テレビが今つまらなくなっているときに、本当に見たいテレビってこうだよねという方法論でつくる番組・UST番組と、そうではなくて、日常的なイベントとかトーク見たいなものを拡張するものとしてのニコ生・USTの両面があって、両方の質と量が充実してくることによって、初めて動画ライブメディアというものが一段上のレベルにいけるという気がしている。

***
ニコニコ動画/広告媒体資料のご案内/10年7~9月
企業がニコニコ生放送を広報に使う場合の料金体系など。

ニコニコ生放送でイルカ漁映画『ザ・コーヴ(THE COVE)』放送

2010-06-18 23:06:55 | ニコニコ動画・ネットとか
イルカ漁映画『ザ・コーヴ』といえば、映画館での上映反対運動なども起きている、今話題の作品。
それがニコニコ生放送にて、ネット試聴会として2000人限定での全編放送がおこなわれた。

イルカ漁映画『ザ・コーヴ』が、ニコニコ動画で全編無料配信決定

映画の配信前には、ひろゆき氏が登場してこの映画の放送に対するユーザーの意見を紹介し、その上でユーザーに放送の是非を問うという趣向まであった。
アンケート結果は、放送賛成が89.7%、反対が6.7%、わからないが3.6%という結果。ひろゆき氏も「映画を見ずに批判するのはおかしい」というスタンスだったように見受けられる。

***
では、肝心の映画はどうだったか。
まず、この映画の構造や仕掛けについては東浩紀氏の解説が適切だと思う。

とりあえず言えるのは、一般に流布している「カルト団体による反イルカ漁映画」というイメージは不十分だということです。映画としてそれより数段よくできている。正直予想以上でした。太地町がこのキャンペーンに「反論」するのはかなりの努力を強いられるでしょう。

また、これは散々言われているけれど、「オーシャンズ11」ばりの(作中で登場人物自らその比喩を使う)エンターテインメント溢れる演出は確かにすごい。飛行船とばしたり特撮で隠しカメラ仕掛けたりする。そしてその長い引きのせいで、クライマックスであるイルカ「虐殺」の場面が印象に残る。巧い。

ま、つまりひとことで言えば、あちゃー、こんな映画作られたらもうかなわねえよ! というのが第一感想ですね。これは強力な映画ですよ。イルカ虐殺を延々と流してお涙頂戴、とかじゃないんですから……。

というか、ぼくがいちばん巧いと思ったのは、映画全体をリック・オバリーの「反省」「転向」に重ね合わせていることかな。ひとは転向の物語に感情移入しやすい。

http://twilog.org/hazuma/date-100427

しかし、その上で、この映画の効果・影響力について東氏ほど高く評価することはできない。
(東氏は、東京都の性表現規制問題でも同じようなことを言われていたが、少数者の論理が多数者の感情によって潰されることの危険性、そのような構図の中で少数者が勝つことの困難性を重く見ていると思う。)

私としては、「なんだこんなものか」というのが正直な感想である。
東さんが指摘している手法や「イルカ虐殺」シーンで日本人漁師の笑い声を被せる手法などを使っているとはいえ、思ったよりも虐殺シーンの表現もおとなしいものであった。まぁ、事前に東氏の感想を読んでいて映画の手法を知っていた・映画に対する期待が高まっていたせいもあると思うが……。

とはいえ、それでもこの映画を見た人の内で、それなりに多くの人が誘導されるだろうという気はします。


なお、ニコニコ生放送中の視聴者のコメントは、ほとんどが否定的であったように思う。なかには感情的な反発や中傷的なコメントもあったが、おおむね冷静に批判・反論されていたのではないか。

***
イルカ漁反対のロジックについては、特に目新しいところは無い。

 実況プレイ動画に適したゲーム?4(格闘ゲーム)

2010-06-17 09:55:30 | ニコニコ動画・ネットとか
以前私は、ゲーム実況プレイ動画に適したゲームとはどのようなものだろうかという趣旨のエントリを上げたが、その中で、一回性のある(自由度が高い)ゲームが適しているとした上で、

アクション・FPS、シミュレーション・RTS、シューティング、音げー、パズル、パーティーもの、レースゲームなどが、自由度が高く、一回性がある作品が多いように思われます。

と書いたことがある。(参照:実況プレイ動画に適したゲーム?2)

私としてはめぼしい物は列挙したつもりだったが、一大ジャンルを見落としていたことにふと気が付いた。それは格闘ゲームである。

つまり……

(1)実際の格闘技やスポーツがそうであるように、同じ状況・同じプレーが二度行われることはない。
 →一回性がある。

(2)他人との対戦やCPUとの対戦が重要なのであってストーリーはあまり重要ではない。
 →ネタバレによるダメージが小さい。

(3)そもそもアーケードではプレイを見る/見られるのは自然なことであり、他人のプレイを見ることでそのゲームの魅力が伝わったり、プレイするモチベーションに繋がったりする。但し、トッププレイヤーのプレイが商品や雑誌の付録になることもまれではなく、これはむしろ格闘ゲームのプレイ映像の商品価値を示すものでもある。
  →消極の方向にも働く(プロ化が更に進んだ場合はどうか?)

(4)とはいえ、現在ではゲームセンターが格闘ゲームの大会・イベント・試合をネット上で大々的に中継するなど、プレイ映像の配信・アップロードが公になされている。
 (中野TRFや西横浜ゲーマーズビジョンなど。)

(5)そして、大会やイベントの際には、それらはゲームセンター店員などによる「実況」を伴うことが多い(中継されなくても)。格闘ゲームの場合キャラクターの台詞などは他のジャンルと比べるとあまり重要ではなく、また、ゲームセンターなどは他のゲームの音楽などが当然のように混じる環境であり、「実況」という音声がゲームを阻害することは比較的少ない。

 むしろ、「実況」が視聴者・観客にとって有益なものとなりうる。(スポーツ中継にも解説実況が付き物)
 
(6)新作ソフトであってもプレイ映像(実況動画)のアップロードによる不利益が小さい。
 むしろ、ゲーム自体にリプレイ機能が付いているなど、メーカー側も「他人の試合を見る」ことを重要視している。プレイしている動画を流通させ、当該ゲームの魅力をアピールし、「盛り上がり」を演出することは販売戦略としても重要だと考えられる。
  (参照:【インタビュー】プロゲーマー梅原氏に直撃インタビュー(第2回))



というわけで、当然といえば当然のことだが、格闘ゲームはゲーム実況プレイ動画ときわめて親和性が高いということになる。
(同時に、上記の点は、「対戦物」「アーケード物」の特徴としても一般化されうる。)

***
GODSGARDEN online」は注目せざるを得ない試みです。

さらにそれぞれのプレイヤー・実況・解説が全て別の場所にいるという多元ストリーミングに挑戦、オンライン対戦実況の可能性を探ります。

また、試合映像のみと、実況・解説付きの2種類の動画を配信予定。
実況・解説を交えて楽しむもよし。視聴者が自ら実況に挑戦して視聴者を集めるもよし。
より多くの人が、より多彩な楽しめる方法を模索してみたいと思います。


Review House 03 特集・「批評」としてのゲーム実況動画

2009-12-29 17:43:42 | ニコニコ動画・ネットとか
思想地図やねとすたシリアスなどでおなじみの美術家・批評家の黒瀬陽平氏が編集委員を務める、
『Review House 03』を買ってみた。
(多分)美術評論寄りの本なので普段ならおそらく買っていなかっただろうが、
今号の特集第1弾が「ゲーム実況動画」だったので、買わずにはいられなかった。

正確には、 「批評」としてのゲーム実況動画-「反復性」の破壊と「一回性」の発生 である。
座談会形式で、メンバーは黒瀬さん、石岡良治さん、井上明人さん、濱野智史さんの4人。

ゲーム実況プレイ動画関係の批評的な文章を読むのはユリイカの金田論考以来なので、
久しぶりにこの分野に接したことになるが、その議論の進展っぷりには驚いた。

「そもそもゲームとは何か?」というところまで掘り下げ、アカデミックな知見も参照しつつ、
現在的な現象や言説への目配りも漏らさない、ガチな座談会記事。

今、ゲーム実況プレイ動画を巡る議論はここまで到達した。
更なる議論へのとっかかりは座談会記事の至る所に散りばめられている。
ならば、次の語り手はどれほどのものを提示できるのか。

そう言わんばかりの圧倒的な特集だと思う。

***
とりえあず、本記事の中で取り上げられた実況者・動画について、めぼしいものをピックアップ。

・ボルゾイ企画 『【青鬼】絶叫に定評のある友人に無理やり実況させた【実況】
 FPS(洋ゲー)的なリアリティとの対比として、Jホラーの文法にも繋がるJRPGの見せ方(感情移入の仕方)を示すものとして。

・KIRIN 『【訛り実況】 SIREN:New Translation』(←多分)
 
・しんすけ(ゆとり4人組) 『ゆとりの友人に無理やりFF4実況させてみた
 ゲームはチュートリアルであるということ、ドラクエがチュートリアルという観点から見て優れていることを
 浮かび上がらせる動画として。

・幕末志士 『【マリオ64実況】 奴が来る 壱【幕末志士】
 ルール・ブレイキング、「俺ルール」の設定について。

・まっくす 『最終鬼畜ゲームを実況プレイ
 ゲームのチュートリアル性、メタゲーム性を浮かび上がらせるものとして。
 また、ゲームへのアディクションの例として。


***一節だけ抜き出してみる 濱野さんの発言

 なぜニコ動のゲーム実況が批評たりえているのかというと、
 それはまさに反復性と一回性の別様のあり方を提示できているからだと思うんですよ。

 それこそ今日取り上げた、「幕末志士」のマリオ64シリーズというのは、
 「緑キノコ」の挙動に関するルール(法則)を解釈的にズラしながらも、
 「迫り来る緑キノコから逃げる」という奇跡のような神プレイをやってのけるという意味で、
 まさに「反復性」の破壊と「一回性」の発生を同時にやってのけている。
 いいかえれば、「ルール・ブレイキング」しながら「神プレイ」を並行させている。
 だからそれはすばらしいんだと思うんです。



ニコニコ動画:「世界の新着動画」問題について

2009-11-04 20:06:40 | ニコニコ動画・ネットとか
このたびのメジャーバージョンアップの目玉の一つが、「世界の新着動画」。
しかし、この「世界の新着動画」をめぐっては、サービス開始当初から賛否両論、いろいろな議論が行われている。

その中でも、ニコニコ動画関係者や親会社ドワンゴの会長さんも交えてツイッター上で行われた議論が面白い。
「世界の新着動画」に関する議論のまとめ→ニコニコ動画「世界の新着動画」を巡る議論

なお、公式に発表されている対応策はこちら。
本日の変更点 ~要望掲示板ご意見より~
<世界の新着動画 紹介拒否機能>
 新しく投稿された動画を生放送で紹介する『世界の新着動画』ですが、この番組で紹介されたくないという声もある状況を受け、
「紹介拒否機能」の検討を行っています。


***
ポイントだけメモ。

世界の新着動画の目的
 新着動画が知られること。能動的に求めなくても、知ることができる(知られる)。
  →つまらない動画でもコメントをつけて楽しむという、ひろゆきの趣旨をどうするか?

背景
 動画投稿者の不満の積み重ね  
  →荒らし対策問題など

問題点
 世界の新着動画上で書かれたコメントが元動画に反映されること。
  ↓
 文脈の異なるコメントは、元動画にとっては荒らしである。
  (あくまでも重要なのは、文脈が異なるということ。
   真正同期/擬似同期というのは、文脈の差異による衝撃を増加させているだけ)

解決策
 1 コメントの反映をやめる
   →ひろゆきの趣旨を尊重するなら、これはだめ。
 2 コメントの反映を、元動画投稿者の選択にゆだねる
   →とりあえずこれが穏当では?
 3 各世界の新着動画の対象となるカテゴリを限定する
   →文脈の差異は小さくなるが、なくなるわけではない。
むしろ、誤配が生じる可能性が小さくなるので、世界の新着動画の趣旨にそぐわない。

もっとも、ドワンゴ会長の川上氏は、上記解決策に対しては消極的だ。
荒らし問題の程度としては、通常のニコニコ動画における荒らしのほうが問題であり、
リソースの配分として、上記解決策の優先順位は高くないとのこと。

***
と思っていたのだが、「後の祭り感」というフレーズを聞いて思い直した。

世界の新着動画という真正同期の現場で行われたコメントは「祭り」であり、
そのコメントを、元動画=擬似同期の場で見ても、過去の祭りの形跡をみていることにしかならない。
元動画を見ている私=擬似同期の場にいる私は、その「祭り」に参加することは絶対にできないのである。この寂しさ。

つまり、世新コメントのせいで嫌でも真正同期というものを意識してしまうことなり、
普段は忘れている擬似同期で満足できるのか問題が表に出てきてしまう。

大型バージョンアップ:ニコニコ動画(9)

2009-10-30 00:03:03 | ニコニコ動画・ネットとか
10月29日より、ニコニコ動画の大型バージョンアップがなされた。
その名も、ニコニコ動画(9)。

事前の説明通り、ユーザーインターフェイスはかなりいじっている印象。
使いにくくなったという意見も多く見られるが、個人的にはそれなりに好感が持てる改変です。

(1)トップページ
 トップページのカテゴリ欄がすっきりしたのは○。
 「サービス一覧」ボタンも地味に使いやすいのではないかと思う。

(2)カテゴリー再編とカテゴリーグループ
 各動画のカテゴリーの再編については、発表当初から賛否両論があった。
 廃止されたカテゴリーについては、確かに必要性が乏しいように思える。

 ただし、問題は6つのカテゴリの新設と、「カテゴリーグループ」の導入。
 特に、いわゆるニコニコ動画御三家(アイマス・ボーカロイド・東方)の隔離問題。
 これについては、作家の野尻抱介(通称尻P)さんらが、バージョンアップ直後から活発な議論をされていた。
 (野尻さんのツイッター参照→http://twitter.com/nojiri_h)

 >カテゴリタグの問題は早急に対処しないと、ニコ動は自滅に向かうんではなかろうか。
 >創発を喚起するアーキテクチャを、運営は故意に捨てようとしているように見える。

 >ニコ動で最高の創造性と技術を引き出してきた御三家を隔離するとは、
 >クリエイターを軽視しているとしか思えない。

 >ボカロについてはいろんなものを結びつける触媒・界面活性剤・接着剤みたいな働きに注目してきたので、
 >接着剤だけ隔離してどうするよ、というのが反発した一番の理由かな。自分の中では。
 
 
 野尻さんが仰るように、これらはジャンルの越境を促進させるための触媒として多いに機能してきたと言えるでしょう。
 にもかかわらず、これらを一カ所に押し込めてしまうことは、
 ジャンル間の越境機能を著しく低下させることになる。
 雑種の面白さ・強さを持ったものが誕生する機会が減ってしまうのはつまらないでしょう。

 なにやら、運営側も対応を考えるようですが……。
  →複数カテゴリに跨る動画でのタグ登録について
 (改良案を出されている方→ニコニコ動画のカテゴリタグに関する私案(たたき台ともいう))

(3)世界の新着動画
 これはあきらかに問題でしょうという機能。
 ニコニコ動画にあがる動画というのは、本来的にはコメントがつけられてなんぼというものですが、
 さすがにこの規模になってくると、おとなしく・分かる人に向けてだけやりたいという要請も無視できない。
 ここらへんのデリケートな動画に(文脈をしらない)大勢の人間が一挙に押し寄せることになるので、
 動画のアップをやめる/控える人がかなり出てくるのではないかと思う。
 (「公式の荒らし」「公開処刑」だと言う意見もあります。)

 少なくともプレミアム会員については、「世界の新着動画」へのピックアップ拒否の選択権
 及び、仮にピックアップを認めても、コメントの同期は拒否するという選択権を認めて良いのではないか?


(4)各カテゴリ選択後のメイン画面
 まず、画面最上部のメニューバーが画面スクロールに追随してくれるのはうれしい。
 「新着投稿動画」の表示欄が、大きくなったのも便利。

 今回は各動画のサムネイル表示が大きく、重要になったが、特に違和感はない。
 一覧性が増した分、ザックリ見て好みの動画を探すのに適している。

 ただ、「関連タグ」が画面上段から、画面最下部に移動させられたのはどうか。
 関連タグを結構頻繁に使用していたので、これには不満。

(5)マイページ
 マイページのトップページは、まだまだ改善の余地がありそう。
 例えば、右中段に表示される「新着投稿動画」は、トップページで選択したカテゴリではなく、
 この欄に表示するカテゴリを直接選択(固定)できるようにしたほうがいいのではないか。

 マイリストのページは、バージョンアップ当初は「とりあえずマイリスト」表示が左にあったので、
 既存のマイリストが使いにくかった。これは即座に改良されたようで、ありがたい。
 「とりあえずマイリスト」の機能は、もっと使い込まないと評価できないかもしれない。
 いまのところは魅力を感じないが……。

 ウォッチリストやニコレポの公開なんかには興味が持てない。

(6)ランキング画面
 個人的には嫌いではない。
 各ジャンルの人気動画を一覧できるので便利。
 ただし、これもかなり批判が多いようです。


佐藤正久議員:中東・アフリカ訪問記

2009-10-22 23:25:05 | ニコニコ動画・ネットとか
参議院議員の佐藤正久氏といえばヒゲの隊長として有名だが、
実は熱心にブログを更新されることでも一部で有名である。
その佐藤正久議員が現在シリーズ物として書かれているのが、中東・アフリカ訪問記
10日間に渡っての中東・アフリカへの出張の様子を、豊富な写真と解りやすい文章で書かれている。
09中東・アフリカ訪問記(その1)

10月22日更新の09中東・アフリカ訪問記(その4)(治安状況の悪化を体感!)では、
アフガニスタンのタリバンによるロケット攻撃の被害の様子を伝える生々しい写真もある。
一歩間違えれば、佐藤議員等の車列が攻撃に遭っていたかもしれないという緊張感が伝わってくる。
(アフガニスタンにおける兵站(輸送)の厳しい状況などについては、
 三井光夫氏が軍事研究09年5月・6月号でコンパクトにまとめられている。)

この記事の表題が(治安状況の悪化を体感!)となっているように、
タリバンの勢力回復と共に治安は悪化しているのであるから、
アフガニスタンとの関わり方を検討・議論する際には、以前とは状況が異なっているということに留意する必要がある。
(タリバンが「恒久的に勢力を確立した地域」は、前年の54%から大幅に拡大し、アフガニスタン全土の72%となっているらしく、
 また、97%の地域で活動が活発化しているとのこと。
 http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2547322/3599378
 http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2640415/4571405


佐藤正久氏のブログでは、この他にも興味深い海外訪問記が掲載されており、
非常に見応えがある。
中東・アフリカ訪問記(08冬:その1) ~ 中東・アフリカ訪問記(08冬:その13)
グアム訪問記(09新春:その1) ~ グアム訪問記(09新春:その6)

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但し、サイトの構成というか、見やすさには少々難がある。
各記事に日付が入っていないこと、前後の記事への移動がしにくい事、
カテゴリー分けがされていことなど。
特に最後の点は、目次等がないブログ形式にあっては、過去記事の探しにくさに直結してしまう。
技術的な問題もあるかもしれないが、改善されればより一層良いサイトになると思う。

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同じく10月22日付けの他の記事では、
10月21日に開催された自民党の国防部会で使用された内部資料(の一部だろう)が公開されている。
野党となったことでメディアへの露出が大幅に減少する中で、
このような情報公開を進めることの意義は極めて大きいといえるでしょう。